人狼物語 三日月国


70 【第36回TRPG村】百鬼夜行綺譚

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:人


封じ手 鬼一 百継は、メモを貼った。
(a1) TSO 2021/04/23(Fri) 23:56:56

【人】 封じ手 鬼一 百継

>>3:34 誘蛾 絆取得
===


月に向かって弦をはじき歌う誘蛾を見ていた。

――ただ 請うは そう
  この世の すがた
  これこそ 真実 あな 美しや


歓びと快楽の涙がぽろぽろと珠に成ってあふれるように、誘蛾の調べは、こぼれ、止まらぬ。
その姿を見ていると、儂は、どうしても、ひとりの女性を思い出さずにはいられぬ。


――ねえさま。

徽子ではない、鬼一の血を同じくする姉のことだ。

9年前の百鬼夜行。
それまで、鬼一の一族は、定期的に訪れる百鬼夜行で封じ手としての力を振るい、犠牲を最低限に抑えてきた。
そう聞いていたから、5歳の儂は安心していた。今回も大丈夫だと。

それが突然、父、母、姉を連れていかれたものだから、通例よりどれだけ強力な"百鬼夜行"が行われたのかと、それは如何なる理由故かと、不思議でならんかった。
真実を知れば、なんてことはない。
徽子はすべて知っていた。

姉が百鬼夜行の狂おしい饗宴に魅せられ、屈し、与したのだ。
身内の……ごく親しい身内の裏切りによって、父と母は喪われた。

記憶の中の姉はいつも溌剌としていて男勝りで、その瞳は知性で輝いていた。
堕ちたなど、信じられん。だが事実だ。
つまり、百鬼夜行には、そんな姉を惹きつける"何か"があるのだ。
(5) TSO 2021/04/24(Sat) 0:47:27

【人】 封じ手 鬼一 百継

目の前の、この少女にしか見えぬ女性もまた、そのひとり。
音を奏でれば場を支配し、色を描けば釘付けにして離さず、それでいて只々自由なこの女。

誘蛾。


彼女自身は儂の姉にまったく似てはいないが、ふたつだけ共通点がある。

ひとつは、百鬼夜行にこそ生の真実を見出してしまったこと。
ふたつめは……

「……優雅、ねえさま」

優雅……いや、誘蛾。教えて欲しい。

「百鬼夜行の魅力、如何ほどか。
なあ。抗おうとは、罪深いとは、思わんのか。
お主の見る世界には何があり、どう聞こえておるのじゃ。
あやかしのもたらす享楽は、その他総てを犠牲にできる程、素晴らしいものなのか」

誘蛾は、奏で続ける。儂など此処に居らんように。
儂の歌姫は、知らぬ間に、手を伸ばしても届かぬところまで遠ざかっておった。
理解しようとも、できるとも思わぬ。連れ戻すには遅すぎる。
それなのに語りかけるのは何故か、自分でもようとして説明がつかぬ。
が……

「……教えてくれ、誘蛾」

最後に、祈るように、一言だけ。


[こちらからは〆]
(6) TSO 2021/04/24(Sat) 0:49:46
鬼一 百継は、>>a2 絆シーンはとりま「任意」安定じゃ[さむずあっぷ]
(a3) TSO 2021/04/24(Sat) 0:52:33

【人】 封じ手 鬼一 百継

>>7 継置
===

百継、と名を呼び捨てにされ、飛び上がるほど驚いた。
それはまさに、あやかし除けの香を前に、今後どうしていこうと考えているところであった。


これらの香は、一葉には毒じゃ。
しかし皆を守るためには必要である。
母さまや姉さまが生きておれば細やかな助言が貰えたかもしれん。
儂に残されたのは、父譲りの、大掛かりで大雑把な術への出力の仕方のみ。

首をひねって試案をしていたところに突然声がかかり、間抜けに「ひゃ」と言いながら振り返る。

「継置か」

そこには儂の子がいた。
継置はいつも容赦がない。

――家族を喪うつもりか?


「そうしないために、考えておるのじゃ」

今まさにやわい、痛いところを突かれ、幼い口調になる。

「儂は!」


つい、先ほどのことであった。
一葉と話し合った。
醜い己の雑念を自覚し、一葉への親愛という矛盾する感情も認めた。
しかし尚割り切れぬものも抱える。
(8) TSO 2021/04/24(Sat) 1:21:46

