人狼物語 三日月国

75 【身内】星仰ぎのギムナジウム【R18G】


【人】 小さな心臓の サルガス

>>4:22 朝の食堂 シェルタン
「シェルタン……お、おは、おはよう!」

 食器も下げ、手持ち無沙汰になってしまった頃だろうか。声に振り向き、柔らかい足音が向かう。
 見えても、触れても、それでも取り払われなかった見えない暗幕が取り払われているかのよう。
 子犬のように駆け出しかけて、足が一度止まって、勇気を出すようにもう一度歩き出した。

「……なんだろう、なにか……どう、お話ししていいか、わからないね。
 ぼくは、だめだなあ……なんともないようにしなきゃって、おもってたのに。
 ああでも、おかえり。おかえり、シェルタン、きみが……ここにいてくれて……」

 『治療』されたもの、されていないもの。分け隔てなくあるようにしたいと思っていながらに。
 それでも確かに受け入れられたものとして立ち振る舞う貴方の姿を見て、少年の鼻はつんと童謡のトナカイのように真っ赤になった。

「ぼく、どうしたらいいだろう? どうやって、立ち向かっていけばいいだろう?」
(24) 2021/05/31(Mon) 12:15:10