あ、あれえ？
ごめん、ごめんなさい。
なんかあたし占い師になってるよ……？

ぜったいぜったい、まちがえなく狂人選んだ筈なのにー……。

どっかで変なところ押しちゃったかな……

うううーん。
とりあえず寝る！ね！！
（きっとみんな寝てるよね……！）

あた、あたし……？
あたし、やっちまった……？？？[がくぶる]

あは、あはは……そっかぁ……。
どんまい☆ [肩ぽむ]

うん、このまま進めれば良いよね赤窓無いのって見づらくなるだけだもん。

えっとー、日曜の夜にダイス勝負で良いのかな。
あたしはだいじょぶだよ。

>>7 ぽきゃ
あっぽきゃって言った！ぽきゃって言った！！！
あんた、ぽきゃなのね！？

みんな、感謝しかしてないよー。
気にしちゃダメよっ！
次こそノーミス！

[もふもふぎゅうぎゅう]

…………ごきげんよう。

────────!?!?
!?!?!?!?

[捏ねられてるものと捏ねているものを見て、ひたすら固まっている]

えっと……まだあたし、寝ぼけてるのかしら。
うん、きっと寝ぼけてる。

誰も居ないこの隙に投下しちゃうんだから！

「あんたの世界って、どういうところなの？」

初めて出会ったその異国の娘は、不思議なドレスを纏っていた。

あたしの持つドレスとは全く違うシルエット。
袖が長く、艶やかに光る太い帯が胸の下に巻かれていて。

「その────そっちには、殿方が、ふつうに沢山、居るの？」

話口調はちょっと独特だけど、その娘は屈託なく色々話してくれた。
だから、あたしも色々な事を聞いてみたのよ。

「あたしの国は、ね」

　　あたしの国は、圧倒的に女性が多い。
　　民族として、女性が生まれやすい風にできているって聞いた。

　　そんな国だから、自由恋愛なんて存在しない。

　　王族は勿論、下々の者ですら、
　　"いかに良い子──良い男子──を成せるか"が婚姻の条件。

　　一夫多妻もあたりまえ。

そんな世界よあたしの国は、と訥々と告げて、桃色の髪の娘をゆるりと見やる。

「退屈な国でしょ？だから、あんたの話が聞きたいの」

　　────ねえ、聞かせてよ。

　　あたしの知らない、世界の事。
　　あたしの知らない、あんたの事。

　　そして、あんたの、願い事。*

「────ね。長く生きてるって、どんな気持ち？」

青白くて細長い、今一つ生気のない男をちらりと見やる。

あんまし視線を上にすると、忌々しいあたしのリボンが目に入るから、なるべく視線は持ち上げない。

　　あたしには、わかんない。

　　この男が何歳の時に骨になって、
　　今、何歳なのかも知らないけれど。

　　骨になるまで生きて、
　　骨になってもなお生きているという気持ち。

　　己の"未来"の実感がない私には
　　────さっぱり、わかんない。

「そんなに生きてて、なお、欲しいものなんてあるの？」

　　それが手に入ったら、この人はどうなるのかしら。

　　残りの生が楽しくなる？

　　それとも、死ぬのが怖くなくなる？

いずれにせよ、この男がそんな風なぎらぎらした欲を抱いているというのは、少しばかり、違和感なの。

「ねえ。諦めちゃいなさいな」

「ぜんぶ諦めて、あたしに食べられちゃいなさい？」

この右手で触れてあんたをお菓子にしてあげる。

粉糖たっぷりのダックワーズはどうかしら。
細くてながーい真っ白なブッシュドノエルもお似合いかもね？

それが嫌なら、教えなさいよ。

「────あんたは何が、望みなの？」*

仮面さんもごきげんよう。

[捏ね捏ねられの彼らからはそっと目線を外しつつ]

ふふ、「失敗は取り返して」のとこ、「失敗は繰り返して」って聞こえちゃったわ。
ありえるありえるー？？

朝のお菓子食べてくるわ。**

ただいま。

今日はねえ、エクレアと、バナナマロンパイと、ベリーのマフィンと、チョコムースを食べたのよ。

ふふ、おいしかったぁ……。

この後は、ゆるゆーる見ててよ。

ぁふ…………。
あたしったら、午睡を貪ってしまったわ。

あら、おいしそうなファッジ。
もちろんバター多めよね？

これだけじゃあ甘いから、バノフィーパイとヴィクトリアケーキも一緒にどうぞ？

────全部甘いって？
そりゃそうだわ、お菓子ですもの。

異国娘はどこかで迷子になっていないと良いけれど。

幸薄男、あんたどっか変なところに案内していやしないでしょうね？

>>29 幸薄男
あらそう、それは良かったわ。
あんたも良くわかってるじゃない。

…………ん────っ、おいしい♡

[紅茶もごくごく。もちろんミルクたっぷりのね]

