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【恋】 貴戸 高志ぎこちなく行われる愛撫に体がはしたなく乱れ、藤色が踊る。求められていることの証左に肉体は分かりやすく反応したが、それ以上に心が激しく悶えて震え続けた。 愛しくて仕方がない。 一つになるほどに強く抱きしめて、二度と離別しないよう溶けてしまいたい。 「……は、ぁ…………っ、そこ、は……」 首筋に落とされた口づけに背が緩くしなった。少年院の頃に鮮やかに咲いていた痕はすっかりなくなってしまったが、教え込まれた痛みと快楽はきちんと体と記憶に焼き付いている。 可愛らしいおねだりに一つ笑みをこぼしてから貴方の手を自身の昂りから引き剥がした。 もう我慢できない。 余裕があるように見えて、解すことを忘れる程度には冷静さも思考もぐずぐずになってしまっている。 「暁」 ▽ (?28) もちぱい 2021/11/22(Mon) 2:19:12 |
【恋】 貴戸 高志「俺も、愛している」 紫の瞳から一片たりとも視線を逸らさず、誓うように囁いて――熱を、ゆっくり貴方の内側に埋め込んだ。 (?29) もちぱい 2021/11/22(Mon) 2:19:46 |
【恋】 貴戸 高志貴方の苦しげな反応でようやく準備不足であったことに気付く。 「……ぁ、あかつき、すまな、い……」 謝罪の言葉を口にした。口にしただけだった。 狭い内壁がきゅうきゅうと締め上げてくる。 痛すぎる程の刺激に思わず呻くも、貴方が欲しくて仕方がない。 もう我慢できない。 ずっと、ずっと欲しかった。 穏やかな日常を貴方と過ごせるだけでも嬉しかったけれど、身も心も蕩けるような快楽越しに愛を確かめ合う行為も好きだった。 だって、今この時だけは、貴方は何もかもを忘れて自分だけを見てくれると確信できるから。 限りなく不自由に近い自由の檻でもないし、 限りなく自由に近い不自由の箱庭でもない。 貴方が齎してくれた本当の自由な世界で二人きり。 昔の己では考えたこともないようなとびきり甘い幸せに、泣いてしまいそうだった。 ▽ (?31) もちぱい 2021/11/22(Mon) 4:43:31 |
【恋】 貴戸 高志「あか、つき……、暁っ」 肩口にキスをされれば、苦しげに笑いながら体を更に密着させた。互いの体がぶつかって、クリップが揺れ動いたかもしれない。 「すまない、もう……止められそうにない……から……ッ」 柔らかな髪をかき分けて、耳朶に唇を寄せて吐息を吹き込む。 「噛んで。好きなだけ痕をつけて。 俺もそれが……欲しくてたまらないよ、暁」 言うや否や、埋め込んだ昂りを一度引き抜いて、最初よりも勢いをつけて恋人の中を穿った。 抜いて、また挿れて。ゆっくりと、けれど確実に貴方を追い詰め始めていく。 (?32) もちぱい 2021/11/22(Mon) 4:44:18 |
【恋】 貴戸 高志貴方の唇からこぼれ落ちる嬌声が更に情欲の炎を燃え上がらせていく。 貴方を気遣う為の理性だって端から焦げて燃え尽きてしまえば、一つに重なるのに邪魔な玩具を外す仕草さえも荒々しさが滲んでしまった。 尖りを苛むクリップを無理矢理引っ張って取り上げ、生じた隙間を埋めるように体を重ねたものだから、直前まで虐められていた少年の乳頭はのしかかってきた体に少なからず擦れてしまったかもしれない。 「い゛ッ、く、ぅあ……っ、は…………ッ!」 首元に走る鋭い痛み。 貴方と繋がるだけで胸を締め上げるような幸福感と頭が焼き切れるような刺激が襲ってくるのに、自分にとってはすっかり快楽の一つとなってしまった痛みが与えられれば声を上げるしかなかった。 その整った顔に苦悶の色が乗ったは最初だけで、すぐにとろりと熱に浮かされたような惚けた表情へと変わっていく。 ▽ (?35) もちぱい 2021/11/22(Mon) 16:52:10 |
