人狼物語 三日月国


77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


シーナ11票
1票
冥桜1票

処刑対象:シーナ、結果:成功

[犠牲者リスト]
該当者なし

決着:龍人族の勝利

村の更新日が延長されました。

村の更新日が延長されました。




   黒き焔が流れる清流に消えゆく。
   言葉少なに、しかし届く安寧は
   確かに僅かずつ蛇を癒す。

   人より多く思案すること。
   ただそれだけのことがどれ程の美徳か。
   ただそれだけのことでどれ程の者が報われるか。
   それはまた時間をかけてソフィアに教えよう。

    
叡智

   Sophiaとは知の豊かさに在らず
   心の豊かさに在るのだと。







      「いや。少し違うな。

       『Rasalhague』は星の名であるが
       本来は蛇を従える者という意味を持つ。

       私のこの名は我が主が授けたものだが
       あの星の起源は、賢者アスクレピオス。


               ───我が主の遺影だ。」








   ソフィアの笑いに場の空気が柔らかに変わり
   蛇は再び白煙と共に元の青年の姿へと戻るだろう。

   この洞窟からは星が見えぬが
   ラサルハグは天井を見上げ小さく笑い。

   ソフィアが黒き焔を洗い落とせば
   ラサルハグが纏う空気は温和なものとなり
   彼女の方へと振り向けば水面はその姿を捉える。








   彼女の気持ちは定まらぬ。
   それを半端と形容するならば

   村とラサルハグの契りそのものが
   半端で歪な存在である。

   ソフィアに向き合うためには
   はっきりとさせなくてはならない。*




[
駄目、と言ったのに――――!!

ほれ、なんて気安くその場所を刺激してくるヒトの悪い天狗さま、それでも“悪いようにはしない”のを知っているので、助けを求めるように手を伸ばす
伸ばした指先が天狗さまの着物に触れ、捕まえて、爪を立てて]

 
ぁあ……
ッんッ!!


[追い上げられて、高みへと押し上げられて、導かれて、
白濁を放つ]

 
ぁふ……ッぁ、あ


[びく、びく、と不随意に跳ねる身体をいなしつつ、頭を撫でてくれる手に頭を押し付けるようにして、強請る
ほろほろと零れる涙を止める術はなくて、はふはふと熱い息を継ぐが、中々収まるものでもない
そして促されるまま、しがみつこうと手を伸ばして、わずか背が浮いたところで、ぐ、と引き寄せられて]

 
〜〜〜〜ッ!!!!


[深く貫かれたような衝撃に、声もなくまた絶頂を繰り返す。
だらだらと溢れた白濁には勢いはなく、縋ることを赦された背に爪を立て、その首筋に顔御埋めて震える身体を抑えようと、きつく身を寄せる
奥を押し上げるようにして揺さぶられるものだから、あっあっと押し出される声も抑えられず、呼吸もままならない]

 
ぁ…ぁ……、


[待ってくれているのだろう、動きこそないが、深く埋め込まれたまま、体表を撫でられて、きゅんと締まった後孔は、またありありと胎内の形を伝えてくるものだから、どうしたって足腰に力なんて入らなくて、ずず、とより深くを、より奥をゆっくりと突かれるようで、頭の内側がチカチカと瞬くようで]

 
ぁう……ぅ…
 ふか…深ぃぃぃ……


[ぐぅと胎の奥が押し上げられる気配に慄いて、挿入っちゃいけないところまで挿入っちゃいそうで、ますます天狗さまにしがみつくのだけれど、うまく力の入らない指先では支え切ることなんかできなくて、
力の入らなくなった身体はどこまでも天狗さまのイチモツを受け入れようと、開こうとして、ず、と少しずつ、少しずつ、腰が落ち込んでいくものだから]

 ぁ、ぁう、う……
 
だめ、ぇぇ………


[ぶるぶると震える身体の芯を押さえ込まんと、目の前の肩口にかぷりと噛み付いた。**]

 は、腹を!?


[それは一大事。
ヤオディは元々魔物。だから滅多なことで不調なことは起きない。
なるとしたら毒などを持った物を食べたりした時だけだ。
だから、かんぅの命の精を上からでも下からでもいくら食しても平気なのだけれど、それを二人は幸いかあいにくか、知らない。

そして、かんぅの
事が済んだ後は、妻にこうして触れてもらわないといけないなんて。夫婦は自分が知っていたより色々と大変なのだな、と納得する]


 んぅうっ


[先ほどの交わりとは違い、このようにじんわりと蕾をほぐされるのもなかなか恥ずかしく。
彼の太い指が入っていくのに合わせて息を吐くのは、先ほど覚えさせられたからできること。
甘く熱い吐息を漏らし、目の前の嫁が自分の体に触れるのにまかせる]


 水……?


[この周りにある湯ではダメなのか、と思ったが確かに閉じてしまいそうになる華の奥まで届かないだろう。
異世界だったなら、ビデという発想があったかもしれないが、そんな便利グッズは知らなくて。
かんぅの意思を察してこういうことだろうか、と細くした水をひゅるっと集め、自分を目掛けて放つ]



 あぁっ♡



[細くした水は水圧が強く中にとどまっていた白濁を外に洗い流していく。
しかしそれだけでなく、先ほどまで容赦なく、ごりごりと押しつぶされていた感じる場所を、ピンポイントで触れて。
これでは一人で気持ち良くなってしまう。なのに、物足りない。
水を細く糸のように操り、適度な刺激として肌を纏わせる。
熱いのもいいけれど、冷たいのも悪くなくて。
抱き寄せられていたかんぅの首に腕を回し、肌の上を遊ぶ水流に感じ、無意識に大事な箇所をかんぅに擦り付けていた*]

 

  昔昔に習った星の意味
  教えて貰ったのは少し簡略化されたものだったらしい。


   「 賢者アスクレピオス!
     医学の神様だったわよね?

     ……え、じゃあ、ラサルハグが
     あの星の名前の元ってことなの? 」
   

  賢者が彼の主で、賢者が彼に名前を授けて、
  そして空に浮かぶ星は賢者が起源。

  それらを合わせれば導かれる答えに
  驚いたように目を丸くした。
 


  私は彼らに起こったことをわたしは知らない
  悲しみも、辛さも、なにもかもを。

  彼がどうして私にだけ名前を教えてくれたのか。
  どうして私が特別なのか。

  いつか知ることが出来たらいい。
  私は、彼のことをもっと知りたい。

 

 

  再び煙に包まれ青年の姿となった彼。
  上を見上げたのが空を見ようとしたからなんて
  私は気づくことが出来なかったけれど

  こちらに向ける水面のような色は
  先程とはまた違う、穏やかな空気をしていて。
  やっと止まった震えに安堵の息を吐き
  彼と目線を絡ませる。
 



  そこから先を言っていいのか、迷いが生じる。
  大勢の生活を奪う責任
  弱い私は、両手を胸の前で握って、
  少しの間、考えるように押し黙る。
 



  それは期待、とも言えるのかもしれない。
  どんな言葉を投げかけられたとしても
  根底で、人のことを信じたいと思っている。

  それに、私に選択肢があるように
  彼にだって選択肢がある。
  加護するか、しないか、……それとも。

  選ぶのは貴方自身だ。**
 

[気に入ったものに意地悪をしたくなるのはヒトも物の怪も同じ
いや、これはただの天狗の気質ではあるのだがそれはそれ

追い上げれば追い上げるほど好い反応が返るものだから
ゆっくりじっくりなどしていられなくて]

 しがみついてええぞ

[爪を立て耐える様子にそれだけ言って、落ち着ける位置を探して一息つく
身じろぎをすれば自然、打ち込まれた熱杭は奥深くへと向かい
容赦なく不慣れな茅を追い上げていくだろう

息も絶え絶えの茅をもう一度撫でる
先ほどまでまぐわうことの意味すら知らなかった体が
苦しみながらも受け入れ、感じてくれていることが嬉しくて仕方がない]

 そうじゃ、茅の奥深いところにワシが居る
                    
ちから

 この、いっちばん深いところにな、ワシの精をたっぷり注いじゃる

[そう言って軽く揺らせば、力の入らない腰が落ちて
ずぷりと全てを飲み込もうとしていくのが天狗にもわかる

噛まれる肩の痛みさえ愛しく、心地よく
天狗にとってはほんに些細な痛みではあるけれど
こうも確かに望まれたことなど初めてなものだから
緩く、緩く茅を抱き返し、支えて]

 そうやって噛んで、しがみついちょれ
 もうすぐじゃ……それでワシらは本当に
「繋がれる」


[言い終えると同時、腰を揺らし突き上げ残り僅かを飲み込ませ
届いたその最奥を抉るように捏ね回すようにしながら
己が妖力を逸物へと集中させる
中で、それが大きさを増す、思いを成就させんと、跳ねる]

[
翻弄する
、愛しきものを、踊る体を、強く締め付け求めるそのその中を
翻弄される
、愛しきものの声に、艶めかしく踊る体に、茅自身に
体の間で揺れる茅の子天狗を捕らえ、ともに果てんと擦り上げ]

 茅……茅、受け取れぃ
 ワシの妖力……お前が眷属となった証の力じゃ……!!

[残る腕で腰を抱き、ず、と引き寄せ届く限りの最奥を突く
そうして、妖力の塊となった精を余すところなく注ぎ込むと
茅の体を支えるように抱きしめて

互いの身が落ち着くまで、暫し虚ろ気に余韻に漂う**]

  ぶっ、ふんぁぁっ!


[手桶の湯が顔に襲い掛かり斜め下からの攻め手は見事に鼻の中に侵略してきた。
鼻が痛い。じんじんとする。
腹に力を込め肺から押し出した空気を口ではなく鼻へと通じさせ鼻水を放出した]


  あぁ、まだ奥がじんじんするぞ。
  お主本当に悪戯っこだな。
  感心してしまう程だ。


[そのままで良いと先程思うたばかりなのに最早既に少しお淑やかにならぬかなと思うたが、男は己を鑑みそれは無理そうだと結論付けた]

  やはり糠派であったか。
  流石五色家よな。
  これだな。


[示された糠袋を手に取ると、男はほくそ笑む。

脱がすときは擽ってはならぬと言われたからしなかったが、洗う今となってはその言葉は機能していない。
男は片手をリンの腰へと伸ばし逃れられぬようにすると糠袋で務めて優しく――擽るように脇腹を洗い始めた]


  どうだ、痒いところはないか。
  一人では背中も手は届かぬかったろう。
  今日は予がしっかりと磨いてやるからな。


[遠慮するでないと小刻みに震える身体を別の意味で小刻みに震わせにかかるのだった*]



      「そうだ。
       私からすれば皮肉にしか聞こえんがな。」


   主を裁き、ラサルハグは引き剥がされ。
   しかしながらその栄光への勲章として
   賢者アスクレピオスは空に彩られる。

   主が裁かれるきっかけとなった怪物の名を
   宛てがうなど。

   人間で言うところのW当てつけWに思えてならない。






   それは果たして蛇の色メガネか。
   蛇は人の心が持つ温もりを知らぬ。
   いや、知らなかったと言うべきか。

   レンズに覆われた盲目の蛇には
   ソフィアの暖かな目は心地良い。

   それは彼女の震えが止まるのに並び
   その安堵に呼応するように。


         ───蛇の目に光が灯る。







   ラサルハグは言葉を飲み込む。
   彼女は、己の意思でここに来たのだ。

   犠牲という運命を受け入れるのではなく。
   他者への献身への躊躇いを持たない。

   その勇猛な姿を、蛇は過去にも見た事があった。








   ラサルハグは決断する。
   村への庇護を打ち消し、犠牲の要求を止める。
   しかし村が窮地に陥った時には彼らを救おうと。

   それはかつて眼に焼き付けた主の享受か。
   ソフィアという強き人間への敬意か。








   選ぶのを自身だと言うのならば
   その道行を共にするかどうかは

   彼女に決めてもらうことになるだろう。*





[婿殿のお腹は強かった。
しかし、生憎愛しい婿殿の体調を気遣う妻は、それを知らぬ。婿殿自身もしらぬのだから、之からも婿殿の腹は大切に扱われるだろう。というか婿殿また騙されている。が

このかんぅ実はだましている感覚はない。
特性:傲慢。かんぅの言葉こそがかんぅの中で真実であり、かんぅは絶対なのである。どういうこっちゃ。婿殿の中をこうして甲斐甲斐しく洗うのも、妻として。

嫁としての行為だと真剣だった]

[問題は婿殿がとても破廉恥(えっち)だった事だろう。
このあたりの湯でも指でも届かぬ奥。
かんぅの青龍偃月刀が大きすぎたせいで奥まで入り込んだ精を掻きだすための提案は、彼の力によって果たされた。指での掃除でも甘く熱い吐息を漏らしていた彼が、自ら細くした水で感じるさまは、酷く扇情的だった。思わず目を見開いてしまう。かんぅ(あい)がすっごい事になる。

自ら気持ちよくなっていく様が
腕の中にあるのだ]


 ……婿殿


[首に腕を回し
肌の上を水流を走らせ感じる彼を抱き。
その臀部をぐわしっと勢いで掴んだ。その上で左右に引っ張れば水は更に勢いを増して彼の中に入るだろう。婿殿はよくわかっている。気持ちいい処、感じる処を。それゆえに自ら、水を当てているのだろう。そう思えば、肌に纏う水を擦り]



 綺麗にしているのではないのか?


