人狼物語 三日月国


87 【身内】時数えの田舎村【R18G】

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視点:人


【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

 黒地の女物の浴衣。
 白の花々が散るそれに赤い帯を締めて、
 これまた赤い鼻緒の下駄をからんと鳴らして
 祭りに浮き立つ村の中を行く。

 涼風の祖母に尋ねれば、やはり今日は祭りがあるようで
 ならばと今日も皆を誘って回るのだ。

 後頭部のやや高くで括った髪を揺らして、
 目に付く限りの人に、一緒に遊びに行こうと
 明朗に声を掛ければ、ほら、大丈夫。

 こうしていれば、まだ呼子鳥と同じで居られる。
(16) 2021/08/15(Sun) 17:47:06
百千鳥は、そんなふうに「また明日」を言える夜長の事が羨ましかった。
(a4) 2021/08/15(Sun) 17:51:15

百千鳥は、卯波のように愛情深くはなれなかった。
(a5) 2021/08/15(Sun) 17:51:22

百千鳥は、結局誰のようにもなれなくて、それでも姉の面影をなぞり続ける。
(a6) 2021/08/15(Sun) 17:51:30

百千鳥は、今日も皆に声を掛けて回る。「一緒に遊びに行こう!」
(a7) 2021/08/15(Sun) 17:52:03

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>21 編笠

 掛けられた声にちらりと視線を上げて、
 新たにベンチに掛かった体重を感じながらりんご飴を齧った。

 今は祭りの喧騒はずうっと遠くにあって、
 何処か疎外感すら感じさせるほどだった。
 道行く人々は自分達など眼中にないように過ぎ行くばかりだ。

「…うん、
も少し疲れてきたとこ」

 下駄を突っ掛けた足をふらふらと揺らしながら。
 浮かべた笑みは、思ったよりも淋しげなものになってしまった。

「疲れるんだね、夢を見るのって」
(27) 2021/08/15(Sun) 19:23:08

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>28 編笠

「あはは」

 最後の一口を口に運んで、食べ終わったりんご飴の串を玩ぶ。

 どんなに甘くて酸っぱくて、
 食べるのが勿体無いくらいに綺麗なこの食べ物も
 そう思えるのは、食べている間だけ。
 食べ終えてしまえば、忽ち全ては夢のように消えてしまう。

そんなこと知ってたら、こんなことしてないよ


 祭りの喧騒は近くて遠く、
 自分達の声なんて誰も聞いていやしない。
 だから今だけは、同じような愚かを働く子供同士で居られる。

「でしょ?」
(35) 2021/08/15(Sun) 20:01:28

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>37 編笠

「どうせなら、もっと早くに叱ってくれたらよかったのにね」

 ベンチから立ち上がる姿を視線で見送って、
 すぐ傍らに置かれた水鉄砲を手に取った。
 皆ではしゃいだあの日は、もう遠い昔のようだった。

「せめて落とさないようにしなね、どっかの誰かさん」

 本当にその笑顔を見たかったのは自分ではないだろうに。
 そんな事を思いながら、遠ざかる背中に言葉だけを投げ掛けた。

 花火も祭りもこの夢も、終われば全てが色褪せるばかり。

 その中に敢えて置き去りにするのならいいけれど、
 もしそうでないのなら、せめて両の手に収まるものくらいは
 今あるものは、そのまま持っていた方がいい。
(46) 2021/08/15(Sun) 22:00:27

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

 祭りの喧騒の中を、どこか他人事のような気持ちで歩いていた。
 昔はあんなに特別だったりんご飴も、焼きそばも、かき氷も
 色褪せた夢の中では、
一人では
何もかも味気なかった。

 人間の腕が二本しかない理由。
 どう頑張っても、伸ばせる腕の数しか持てないように。

 お利口なのは、その時抱えきれる分だけを手に取る事。
 賢いのは、幾つか纏めて袋に入れて提げてしまうこと。

 どちらでもない
には、順番に手に取って回る事が関の山。
 そうしてその全てを噛み締める暇も無く飲み下して。

 ああ、粗末に扱ってしまったな、なんて思うのだ。
(53) 2021/08/16(Mon) 1:05:47

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>59 鬼走 【四日目/夏祭り】

「………あれっ、」

 不意に名前を呼ばれて、下駄を鳴らして振り向いた。
 その声と呼び方には覚えがあったけれど、
 自分に声を掛けるような用事があっただろうか、そんな疑問。

「鬼走さん!
 ううん、約束はしてるよ。
 先に行っててって言われたから適当にぶらついてただけ!」

 涼風と、一緒に行こうと約束したのは事実で
 先に行っていてほしいと言われたのも事実だ。
 独り歩きの違和感、その理由にはならないかもしれないけど。
(63) 2021/08/16(Mon) 5:13:14

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>67 鬼走 【四日目/夏祭り】

「……あー、うん」

 頬を掻いて一度、返答のなりそこないのような声を発した。
 とはいえ何か言葉に詰まるような事があるでもなく、ただ
 そんなふうに見えているのか、という思いがあるだけで。

「うん、つまんないよ。
 …てよりは、寂しいかなあ。
 一人でご飯食べるのって味気ないじゃない?
 多分、そういうことなんだと思う」

 それが本来どんなに楽しい時間でも、一人では味気ない。
 それがあなたにとって共感に足る心情かはわからないけど
 一般論としては理解の及ぶものではあるはずだ。

 そんな例題を一つ挙げて、だから大丈夫と笑って見せた。
 だってもうすぐ、一人ではなくなるから。
(71) 2021/08/16(Mon) 16:10:43
百千鳥は、その手を握って、喧騒に背を向けた。
(a27) 2021/08/16(Mon) 18:56:02

百千鳥は、ずっと前から、全ては夢だと知っていた。
(a28) 2021/08/16(Mon) 18:56:16

百千鳥は、見ないふりをしていただけ。
(a29) 2021/08/16(Mon) 18:57:31