【人】 封じ手 鬼一 百継

>>8 続き
===


「如何にして良いかわからぬだけじゃ。
徽子も、誘蛾も、儂から離れていき、一葉は信じておるがあやかしじゃ。
家族とは思うておるが、やはり未だ心の整理がつかぬ。

一枚岩と思っておった。
正しく努めてきたと思っておった。

それ、なのに」


「やだよ……もう。何も喪いたくない」


正解を教えてほしい。
従うから。

儂は、弱り切っていた。

[パス]
(9) TSO 2021/04/24(Sat) 1:31:52

【人】 封じ手 鬼一 百継

■秘密取得 継置 成功
>>10 続き
===


武人とはこういうものか。
一言一言が、太刀のように、儂に斬りこんでくる。
しかしそれは、傷つけるための刃ではない。
余計なものを削ぐためじゃ。

最も単純で、根源で、魂から出る言葉での交流を実現させるための腕なのだ。


儂かてそれが解らぬほど子供ではない。
兄やは多少粗野ではあると思うがの。
儂に対してこんな言い分は、継置兄やをおいてほかには決して許さぬよ。
先ほどまで弱っていた自分が噓のよう。
継置兄やの声が届くたび、それが心に血流を促す。

呆気ない程、嘘のように。
(11) TSO 2021/04/24(Sat) 2:17:52

【人】 封じ手 鬼一 百継

――おれの事は?信じられないか?



「うん」


首をかしげて、甘える仕草。
実を言うと、もう信じているのだ。
信じたいのだから。信じてどうなろうと後悔はしないのだから。
だから、これはただの我儘。
なあ兄や、その口に出して聞かせてほしい。

「兄や、儂の力になってくれるか。
真実を、今ここで、聞かせてくれまいか」

[パス]
(12) TSO 2021/04/24(Sat) 2:20:25

【人】 封じ手 鬼一 百継

■マスターシーン


かなめ石の前にひとり座して、しめ縄を巻かれたその岩を眺めていた。


耐え忍びつつ平穏であった9年間に比べ、あまりに短い直近の十数日は、まさに激動の其れだった。
儂が見ていた世界はがらりと色を変え、信じていたものの一部は夢と消えた。

毅然とした当主であろうと努め、己を高めていた筈の、自分の正体も知った。
心は丸裸に剥かれ、自らの弱さ、幼さ、見苦しいばかりの悪辣を眼前に叩きつけられた。
仲間の一部は去り、二度と戻らぬことを知った。


それでも今、何故か、心は凪いでいた。

理性は「何を呑気な」と叫んでおる。
封印の術が使えぬことに対して、焦るべきなのだろう。
儂は鬼一の名を、この都の民の命を負う責があるのだから。
実際、自分が封じ手として未完成であると知った時は大いに慌てたものだが……。

目を閉じる。
焦燥や無力感のかわりに、絆を繋ごうと手を差し伸べてくれた者たちの声が蘇る。
それは確かな力になり、かつて腹の内で燃えていた暗い焔の代わりに、あたたかな光を宿してくれる。
(30) TSO 2021/04/24(Sat) 17:07:01

【人】 封じ手 鬼一 百継

――オレが百継様を御守りする。
――どんなことがあっても、百継、お前を守る。


「揃いも揃ってのう」

くっくと喉を鳴らして笑う。
心がくすぐったい。ああ……ただ、嬉しいのだ。


人のようなあやかしも、あやかしのような人も知った。
憎しみを糧にしていた自分はもういない。

只、封じ手……否、此処の護り手として、やはり儂は人の世とあやかしの世を分けようと望む。
(31) TSO 2021/04/24(Sat) 17:07:52

【人】 封じ手 鬼一 百継

あやかしに、人を惹きつける快楽、愉悦の姿が見て取れることは、最早否定はすまい。

そちら側の世界に焦がれ、自ら飛び込む者もいる。

しかしそれは、大麻の、あの妖しい薬のもたらす歓喜に似て、弱い者から虜にする。
儂の都には不要である。
(32) TSO 2021/04/24(Sat) 17:08:17

【人】 封じ手 鬼一 百継

「とは言うものの、じゃな。
未だ儂は術を行使できんままなのかのう。
文献を漁り、日々色々試してはおるが、結局、何を以って可能となるのかも解らんままじゃ」

よっこらせ、と立ち上がる。

「どうしたものかのう……教えてくださいませよ、父上」

そして、何の気なしに、かなめ石に触れた。

――刹那。


「!?」


稲妻のように、身体の中を衝撃が駆け抜けた。
両手を見下ろす。
何かが、つい数瞬前とは何かが違う。
決定的な変化が、自分の身に起こったのが解った。

もう、大丈夫だ。
根拠はないが、確信がある。
自分は、"成った"。

突如訪れた進化の原因はきっと、他でもない……

「儂は、あの2人に、また礼を言わねばならんらしい」

静かな感動に震えながら、両手を合わせ、暫くそのままでいた。


[鬼一 百継の能力【稀代之封血】が行使可能になりました]
(33) TSO 2021/04/24(Sat) 17:13:50
鬼一 百継は、一葉が安定の一葉(最早そういう安定剤)
(a12) TSO 2021/04/24(Sat) 20:08:07

