170 【身内RP村】海鳴神社の淡糸祭
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
[項垂れていた身体に力が戻る。
抜けていた力を無理やり奮い立たせ、
管の意志に逆らうように、腕を上げて。
何も見えないようにと
『嫌なもの』を覆っていた手を握って
無理やり、引き剥がす。
震える声は地の底から沸き立つような、
自分でも驚くくらい、低い声だった]
… ふざけるな、
どいつも、こいつも、
いつも、いつもいつも、いつも、
何時もいつも如何なる時も
俺が居ない、俺の聞こえない所で、
いっつも、全部、決めやがって
俺が、いつ、
俺は不幸だなんて、いったんだよ
苦しいよ、辛かったよ、
リスカだってしたかったし
酒と一緒に睡眠薬飲んだこともあったし
いっそこの村に帰ってきた時
身投げして死にてえなとすら思ったよ
でも、それは『不幸』だからじゃねえ
理不尽だったから、でもねえんだ
作ってた歌が、届いてるかわからなくて
孤独で押しつぶされそうだったから
自分の心の弱さだって、わかってたんだよ
心が弱いだけで、俺の人生は『普通』だった
此の村にたまたま帰ってきて、
海音に、久しぶりに会って。
親父だって、おふくろだって、
とんでもねえ姿になってたってさ、
歌が届いてるってわかったんだ。
『普通以上』に幸せだろうが…!!
それをわけわかんねー野郎に『願って』さぁ
俺の『もとから幸せな人生』を、
否定してくれんなよ、………
なあ、海音
[凭れかかっていた身体を一度離して、
力の入らない身体を意地汚く這いずって、
振り返ってから、もう一度お前に縋る。
周りを見て──俺の事を見ているようで、
全く見ていないお前に、つい、叫んだ。]
なんで、お前の幸せを代償に、
俺が幸せになんなきゃいけねえんだよ
[湧き上がるのは、有り余る怒り。
こみ上げるのは、置いて行かれそうになる悲しみ。]
ふざけんな。……ふざけんなよ
俺だってお前が
幸せでいて欲しいって
思ってるに
決まってるだろうが、
一人で抱え込んでるのは、
いつもてめえじゃねえか、
馬鹿野郎!!!
[ガリ、と、着物越しの太腿に爪を立てる。
ほぼ引っ掻いてるのと一緒だ。構わなかった。
そのまま立ち上がって、肩を掴んだ。
掴んで、叫んで──拳を振り上げる力はなかった。]
俺はいつだってお前の言葉を聞いてるさ!!
あんな奴らの盲言より、
お前の言葉が一番迷うんだよ!!
俺の歌が良いって、聞かせてって、
それはお前の『願い』じゃねえのかよ、
俺が歌は、お前の幸せにならねえのかよ!!
バケモンに願ったら歌が聞けなくなるとか、
ちったぁ考えたりしねえのかよ……!!
[両肩を大きく揺する。
どれだけ声を大きくすれば、
本当に「聞いて」くれるのか、
全然、遠慮とか、加減がわからなくて]
いつも、いっつもさぁ!
一人で全部終わらせようとすんなよ!!
俺の【音】じゃなくて
俺の、【言葉】を聞いてくれよ!!
お前が幸せじゃなくて、どうして
俺が幸せになれるって思ってんだよぉ…!!!
[ボタ、と、水泡──否。涙が浮いた。
肩を揺する力が抜けていく、震えてしまう]
お前はいっつもそうだ!!
ずっと一緒に居るって言いながら、消えるし
「来た」って言いながら、離れるし
死ぬわけにはいかないって言いながら
平気で、自分の事を代償にしようとするし、
大切って言っておきながら、
気持ちは変わらないって言っておきながら、
俺の気持ちは、知りたいって、言わない し
[わからない、わからない。
コイツに、どんな言葉を伝えたら、
俺の「幸せ」が、「願い」が、通じるのだろう。
どんな歌を歌ったって駄目だった。
どんな話をしたって、駄目だった。
何かを、伝えようとして、
何かを塞ぎ込んでるお前を知っている。
でも、そのこじ開け方がわからなかった。]
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