ごきげんようあたしの世界！

あのね、聞いて？
カグラは人間だったわ！人狼じゃなかったわ！良かった−！
（せっかく占い師になったので言ってみたかった顔）

で、今日はぽきゃに吊り指定しておけば良いのよね？？

────"アリス"。

この世界の住人ならば、誰だってその名前を知ってる。

あたしの国の歴史書には、『アリスがやってきたことで、この国が形を成した』と記されてる。正確な意味はわかんないけど、字面からして、"創世の神"に近い存在……ってことよね？

そしてこの男──ぬめぬめさん──は、"アリスの作者"なんですって。

ますますもって、意味がわかんない。

「────でも、もうとうに、死んでるんでしょ」

俯きがちにそう告げる。
彼が見下ろす背丈のあたしだもの、表情なんてお互いに見えっこない。

「あたし……あたしは。金貨に変えちゃった猫に会いたいとは、思わないわ」

それとこれとは違う。
そんなの解ってる。

「あたしも、カグラも、この先、前を向いて生きるための願い事だわ」

あんたは、"彼女"に会えて、この先、どうするの？

共に生きたいの？
きっとそうじゃないんだわ。
だって、願いは"会いたい"だったもの。

会って────そうして、どうするの？

今も昔も、その先も。
夢見るように目を細めて笑う視線のずっとずっと先には、その"アリス"が居続けるの？

鼻の奥がつんと痛くなる。
視界まで水を張ったように滲んできて、あたしはぶんぶんと首を振った。

「────あたしは、ずっと隣に居られるわ」

　　あんたの寂しさ、あたしじゃ埋められないのかしら。

「あたしの"力"が無ければ……ううん、あっても、ダンスだって踊れるわ」

　　"長生きは楽しい"、"ここが好き"。

　　だったら。
　　だったら！！

　　その願いを叶えてはいけない気がするの。

「ごめんなさいね。"ひとつの願いを叶える権利"はあたしが貰う」

あたしは勝つわよ。

あたしのために。

────あんたのために。*

…………はたけ？？
（カグラはこのワンダーランドで何をしようとしてるのかしら）

って、なんであたしが判ってないことを、カグラが判った感じになってるのかしら？？

釈然としないわ！！

「────じゃあ、カグラだって、"お姫様"なんだわ？」

カグラは、あっちの世界で"キュウカゾク"っていうものなんですって。
聞けば、国の中枢の、えらいえらい人達の末裔なんですって。

だから、やっぱり、いろんな"シキタリ"があるみたい。

あたしの生活ぶりを見て、カグラはすごいすごいと言ったけれど、間近で見せてもらった"キモノ"は見たことのないくらい素敵な布地だった。帯には金糸銀糸が織り込まれ、袖には立派な刺繍が入ってた。

「あたしも"バンバン！"ってしたら、世界が変わるのかしら」

すれば良いわと、"親友"は笑う。

とってもとっても、強い人。
幸せは勝ち取らねばならないのだと、凜と胸を張っている。

「────でも、あたしがバンバンしたいのは、自分の手だわ」

血塗れになっちゃうし、死んじゃうかもだし、痛いのは嫌だわ。

肩を竦めたら、また、笑われた。

「あのね。誰が勝ってもね、あたし、カグラを助けたいと思うわ」

今日は芝生の上でのお茶会。
窮屈な城は抜け出して、林の中の日溜まりにお皿をいっぱい並べてる。

今日のスコンはカラントとブルーベリー。
おいしいと言ってくれたから山盛りのビスケットと、クランペットにカップケーキ。

彼女の望みは、"この国でずっと暮らすこと"と、"人を殺めた事を無かった事にしたい"ということ。
あたしたちは他の世界には干渉できない（多分ね）から、後者の願いを叶えることは難しい。
でも前者だったら、なんとかなるのではないかしら。

"アリス"は確か、余所から来て、元の世界に帰っていったはず。
あれは望んで帰ったの？それとも何かの手違いで帰ってしまったの？

でもきっと、本人が帰りたくないと望み、そして周囲が帰らせたくないと望むのなら、どうにかできると思うのよと真剣に考える。

「────でも、それとこれとは、別よね」

にっこり笑って、宣戦布告。

「"強い心"が、必要なのよね？」

カグラの願いもあたしの願いも、普通じゃ絶対叶えられないこと。
ひとつしか叶えて貰えないのなら、奪い合うしかないものね？

「どっちが勝っても、恨みっこなしよ？」

────その為には、とりあえず。
ぬめぬめさんにはとっとと退場していただかないとね？*

おはようござーいます！

>>0ベニエ様
仰る通りでございます！
本日やっていただきたい事は以下になりますですね！



予定変わらず、本日22時に戦闘開始といたします！
皆々様ご準備の程よろしくお願い致しますよぉ♡

あ、ダイスね、ダイス。そう、ダイス。

その前に挨拶だったわ。
ごきげんようぽきゃ、ごきげんようぬめぬめさん。

やあ、おはよう。姫君。

……そんなにぬめぬめして見えるかい？[顔を触っている]

見た目はね、さらさらという風に見えていてよ？
でもカグラがぬめぬめって言ってたんだもの。

あたしが勝ったら、ちゃんと触って、確認してさしあげてよ。

「ぬめぬめさんはぬめぬめじゃありませんでしたすべすべでした」って広く国に知らしめてもよくってよ？

ほら、戦いを辞退したくなったのではなくて？[くすくすくす]