封じ手 鬼一 百継は、メモを貼った。
(a14) TSO 2021/04/24(Sat) 20:44:08

【人】 封じ手 鬼一 百継

>>3:52 氐宿 絆取得
===


継置。
誘蛾。
一葉。
徽子。

そして……氐宿。


儂はずっと自分が周囲の誰よりも幼いことに劣等感を持っておった。
皆は立派な大人で、余裕があり、鬼一の名に膝をついてくれることはあろうとも、それぞれ儂より自分に自信を持って立っているのだと無意識に信じて疑わなかった。

だから先日、(>>21>>22>>23>>24)は驚いた。
はじめは、陰陽師に気安く"占い"を請うた自分の迂闊さに呆れ、同時に氐宿の技の緻密さ、鋭い知性と感性の融合に驚いていたものだが。
段々と、彼が発する言葉に心がざわつく心地がしておった。

その時は何故自分がそう感じるのかわからなかった。
今でも確信は持てぬ。
ただ、推測ならできる。
氐宿は、あの物静かな陰陽師は、儂が思うような"超越した立場から世界を見下ろし、悠然と構える"ような性格ではなかったのではないか。
(42) TSO 2021/04/24(Sat) 20:45:22

【人】 封じ手 鬼一 百継

あの時氐宿が儂に寄せた感情には、確かに劣等感が含まれていた。
儂は、ただ面食らった。
こんな、名ばかり背負わされ常に精一杯の子供に感じる類のものではないと、否定してしまった。


だが、実際、氐宿がはっきりと示した意見は、それだけだった。
彼は、「強い意志を持った儂」と、「家を失い虚ろに漂う自分」を比較して見せて、笑った。
そう、それだけは言ったのだ。

氐宿は、自分には強い希望があるなどとは、終ぞ言わなかった。
儂の言うことに一部同意できる故、ここにいる、らしい。


あれから、隙を見て氐宿と話をしようとしているが、どうにも難しい。
それこそ何か術でも使っておるのかもしれん。
そのくらい、氐宿と相対することが叶わぬ日々が続く。

氐宿を強引にここに招いてしまった責、と云うより、純粋に、今一度、好機があるのならば。
今度は、探り探りではなく明確に聞きだしたいことがある。
胸倉を揺すってでも、伝えたい思いがある。


氐宿には、目を離せばふらりと消えていってしまうような危うさがあるのだ。
ゆめまぼろしのように、そう、百鬼夜行の只中へ。

[こちらからは〆]

感情書き換え:なし
(43) TSO 2021/04/24(Sat) 20:46:46

【人】 封じ手 鬼一 百継



「あ、"あか"?」

誘蛾から返事があったと喜んだのも一息の間で、直ぐに彼女の言葉に面食らうこととなった。
"あか"とは何のことだろうか。
赤色? 赤子? いや、何かあやかしのことだろうか。


儂はさぞ間抜けな顔をしていたのだろう。
誘蛾は、言葉を知らぬ幼子に教えるように、奏を続けた。


儂は、ただ広く深い宵闇のもと
ちいさな誘蛾が無限に展開する世界に
その時ばかりは、吞まれていた。



百鬼夜行に魅せられた姉も、このようなふわふわとした、しかし色彩あふれる世界を垣間見たのだろうか。
(44) TSO 2021/04/24(Sat) 21:16:02

【人】 封じ手 鬼一 百継

誘蛾は絵巻物を取り出した。
そこに散りばめられた、色、色、色。
彼女曰く、どれもあかいろであり、どれもあかいろと呼ばず。
見えるものに名前をつけ、定義の檻に閉じ込めたのは、人だと云う。

――我の見ゆもの 当主殿には知れず
――我もまた 当主殿の"いろ"知れず


間違っているかもしれないが、誘蛾が訴えていることの一端は、解る気がした。
そして、常日頃から、誰しもが疑わぬ共通言語を是とせずに、万人がそれぞれ身勝手に世界を定義する中で、世界そのものを愛する誘蛾の精神に触れ


ぞっとするほど、
しいと思った。



不可能だ……そんなものは。
しかし、"あちら"の世界には、まさにそれがあるのかもしれない。
(45) TSO 2021/04/24(Sat) 21:17:36

【人】 封じ手 鬼一 百継

"交わらず"と云われ置かれた、2本の絵。
この世とあの世のことだろうか。
儂と彼女のことだろうか。
そのほか総てのことだろうか。


「ありがとう。聞けて良かった。
儂がお主のおとやいろに魅了されたことは、大いに意味があったのだ」


誘蛾は、首をかしげて唇のはしを上げた。
世界の"まこと"に魅了されぬ者などおらぬ……と、嗤っているように見えた。

[〆]

感情書き換え 百継→誘蛾 劣情
(46) TSO 2021/04/24(Sat) 21:20:22
封じ手 鬼一 百継は、メモを貼った。
(a15) TSO 2021/04/24(Sat) 21:23:36