[問いかける唇は彼の耳朶にしゃぶりつき]


  腹の中を洗わねば、腹を壊すと言ったであろう
 それなのに、何故


[此処を擦り付けるのか。
と大事な処を此方の身体で押してとう
それぐりぐり、ぐーりぐり。触れる距離を縮めるほど、髭や胸毛が彼の肉体に当たり、纏う水に波紋を作り彼を刺激するか。小さく主張する胸粒を擦って擦って]



 もしや婿殿は……


[一呼吸]


 とてつもなくかんぅを愛しているのでは?


[突然の閃き。天啓。感激。
違う、そういう発想を求めていたんじゃない。というか、このままだと洗うという名目で再び快楽の園へ二名様ご招待されてしまう。婿殿それでもいいのか。かんぅはすでに婿殿の背を倒す体勢に入っている。水をもっと出すように促し、彼が出してくれるのならその水を寝間(クッション)に

彼の入り口をつんつんしだすだろう
あれで、かんぅの青龍偃月刀で]

[というか、あれだけして
もうかんぅのかんぅ元気すぎない]


 婿殿、主は素晴らしい夫だ。


[水が入り洗われ続ける其処へ。
逸物をそのまま挿入しようとしている。が、待てをかんぅは覚えているのだ。えらい。えらいが、婿殿の婿殿(お尻)があぶない。一晩では終わらぬかんぅの欲望、性欲。婿殿の体力が尽きるのが先か、かんぅが腹上死するのが先か。

かんぅは死なない。
そう考えると前者の方がきっと早い。
水に揺蕩う中で、欲しいと望む声があれば
赦しが出たのなら一気につらぬこう*]


  感心されても嬉しくないぞ
     だいたい、あれは不可抗力だ
        お前の背が高いのがいかん


[ 感心などと云われても
 褒められていないことはわかる

 そも、あれは悪戯の類などではなく
 顔面に直撃したのは単なる事故
 そう狙ってできるわけもない

 鼻水はこちらに飛ばすなと
 湯をかけられつつ視線に込めた
 牽制の意は嫁へと伝わったかどうか

 ともかく、糠袋へと興味が移る頃には
 鼻の水もすっかりとれていたようで ]


  ……? 五色の家と糠袋と
    なにかしら関係でもあるのか?

   
[ むしろ己としては他を知らない
 とはいえ、嫁がほくそ笑むのをみれば
 その機嫌が良さそうなことに一人、満足し 

 洗ってくれるなら洗われよう
 逃げることもなく、そのまま腕に囚われ
 そこまではよかったのだが── ]


  ひ、ぅ
    ふぇ……くっ、にゃっは

   かゆ、くは……にゃっ
       ない、がっ。ぁ
         

[ 痒くはないがくすぐったい
 むしろ優しく触れられすぎて
 掻かれていても逆にくすぐったい

 身動きもままならない状態のまま
 一頻りあるかなしかの抵抗を試みたあと ]

[ 腰をひねり、両手を使い
 くすぐる手を腕ごと胸の前で抱く

 手だけで足りなければ
 両の太腿も使い挟むようにして ]


  ふ、んっ
    これで、くすぐれぬだろ?


[ 手が離せない代わり
 舌だけだし、あっかんべー。と* ]

 ひぁああああっ♡

[広げられた尻たぶに、反射的に尻に力を込めて開かせないようにしたとしても、かんぅの力には敵わなくて。
ただでさえ、綺麗にしているのか、気持ちよくしているのかわからないのに。今まで自分の力をこんな風に使ったことなんてなかった。
いや、気持ちいいことを知らなかったから。
水の力を自在に操り、彼の前で一人遊びを行う]


 綺麗に、してる、からあぁっ

 ぃやん♡

[かんぅの唇が耳を這う。熱い唇に熱い呼気。冷たい水と対照的でぶるっと体が震えた。
責められるような言葉と共に、かんぅの体がそして彼の体毛が自分の肌を擦れて、痺れて、気持ちいい。
胸粒までをじょりじょりと擦れるのが大好きで]


 ……ふぇ?


[とてつもなく、かんぅを愛してる?
わからない言葉を言われ、目をぱちくりさせる]


 そう、なのか?

[もう体はへろへろで、知らない感覚を教えこまされて、感情もぐちゃぐちゃで。かんぅに一晩中抱きつぶされてほとんど寝ていない(気絶はしていたが)
そのような状況でまともな思考力など残っていなくて、それならば、そうなのかと納得してしまった。人はそれを洗脳という]


 そうか……余は、かんぅ殿を愛しているのだな。
 それも含めて。


[そう言って、かんぅの青龍偃月刀を足先でつん、と突く]


 余は、体の中からちゃぁん、と綺麗にしたぞ。
 今度はかんぅ殿も綺麗にせねばなるまいな。


[丸く、つぶれた水風船のように大きく水を出すと、即席のウォーターベッドが湯殿にできて。
そこの表面は不思議と人を中に沈めない。
その上に体を投げ出し、そして、蕾を悪戯しだす青龍刀を、ダメ、と両足の裏でこねこねとしだす。足の指の間でつまみ、土踏まずのあたりで擦り。そして出してなお、子種をさらに清算中な下の袋の辺りも足の指で突き]


 余はかんぅ殿のここを、特に好んでおるぞ。
 とても素直で、いい子だからの 


[そう言って、今度は手でシャボンを泡立てたものを足に、胸に垂らし。
太腿から膝でかんぅの青龍偃月刀を挟むと上下に動かしていく。
他のところも洗わねば、と躰についたシャボンでかんぅに抱き着いて、滑りがよくなったじょりじょりで、体を撫でられる感覚にぞくぞくと躰を震わせる。
様々な刺激でむくりと起き上がった箇所の先端を、恥ずかしそうにかんぅの剣先にくっつけた*]

  ほう、お主そう止めるのか。


[糠袋を持った手を身体ごと絡め取られると一度動きを止めた。
くすぐれぬかと言えば出来ないことはないが何事も無理やりというのは品がない]


  予の背が高いわけではないが。
  凡そ普通くらいの背丈であるぞ。
  鼻水は不可抗力だ。


[ただし次からは気をつけてやろうと少しばかり逡巡する振りをする]


  五色の家は糠袋派なのだ。
  国の外より石鹸なるものが持ち込まれたこともあり。
  塩が身体に良いと塩で磨く文化も伝来したことがあるが。
  変わらずであった。


[緋扇や蘇芳よりももっと前よりそのままである]

  しかしだ。
  その前、更に古くは人は肌と肌を擦り合わせていた。
  そうして身体を洗っていたらしい。
  丁度このようにな。


[手から糠袋を手放すと掌をつるぺたーんとまっ平な胸に触れる。
そのまま手首を動かし肌を擦ってやれば薄い胸も綺麗にしていけるだろう]


  言っただろう。
  隅から隅まで磨いてやると。
  ほれ、太腿も、股も磨いてやろう。
  耳裏もしっかりな。


[糠袋を使わなければ両手を使えるのだ。
腰を押さえていた手でお尻や背筋を擦りながらやれ抱き着かれている形がいつのまにか男が抱き着く形となっていた*]

[一人遊びはいよいよ激しく。
淫らに啼く婿殿に更なる快感をとかんぅは彼に触れた。身体で唇で、声で。そうすれば婿殿は愛おしい程に喘いでくれる。打てば響くとはこのことで、愛を気づけば口にしていた。

其れは洗脳なのかもしれない。
だが、確かに愛はある。
愛し合っているのだと今までのやり取りを思い返し。
彼の中に入りたがる雄は、足先で留められて]


 む……。


[これは厄介。
いや惚れた弱みか。
思わず、眉をぴくっとさせたのは意外だったかもしれぬ。即席の寝具の上に彼は体を投げ出し、両足で熱をこねくりだした。それは初めてとは思えぬほどに達者で。かんぅはされるがまま、いや感じる吐息を零してしまった。


足の指が摘まむ其処は固く。
擦られて肉棒を滾らせ
――突かれては、ぶるんっと揺れて]



 婿殿…


[泡立て、足に胸にと垂らし
此方を洗いだす彼をじっと見つめ。
それから、一度息を大きく吸い込めば]



 ならば…かんぅは、婿殿の全てを好んでおる
 その愛らしい顔も、美しい髪も
 いじらしい目も

 ……雌穴も、此処も 。


[太腿から膝で挟まれたものに合わせ
息が上がる。そんな中でも愛おしさを伝えたいと手は頬を目指し、その白い肌を撫でた。陶器のようで壊れそうだと幾度思っただろう。他の処もと抱き着く彼に擦られ、体は火照る。

震える躰を受け止めて
頬に髪に、臀部に、と手を寄せ
愛おしさ恋しさを伝え

重なる屹立も愛おしいと告げて]



 体も そして …心も
  優しく美しく、少し流されやすい


 ころころと変わる主の反応 も


[全てが愛おしい。
そう告げて、滾る熱情のままに彼のものと自らのものを手で包み、彼の手を引き寄せれば二人つつみ。共同作業といこうか。ぐちゅぐちゅと音をたて二つの熱が絡み合う。まるで競うかのごくと、熱は動き。それでいて、ぴたり添うかのように、夫婦竿となり。

かんぅは唇を奪い。何度と舌を絡め
素直でいい子は恋心を全く隠さず
恋を口付けて

愛を撒こうと強く扱いた*]

[しがみついても、啼いても、それでも胎内に深く埋め込まれた熱を受け入れるのは、茅自身がそれを欲するからであって
決して被虐趣味の為した業ではない
]

 ぁ、あう……ッ、ぅ


[揺らされて、胎の奥をこつりと小突かれて、びりびりとした刺激に一瞬だけ身体が強張るのだが、跳ねた分だけまたつながりが深くならんと、大地に引き寄せられるように、胎の内側は既に奥まで達しているはずの天狗さまをもっと引き込む様に、天狗さまを舐めしゃぶる
あぐと齧った肩口も、痛みが無いわけでもないだろうに、赦されるから、甘えた心持ちのまま、あぐあぐと噛んで、
気持ちよいのだと、耐えがたいくらいに善いのだと、言葉にならない分、身をもって伝えたくて
それを受け入れるかのように優しく抱きしめられれば、嗚呼、胸の内を占めるのは
多幸感
]

 
ぁーーーー…


[『繋がれる』と、言葉と同時、最奥を、文字通り
『貫かれる』

その衝撃に刹那、頭の中が真っ白になって、がく、と頭が後ろに落ちかけて、一拍遅れて快感の奔流に無理やり意識を引き戻される]

 
あーーーー
ッア
……ッ


[何度達したか知れないのにまだ天を衝いて震える中心まで刺激されてしまえば、もう、耐えようもなく
最奥と思っていた場所に食い込んだ槍先から、熱い精を注ぎ込まれ、胎の内側から焼かれる様な錯覚に、びくびくと内腿を震わせて、けれど注がれるものを一滴でも逃すモノかといわんばかりに喰い締めて、締め付けて]

 
ひゅ……ッ


[細い息が喉を通り抜ける音だけを残し、息を止めた
ぼやける脳内に、けれどしっかりと抱きしめられた温もりだけがはっきりとしていて、
一度強張った身体から、ゆっくりと、ゆっくりと、力が抜けて、
暫くの間をおいて、ただその体温に身を任せ、茅の唇から深い息が吐きだされ、
漸くくったりと弛緩した**]


  止めぬと思ったか?
     ふふん、諦めても良いぞ


[ ほうら。と絡めとる力を一層と強くする

 と言っても体格の差もあり
 相手が本気で振り解いたならば
 容易く抑え込まれてしまうだろうが ]


  普通ぐらいでも充分高いぞ
   なにせ緋扇はお前より小さかった
      蘇芳の背丈は覚えておらぬが


[ 他を知らぬのだから、あくまで己基準
 己と緋扇より高ければそれは高いとなる

 そして他を知らぬのは
 体を洗う手段もまた同じであり ]


  セッケン?
     雪隠なら知っておるが
        それだと厠のことだが……
     
   訳の分からないセッケンはともかく
      塩だけはダメだ、あれは傷にしみる


[ 走り回ってこけることも多い分
 塩で洗えば痛いのは目に見えている
 気まぐれを起こされてなるものかと首を振り ]


  肌と肌を擦り合わせる、か?
    なにやらそれは、おしくら饅頭のような

   あぁ、でもその方法ならば
     洗う方、洗われる方ともに綺麗になる
       手間がなくて良い……か。ぁっ、ひゃん


[ 最後に述べられた方法には成る程と
 確かにその方法ならば
 どこででも体を洗うことができる

 古くからあるだけあって合理的なものだと
 妙なところで感心していたため
 嫁が糠袋を手放していたことに気づくのが遅れ ]


  ふ、ぇ……
    そんなこと言ってお前
      また、くすぐるつもりだろう?

