人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。
(a1) 2022/12/14(Wed) 0:32:21




  なぜあなたがいて
  だれもすくえないのですか?

  すくうきもちは ほんとうにありましたか?


 [ 死神は叫びました。
   穏やかで、平穏な箱庭。

   教皇の存在は、死神にとって
   

   意味のない、自分とは違って



   まるで箱庭そのもののようだと、感じていました。
   
   慈愛の聖者。
   死神は、信じていました。

   あなたを ]

 

あの子
『運命の輪』
が、幸運と不運を繰り返す存在なら、

 
『正義』
は、幸福と不幸を裏表にさせる存在だった。

 それら
幸不幸
二つは常に釣り合っていなければならない。

 誰かの
幸福
不幸
と、別の誰かの
幸福
不幸
もまた、
 釣り合わなければならない。

 均衡が崩れることが、どうしても赦せなかった。

 22人でバランスよく保たれていたはずの均衡が、
 一人を欠いて崩れ始めた時、

 
『正義』
『正義』
公平の定義
った。]

[例えば球体を作ろうとした時。

 粘土や張子で作るなら、
 足りない部分を補えば良い。

 けれど、例えば木片から削り出した球が、
 凹んで欠けて、歪になってしまったら?

 足すもの
代用品
も存在しなかったなら?


 反対側を、削るしかない。

 そうして反対側を削ったならば、
 歪になった球体が、
 余計に歪さを増すだけだとしても。



 そうして、かつて、『正義』は────、]

[もしも、『正義』が『運命の輪』のように、
 変化を受け入れることができたなら、

 もしかしたら、『正義』は────、


 なんて、
 そんなたらればは、何の意味もない。

 その不寛容さこそが、
 『正義』に与えられた性質のひとつだったのだから。

 『正義』はかつて、
 均衡が崩されることを、ひどく嫌悪し……


               
れていた。]

 
[ 箱庭に居た『教皇』デセスパール
 
自らを失う瞬間まで

 自分自身を、神を恨んでいたことを。
 
 
理性を失ってからは

 ただ破滅のみを願ったことを。

 憎んでいたはずの神と

 同じ願いを持ってしまったことを。]

 


[ それは深い闇だった。

 とうに温度を失った抜け殻を抱きながら、
 ずっとずっと考えていた。

 考えて、考えて、考えて――

 そうして思った。

 死とは唯一の不変。永久の安寧。魂の救済なのだと。
 あの子にとって救いはもうそこにしかなかったのだ。
 
そう結論付けてなお、受け入れることなどできなかった
]
 


[ 世界はとっくに壊れているのに、
あの子はもういないのに

 どうしてそれでも回るのか。

 失われた命を、あの子を、僕を置き去りにしておいて。
 どうしてどうしてどうして。
 くだらない混乱はいつまで経っても終わる気配もなく
 取り返しの付かない死はやがて過去になり風化する
 誤りも罪も罰も忘れられてしまえばただ死んだだけだ
 そうやってただあの子の存在が消えていくこんな世界で
 のうのうと生きて息をする有象無象の全てが憎くて、
 疎ましくて羨ましくて妬ましくて妬ましくて妬ましくて――


 ふっと気付いた。

 どうせ混乱は果てまでも転がり続けるだろう。
 どうせ壊れる世界なら、僕が壊したって変わらない。 ]
 


[ わかってほしかった。
 この闇を。痛みを。絶望を。

 …… もしかしたら、

 彼女なら、彼女だけは、理解してくれるかもしれない。

 
の眼をした怪物はそう思った。
 何故って、彼女もまた、自分だけの光を持っていたから。

 けれど――少なくとも、
 彼女はその手で、怪物と成り果てたそれに幕を引いた。

 当然だったのかもしれない。
 だって彼女の「光」は、まだそこに生きていたのだから。 ]
 



 
『僕は僕の、君は君のなすべきことをした。それだけだよ』


 


[ それはかつて友であったきみへの、最期の贈り物。
 たとえ落ちる砂をひととき止めただけだとしても、
 きみの決断は正しいのだと保証する肯定。

 …… でも、僕の言葉なんかでは
    きみの心を軽くすることはできなかったらしい。

 まあそれは、当然といえば至極当然のことなんだけどさ *]
 

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

―― 邂逅/『審判』――

[チェレスタと出逢ったのは、5年前のことだ。

 洋館の人たちとは話しかけられた時以外は、
 こちらから話しかけることもなく。
 いつものように『塔』の居る中庭に向かおうと、
 ぱたぱたと足を鳴らしていたところだった。