【恋】 貴戸 高志貴方を貪りながら貴方に捕食される。 互いが互いを求める行為にどこまでも溺れていく。 「っぁ、いい、そこ……っ、あか、つき……あかつき……ッ!」 生き物としての弱点である首を貴方に差し出して、与えられるものを心から嬉しそうに受け取った。麻薬にも似た苦楽に体が悦び打ち震える。 「すき、すきだ…………暁……っ 愛してる、愛しているから…………ッ!」 ぱちゅんと肉がぶつかる音も、にちゃりとはしたなく零れる水音も、随分遠くに聴こえる。 できるだけ奥を、貴方の"いいところ"を目掛けて腰を引き、抉るようにまた押し進めて。何度も何度も恋人の内側に自分を刻み込んでいく。 視界がちかちかと明滅してきた。腹の奥底から熱いものが込み上げる。 限界が近いと本能的に理解すれば、縋るように貴方を更に強くかき抱いた。 ▽ (?36) もちぱい 2021/11/22(Mon) 16:52:29 |
貴戸 高志は、愛する者が出来た。昔の自分には無かったものだ。 (a18) もちぱい 2021/11/22(Mon) 16:53:52 |
貴戸 高志は、喪失の恐れを知った。昔の自分には無かったものだ。 (a19) もちぱい 2021/11/22(Mon) 16:54:23 |
貴戸 高志は、自分の意思で歩き、傍にいるための努力を怠ることはない。欲しいものは自分で掴み守るのだと決めている。 (a20) もちぱい 2021/11/22(Mon) 16:57:55 |
貴戸 高志は、けれど、不安が微塵もない訳ではない。特に、理性も知性も溶けている時であるならば。 (a21) もちぱい 2021/11/22(Mon) 16:58:16 |
【恋】 貴戸 高志貴方の刃が埋め込まれれば、一際高く鳴いて体を震わせた。 人の体は本来なら痛みを受け入れるように作られていない。肉体が苦痛や快楽から逃げようと無意識に離れようとしたのを、少年の心が押さえ込み、噛み付く貴方へ全てを差し出す。この身は恋人のものだ。逃げるなどと例え己の体でも許せない。 「はっ、はぁ…………、…………は……」 顔を上げないまま貴方を抱きしめ続け、呼吸を整える。 一滴残らず吐き出して、それを奥に擦り付けるように僅かに腰を揺らしたのはきっと無意識に行われたものだろう。伏せたままの少年は惚けたままだった。 スキンを被せず性行為に及んだことも、貴方に優しく尽くすことも、何もかも忘れてゆるやかな甘い海に浸っている。 「あかつき…………」 ちょうどその頃だろうか。 果てた直後特有の呆然とした状態の脳に、意識が戻ってきた貴方の言葉が染み込むように伝えられたのは。 ▽ (?40) もちぱい 2021/11/23(Tue) 17:14:58 |
【恋】 貴戸 高志「…………だめ、だな」 普段堅苦しい声を紡ぐ少年の声に自虐的な色が滲んでいる。それを隠すかのように、すぐに小さく笑い声が転がった。 「……お前には弱いところを見せてばかりだ。こんな筈じゃなかったのにな」 人は守るものがあると強くなれるという。 でも、自分はどうだろう。弱くなってしまったように見えて仕方がない。 好きという気持ちはたいへんに難しい。 お前は、こんな複雑なものを抱えながら共に過ごしていたのだろうか。 「暁は凄いな。眩しいよ」 藤色の髪が張り付いた肌を貴方に擦り寄せる。 強い意思も生真面目さも、恋人を過剰なまでに優しくしようとする気持ちも。 何もかもが久しぶりの情交で溶けてしまった今、ようやく少年は剥き出しの感情を貴方に晒して寄りかかった。どこにでもあるような、ささやかな寂しさと甘えが心の底に沈んでいた。 (?41) もちぱい 2021/11/23(Tue) 17:15:17 |
貴戸 高志は、大人しく頭を撫でられて素直に笑った。 (a26) もちぱい 2021/11/23(Tue) 17:15:40 |
貴戸 高志は、同じものを返せているか、貴方を幸せに出来ているか、本当は少しだけ自信がないけれど。 (a27) もちぱい 2021/11/23(Tue) 17:16:09 |
貴戸 高志は、闇谷 暁が好きだ。 (a28) もちぱい 2021/11/23(Tue) 17:16:23 |
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