   ぁ……っ い、いや。
     くすぐられてはいないかも……だが
          その……なにか変な感じが
         

[ 背筋を擦られれば
 くすぐったさに体が弓形となる

 背中とお尻、双方をする動きから逃げるよう
 自然ともう片方の腕へより深く体を寄せていく*] 

[肩口を何度も噛む仕草も、感じ入っているからと思えば止める気もなく
苦し気な中にも悦ぶかの色を見つけ、この嫁を永劫自分のものにできるという悦びに酔う

ヒトであれば早々届かぬ奥の奥、本来なら触れることのない場所を貫く
つい先刻拓かれたばかりの茅の体には強すぎる悦を与え
互いの全てを繋ぐための一撃を放って]

 っ、く……

[声にならぬほどに喘ぐ体を支え、搾り取られるまま全てを飲み込ませ
きゅうと食い締めるその場所に、形を覚えさせるかに震わせて

息を、
止める

息が、
止まる


一瞬の静寂は、互いが確かに繋がったことを示すが
強張ったままの姿にふと不安になる
壊れることはないというのに]

[ようやく呼吸を取り戻し、くてりと弛緩する背をあやす]

 よう頑張ったの、茅……これでワシらはずっと一緒じゃぁ

[その天狗の声も、今までにないほどに満たされていたかもしれない
初めての事ゆえに比べるものはないのだが
生まれて初めてヒトを愛しいと思った、その茅がヒトではない天狗を受け入れた
それが嬉しくて、嬉しくて]

 あ、
いかん
……

[嬉しい、と同時にまた欲が湧きかけて顔をあげる
いくら死ぬことはないとはいえ、休むことは必要だろう
何しろ、一度目からほぼ間をおかずに致してしまったので]

 ちぃと我慢せいよ

[声を掛けて抱いた腕を緩め、すっかりぐちゃぐちゃの「白無垢だったもの」へと寝かせ
ゆっくり、ゆっくりと引き抜くと、元白無垢で体を(主に下半身を)包み]

 ここじゃ休めんじゃろ、ワシの住処まで戻るとしようか
 そんで、一休みしたら村に「挨拶をしに」行くんじゃ

[洞穴の入り口は隠されているから、今が昼か夜か定かではないが
まだ茅がここにきて半日も経っていない、はずだ
そんなにも早く「喰われたはず」の者が現れたとなれば、さぞ見ものだろうと笑い
茅を抱き上げようと手を伸ばす
腕の中に納まれば、大事に、大事に抱きかかえ洞穴から出て
翼を広げ住処へと]

【人】   天狗

[さて、天狗の住処は山の頂近くにある
先代の天狗を追い出し住み着いたその場所は簡素な作りの小屋なのだが

中には人に必要な家財道具が一通りそろい、厠も竈も備えてある
何なら風呂まであるのだが、それを使ったかそのまま休んだか
さすがに今日は無理は出来ぬと一応は自重して


いずれにせよ、一心地つけば、村へと向かおうとするのだろうが**]
(0) 2021/06/29(Tue) 0:46:33

【人】 龍之介

 
[戸を開くとすぐ、そのお姿があった。>>14
 きっと成果を期待して
 出てきて下さったのだろう、と
 そう思うのに、この体たらく。



   (どうか、どうか…見放さないで下さいっ、)



 必死の思いで
 額を床に擦り付ければ、
 常になく焦った様子で声が掛けられ
 華奢な体が潜り込んでくる。>>15
 
(1) 2021/06/29(Tue) 11:00:04

【人】 龍之介

 
[申し訳なさに塗りつぶされていたから
 何が起きているのか分からぬまま、
 それでも、できるだけ体重を掛けてしまわぬように
 片足で体を支え
 付いていったのだけれども、]
 
(2) 2021/06/29(Tue) 11:00:14

【人】 龍之介

 


   
────っ、!!!?




[部屋の灯りに照らされた
 赤く腫れぼったい目元に息が止まる。>>3:14


   (誰が、何が、
     ミクマリ様にこんなお顔を…!)


 森で獣と対峙した時と同じかそれ以上に
 総毛立たせているうちに
 座らされ、籠が取り払われて、
 胸を掻き毟られるような叫びが鼓膜を叩く。>>3:16
 
(3) 2021/06/29(Tue) 11:00:34

【人】 龍之介

 

[ぎゅっと腕が回り、>>3:16
 俺のことを捕まえてくれて、それで、

 それで漸く────



   (あぁ、こんなにも、
         心配してくださって…)

 

 頑なな脳にも理解が及んだ。]
 
 
(4) 2021/06/29(Tue) 11:00:47

【人】 龍之介

 
[あたたかな波に
 とぷんと
 飲み込まれたみたいな心地良さに包まれながら>>3:16
 吐露してくださる御心を聞く。>>3:17

 逝くなと必死に
 引き止めてくださるから
 要らぬと追い返されてしまう未来が霧散して

 心を傷めさせてしまっているというのに
 どうしようもない嬉しさが
 込み上げてきてしまう。

 こんなに泣かせてしまっているというのに
 喜んでしまう自分への憤りと
 申し訳なさもが綯い交ぜになって、
 胸中を吹き荒れた。]
 
(5) 2021/06/29(Tue) 11:01:07

【人】 龍之介

 

[どうしたら、伝わるだろう。
 どうしたら、伝えられるだろう。


 平気なのだと、
 命に別状は無いのだと。

 それから、それから、それから────…、]
 
 
(6) 2021/06/29(Tue) 11:01:26

【人】 龍之介

 
[痛みの引いている片腕を持ち上げて
 優しい恵みの雨を
 降らせてくれる頬に触れながら>>3:17

 吐息だけでも伝われ、と
 音にならないことを承知で懸命に呼気を送り
 唇を動かしてみれば、]



   
だ… ぃ じょ、 ぶ




[掠れ声が微かに響いて、目を見開く。]
 
(7) 2021/06/29(Tue) 11:01:42

【人】 龍之介

  
[驚きながらも
 もう一度試してみれば、
 今度は、もう少しはっきりと音になった。]



   
… だいじょうぶ、ですよ


   
     だから、 泣かないで…




[自分が知っている昔の声よりも
 低く、胸に喉に響く。]
  
(8) 2021/06/29(Tue) 11:01:56

【人】 龍之介

 
[もし、
 腕の力が緩んでいるようなら振り向いて
 お顔を見つめながら、
 強く抱えてくださったままなら、そのままに。

 久しぶりだから
 ぎこちなさはあるけれど
 伝えられる喜びを噛みしめるように
 ゆっくりと語りかけていく。]



   みくまり様 は、 少しも わるくないです

   むしろ…  これの、おかげで たすかったんですよ

   目に 一突き してやりました



[お借りした懐刀を
 袂から大切そうに取り出して差し出すと
 ありがとうございます、と柔らかく笑んでお返しして。]
 
(9) 2021/06/29(Tue) 11:03:33

【人】 龍之介

 
[そうして更に、付け加える。]




   それに、 みくまり様が
   なおしてくださったんですよね?

   足も 腕も もう、まったく痛くなくなり… 



               ‥‥ぇ、っ ?



[傷口を確認しようと
 破れた袖を覗き込んだところで目を瞠る。]
 
(10) 2021/06/29(Tue) 11:03:56
 


   龍、…だ



[今にも動き出しそうなほど
 躍動感たっぷりに描き出されているのは
 己の名にもなっている、伝説の生き物。

 枯れた土地に生まれた俺に
 豊かな水に恵まれて過ごすことができますように、と
 両親が残してくれた
 唯ひとつの形見と同じ。]
 

 
[そして、這々の体で村に辿り着いた俺たち兄弟を
 弟だけでなく
 声の出なくなった俺も一緒に
 引き取ってもらえた理由だとも聞いている。]
 

【人】 龍之介

 


   俺の、なまえも 龍之介、って いうんです


            でも‥‥  どうして?



[今しがた、ミクマリ様も
 まだご存じないと仰っておられたのに>>3:17
 浮かび上がっているのが、とてもとても不思議で。]
 
(11) 2021/06/29(Tue) 11:05:24
 

  「皮肉にしか聞こえない」と、彼は言う
  事情を知らない私は、何を伝えるか迷って。


   「 ……そうなのね。 」


  相槌を打ちながら、そっと彼に近づけばその手を取り
  両手で包み込むように持つ。
  
  否定するのは簡単だ。
  でも、自分の考えを押し付けたいわけでも
  彼に想いを改めて貰いたい訳でもない。

  だから、静かに寄り添うことにした。
  過去の彼と、今の彼に。
 



  そうして話すのはこれからのこと
  私の言葉で決まってしまう先行きに
  本当にこれでいいのだろうか、という
  見えない怖さはある。

  自分だけのことではない、
  村の人達にも関係する問題。

  けれど、いつまでも留まっていては
  前に進むことなど出来ないのだから。
 

 

  伝えなければ、彼が意見を変えることは
  なかっただろう。
  村は生贄を差し出し、安寧を得たままで
  そうして季節は巡っていくはずで。

  それを変えたのは私という存在。
  ならば、責任は果たさなければならない。

  逃げることだって出来たのだろう
  でも私は、この道を選ぶ。*
 





   主は蛇が屠る人々の魂を甦らせた。
   その人智を超えし偉業は神達への冒涜とみなされ
   自然原理への干渉は罪であると裁かれる。

   しかしその勇姿は英雄でもあるとし
   空に主の虚像を作り讃えられた

   それは罪でありながら功績でもあると。

   人間というものは愚かだが
   その始祖なる神というものもまた大概だ。











      「お前のような者がいれば
       我が主も報われよう。 」









   己の手を包む姿は聖母のごとく。

   信念をぶつけるのではなく、受容。
   それは己を知りたいという願いとは
   相反するものかもしれないが

   恐らくこれは正しい姿だ。
   それは人間が広く言うW理解Wの外側にある境地。




            ありのままを受け止め、
            どう在るべきかではなく
            どう在りたいかを考える。




   そこに至る為に人間はその一生を賭けるもので
   同じ穴の狢であるラサルハグも随分遠回りした。

   







   どう在りたいか。
   ソフィアが導き出す答えを前にして
   ラサルハグはただ微笑んでみせる。

   もしソフィアが責任を感じていたとしても
   それを背負う義務などこの世のどこにもない。


   それでも彼女は、選ぶ。


   その姿は神に裁かれることを受け入れ
   己に最後まで言い聞かせ続けた
   主の本懐を遂げるかのごとく。



   




   全てを受けいれたラサルハグは目を開き。
   慈しみを持ってソフィアの頬をまた撫でる。

   あの日から未来に至るまで
   彼女にこの言葉を何度捧げることになるのだろうか。
   それは神ですら知らぬことだ。


   






── ▷ 『ラサルハグ』と『ソフィア』 ──


[かんぅの手が、壊れそうなものを守るかのように、大事に、大事に触れていく。
そこまで丁寧にしなくても壊れないと伝えたいけれど、でも宝物のように扱われるのも嬉しく。そんな彼が激しく求める時の乱暴さのギャップも嬉しくて。
ああ、どちらのかんぅ殿も結局好きなのだ、と思う。
彼の大きな手の中で、二人分の熱を包まれ、そうされながら唇をも合わせて、舌でお互いを味わい、唾液を交換して……]


 あ、だめ……。



[強くしごいて達かせさせられそうになって、とっさにかんぅの手を留めさせてしまう。
きっとかんぅ殿は自分のためを思って、こうしようとしてくれてたのだと思う。また、はしたないと叱られるかもしれない。しかし]


 かんぅ殿の命の精は、全部、余の中にほしいのだが……


[それは、余の我儘かの?と。
首をこてん、と傾けるが別にあざと可愛さを狙ったわけではなく、ヤオディの癖である。

せっかく綺麗に中を洗ってもらったのに、また汚してほしいというなんて叱られるかもしれない。
自分の水術で中を綺麗に洗えるが、でもかんぅ殿の手で蜜壺を割り広げてもらわなければ奥の奥まで届かないし。

それならば、こちらの口でも構わない、と、かんぅのかんぅを自分の、と言わんばかりにぎゅうと抱きしめ。
彼が達ってしまわないように根本をぐ、と両手で押さえる。
鈴口をぺろりと舐めて、大きな青龍偃月刀の切っ先をあむあむと口に含も、
こちらの口でなら、もらってもいいのか?とそう問いかけながら、ぺたん、と水の布団の上に座ってじっと見つめた*]

[此方の腕は優しいぞ。彼方の手はいやらしいぞ。

普段三味線を持つ腕へと寄せてきた体を優しく抱きとめながら男は自身の身体と腕でリンを囲い逃げられないようにしてしまう。
宛ら三味線代わりに抱く身体に撥の代わりに指先で背筋やぺったんを擦っていった]


  雪隠はそのまま厠であろうが。
  石鹸は何やら泡が沢山出てな。
  流すと肌がきゅっ、きゅっと鳴るのよ。


[その様にリンの身体に触れながら話は続けていた。
緋扇のことや蘇芳のことを話すときは饒舌であるしそれ以外でも負けん気が強い。
さぞや手を焼いていたことであろうが不思議と憎めぬのだろう]

  大きくなれば変な感じもまた変わるだろう。
  多分な。
  擽るのは最初だけよ。
  構えるのに疲れてくれば自然力は抜けるからな。


[男の指先はぺったんから脇腹へと伸び、再び優しくそこを指の腹で擦りゆく。
擽ったいのも慣れていけば少しはマシになるだろうか]


  しかしこれでは予の指先だけが綺麗になってしまうな。
  お主も予の身体を擦って良いのだぞ。
  おしくらまんじゅうのようにな。

  嗚呼――ちなみに予は擽ったいことなどない。


[そう脇をちらつかせてやろう*]

[あ、腹上死するかも。
しかしそれも本望。宝物のような愛おしい婿殿は性豪であった。二人分の熱を包み、舌で唾液を交換しそうして達するはずだった手を止められ、求められては声もでない。首をこてんと傾げて、その上、口での奉仕をはじめようとするのだから。

まてぃとその頬を撫で]


 …婿殿は疲れておらぬか?