 目の端に立ち止まったままの女性が居て、
 自然と意識がそちらに向いた。

 初めて私を見た時のチェレスタは、
 驚いたような、泣いてしまいそうな、
 ともすれば、笑いだしてしまいそうな、
 とても複雑な表情をしていた。>>27

 今の今まででも、そんな表情をした人を見たのは、
 彼女だけだったように思う。]
(211) 2022/12/14(Wed) 22:20:59

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[不思議と、嫌な感じはしなかった。

 自身も足を止めて、方向を変え、
 彼女の元に向かった。興味からだった。
 今思えば、その時から既に
 惹かれるものがあったのかもしれない。

 伸ばされた手は自然と手に取った。

 これは『塔』との出会いがあった影響もある。
 伸ばされた手は取ってもいいのだと、
 刷り込まれたみたいに、自然と握り返した。

 歩き出す彼女に、また問いかけた。]



  
『どこにいくの?』



[その声に目を見開くようにして驚いた彼女は、
 その時、何を思い、何を見つめていたのだろう。]

 
(212) 2022/12/14(Wed) 22:21:52

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[チェレスタと名乗る彼女はかつての『審判』だったという。
 箱庭昔話でも『太陽』と隣合わせてよく語られる。
 
 証持ちなのにどうして洋館に住んでいないのだろう?
 それも気になったけれど、]



  
『……おうた、うたうの?』



[興味を惹かれたのはそちらの方だった。
 尋ねれば彼女は微笑み、花畑へと連れて行ってくれた。]

 
(213) 2022/12/14(Wed) 22:22:50

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク


[花畑に広がる彼女の歌声は、遠くまで澄み渡り。

 花の蜜を吸いに訪れた蝶が、
 まるで彼女の歌に誘われるかのように辺りを舞った。

 花は風に揺れているのか、音に揺れているのか。
 楽しげに肩を揺らしているように見えた。

 義父母が、町の子供が、童謡を歌うのとは違う。

 魂に直接触れてくるような歌声は、
 包み込んでくれるような温もりと、
 感じたことのない、母の胸の中を想わせた。]

 
(214) 2022/12/14(Wed) 22:23:26

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[歌い終えた彼女は、しばらく沈黙した。
 私もまた、拍手や賛辞などを送る術を知らなかった。

 彼女を見上げれば泣きそうな顔をしていたから、
 何かを言おうとして、言葉に詰まる。

 沈黙の後に、響いた音。>>29

 その音に弾かれるように顔を上げた。

 ――――味方。
 そんなこと言ってくれる人は誰も居なかった。]



  
『……ほんとう?

  じゃあ、じゃあ。
  チェレスタといっしょにいれば、
  わたしもチェレスタのようになれる?

  きれいなうたを、うたえるようになれる?』



[誰かの心を、震わせられるような歌を。]
(215) 2022/12/14(Wed) 22:24:24

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク




 
[表情の乏しい少女が、
 初めて高揚したような瞳を彼女に向けた。]




 
(216) 2022/12/14(Wed) 22:24:55

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[それからは、彼女が洋館に訪れる日が待ち遠しかった。

 今まで他の証持ちには
 自発的に話しかけることのなかった少女が、
 年下には比較的人当たりの良さそうな
 タナトスやマドカ、フォルスなどの袖を引いて、

 
『チェレスタは今日はここにくる?』


 と、尋ねることもあっただろう。

 洋館の扉が開く音に、誰よりも早く
 反応を示すようになったのはそれからのことだ。

 静かな場所に立ち竦んでいたままの少女は、
 彼女と出会ったことで少しずつ変わっていった。]

 
(217) 2022/12/14(Wed) 22:25:51

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[南東の地域のほんの一部しか知らなかった彼女の世界は、
 チェレスタから耳にする世界を聞いて広がった。

 南東よりももっと華やかな地域があること、
 のどかな農村のような地域があること、
 移動しながら暮らしを続ける人たちが居ること、
 寒さが厳しい場所に身を置く人々。

 住まう場所も変われば着るものも食べるものも違う。
 聞く度に新しい話を教えてくれるチェレスタは、
 なんでも知っているかのように思えて、
 チェレスタが話す世界は、いつもキラキラしていた。]


  
『チェレスタ、眠いの?
  じゃあ、今日はヒナギクの部屋で一緒に泊まろう!』



[夕暮れにきらめく彼女の横顔が名残惜しくて、
 そう引き止める日も、少しずつ増えていった。]

 
(218) 2022/12/14(Wed) 22:27:51

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[だから、彼女に習って自身も歌うようになり。

 少しずつ明るさを取り戻した私に、
 政府から広告塔の仕事の話が出た時は、
 私もキラキラした世界をこの目で見れるのだと喜んだ。

 その時、彼女は珍しく笑わずに真剣な表情をしていた。

 一度だけ、彼女の口から聞いたことがある。
 証持ちは『特別』だけれど、迫害の対象でもあること。
 
 ――――知っていた。
 私も両親に疎まれてきたから。それだけは。

 心配そうに目を伏せるチェレスタの手を>>31
 私が両の手で引き寄せ、包み込む。]

 
(219) 2022/12/14(Wed) 22:28:27

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

  
  
  そういう人たちが居ることも知ってる。
  でも、私が人前に出ることで
  『証持ち』の印象が変わるなら意味はある。

  まだ見つかってない『証持ち』の子にも、
  私の声が届くこともあるかもしれない。

  それに、チェレスタみたいに、
  私の、自分自身の目で、世界を見てみたいの!

