人狼物語 三日月国

14 【完全身内村】不思議の国のアリス


【人】 歩く骸骨 デッド

■ベニエの秘密抜き


お菓子の国の第三王女様。
ここまで聞けば大体、察するものがありはする。

勿論、貴い方々のゴシップなんて、しがない骸骨には遠い話だけど。

「姫君、連日お城を抜け出して大丈夫ですか?」

別にそんな事気にしていないだろうと知った上で、敢えて笑い混じりに聞く。
怒らせたいと思っている訳では無いけれど、このお姫様はあまりからかわれた事がないだろうかと思うと、つい神経を逆撫でしてみたくなってしまう。

割と思い通りに機嫌を損ねるものだから、面白いのだ。

まあ、姫君はまだ15歳だと聞く。
怪しい骸骨に絡まれる経験なんて、無くて当然とも言えるが。

「折角のお忍びです、散策はいかがですか?
姫君は確かにこの国の存在だが、すべてを見た訳ではないでしょう」

この国は広い。広がり続けている。
“異国”でここ関する物語が生まれる度、吸収して大きくなっていく。そんな空間を全部しらみつぶしに見て回るなんてとても無理だ。

それこそ不老不死の骸骨とかでなければ(でさえも!)到底無理だろう。

「歩きながら話を聞かせてください。
それと…姫君の“ひとつだけ叶えたい”願いも、ね」

レディ扱いされてみたいお年頃は過ぎていると思うけれど。
私は恭しく片腕を差し出して、エスコートの意を示して見せた。*
(22) rein-joir 2019/09/14(Sat) 8:56:30