[まず心配するのは
彼の体調である。昨晩の交わりで気を失った身を知るからこそ
鈴口を舐める口端に親指で触れ、熱の籠った息を一度噛み殺せば、大きな体を一度震わせて。]



 …疲れてないのならよい。
 婿殿は、かんぅが思うよりも

ずっと手練れなのだな。


[そう、微笑めば
根本を抑える手を取って繋いで肉体を引き揚げよう。
抱き締めたかったのは個人的な我が儘。彼の華奢な肉体を抱いては唇についた液体を指腹で拭い。腹を撫でよう。すっかりきれいになったそこ、そこに婿殿はほしいという。なんていけない夫だろうか。
夫の性欲を勇めるのも妻の勤め、されど]



婿殿、足を開きなされ


[ひとしきり抱き締めれば
その細い足を持ち上げて彼の肉体を水の寝具にと横たえよう。白い肌は液体に濡れて光、髪は艶を帯びていた。その様子を眺めては腰を浮かせて開くように両足を持てば、婬花が眼下に晒されるか。愛されて赤く腫れた縁を見ては傷がないかを見て]


よき、よき花だ。
赤く腫れておるが、傷はない


[全部欲しいと告げた彼の花に上から
ぴたりと雄を寄せて、全部だな。と確認をすれば、足を引きあげ、何度か彼の熱を此方の熱で押したのち、一気貫いた。全部を与えようとする勢いは、激しく求めるときの乱暴さ。

宝物を大事にする気持ちが

ふっ ん と切羽詰まった声を溢れさせた*]

[
『これでワシらはずっと一緒じゃぁ』

そう、呟いたあんたの声が、
まぁるくて、
やわこくて、
ふんわりしてて、


なんだ、なんだろう、
なんだが、とても、

 ………―――――
嗚呼、
]

[抱きついた腕に僅か力を込めて、
首を伸ばすようにして、
天狗さまの口の端っこに口付けた

ただ、慈しむだけの、口付けを]

 ぁ、

[されるまま、身を預け
天狗さまが胎から出ていくときに、ほんのわずか、淡い声を漏らすも、くったりと、身を預け
抱かれ、ゆらゆらと揺れるのが心地よくて、とろとろと微睡む
まだ“変わった”ばかりの身体は馴染み切ってはおらず、きっと時を重ねれば、体力も追いついてくるのだろうが、
今は優しい夢を見る

誰にも侵されない、俺だけの居場所を手に入れた……
]

【人】 子天狗 茅

[茅は元来、取り立てて特別なこともない、どこにでもいるような、ありきたりの存在だ
どこにいたって目立ちもしないが忌避もされないような
けれど寂しがり屋で、誰かと共にありたいと言うのは意識していなくても根源的な願望として持っている
だから、情をかければ、大切にすれば、同じだけの、いやそれ以上の情を返したものだろう
利用せずとも茅は、きっとお嬢さんの身代わりを買って出たし、天狗さまの抱えた寂しさに気づけば共にあることを選んだかもしれない

けれど、全てはたらればだ。
実際は、そうはならなかった。

だから、状況次第では守護神たり得た素質があっても、茅の行き着く末は………]
(12) 2021/06/29(Tue) 21:49:25

【人】 子天狗 茅

 ぅ、

[気づけば身を清められていた。
その気になれば子天狗は、その妖力で自身を清めることくらい、造作もない
けれどこの子天狗、天狗さまに甘やかされ、世話されることにすっかり味を占めてしまいそうだった。
今度はきっと、俺が天狗さまの身を清めてあげよう。
目覚めて早々、両腕を差し伸ばし、天狗さまに口付けを強請る。
愛されている、愛しまれている、なんて、実感を得るためだけの、些細な我儘だ。

撫でる掌が好きだって、伝えたら、また撫でてくれるかな。
ぐいぐいと額を押し付けるようにして、甘える。
顔を上げれば視線が出会って、茅はふわと笑った。]
(13) 2021/06/29(Tue) 21:49:45

【人】 子天狗 茅

[子天狗になって、ヒトの営みのほとんどは不要であることを、誰に教えられずとも知った
きっと、天狗さまだって、必要ない
けれど茅はまだ、その意味に気づかない

きっと、この天狗さまの住処のあらゆる設備は究極、“嗜好品”だ
食事にしろ、入浴にしろ、それらが“娯楽”たり得るのであれば
きっと、天狗さまは元々……
けれどまだ、茅はそのことに気づかない
気づけない
だからこそ……
]

 天狗さま、
 ………いこう?

[無邪気に、何の憂いもなく、
かつてヒトを捨てたであろうひとの過去に思い馳せることもなく、
ただただ純粋に、
“共に何かを為す”ことに楽しみを見出して、
強請るように、誘うのだ**]
(14) 2021/06/29(Tue) 21:50:32
 疲れてないといえば、嘘になる。
 ただ、かんぅ殿が欲しいだけで……。

 手練れ?


[なにを言っているのだろう?と不思議そうにすれば、かんぅの手によって体が持ちあげられる。そして、子供のように抱きしめられ、唇の淫液を拭われてしまう。

正真正銘の童貞であり処女だったのは、かんぅの知るところなのに、それが手練れとはおかしな話。

そう思っていれば即席の水布団の上に寝かされて。
水は乱反射し、そしてその肌をヤオディが照らしてますます白い肌が綺麗に映える。
かんぅに命じられて、もじもじと、緩やかに足が開いていく。
彼の鋭い目が疵1つでも見逃さないとばかりに花を調べていく。
彼の息遣いですら感じてしまうのに、そんな風に見つめられてはもうダメだ]



 ああっ……かんぅ殿ぉ♡


[貫かれる度に、痛みが消え失せ、二人が1つになっていくのがわかる。
中をいじられ交わる快感は、かんぅしか与えられない。
正面から抱かれれば、かんぅの男らしい姿が見えて、なぜだろう、最初はただの変質者だとしか思えなかった彼が、とても男らしくたくましく、格好良くしか見えない。
とっくに絆されて、そして、離れたくなくて――。

ほたほた、と歓喜の涙があふれる。
ぎゅうっとかんぅを抱きしめ、動かせないようにして、熱い息の元で囁いた]

 そち亡き後、また800年もそちが生まれ変わるのを余は待てない。
 そちがいなくなったら、余は浮気する。絶対他の嫁をとってやる。
 それでもよいのか?


[よい、と言われたら困る、というような顔を見せ。
いや、それくらいならここで殺してやる、と唐突に殺意を見せようか。
情緒不安定な白竜は、手の中に取り出した透明な玉をかんぅの胸に沈みこませていく]


 だから、そちにこの如意宝珠を貸してやる。
 これは、生まれた時に余が抱いてきたもの。
 それを持っていれば、そちの命は余のもの。余が死ぬまでそちも死なぬ。


 ふふ、命の無駄遣いはせぬようにな


[かんぅが何か命数を削るようなことがあれば、ヤオディの命が削られていく仕組みのもの。
かんぅが例え嫌がったとしても、それを許すつもりはなかった。]


 すまぬの。余は我儘での。


[そしてそれを誤魔化すように、かんぅの脇腹を自分の太腿で挟み、もっとひどく抱いてほしい、と囁いた*]



  頬を撫ぜる手はひんやりと蛇のように冷たい
  けれど、私に視線を送る彼の瞳は柔らかく
  反するように温かい気持ちにさせるものだ。

  いつかに聞いた言葉
  あの時は聞けなかった言葉

  波紋を作るように音が心に響けば
  裏葉柳は弧を描く。
  

 

       子供の頃、空に浮かぶ星を
       掴もうとしたことがあった。

       でも、手を伸ばしても飛び跳ねても
       あの光を掴むことは出来なかった。




  大人になった今でも、
  空に浮かぶ星を掴むことは出来ていない。

  でも、手のひらの中にある水が
  きらきらと輝きを映し出すから。
 

【人】 ソフィア



  運命の輪は回り、人は明日を描き続け>>2:=14
  限られた生の中、道を定め生きてゆく>>2:=15

  運命が、最も相応しい場所へ
  その者を連れていくというのなら

  私たちの道が重なったことは
  定められたことだったのか。
  それとも ───。
 
(15) 2021/06/29(Tue) 22:43:11
  

   「 ラサルハグ、どう? ……美味しい? 」


  人は食べねば生きていけない。
  彼は良くとも、私には必要不可欠なもの。

  得た食材で、今日は簡単なサンドイッチを。
  あの日よりも経験を積んだ腕だ
  なかなかの出来になったのではないだろうか。*
 

[ ここに楽器はない
 そのはずなのに
 漏れる笑いは楽器の音のよう

 冥桜の手が肌をくすぐり動く度
 高さを調子を変え、笑い声は響き ]


  泡が出るのか……
   というと蟹のようなものか?
        あれもよく、泡を吐くが
  
   あぁ、でも蟹ならば
      キュとは鳴らぬな
         鳴るのはえごの実だな


[ それでも、喋るのをやめないのは
 知らぬものを思い描くのがたのしいから

 いくら広い屋敷で暮らし
 何不自由なく囲われていたとして
 外に出ることのない身では飽きが来る ]

[ それは、この嫁に触れられても同じこと

 刺激に、変化に飢えた身には
 擽られることもまた、面白いと感じるから ]


  大きくなれば……か?
    んー、よくわからぬが

   疲れるまでくすぐるつもりか?
      それは少し、勘弁して欲しいぞ
    

[ 嫁の指が脇腹に触れ、体がぴくりとなる

 ただそれだけ
 いつのまにかこそばゆさが
 心地よさへと変わり始めていき ]


  ──ほう
    擽ったいことなどない。か
 

[ 挑発に、にやり
 パッと表情が明るくなり
 口の端に悪い笑みが浮かんでいく

 擽れと言うよう脇を見せつけられたなら
 胸も腹も、その下も擦り付けるほどに身を寄せ
 男の脇の下へとめいっぱい手を伸ばし── ]


  ふふん
    これでも、か!!

   ええい。この下のが邪魔だな
     冥桜、これ縮められぬのか?
     

[ 手をわしゃりと
 そうすれば必然的に体に当たるのは
 先に邪魔ではないかと尋ねたあの箇所であり

 いかにも邪魔だというように
 手の甲で軽くぺしりと払ってみたり* ]




[ 様子の変わった千
 鬼は漸く、真に語るべきは何だったのか気づく。

 しかし花嫁は賢い人の子であり、思い至るものがあったらしい。 ]

すまない、
私にとっては当たり前のことで、伝えるのを忘れていた

[ 故に口にするのは謝罪のみ。
 そうして己が受肉した悪霊に等しい存在だと肯定する。

 驚きはすれど怯えることはない千に、今更安堵などしない。
 初めて顔を合わせた時からそうだったのだから。

 恐れを知らず、相手の姿素性も気にしない
 ただひたすらに求められることを求めていた。

 ────誰かに認めてほしがっていた。 ]



そうなのかもしれない
記憶がある者たちは、皆それぞれ恨みがあるようだからな

私にもきっと、あったのだろう
喜ばしい思い出も大切なものも、塗り潰してしまうような何かが

[ 何処か常より稚気な口調で繰り返される呟き、
 自分自身に言い聞かせ、理解しようとしているようだった

 預けられた細やかな重みを支える鬼の表情は穏やかだ。 ]

だが、不思議とな
お前と共に知るのならば、恐ろしくないような気がするのだ

[ 今の千は認められるだけではなく、相手を認めようとしている。

 その姿に愛おしさを覚えぬことなどあろうか?
 心強さを感じずにいるだろうか?

 心とは身体のように簡単に支えられるものではない。
 人間の夫婦でも、きっと。 ]

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 今は他人のようにしか思えない自分を見つけたとして、
 何を思うのは鬼には未だ分からない。
 それでも、千の想いが喜ばしかった。
 この子がいれば何かが悪いように傾くとは、思えなかった。

 ──だが。
 眉を寄せ、少し遠くを見るように考え込んで。
 再び口を開けば、重くなった声で語る。 ]

とはいえ、今更その手段など……

[ ありはしないだろうがな、と。 ]*
(16) 2021/06/29(Tue) 22:55:22
  いやいや、あれよりも余程繊細な泡よ。
  ぶくぶくではなくふわふわという感じのやつだ。
  こればかりは実際に見てみねばわかるまいな。


[供物の中に入れるものだろうか。
行商の者が運良く持っていれば手に入る程度のものであろうが――]


  その蟹はあれか、緋扇を摘まんだやつか?


[しかしながら無いものは仕方あるまい。
それに糠袋はこれはこれで良いものなのだ]


  それも悪くはないが流石に予も疲れてしまう。
  疲れすぎては眠り難くもなろうというものだ。
  明日からもすることは山積みであるからな?