  ……
『大丈夫』

  私にはチェレスタが教えてくれた歌があるもの!


 
(220) 2022/12/14(Wed) 22:30:31

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[少し冷えていた彼女の手を温めるように
 きゅっと握り込んで、彼女の口癖を借りた。
 

 私は知っている。 


 世界は、酷いばかりじゃない。
 美しいものだって、数え切れないほどにあるのだから。*]

 
(221) 2022/12/14(Wed) 22:31:06
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。
(a33) 2022/12/14(Wed) 22:38:52

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

―― 誕生日 ――
 
[洋館に来るまで教養というものを知らなかった。
 実の両親はもちろん、
 証持ちの子供に学を与えることなど考えもしなかった。

 老夫婦に引き取られた後も、
 私塾にいけるような環境下ではなく。
 人とあまり話さないせいか、言葉もたどだどしかった。

 文字や計算を知り、流暢に喋れるようになったのは、
 洋館に訪れてから先人の証持ちたちに教わったからだ。

 誕生日を祝うことも、証持ちの誰かに教わった。]

 
(241) 2022/12/14(Wed) 23:34:50

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[ヒナギクは広告塔の仕事をしているが
 給金というものはもらったことがない。

 街や仕事へ出てものが欲しい時は、
 メイドの人や、付添の人に払ってもらい、
 その場で現物支給という形を取っている。

 だから、アリスの誕生日には、
 私設合唱団(withオルガン)の歌声を聴きながら、
 アリスの手を取り、ダンスを踊った。

 エスコートするように手を引いて、
 彼女の歩幅に合わせてタップして、
 小さな彼女の身体を抱え上げ、くるくると回った。

 ダンスをしながら自分も歌を歌った。

 小さな彼女が笑ってくれることを
 心の底から喜び、微笑み、声を上げて笑った。]
 
(242) 2022/12/14(Wed) 23:35:28

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[合唱団の輪に入ることを躊躇う人が居れば、
 手を取って招き寄せただろう。
 例えば少し距離を置いているエーリクを>>106
 ユグが声を掛けた誰かも増えていたかもしれない。>>195

 最後にもう一度と、ゼロにも声を掛けてみたけれど、
 歌声の代わりに渡されたのは喉飴だった。>>168

 喉飴はしっかりちゃっかり頂いておいて、
 気のせいかすっきりした喉で。
 
『んも〜〜〜〜〜!!』
と牛のように呻いて
 クリスタベルと共に去るゼロの後ろ姿を見送ったのだった。]
 
(243) 2022/12/14(Wed) 23:36:31

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

―― そして、翌朝 ――


[前日の騒ぎで夜更かししたせいで、
 寝ぼけ眼で廊下に出てみれば、妙に騒がしかった。

 メイドさんに聞けば『世界』が帰ってきたらしい。
 箱庭の22人が揃うのは初めてのことだという。

 喜ばしいことのはずなのに、妙な胸騒ぎを覚えた。

 そうして、支度を整えホールに向かえば、
 知らない男性が、まるで我が城であるかのように
 笑みを湛え、中央に鎮座していた。





 22人もいるホールに、一滴の水が落ちる。>>5
(244) 2022/12/14(Wed) 23:37:00

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク





[ その音だけでぞわりと肌が粟立った。 ]




 
(245) 2022/12/14(Wed) 23:37:27

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[息を呑み、思わず口元を抑え、
 距離を取るように後退った。

 満面の笑みを浮かべて、
 愛子のように語りかけられるのに、
 どうしてか恐ろしいもののように見えた。

 幸せな世界を作る?
 世界を壊す?

 何を言っているの?

 そう口に出したくても出せない。

 だって、
 
この人なら本当に出来てしまうだろうから。
(246) 2022/12/14(Wed) 23:38:06

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[選ぶ時間をくれただけでも、譲歩なのかもしれない。
 去っていく後ろ姿をただただ眺めていれば、

 とん、と膝下にぶつかる何かに気づいた。
 怯えたアリスの身体が震えていた。>>@0

 そっと彼女の肩を抱き、引き寄せる。]


  ……びっくりしたね、アリス。
  

[そうして、何とはなしに彼女の姿を探した。]


  
  ……チェレスタ、どうしよう。
  アリスが……、


[こんな時にいつも頼ってしまうのは、
 やっぱり彼女の他には居なくて。**]
(247) 2022/12/14(Wed) 23:38:36
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。
(a39) 2022/12/14(Wed) 23:52:31


『どうして僕たちはひとつになれないのでしょう』