XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。 ![]() (a91) 2022/12/19(Mon) 23:03:55 |
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。 ![]() (a92) 2022/12/19(Mon) 23:06:37 |
![]() | 【人】 XIX『太陽』 ヒナギク―― *** ―― [それから急いで食堂に行って、アリスの部屋に戻って。 彼女が起きていたら、 また寝かしつけるように彼女の背を撫でて。 彼女の隣に寝転がって、 一緒に眠ったりもしたかもしれない。 彼女の考えを聞いたりもしただろう。 結局、アリスはその時答えを出せなかったかもしれない。 それでもいいと思った。 彼女が納得のいく答えを出してほしかったから。 でも、もし叶うなら。 小さな彼女にも一緒に世界を見て欲しいと願った。 それは、口には出さないまま心だけに秘めて。 彼女が再び眠りに就くまでとりとめのない話をした。] (462) 2022/12/19(Mon) 23:45:07 |
![]() | 【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[アリスが眠った後。 プロセラの姿を探しに医務室に戻っただろう。 彼が、医務室に居なければ中庭を。 其処にも居なければ、部屋を、洋館を。 チェレスタはどうしているだろう。 考えは纏まっただろうか。 一方的に信頼は置いているけれど、 彼女がもし迷っているのならば。 端末を取り出して、彼女の宛名を探す。 打ち出すメッセージは一文だけ。] 『チェレスタはもう決めた?』 [箱庭に行くことを。世界の存続を。 彼女自身の答えを。 返事はあっただろうか。 なくても良かった。 明日また会えるって確信めいたものがあるから。 その時聞けばいい、ただそれだけ。] (463) 2022/12/19(Mon) 23:45:42 |
![]() | 【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[プロセラの姿は見つかっただろうか。 もしかしたら、探している間に、 他の誰かとすれ違ったかもしれない。 二十一人の考えが交錯する夜。 中継機から警報が、ずっと鳴り続けていた――……。] (464) 2022/12/19(Mon) 23:46:17 |
![]() | 【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[夜の間は世界の崩壊も、 少しは落ち着いていただろうか。 それとも、洋館の周りだけが守られたように 静かだったのだろうか。 思った以上に朝早くに目が覚めて。 妙にすっきりとした目覚めだった。 いつものように部屋着から着替えて。 顔を洗って、髪を整えて。 向かった先は、昨日二十二人が集められた広間。 『世界』は優雅に足を組みながら、 ソファを我が物顔にしていた。 彼と二人で対峙するのは妙に緊張もしたけれど、 話しかけられれば、 朝の挨拶を交わす程度もしたかもしれない。] (465) 2022/12/19(Mon) 23:46:38 |
![]() | 【人】 XIX『太陽』 ヒナギク私、決めたよ。 ……ううん、最初から決めてた。 迷うことなんてなかった。 お願い、『世界』を壊さないで。 これ以上、壊さないで。 『箱庭』には行かない。……行けない。 私は、此処が……『世界』が好きだから! * (466) 2022/12/19(Mon) 23:47:24 |