[戯れ程度だと暗に告げると男は柔と尻に触れ――その気配に確かに童子特有の悪さを感じた]

  ううむ、擽ったいことはない。
  もっと掻いてくれて良いのだぞ。
  だがな、そこはいかん。
  繊細な場所だからな、扱うときは丁寧にだ。


[わしゃわしゃされてもくすぐったさもなくそうした仕草を見せることもなし。
男は余裕の笑みを浮かべていたが軽く払われたその衝撃で腰が引けた]


  今のは少し痛かったな。
  触るなら指先で優しくしてくれると良いが。
  身体もそこそこ洗ったことだし冷める前に湯につかろうか。


[リンがそのまま擽りを継続するかはわからぬが男は脇の下に手を入れると抱き上げてそのまま湯舟へと向かった。
湯舟の傍で足先で温度を確認するとまずが脹脛まで入り腰を下ろした]


  良い湯だな。
  身に滲み入るとはこのことだ――。
  うむ、先程叩かれたところが少し痺れるが。


[湯に浸かるとぴりぴりとする感覚に苛まれたので眉が少し顰めてしまうものである。
ただそれを差し引いても湯につかることは身体を落ち着かせてくれるものでリンを抱き枕にしながら呆けたような

吐息を漏らしていた*]

[口の端に触れるだけの唇に言いようのないほど満たされる
嬉しい、嬉しいとそればかりを思う

天狗はまだ
「しあわせ」
というものを知らないから]

【人】   天狗

[住処について、とりあえず身を清めてさっぱりした方がよかろうと風呂に行き
まだ動くのもおぼつかない茅の体をきれいに流す。
何しろ
動けなくしたのは天狗だから
して、甘えているのがわかれば尚のこと
慣れてきて体力が追い付くころには尻に敷かれているかもしれないがそれはそれ


そうして、暫しの眠りののちに目を開ければ確かにまだそこに茅がいて>>13
強請られるままに唇を重ね、慈しむように背を撫でる
じゃれつく様子は無邪気なままで、それもまた天狗を嬉しくさせるのだ]

 普通にいろいろあって驚いたか?
 今までの嫁には必要なもんじゃった、ワシには真似事でしかないがの

[人の営みそのまま持ち込んだ住処の理由をそう告げる
だがしかし、眷属となり同じく必要なくなった茅とあっても、きっと「真似事」を娯楽と楽しむのだ

天狗は知らない、本当の己が望み、何故「ヒトの営みを真似るのか」
得られなかった「ヒト」としての……
だが、それは知る必要もないことだ
天狗は、ヒトではないのだから
]
(17) 2021/06/29(Tue) 23:56:24

【人】   天狗

 ああ、そうじゃな、行くとするか

[無邪気に、これからすることが楽しみであるかのように茅が誘う>>14
かつて、天狗が生まれた村を潰したように
そうしてヒトを捨てたように

茅もまた、育った村を捨てるのだが、天狗がそれを憂うことはない
きっと茅は、それでも純粋なままでいるだろう
無垢で無邪気なものほど、実は恐ろしいのだが]

 きっと驚くぞ、茅
 ほれ、飛んでいくからしっかり掴まっとけ

[手を差し出せば、きっと茅は腕の中に納まるだろう
何しろ茅の翼は飛ぶには小さい
育つ可能性は、あるかもしれんが

そうして、愉しげに翼を広げ麓の村まで飛んでいく

村では今何が行われているか知らぬが、その村の集落の中心に降り立って]
(18) 2021/06/29(Tue) 23:59:09

【人】   天狗

 此度の件で天狗が礼を言いに来たぞ
 ほんに、此度の嫁はいい嫁じゃった

 のう、


[腕の中の「嫁」にそう声を掛ける
礼といいながら気配が穏やかではないのを村人はどう思うか]

 お前からも礼を言うとええ

[言いながらそっと茅をおろし、囁くのだ]
(19) 2021/06/30(Wed) 0:00:22
 好きにせぇ、お前ならできるはずじゃ

[と**]

【人】 鬼の花嫁 千



  ─ それから ─


[今までより少し担うものが増えた暮らしの中、合間を見つけては寺の中のあちこちを探る。

しかし可能性は目に見えて低く、成果は生まれない。
見つかる殆どが千の輿入れが決まってから、或いは暮らし始めた後に運び込まれた真新しい品ばかりだったからだ。

抱えられ、初めて連れて来られた時
人ならざる者らしい場所だと、鬼に人間らしい塒など必要もないのだと感じたものだが
改めて見ると何とも空虚なことだろうか。
かつては眠る為、喰らう為にだけ使われる場所だった。そう思えてならない。]
(20) 2021/06/30(Wed) 1:37:11

【人】 鬼の花嫁 千



[心亡い鬼子を迎えた、心在る鬼。
知恵を授け生き方を教えたのが山の主の如き妖怪ならば、では誰が心を育てたというのだろう。

怨嗟を抱き血肉を欲する同胞の犇めく山で、己が選んだ道とはいえ、贄を送る責務を長年独りで務め。
何処で鬼子とその母親に優しく接し、思い遣るだけの心が生じたというのだろう。

塗り潰された喜ばしい思い出、大切なものの残香がそうしたのなら
──それが千にとっての紅鉄坊との出会いと等しいならば

断片だけでも見つけてやりたいと、千は諦めることなく手足と頭を毎日動かし続けた。]
(21) 2021/06/30(Wed) 1:37:28

【人】 鬼の花嫁 千



[しかし、やはり実りは生まれない。
寂れ朽ちた敷地にも何かの手掛かりなどありはしなかった。
まさか自分を襲った者達を山の暗がりから見つけ出すわけにもいかず、知っていたとして嫌う同胞の為に語るとも思えず。

やはり鬼の語った道理、知る手段はありはしないというのか。

過る思考が現実的と考えても、見つけられずとも変わらず二人で暮らしていけると知っていても、諦められなかった。]
(22) 2021/06/30(Wed) 1:38:08
[不屈は意地にも似て、やがて気を立たせてしまう。

その日は一人で山に出た。
夏の過ちの時、自分の世話の為に狩猟に出られなく干し肉だけでは飢えてしまっていた鬼の為、その腹を充分に満たせる新鮮な肉が欲しかった。

山には獣が減っているというが、いつか教わり作れるようになっていた数日前に仕掛けた罠に獲物が掛かっていた。
だが、その小さな命は生きる為に抵抗し千の指を噛む。
その行為につい苛立って、枝草払いの為の鉈を振り上げ────]


 ……くそ

[────そして下ろした。

意味無く命を摘み取ってはならないと論する鬼は、苛立ちから必要以上に獲物を傷つける行為に悲しみを抱くだろう。

今や鬼子にとって、他者の心を想うのは誰かを抉る為ではなく夫を思い遣る為の思考だった。]



[そのような出来事も挟み、鬼の負傷から時は経っていく。

廃寺の敷地にある樹木の実の色が、青から変わりゆく頃
読み進めていた書物に、この村に関する記述が点在すると千は気づいた。

鬼が結んだ約束の年月、物の怪としての齢
そこから照らし合わせ、近しい年月のものにひたすら目を通す。

普段ならとうに眠る刻、闇の中でも行灯を頼りに字を追い掛けた。

──その人生の全て、人間であった男が負わされた苦しみを知ることなど、書物からは決して出来ないが
ついに、千は見つけた。密やかに記録された、陰の歴史の断片を。]




[口元を覆う掌、指の合間から漏れる言葉を成さない嘆きのような音。

「こいつは人間としてあの村に関わらず済んで幸せだ。」

向けられる哀れみと善意に反抗し、相手を瞿曇と称して抱いたいつかの思考。
なんと残酷で愚かしいことを考えたのだろう。

紅鉄坊は確かに人間として村に関わり、不幸の中に死んでいた。
身体の跡と年月から推測するのなら、村に訪れる前にも悲痛を味わっている。
どちらも、重なる災害が齎した土地の荒廃から始まった人の業の被害者といえよう。

恐らくはこの書物を記した者も、後の世の為その業を敢えて忘れ去られぬようにおきたかったのだ。]

【人】 鬼の花嫁 千



  ─ →紅鉄坊の部屋 ─


[翌朝、話があると早々に鬼の元へと訪れた。

言葉少なく、相手の足の間に座るような形で共に文机に向かう。
二人が共に置かれた書物を読むには、多分それが一番楽だ。]

 紅鉄様は、これをさとが忘れて行ったと言ったな
 俺は……違うと思う

 きっとわざと置いて行ったんだ
 あんたが望むのなら、知ることが出来るように

[常の饒舌もついに見つけた誇らしさもそこには無い。
緊張が、目的の記述を探す手を鈍らせた。]
(23) 2021/06/30(Wed) 1:39:35

【人】 鬼の花嫁 千




 この名前に、覚えがあるんじゃないか

[見せたのはその全てではなく、火傷の跡がある流れ者の男が山の僧侶に拾われ、共に贄に選ばれてしまったという記述。

余所者であり村から離れて暮らした男についてはあまり書かれていない、ただ長年寺で過ごしていたらしい僧の名前がそこにはあった。

許可を貰いこの部屋を調べた時、見つけた石版から読み書きが出来ることは知っている。
それでももし難しい様子なら、声に出して読み聞かせるが。**]
(24) 2021/06/30(Wed) 1:40:12

  その例えからするに綿のような
    だが、綿は泡のようには消えぬし
      そうするとやはり綿とは違うか……

   緋扇の鼻を摘んだ蟹もだが
     他のやつも見たことはあるぞ
       雨の後、縁側に居たこともある


[ 石鹸に関しては気にはなる
 とはいえ、寄越せなどと言うつもりもない
 
 恵をもたらすなどができれば
 我が儘を言うこともできるだろうが
 生憎、己はただ居るだけの存在
 何かをどうこう出来るわけでもない

 洗う道具が糠袋であっても過不足はない
 ましてや、じゃれあうだけならば尚更に

 遊びの邪魔になるものをぺしり
 軽く、糸くずでも払うようにすると ]


  ん、ん
   繊細な場所……なのか
     ならばなぜ、そのように揺れる?
 
    収納されておる方が
      よほど、安全だろうに


[ 不発だった擽りの代わり
 予想もしていなかったものが効いたらしい

 余裕の笑みを見せる嫁
 その腰が引けるのを己が見逃すはずもなく ]


  擽りは効かなかったが
     弱点を見つけられたようだ
       ふふん、満足。上手くいった


[ 謝るつもりなど毛頭ない
 抱き上げられるままに運ばれ
 そのまま大人しく湯船へと浸けられ ]


  んー、痺れるものなのか?
    軽く払っただけだが、それほどか


[ 呑気に吐息を漏らす相手に興味津々
 抱き枕にされた姿勢のまま、手を伸ばし ]


  これ、撫でたならどうなる
      泡でも吹いて転げるか?


[ 上目遣いで嫁の様子を探りつつ
 返事を待つ前に、やわりと撫でてみたりして* ]

【人】 鬼 紅鉄坊



── それからの日々 ──


千、またこんなにも埃に塗れて
私に言ってくれれば、共に掃除も出来たというのに

[ 身体が小さいと何処にでも入り込めるものだと、
 肩を払ってやりながら、鬼は心の内で思う。

 あれから、千はひたすらに記憶の縁を探そうとしている。
 だが、この寺に鬼の管理下に無い古い品など無いだろう
 成果など出ないまま、時間ばかり経っていった。>>20>>22
 それでも、もういいとは言えなかった。

 この人の子を駆り立てているのは、
 自分に対する思い遣りなのだと、理解していたからだ。>>21 ]
(25) 2021/06/30(Wed) 19:19:43


[ 別離を選んだ時胸にあった不安は、
 こうして共に暮らし続けても現実にはならなかった。

 千が喰らえと求めなくなったからでもあり、
 自分自身の生活も見るようになった為でもある。
 定期的に獣の血肉を取り入れることを忘れずに過ごした。

 怪我により暫く、それは難しくなってしまった。
 相手にとっても知れたこととはいえ、
 己の手で獣を獲ってきた日は本当に驚いた。 ]


これを千が……本当に?
……私の為に?

[ 信じられなかった、呆気に取られた。

 若者の罠作りの腕でも、少なくなった獣を捕らえられたことでもなく。
 山を下り人と生きる、別離の先の未来を想い教えた知恵で、
 鬼の為にその糧を得て来てくれたことが。

 一人で不安では無かっただろうか、
 その噛み跡は痛かったのではないか。
 それらよりもずっと、自分への想いが強かったのか。

 胸を満たすものは、その出来事だけでも数多にあったというのに。 ]

【人】 鬼 紅鉄坊

── 或る秋の日の朝 ──



[ 迎え入れた千の手にはいつか渡した書物があった。>>23
 言葉少なくともその様子と姿から察するものがあり、
 自ら文机に向かって足の合間に座らせたのだった。 ]

そうか、この書物の中に──思いもしなかった
彼女に悪いことを……否、違うな

お前と共に、今日この日に開く定めだったのだろう

[ 鬼が知る日まで伝えることを選ばなかったさと、
 手掛かりの無い過去を伝える為に努力した千。

 母子の行動がこの時に結ばれたのなら、今こそあるべき瞬間。 ]
(26) 2021/06/30(Wed) 19:21:54

【人】 鬼 紅鉄坊



……これは、

[ やがて、示された文字の連なりは凄惨な過去を綴る>>24
 大きな流れの中に点在した、小さな村の陰の歴史。
 ある僧侶と流れ者が辿った末路。

 理解出来る筈の言葉が、思うように頭に入らない。
 やがて千が声とした名を、子供のように追い掛け繰り返し。
 ある一瞬で、隻眼を見開き身体を強張らせる。 ]