>>32 幸薄男
だって、あたしの国ではこれが当たり前だわ？

お菓子を食べないと、具合が悪くなってしまうんですもの。
あたしにたちにとっては、お菓子が野菜であり肉でもあるの。

このファッジはどこの店のものなの？
あたしが右手を使ったものより、城の職人のよりおいしいわ？

>>34 幸薄男

（あら。また笑ったわ）

ふうん。
あとでその店へ、城のものに遣いを出させるわ。

あたしの国のお菓子が余所の店に負けるなんて、くやしいですもの。研究して、もっとおいしいものを作らなきゃ。

骨男の主食は、やっぱり骨なのかしら。
だってあたしは"体全部が砂糖で出来ているのではないか"なのでしょう？それでいけば、あなたの主食は骨だわ？

　　（…………なんで、かしら？）

　　（なんであたしは、この男が笑うと）
　　（ちょっと嬉しくなるのかしら？）

　　（すぐあたしを怒らせようとする、いけすかない人なのに）

>>37 幸薄男

ええ、そうなの……？それは困ったわ。
じゃあ、とくべつにとくべつなファッジだったのね。

御馳走してくれてありがとう。
もっと大事に食べれば良かったわ。

[目の前でひらひらと手を振られ]

なっなんでもないわ！なんでもないの！

あ、あたし、あたし、お夕飯について考えなければならないのだったわ。
そう。砂糖不足なのよ。

たいへんなの。
たいへん。

ごめんくださいませ、よ。

ただいまごきげんよう。

お夕飯はね、ミルフィーユにカヌレ、フォンダンショコラとタルト・タタン！

クレープシュゼットはグレープフルーツでいただいたのよ。
ヘルシーでしょう？

異国娘は体調が宜しくないのかしら……。
どうぞお大事になさって？

え…………っ。
舐めない。舐めないわ。

（殿方のお顔ってぬめぬめしているものなのなの……？）
（それは、この人が骨だからなの？）
（それとも全員…………？）

（殿方は、ぬめぬめ…………？？）

殿方は、ぬめぬめ…………。

[…は新たな認識を得たらしい]

あたしの望みは、




　＊　＊　＊


あたしを取り上げた産婆と母様付きの筆頭侍女は、あたしの手指が正しく５本あるか確認したその瞬間、金平糖と金貨になって床に散らばった。

その力はこの国の初代女王と同じものなんですって。

奇跡の力が復活したと、この娘が居ればこの国は安泰だと、父様母様はたいそう喜んでいらっしゃった。

その後は、ずっと、ずうっと。
罪人、害虫、害獣、いろんなものを金貨にしてきたし、お菓子にもした。

時には、罪人でない人もいたかもしれない。
きっと、いたんでしょうね。

でもね、あたしは、そんな力、要らないの。欲しくないの。

父様母様と手を繋いでお出かけしてみたかった。

王宮に迷い込んだ猫に、この手で触れてみたかった。
幼い時にどうしても触れてみたくて指先でつついた猫は、小さな金貨になってしまったわ。

友達と手を繋いで一緒に笑って、一緒に走って────そして、いつか。

いつか、ね。

素敵な殿方に手を取られ、ダンスをしてみたいの。

この手袋、ね。
あたしの国にある虹沼だけに棲む、白銀蛙の皮でできてるの。

見た目は絹と変わらないけど、熱も光も空気も、なんにも通さないこの手袋。
舞踏会に貴婦人がつけていくものとは、全然ちがう。

この手袋越しに触れても、ぬくもりはわかんない。
分厚い布を10も20も重ねたみたいに、感触だって伝わらない。

そんなの、もう、嫌なの。

だから、あたしのこの力、消して頂戴。

国のものに知れたなら、ぜったいぜったい、許してなんてもらえないだろうけど。

だから秘密よ。
ぜったい、秘密。*

……あたしの願いが、こうだもの。

みんな、それぞれ切なる願いを持っているとは、思ってたわ。

あたしはあたしの願いを叶えたい。
でも、異国娘とぬめぬめさんの願いも、きっとすごく大事だわ。

…………こういうことで戦うのって、あたし、したことない。
こわいわ。
[ぽつりと呟いた]

────うん。

譲れないわ。譲りたくはないわ。

あたしには、異国む……ぇ、と……カグラ、みたいにたくさん強くはなれないかもしれないけど。

でも、戦うしかないなら、戦うわ。

"大丈夫ですか？"

そんな問いかけをする者は、もはや、あたしの城には存在しない。

「あんたみたいに、図々しくあたしに物申せる人なんて、城にいやしないわ」

今日も余裕綽々って風に、笑み混じりにそんな事を言う、この男。
なんでこんなに苛つくのか、その理由はなんとなく解りはじめてた。

　　────居ないからだわ。
　　国には、誰も。

　　こんな風に、ごく普通に話しかけてくる人が。

　　こんな風に、ごく自然に笑いかけてくる人が。

国の中では、どこでだって、いつだって、あたしは尊敬と畏怖の対象だもの。

ワンダーランドは、とっても広大。あたしの国は、その一部でしかない。この幸薄男の言うウミガメの歌が聞ける海なんてところも、行った事はない。

「ふうん。────国の外には、色々と面白いのがあるのね」

だから、"散策はいかが？"の誘いに乗ってやった。

「エスコートは不要よ。気持ちだけ頂くわ」