人狼物語 三日月国

45 【R18】雲を泳ぐラッコ


【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[見えないものを本から感じ取るのは、私にはできやしなくて。
 せめてもの訓練に、便箋のすみっこに、ゆるいイラストを描いて遊んだ。

 例えば、野ばらから尻を突き出したミツバチ。
ちょうど、国境のところには、
誰かが植えたということもなく、
一株の野ばらがしげっていました。
その花には、朝早くからみつばちが
飛んできて集まっていました。
──「野ばら」



 たとえば、目を細めて針の穴をみつめるおばあさん。
おばあさんは、もういい年でありましたから、
目がかすんで、針のめどによく意図が通らないので、
ランプの灯に、いくたびも、すかしてながめたり、
また、しわのよった指先で、
細い糸をよったりしていました。
──「月夜と眼鏡」


 目の玉を一つ貸し出すことはできなくても、読書音痴な私に見えているものを、少しでも伝えたかった。
 ついでに、自分では気づかない読み間違えを指摘してもらえるメリットもあった。

 香具師にお線香を持たせてみたら、全然お香は持っていないらしい。
 そしてこうぐしじゃなくてやしだった、日本語難しい。
「月とあざらし」を書いた時は、あざらしのつもりでラッコを描いていたことに、指摘されるまで気づかなかった。ほんと、なんで間違えたんだろう。]
(28) kumiwacake 2020/09/30(Wed) 6:19:15