ああ、そうだ。そうだった……

私は、この僧に命を助けられた……そして、共に殺された

[ 夢を見ているような朧な声が、取り戻したものを告げた。

 意識の外で震え、小さくなっていく。
 それでも抱えた花嫁の耳には、全てが届くだろう。 ]
(27) 2021/06/30(Wed) 19:22:26

【人】 追憶 紅鉄坊



とても寛大で慈しみ深い方だった

いつ死んだって構わない、そう思う程絶望していた私を
老いた身で懸命に看病し、励ましてくれた

山の鬼のことを、恐れるのではなく憂い
危険な場所から離れず、彼らが救われることを祈り続けていた

数多の恩を受けたというのに
守れなかった……私はいつでも、無力だった


[ 取り戻さなかった──千が見せることを選ばなかった記述の中
 そこにいる親代わりのような誰かのことも
 僧に宿っていた面影が、曖昧に輪郭を形作る。

 湧き上がるのは温かさと、それを奪われた喪失感。 ]
(28) 2021/06/30(Wed) 19:22:49


[ 「紅鉄坊様、今のあなたは自由?」

 あれこれと鬼について聞いてきたあの懐いた子供のような女は、
 その裏で真実に気づき、案じてくれていた。
 思うよりもずっと、聡い娘だった。

 答えられなかった問いの理由も今は分かる気がする。

 そして──今からでも、その気持ちに応えたいと思う。
 今度こそ、守らねばならない。 ]

【人】 鬼 紅鉄坊



よく見つけてくれた、礼を言う
これで充分だ……充分過ぎる程、取り戻せたよ

千のお陰で思い出し、受け止めることが出来た

[ 悲しみも憎悪も、その声には宿らない。

 鬼がかつての生の全てを思い出すことは無かった。
 それでも、喪ってしまった大切なものの記憶は蘇った。

 心を落ち着ける時間を、千の体温を感じたままに暫く得てから
 再び口を開き、切り出そう。 ]
(29) 2021/06/30(Wed) 19:23:32

【人】 鬼 紅鉄坊



千、お前に伝えたいことがある

だが、それはとても大きな話で
私たちだけではなく、山にも村にも影響が出てしまう

長い間変わらなかった二つの関係が、大きく揺らぐのだ

だから、待っていてほしい
私の心が決まるまで、重い選択をする覚悟が出来るまで

[ 触れた手をそのままにしてくれていたのなら、
 そっと握り込んでから離し、言葉を続けるだろう。 ]
(30) 2021/06/30(Wed) 19:23:55

【人】 鬼 紅鉄坊




冬が明けたら、きっと告げよう

         あの花が──梔子が咲く前に



…………必ず全て、話すから

[ 背中から抱く腕の力は、人間の身には少し痛い程に。
 今だけは緩めることが出来そうにない。 ]*
(31) 2021/06/30(Wed) 19:24:11
[新たに蟹は複数存在するという情報を得たもののどうも種々の生物が居るようであることが窺い知れる。
ただそれよりも刺激されたものの衝撃が強く、興味を抱くならばと逡巡し首を傾げた]


  何故揺れるかと問われ改めて考えると何故だろうな?


[俯き、リンの更に下にある棒状のナニかを見つめ――]


  確かにこの状態で走ると、痛いな。


[撥のようにべちんべちん体に当たって痛い思いをした記憶があり眉を顰めるに至る。
自然内股になってしまうのは無理もない]


  だから普段は褌で収納しているのだ。
  揺れるのは自然の摂理だろう。
  五色の男連中は皆揺れていたからな。


[ナニはともあれそれは揺れるものなのだ]

  それほどなんだ。
  褌に収納するくらいだからな。
  胸の大きな女子が揺れると痛いと言っていたから。
  やはりこうした突起物は揺れると痛いのだろ――うおっ!?


[ナニに手で触れられ声が裏返りかける。
何やらこちらを見つめながら問うてくるが一体誰なんだこの幼気なリンにそんなことを教えたのはと男は自分で教えるものだろうと思っていたことをされて困惑していた]



  お主、そこはな。
  大層過敏な場所なのだ。
  言わばその行為は眠れる熊を起こすようなもので――。


[むくりむくりとリンの手の中でナニは大きくなっていく。
元からヒートアップしていたそれは手に収まりきるのだろうか]


  撫でてもナニもでんぞ。
  ああ、ナニもでんとも。
  大きくなったら教えてやろうと思うから。
  あまり触れてくれるな。


[そう、ナニもでないということにしておこう。
そうしたい。
男は引き分けを狙うためリンの背筋に指を這わせていった*]




   終わりなき運命から選ばれし二途は
   ラサルハグとソフィアの決断の象徴。

   たとえその決断が偶然であれ必然であれ
   その言葉もまた決断であると。

   ラサルハグはただ静かに
   その決断を受けいれ、讃えるのみ。





 ***


   幾許かの月日が流れた時
   高く聳え立つ木の上に立ち村の様子を眺める蛇は
   今日もまた人間の変遷を見る。

   『神』の庇護をなくしたことに気づくか否か。
   本当に見物であるのはその事実に気づいた時だ。








   ラサルハグに食事は不要だ。
   しかしそれは生命活動の話であり
   その娯楽を知った以上はその香気に
   意識を引っ張られる他になく。


   木から飛び降り洞窟の側へと脚を生やした先で
   ソフィアの作る食事を給わることになる。








      「味は分からぬが
       食べていて幸福は感じる。」


   今でこそソフィアには話せるだろう。
   本当は味など全く分からぬラサルハグは
   幸福を感じるかどうかで測っていると。
   幼き頃に一度受けた恩が幸福であるが故に
   「美味」であると。



         時間が経ってからでなければ
         伝えられぬ事もあるのだ。*




[もじもじとだが緩やかに足を開く彼が
紡ぐ言葉は甘い。優しく扱いたくなるほどに主が愛おしいのだ、と言外に含めて、彼の中に押し入った。昨晩明けるまで味わった其処は求めれば求めるほど、離れたくないと添ってくれた。何度と味わい、貫いているうち、彼の瞳から涙が溢れるのを目の辺りにして。

ぎょっとした。]


 …婿殿…


[何があったのだ。
嫌な事があったか、とその涙を拭おうとして抱きしめられて動きは止まった。何をという驚きは彼の力の強さゆえ、此方を離さぬとばかりの力に息を飲み。それから熱い息で囁かれた言葉に、声を飲んだ。]


 ……。


[生まれ変わるのを待てない。
――浮気する。

其れは、愛おしい婿殿の不器用な愛だった。良いと言われたら困るのに、そんな事を言い。それだけでなく殺意まで見せる彼は、かんぅを思っているのだ。と分かる。

婿殿はかんぅをとても愛しているのだ。
その事実に何か答えようとして]

[胸にと透明な玉が吸い込まれるのを感じた。
笑う彼の言葉の数々、

最後に謝る声
そして誤魔化すかのような囁き]


 ………婿殿。


[全てを聞いてかんぅは彼を抱きしめた。
触れる肌は暖かく、息をすれば、彼の心臓が近く感じられた。胸の中にある如意宝珠が音をたて鼓動しているかのようだ。生まれた瞬間から彼の傍にあったものが今胸の中にある]


 つまり
  生まれたときから死ぬまで
   婿殿とかんぅはともにあるのだな。


[一家に一台かんぅ。
いや、貴方の傍にかんぅか。感激が肩を震わせ、彼を抱く力が強まった。そして肥大する熱の強さ。そうそれは、如意宝珠の力かもしれない。びっくでびっくになって体内をうっかり圧迫してしまう。ぎゅっと抱きしめたまま、軽く腰を揺らし]



 …まいった。
 かんぅは、死しても
 すぐ生まれ変わるつもりではあったが。


[かんぅはそもそも死ぬのかどうか]


 ……婿殿は
 それ以上にかんぅのことを
     思うてくれていたのだな。


[ふっと笑い。
それからこつんと額と額を合わせれば、ちゅっと触れるだけの接吻をして彼の肩口に少しばかり甘えるように傾けよう。彼の方が一枚も二枚も上手であった。また惚れてしまう、いや、惚れ続けているのが、更に増すばかりか。

腰を緩やかに動かして
彼の中を開き]



 ……酷く抱いてと言ったな
 すまぬ、ヤオディ。


[優しく丹寧に腹を熱がいく。
傷をつけないようにというより、刻みこむようにという方が正しく。彼の中を押す熱は媚肉を引っ張り此方の形へと馴染ませていくように彼を抱いていくのだ。何度も何度も擦りつけ]


 …かんぅは、今を刻みつけたい。


[浮気などさせぬ。
命の無駄づかいなどせぬ。
そんな思いをひとつひとつ込めて、重く長く彼の中を貫こう。一度は時間をかけてじっくりと、二度もまた時間をかけて。続けて打つのは長く彼の中をじくじくに蕩けさせ。

腹部で彼の熱を擦り。
胸部を合わせることで鼓動を聞いた*]

【人】 将軍 かんぅ

―祝言―


[どんどこどーん
はあえいさ、えいさあ。よよいのよーい。いや何処の祭りだ。かんぅの心は今燃えに燃えていた。滝の中なので実際に燃える事はできないが、心は今有頂天。そのうち、叫び声をあげて山に飛び出しかねない。なぜそんな事になっているかというと、今日が祝言だからである。

すでに婚姻はすませた身
(かんぅ視点)]
(32) 2021/06/30(Wed) 22:05:04

【人】 将軍 かんぅ

[だが、式はまだだった。
つまりかんぅと婿殿はあれほど愛し愛されあっていたのに事実婚の間柄だったのである。(かんぅ視点)というわけで、結婚式はじめました。纏うは白い花嫁衣裳。

背負うは青龍偃月刀。祝いの席の周りにお集まりの皆様は婿殿使用人たちであり、用意されたお酒を前に
正座する姿は服装が服装じゃなきゃ
様になっただろうに
隣に座るはずの婿殿の魂は抜けてないだろうか。
昨日もかんぅったら頑張り(はっする)すぎちゃったから


――ちなみ、下は履いていない*]
(33) 2021/06/30(Wed) 22:05:57

  なるほど
    走ると痛いものなのか……

   それは少し、いいやだいぶ
      不便なものなのではないか?
      

[ 褌に収納などと言われても
 そも、褌は布であり人体の一部ではない
 なぜ不便のないようにできていないのか
 己からしたら不思議にしか思えないわけであり ]


  胸のことわからんが
    突起物というならば
       耳も鼻もでておるものよ?

   だが、走って揺れとして
     どちらも痛くなどならん
       鼻はぶつけると痛いがそれだ──ん?


[ やんわりと撫でながら
 不思議なことを夢中になって考えていた

 そうしていれば何やら嫁が奇声を上げ
 焦ったような様子を見せたものだから ]

  おぉ!大きくなった
    なぁ冥桜、育ったぞ!!

   なるほど
     これは触ると育つのか
      

[ 新しい発見に夢中の身には
 もはや静止の声など右から左

 さらに撫でればさらに育つものかと
 大きさを増したそれを両の掌で包み
 撫でていれば、背筋への悪戯の邪魔が入り ]


  ふ、ぁ……っ
    こ、これっ!邪魔をするな
       我は今、忙しいのだっ!


[ 背筋を這う手に
 ピリリと痺れに似た何かが走る 

 なんとも形容し難い感覚
 それ自体は決して不快などではなく
 むしろ心地よいというのが正しいもの

 とはいえ、いまはこちらの研究が先。と
 それの上の方、段差の辺りを撫でるようにして *]

[ああよかった。人の理(ことわり)を持つかんぅに、白竜の長寿を押し付けた。
人の身である本人の許可なく強引に、魔物の理を押し付けた。
長寿を喜び、それを求める者もいるが、かんぅがそうだとは限らない。
だからこそ相手の考えも聞かずに強引に事を行った。

共に、同じ時を生きたい。

それだけでは足りず、死が二人を分かつのが寂しくて、彼を縛り付けた。
元は人であるかんぅが死ぬ運命だった時から、自分の命を分けてかんぅと生きるから、竜としての寿命はあり得ないほど少なくなるだろう。
でも、それでもきっと自分は後悔しない。

彼が嫌がらない素振りをしてくれたのが嬉しかった]


 そうだ。
 そちは余と、生まれた時はともかく、死ぬ時は一緒に、だな。 


[そう笑えば、かんぅのびっくなものが自分の中でびっくびくになってしまっているのを感じ、あぁっと体を揺らす。
それだけでなく、かんぅが抱きしめて腰を揺らすものだから、いやいやと首をふり、それと同時に目の端から先ほどの涙が零れ落ちる]

 
 生まれ変わったからって、すぐに出会えるとは思わなんだ
 そちが人間に生まれ変われるかもわからぬぞ?
 どこにいるかわからぬそちを、余はどうやって見つけるのだ

[ぷいっと楽観すぎるかんぅに拗ねたようにすれば、かんぅが額と額を合わせてから軽い接吻をして、そして肩に顔を摺り寄せる。普段は自分の方がすることの多いポーズだが、今日は甘えたい気分なのだろうか。

なぜかお礼を言われて、うむ、とほほ笑んだ―――が]

 ああ、んっ!!