「そうだね、とうに居なくなってしまったね」

それで良いのだ。それが自然だから。
“死んだ者には会えない”…当たり前の摂理だ。

唯────悪魔の囁きで、私が夢を見てしまっただけ。

「姫君、私はこの世界と折り合って生きて来たんだよ」

世界は美しい。面白い物で満ちている。
私が創り、彼女が歩き、今は他人の手に渡って成長し続けている。
私は傍から楽しく眺める存在で居られれば良かった。時の果て、段々と“ルイス・キャロル”が消えようとそれはそれで良いかと思っていたのに。

“アリスにまた会えるかもしれない”なんて。
抑えた感情が蓋を突き破る程、耐え難い程の、誘惑だった。

これ程長い時を生きて尚願い事があるとは思いもしない。
ずっと諦めてきていた私も違わず欲深い奴なのだ。
そして同じくらい、臆病で女々しい奴なのだろう。

私は終わり無き生に倦まない為に、“アリス”を必要としている。きっと。

「ずっとは……難しいでしょう？」

幼子に言い聞かせるように、優しい口調で語りかけた。
姫君は有限の存在なのだから。土に還るのが定めだから。

というかそもそも、こんな骸骨に寄り添うには勿体ないお人だ。

「うん、だからまあ…二人の願いこそ叶えられる“べき”とは、思いますよ？」

骸骨の、骸骨らしく乾いた願いよりよほど綺麗なふたつの願い。

そう思ったところで、譲ってはあげられないけれど。*

>>11姫君
いやあ…私はぬめぬめでも困りませんからね。
ぬめる骸骨、それはそれで一味違って良いでしょう。[くすくす]

はい、出揃いましたよぉ！
皆様大変優秀な速さで、違い無く幸福でございます！


………此度の戦いは波乱の予感が致しますね！？

>>12 ぬめ男

「ずっとは難しい」とか、そういうとこよ！そういうとこ！！

ああもうこの根暗！わからんちん！！

そうやってずっとぬめぬめ生きていくがいいわ！！

（灰で叫んでたけど飽き足らず表に出てきてしまった心境）

>>16姫君
ｴｯﾊｲ。

(理不尽にキレる現代の若者を見る目)(びくびく)

だって、あんたがあたしを怒らせるのを一向止めないんですもの！？！？

あたしのおリボン大事にするとか！
大事にするとか言うんじゃないわよばかあああああああ！

あ、今から外すなんて言ったら、あんたをポップコーンに変えて池の魚の餌にするからね！？

え、でも、あの、今はそんなつもり、は…。
……大事な物は大事にされたいだろう？

[しょぼしょぼ]

>>19 ぬと男

……………………。

[しょぼくれた骨を見て、はあああああ、と深く大きく溜息を吐いた]

あんた、長く生きてるのに、全然なんにも判ってないのね。
迂闊に"大事なもの"を増やしちゃうと、いつか手から溢れて、零れちゃうわよ？

簡単に「大事にする」なんて言うもんじゃないわ。

>>21姫君
長生きすると逆に見えなくなる物も多いものですよ？

[ベニエを見つめ、リボンを見つめ]

>>21 べた男

────そうね。
あんたを見てるとそうなのかもって、思うわね。

でも、一度大事にするって言ったなら、大事になさいよね。
それが誠意ってものだわ？

密談するなら密談に適した場所に行くと良い。
だってその方が気分があがるからね。

そういう訳で私達はシャボン玉の上に居た。

ここは人呼んで(私の事だが)シャボンの丘、の上空。
定刻になると地から染み出してくる極大シャボン玉に乗って、空を飛べない存在でも一時の遊覧飛行を楽しむ事が出来る

あまり長時間乗り過ぎると割れるのが難だけれど。


「姫君、考えてみたのだけれど。
私が君を攫うのはどうかな？」


何故か顔色の悪い姫君に、首を傾げながら下を指さす。

「例えばほら、あの森はわかるかい？
迷い易く人が入らない。居心地が良いと思いますよ」

透明な膜越しにゆらゆらとワンダーランドが揺れる。
なかなか綺麗な物だ。そして、この視界におさまらない程世界は広い。

姫君も、知っておいて良い物だろう。
今目の前に見えている道だけが、道では無いのだと。

「…………」

遠く遠く、地平線に目を凝らして幸せそうに笑う。

綺麗だな。ここはこんなにも綺麗だ。

私の知識は誰より深い。
姫君一人隠し通すのも難しくない。
今のような生活は約束できないが、城から逃げ出したくなった時はそんな手もあるのだとは教えておきたいと思ったのだ。*

>>22姫君
それはもう、分かっていますよ。
それが誠意であり責務と言うものですからね。

「──────きゃっ!?」

足元から虹色に光る透明な膜がぷわりと膨れ、そのままあたしたちを持ち上げていく。

「ね、ねえ……これ、落ちないの？ちゃんと降りられるの？」

大きな大きなシャボン玉。
滑って落ちることは無さそうだけど。

常通りに余裕綽々としたこの男は、ごくごく普通な表情で、あたしに話しかけてくる。

あたしはと言えば、木々がすっかり足の下遠くになって、地平線まで見えてきたものだから、どこかに捕まりたくて仕様がなかった。

「………………」

癪だけど。とっても癪だけど。
目の前に、彼の丈の長い上着の裾が垂れていたから、それをきゅっと握り締めた。