人狼物語 三日月国

70 【第36回TRPG村】百鬼夜行綺譚


【人】 陰陽師 讃岐 氐宿


「何でもよい、と仰られましたね」

今、鬼一の心中にあるは百鬼夜行の事柄であるはずだ。それ以外など眼中にもないだろう。
それでもそう問うということは、占いにさしたる意味はないのだ。
測られている。何を占うよう選ぶのか、どう告げるのか、果たしてそれは正しいのか。

「やつがれの執り行う六壬神課は特に「もの」と「もの」の間柄の吉凶象意を事細かに記す事を得手といたします。失せ物探しなどは特によく用いられるのですよ」

書き込む手は留まらない。天地盤の枠の外にも四課三伝の読み解きを記していく。
既に式占は始まっていた。

「目下、鬼一さまのご心労は何れ来る夜行に掛かっておりましょう。ですがそれを直接お伺いにならなかった、抑々が鬼一さまは大変に信念のお強いお方ですから、自らがそれを遂げると決めている事柄に占いなど些事でしかないのでありましょうね」

1つ目に置く基盤は鬼一そのもの。基本に忠実に占いを求めた男の十二天将は──白虎。

「で、ありますから、やつがれをお知りになられたい。ひいては、陰陽という理の異なるものへのご興味でありましょうか? なれば占うべきものはおのずと絞れてきましょう」

一課、二課は問い掛けてきた者の司る天命の調べ。
三課、四課は問いの中身そのものの司る天命の調べ。
一伝は過去、二伝は現在、三伝は結末。
即席の天地盤から読み解いて、一つ一つ地に記していく。
(22) mile_hitugi 2021/04/24(Sat) 7:39:01