 ……名前……っ


[押し倒されて、ゆっくりと灼熱が中を焦がしていく。丁寧に、じっくりと刻み付けてほしかったから、ひどく抱いて欲しいと言ったのだけれど、かんぅはこういう形の刻み方を選んだのか。

名前を呼ばれて、思わず顔が赤くなる。
なぜだろう、ものすごい照れてしまった。
しかし、それに暇も与えず、ずん、と重く響くような律動でかんぅが動き出す。
かんぅの大きなものが躰を刺し、貫き、引き裂いていく。
痛くはない。痛くはないのだけれど、一突きが重たすぎて、体をひくひくと震わせて受け止めるしかできない。

体を重ねるように彼が乗り上げてくるので、押しつぶされるような気がする。
欲しい場所、触れたい場所に全部かんぅを感じる。
やはり、この抱かれ方が好きだ]

 あ、あああぁっ♡


[きっとこの吐く息や肌の熱気だけでも自分は感じてる。
かんぅの腹部や胸部の厚さや圧迫感だけで、何度も擦られる前だというのに、先に達してしまった。
ぷぴゅっ と頼りない、透明に近いものがヤオディの雄の先端から出て、体を震わせて、感じた*]

  不便かどうかは考えたこともなかったな。
  産まれてからずっとあるものだ。
  これが無いというのもよくわからん感覚になりそうだ。


[ナニやら競うように背筋を撫でながら男は余裕など一切ないことを隠しもしてはいなかった]


  それはお主、鼻も耳もあまり揺れぬだろう。
  こやつはなぶるんぶるん揺れるのだ。
  揺れが大きいと痛いものだぞ。


[ナニしろうっかりと弱点を曝け出した瞬間に水を得た魚のようにはしゃぎまわるのだ。
イカ様にしてこれを止めろというのか甚だ分からぬし、蘇芳と緋扇は苦労したのだろうかと少しばかり会ったこともない二人を思っておくがそれも一瞬のことである]

  邪魔ではないぞ。
  これは予がお主を知ろうとしている行動なのだ。
  なかなかに忙しくてな。
  止めてやることも出来ぬやもしれぬな。


[然しながらリンは此方の弱点を責めているのに対し、此方は背筋を撫でたり項を擽ったりとしか出来ぬ状態だ。
よもや育ち切っておらぬ体に対し春画的な悪戯ができようだろうか、いやできぬ]


  ぐっ、ぐぐ――……お主、そこは、いかんぞ。


[段差を撫でられると腰が退ける。
退けた分だけリンの身が湯舟に沈むが元より溺れることもない深さであろう]


  こうなれば奥の手だ。
  こうしてやろう。


[ほれとリンの身体を横抱きにする形で膝の上に乗せるようにすると男は指先を背筋から離して足へと向けた。
足の裏、そして指先とその間を擽っていくのである*]

[寂しがり屋の白竜は一つ隠し事をした。
其れを番となった者が察する事はあるかは後次第。今はただともにある未来を大事に抱きしめて、生まれたときは違えども。と笑う彼が死ぬときは一緒というてくれるのなら、其れに応えよう。別れ離れる事がないように。
一人、戦場で死なぬように。

――いやいやと
涙を零す彼の雫を掬い]


 ははっ、確かに。
 だがこのかんぅ、婿殿への思いは
 山をも砕く所存。たとえ蟻となろうと

  馳せる気であったが。


[拗ねる彼に対して笑う声は冗談に聞こえない。
かんぅならやりかねない。そんな実績があったが、あまりの楽観に彼が拗ねるのも道理であろう。普段とは異なり自分の方から彼に甘え、気持ちを伝えていざというところで。

彼の様子がまた変わった]



 …婿殿?ああ。


[顔を赤くする彼に
ふと気づけば、抱き寄せて引き寄せ肉体の奥を熱で突いた。確かに強くされど乱暴には、酷くならぬように優しく抱いて。それから、唇を耳元に寄せれば息を吹きかけ]


 …愛しておるぞ、ヤオディ。


[再び彼を呼んだ。
照れる理由を何となく察すれば、とっておきで彼を呼ぼうと甘い声を寄せ。それから、押しつぶすように彼を抱いた。全身でヤオディを味わっている。其の感覚が堪らなく好きだった。全身で味わう彼は、自分を求め啼いている。

溜まらず掻き抱いて距離を縮め]



 ……むっ!!!!


[くっ、と呻き声を漏らせば
彼の熱から透明に近いものが出、、それと同時に中が締まるのを感じ、気づけば、熱を吐き出していた。其れが元気なのは彼より与えられし熱のせいか。みなぎる力はまだまだ老いをしらず、死から彼を遠ざけるもの。はぁはぁと肩で息をしながら彼を掻き抱いて、頬にかかる髪を避け]


 ……また汚してしまったな。


[折角洗ったのに。と笑い
それから、汚してしまったのだから。と達したばかりの彼を抱きしめたまま、また腰を揺らした。出たばかり、自分の熱もまだ力を出し切らぬ分、彼の中を突く角度は異なり更なる感度を導くか。手はそのまま透明に近い液を出した熱に向かい。

その先端をぐりぐりと押して。
気持ちいいを確かめ

扱きだせば、彼の悲鳴ににた嬌声は聞こえるだろうか*]

【人】 鬼の花嫁 千


[己の過去の断片を前に、変わらず強く静かに振る舞い
惑う手に温度と言葉をくれた鬼が、声を詰まらせる。

その様子を見ても、躊躇い無くその名前を声で教えた。

“何も恐れることなど無い“のだから。>>-111]


 ああ、旦那様
 俺はあんたを見つけてやれたんだな

[既に確信に近かった真実だ、改めて告げられても千に揺らぎはない。

稚気で頼りない反応や朧な声に、振り返り触れてやりたい想いが過るが
それはきっと今するべきことでは無かったから、ただ一言返し震えた声の唯一の傍聴者となった。]
(34) 2021/06/30(Wed) 23:40:20

【人】 鬼の花嫁 千



 …………まるで紅鉄様みたいな人だな

[全てを漏らすことなく聞き遂げて、小さく息を吐いて口を開く。

死を望む者を立ち直らせる真っ直ぐな心、
己を犠牲にするかのように誰かの為に独り生きる様。
やはり鬼の心はかつて大切だった者達が創り上げたもの。

変えられない過去を嘆いたり、人間であった頃の鬼の無力さを否定するよりも
きっと大切だったのだろうその記憶を分かち合うことを、千は選んだ。]

 俺は少しばかり埃塗れになっただけだぜ
 頑張ったのはあんただ、そうだろう
 ──なあ、よく戻ってきてくれたな

[余所者の妖怪との戦いで怪我をしたあの日に似た台詞。
鬼の身体は今はずっと傍にあった。だが、心は過去を視た。

その上で常のように呼び掛けてくれる鬼のままで在るのが、とても喜ばしかったのだ。]
(35) 2021/06/30(Wed) 23:40:35

【人】 鬼の花嫁 千



 ……なんだい、随分先の話だなァ
 そんなことを先に言われると、気になっちまうよ

 どうせ俺があんたの言うことを拒むわけがないんだから、
 そこは安心して、他の問題について考えな

[暫くの沈黙の後に、握り、離れてゆく手。切り出された話。
取り戻した記憶が鬼に何かを決意させたのだと千にも分かった。

少しの間を空け首だけが軽く見上げるようにして振り返り、態と茶化すように軽く応え口角を上げる。

本当はその重みを分けてくれと、出来ることは無いのかと言いたかった。
それでも、たかが二十年と少しを生きた人間には背負えぬものだと察して、想いは押し留める。

きっと互いに受け取れない荷と受け取れる荷があるのだ。鬼には握り飯を作るのが難儀だったように。
ならば只、巡る季節の先で来る時を待つだけだろう。]
(36) 2021/06/30(Wed) 23:40:50

【人】 鬼の花嫁 千



なあ旦那様。今日も朝から寒いなァ
だからまだ……このままでいようぜ

[痛い程の力は、しかし抱えた人の子を潰すものではない。
かつて人であり今は鬼である男の、不安や決意、自分への想いが込められた強さ。

だから千は咎める代わりに、もう少し紅鉄坊の時間を奪うことを選んだのだ。*]
(37) 2021/06/30(Wed) 23:41:04

【人】 子天狗 茅

[差し出された手>>18に収まらんと、寄せられた茅の身体をまた、するすると黒い糸が這い、宵闇に似た色の着物がその身を包み込む。
その意匠はまるで、山伏のようなそれで、ついでとばかりに額を滑った黒が、頭襟を形作った。
足元には、高下駄。
背中には、小さいながらも明らかな、漆黒の翼を可視化させ。
そうして子天狗は、天狗さまの腕の中に収まって笑う。

子天狗には、村の様子が聞こえていた。
だから当然知っていた。
今、村は『村長さんの娘夫婦』の『披露宴』の真っ最中。
だからきっと、『天狗の嫁』の『披露』にも、丁度良い。]

 ふふ。
 とっても驚くと思うよ。

[おめでたい話じゃあないか!
なんて。

子天狗は腕を伸ばして、天狗さまの首元に抱き着く。]
(38) 2021/07/01(Thu) 0:06:53

【人】 子天狗 茅

[そうして村に現れた二人に、はじめ村の人たちは唖然とした。>>19
天狗が礼を言いに来た、なんて。
そんな言葉を信じるものなど、この村にはいない。

それから騒然と。
茅がまさか、生きているなど思っていなかったものだから。
そうして何故か、まるで天狗のような恰好をしているものだから。

そうして最終的に彼らが抱いたのは、畏れではない。

                      
敵意
だった。]
(39) 2021/07/01(Thu) 0:06:56
 ありがとぉ、

[茅が笑う。

天狗さまが、好きにしろと言うから。

天狗さまの腕から降りた子天狗の、
高下駄の歯が触れた大地に、
波紋が広がった。]

【人】 子天狗 茅

[次の瞬間、“お嬢さん”が、新郎を匕首で刺した。
さっきまで無かったはずのその刃物は、茅が一度天狗さまに向けたものと、そっくり同じ形をしていた。
新郎はただの人間だから、不意打ちに成すすべもない。
そして刃が刺されば、ヒトは傷つく。
傷の場所が悪ければ、ヒトは死ぬ。
“花嫁”の刃は、“花婿”の喉を、正確に切り裂いた。

紅い血潮が夜空に舞う。

しん、と辺りが静まり返る。
どさ、と“新郎だった骸”が大地に倒れた。]
(40) 2021/07/01(Thu) 0:07:03

【人】 子天狗 茅

 
    あーぁ。
      
しちゃった。

 
(41) 2021/07/01(Thu) 0:07:05

【人】 子天狗 茅

[子天狗が呟くと、ざわ、とヒトに波が立った。
驚く声、叫ぶ声、問いただす声。
あぁ、ぐちゃぐちゃだ。
ぐちゃぐちゃ。

『だってこの人、私のこと馬鹿にしたんだもの』


うつろな表情で、“花嫁”が言う。
同時に別の所で、誰かが誰かを殴り倒す音がした。
それを機に、あちらこちらでヒトとヒトの争う声がし始める。]
(42) 2021/07/01(Thu) 0:07:08

【人】 子天狗 茅

 
 あーぁ。
 いつだって、ヒトを
ぼすのは、ヒトだよねぇ。
 
(43) 2021/07/01(Thu) 0:07:10

【人】 子天狗 茅

[子天狗はただ、そのきっかけを与えただけだ。
子天狗の妖力では、ヒトに特別な力を分け与えることはできないししないけれど、代わりに幻聴を聞かせることはできた。
ただ、ほんの些細な悪口を、隣の誰かが囁いたように、聞かせただけ。
それからちょっと試しに、“花嫁”の手に、刃を握らせただけ。

聞こえた声に何を思ったかは勿論、どんな行動に出たかなんて、そんなのは子天狗の預かり知るところではない。
ヒトとヒトが争うのを眺めつつ、と、と、と天狗さまに近寄って、寄り添う。]
(44) 2021/07/01(Thu) 0:07:13
 
      あは。

            こわぁい。
 

【人】 子天狗 茅

[気づけば紅く濡れて倒れている身体は一つや二つではない。
村長の家の屋根に、火が付いた。

悪意の声が聞こえた所で、普段の行いが良かったならば、それが幻聴であることになど容易に気づけたことだろう。
何せ、長く共に暮らした隣人だ。
けれど、悪意の声を疑いなく信じてしまった時点で……彼らは元々、そういった疑いを互いに抱いていたということだ。
何て哀しいことだろう!]

 案外、幻聴でもなかったのかなぁ。

[くすくすと、子天狗が笑う。
笑う。

……嗤う。]
(45) 2021/07/01(Thu) 0:07:18

【人】 子天狗 茅

[どれだけの時間が経ったろう。
決して小さな村というわけでもなかったと思うが、その割に終わりは割合あっさりしていたかもしれない。

子天狗が、と、と、と大地に波紋を残す。
じゃり、と砂を踏むような音がして、幻覚が霧散した。

後に残ったのは、死屍累々。
そしてその真ん中に座り込む、『お嬢さん』の姿。
真っ白だったはずの着物に、誰かの赤を浴びて、がたがたと震えていた。
その眼前に子天狗がしゃがみ込む。]

 どうしたの?
 “お嬢さん”?

[はじかれたように顔を上げ、『お嬢さん』は怯えたように、後ずさった。
子天狗は、まるで心外だとでも言いたげな顔をする。
ついと近寄って、その冷たくなった両手を握ってにっこり笑ってあげた。]
(46) 2021/07/01(Thu) 0:07:20

【人】 子天狗 茅

 泣かないで?
 綺麗なお顔が、台無しだよ?

[にっこりと、優し気に。
なのに“どういうわけか”、『お嬢さん』は震えたまま、涙を流し続けている。
可哀想だなぁ、と思った。]

 しょうがないなぁ。
 じゃぁ、
『夢』
を見せてあげようか!

[きゅ、と冷たい指先を握りしめると同時、『お嬢さん』が眼を見開いた。
いやぁぁ!と叫んで、白眼を剥いてしまう。

おかしいな。どうしたのかな。
“家族”や“旦那様”との、
甘い夢
を見せてあげてるはずなのにな。

子天狗は首をかしげる。
そっと手を放すと、
自らの手で死んだはずの彼らに追い回され続ける夢に堕ちた
『お嬢さん』は、ぱったりとその場に倒れてしまった。

なるほどきっと、“歓喜の”叫びなんだろう。
俺にはわからないけれど。]

 よかったねぇ。
 “皆”にまた
えて。

[一度だけ、『お嬢さん』の頭を撫でて、子天狗は立ち上がった。
振り返った先、天狗さまの姿を見つければ、また嬉しそうに笑う。
そうして子天狗は、天狗さまの元へと駆け寄った。**]
(47) 2021/07/01(Thu) 0:07:23

【人】 鬼 紅鉄坊

── 来たる冬 ──


では、行ってくる

見つければ村近くまで届けねばならないのでな、
遅くなるだろうが、心配しなくていい

[ 戸口に立った千を見下ろし、頬を撫でる。
 人よりずっと強く逞しくある鬼の身体とはいえ、
 凍える空気の中その命の温かさが愛おしい。

 少しばかりの名残惜しさを覚えながら、背を向け山の奥へ歩き出す。

 その日、独り寺を出たのは陽が昇りきった刻
 薬屋の店主が訪ねて来た後だった。 ]
(48) 2021/07/01(Thu) 1:56:16

【人】 鬼 紅鉄坊


[ 奪い合った時間、抱いていた温かさはもう名残も無い。>>37
 その分過ぎた日々で、幾度も触れてきた。

 すっかり梔子の実が橙に染まり、収穫を終えたのは数日前のこと。

 辺りは白に包まれ、すっかり姿を変えている。
 この百数十年山で過ごし、数える程しか見たことのない雪。
 やはりこのところの気象が影響しているのだろう。

 店主曰く、その中で一人の子供が朝から山に遊びに行ってしまい
 昼を過ぎても帰ってこず、村人が立ち入れる範囲では見つからない。

 先日実を引き渡した際、寺を気にしている様は気に掛かったが
 村の者など皆、どうせ千を嫌っている。早く喰われろと思っている。
 引き合わせたわけでもないなら、そこまで気にすることもない。

 千について口に出して何かを言うでもなかった男の願い、
 小さな子供の命が掛かっているとあれば、引き受けぬ理由は無い。 ]
(49) 2021/07/01(Thu) 1:56:32

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 独特の感触を踏みしめ、音を吸い込む世界を征く。

 吐いた息が白く煙のように立ち上り、消える。
 ──どんなに寒い思いをしているだろうか、可哀想に。

 鬼が探しに来ても、きっと迷子は怖がるだろう。
 共に帰るどころか逃げてしまうかもしれない。

 それでも、鬼の歩みは途絶えない。
 恐ろしがるからこそ、在るべき場所に戻さなければならないから。
 誰かに見つけてもらうのは>>34
 とても救われることだと、知っているから。 ]
(50) 2021/07/01(Thu) 1:56:54

【人】 鬼 紅鉄坊

[ だが─── ]
(51) 2021/07/01(Thu) 1:57:06

【人】 鬼 紅鉄坊



……一体、何処に行ったんだ

[ 山は何処までも静まり返っている。
 どれ程歩いても、痕跡は見つけられなかった。

 同胞が騒いでいないのなら、つまり襲ってはいない。
 雪はとうに降り止んでいる、
 途中からでも隠されていない足跡がある筈だ。

 陽の傾き始めた空を木々の合間から確認し、ふと気づく。
 ああ、
そういえば性別も名前も聞いていなかった。
 ]*
(52) 2021/07/01(Thu) 1:57:19

【人】 鬼の花嫁 千


  ─ 必然の冬 ─


 寺の中を暖めながら待ってるさ
 精々あんたに怯えた迷子の捕まえ方でも考えとけよ、ひひ

[口角を歪めた笑みで可愛げのない事を言い、千は鬼を見送った。
自分など気にせず、子供を見つけることに集中出来るように。

その目立つ姿が白に消えるまで、中に戻ることなく見つめていた。

こんな寒い日に迷惑な子供だと思う。だが、雪が物珍しい気持ちは、分からなくもない。
村人が門前まで訪ねて来るまでは、千と鬼も外の景色を寄り添って眺めていた。]
(53) 2021/07/01(Thu) 1:57:45

【人】 鬼の花嫁 千



[朽ちた穴を板で塞いでいるような廃寺の中はとても寒い。
座敷牢は、陽が入らないがしっかりとした家の中だった。

それでも、千にとってはこの場所のほうが好ましい。

いつも共に食事を摂る、かつて像が置かれ経を唱える為に使われていた広い部屋の中。
長らくしまいこんでいたあの白い着物を纏った上に、更に外套を羽織り
燃えた石炭を、灰が入った火鉢の中へと火箸で移していく。

鉄瓶で湯を沸かすのは、鬼が帰ってきてからだ。
時折灰をならし新しく炭を運びながら、火鉢の前で手を擦りその時を待っていた。]
(54) 2021/07/01(Thu) 1:57:59

【人】 鬼の花嫁 千



[──待てども待てども、その時は来ない。
陽は既に暮れようとしていた。

まさか自分のように子供が襲われてしまったのだろうか。
見つかっていないなんてことは、まさか無いだろう。

いくら送って行くとしても、怯えられたとしても遅すぎる。
鬼にとっては庭に等しい筈の山、理由の分からない不安。

今更飛び出すことも出来ず、もどかしさが胸に渦巻くばかり。]
(55) 2021/07/01(Thu) 1:58:12

【人】 鬼の花嫁 千



[そんな時に戸口が開く音がすれば、何の思考もなく喜んでしまう。

立ち上がり、直ぐに迎えに行ってしまう。


最初から迷子などいなかったなど、鬼すら知る由もないことだ。]
(56) 2021/07/01(Thu) 1:58:23

【人】 鬼の花嫁 千



 紅鉄様……!随分遅く……

[その時の千は、鬼子であった男は

まるでらしくなく、ただの人間みたいに笑みを浮かべていたのだろう。]
(57) 2021/07/01(Thu) 1:58:36
「何故だ……何故、生きている?」






    ッ……

[だが、立っていたのは待ちわびた鬼ではなく
大鉈を携えた中年の男、招かれざる客。

男が薬屋の店主であるともその娘達に起きた悲劇も、鬼に引き合わされず語られもしなかった千は知らないが
開いた瞳孔や発した言葉、生き物としての本能の警報が危険をありありと伝えてくる。

戸口は相手に塞がれている。後退るしか出来ない。
台所にある戸から外に出られる、逃げる隙を見つけなければ──]




「何故、お前だけが!」



    あ゛……
       
あ゛あ゛、あ゛ぁぁっ!!


[振るわれるのは想像したまま。
避けようと身を逸らせた時、起きたことは想定外。

嫌な音を立てて失われた視界の半分。
叫びに近い悲鳴を上げながら蹲り、たまらず熱と激痛を発する部位を手で抑える。

千はただの人間だった。良い家に生まれ、閉じ込められてもその中にいた。

こちらに殺意を持った相手との戦いの術など、持っていない。
伯父に振るわれる暴力は拳か足で、気絶すらしない程度のものだった。]




「鬼の子がのうのうと生き延びて、
 何故うちの娘達が死ななければならなかった!」


[その腕を男が掴み剥がし、床へと引き倒す。

最早千に出来るのは、呻き叫びながら罠に掛かった獣より惨めに無意味に身を捩り続けることしかない。

そこからはされるがままに、激情を吐き出され引き裂かれてゆくばかりだった。]



[やがて声すら潰えてゆく。
陸に上げられた魚のように振り下ろされる大鉈の動きに重なり身体を跳ねるばかりの、獲物。

獲ってきた獣を見て喜んでくれた記憶が過ぎったのは、走馬灯なのだろうか。
紅鉄坊との日々は、やはり鬼の子なぞには過ぎた幸せだったのだろうか。
こんなことになるなら、やはり喰らわれたら良かったのだろうか。

男の憎悪の叫びも与えられる痛みも、今は遠い。]

[鬼子の残る左目から流れた涙は、すぐに紅に混ざって分からなくなった。]



[がらりと色彩を変えた空間、動く者は何処にもあらず

誰もいなくなった部屋で虚しく音を立てる火鉢の熱は、開かれたままの戸から吹き込む風で意味を成していない。

横たわり、その寒さに晒されている男の上下する胸の動きは眠りの最中よりずっと微かなもの。
老人のような白髪は身体や部屋と同じく斑に紅で汚れ、乾き始めている。

命がかき消えるまで、残る時間はもう僅かだろう。*]

【人】 鬼 紅鉄坊

「帰れ、今すぐに!」
(58) 2021/07/01(Thu) 2:02:10

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 人の善意を信じる鬼は、何の情報もなく未だ彷徨い続けようとしていた

 何処からか怒号のように響き渡る、
 育ての父たる男の声がその歩みを漸く止める。

 直ぐに同胞が狼狽え囁き合うような気配を、あちこちから感じた。 ]

まさか……

[ 鬼は漸く気づく。
 山に棲まう妖らにとっても想定外の、非常事態が起きている。

 迷子など、何処にもいない。 ]
(59) 2021/07/01(Thu) 2:02:28

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 輿入れの季から時は過ぎ、
 鬼の知る彼らしい振る舞いをしていた薬屋の店主。

 その傷は決して癒えないものだとしても、
 裏で何を考えていたのか、思いもしなかった。

 体躯に似合わぬ速さの走りが、鬼の焦りをありありと表す。
 己を傷付けることなど無い枝や草など押し退け、
 道無き道を駆け、最悪の想像を払う為に寺を目指す。 ]
(60) 2021/07/01(Thu) 2:02:43



なんだ、この匂いは……

[ 酷く食欲を唆る。濃すぎる血の芳香だ。
 門に到達する前から、強く鬼の鼻腔へと届いた。

 ほんの一時、指から流れる一筋を舐めただけの
 千の血を思い出すことは、流石に無い。

 だがこの状況で嗅ぐそれは、不穏を煽るに充分なもの。 ]

千!!


[ 開かれたままの戸が、淡い希望を握り潰す。
 それでも、それでも、どうか応えてくれと名を叫ぶ。
 何も、返ってはこない。

 駆け上がった石段の先で、見えたもの
 ───季節外れの梔子が、紅い世界に散っていた。 ]



千……ああ、千!

何故、どうしてお前が……

[ 衝撃でぐらついた視界、なんとかよろめきを堪えて戸を潜った。

 込み上げる本能への嫌悪で、胃酸がせり上がる。

 抱き上げよく見れば、片目から顔に掛けて傷つけられている。
 外套の前を開けば、白い着物が無残に色を変えている。
 まるで自分と対照にされたような傷の他にも、
 酷く虐げられた跡が身体中に存在していた。

 刃物を使ったのだろう。同胞の所業ではない。
 これはやはり──薬屋の店主からの、村人からの報復だ。 ]



お前は何も悪くないのに
全て、これからの筈だったのに……

[ かつて同じであった人の子を喰らい続ける同胞と、
 彼らを見捨てられず約束を取り付けた自分に罪はあろう。

 それでも千は無関係だ。
 村で千が何をしていても、鬼子と呼ばれるに相応しい悪人でも
 花嫁たちは彼のせいで死んだわけではない。

 報いを受けるべきは自分だ。
 村人を飼い殺すような契を押し付け、長きに渡り花嫁を送り
 今更全て捨てて千と外の世界へ向かおうとしていた鬼だ。 ]



千、死ぬな……
私を置いて行かないでくれ……


[ 微かに息があることに気づいても、鬼の声は絶望に震えている。

 血が足りない。傷が多すぎる。

 収穫した実は全て薬屋に渡した。
 対価は後日、寺まで届けられる筈であった。

 約束の傷薬も、“これからの為”求めた止血の生薬
 ──梔子の薬も此処にはない。

 血に塗れた愛しい唯一に、何も出来ない。

 命が、消えてゆく。このままでは、千は死ぬ。 ]**

【人】 水分神

 
[妾はずぅっと嫌だったのじゃ。

 人の子を気に入ってしもうた

 その先に

 必ずきたる別れのことが。

 最初から近づかなければ良い。
 そう自らに思い聞かせてきたと言うに。]
 
(61) 2021/07/01(Thu) 2:32:25

【人】 水分神

 
[どうしようもなかった。

 その男は、料理がンマかった。
 掃除が完璧じゃった。

 我儘な妾に懲りず呆れず
 笑顔でついてきおった。

 優しかった。

 単なるご機嫌取りじゃと思うて
 抑えようとしても抑えられぬほど
 まいにちが嬉しさで満たされてしまったのだから。]
 
(62) 2021/07/01(Thu) 2:32:29

【人】 水分神

 
[頼み事を投げ出し
 村に逃げ帰ってくれていたらと
 考えていた一方で

 いいや逃げ出してしまう様な
 お主ではないと確信する妾もいた。

 故にこそ
 行かせてはならんかったのじゃ。]
 
(63) 2021/07/01(Thu) 2:32:49

【人】 水分神

 
[後悔の念が喉を震わせる。]


   
ひっぐ、うっぐ……いや、いやなのじゃぁ……



[自分の声がうるさすぎて
 話しはじめは聞き漏らしてしもうた。>>7
 
(64) 2021/07/01(Thu) 2:32:56

【人】 水分神

 

    ……う?


[遅れて気づけば、拘束を少し緩めた。>>8
 腕の中で彼の向きが変わる。>>9


    お主……っ、あぁ……!


[顔色は……悪くない。
 命を繋ぎ止めることが叶ったのじゃろうか。

 ────いつのまに妾にそんな力が?

 そもそも死にかけておらぬとか知らぬので。]
 
(65) 2021/07/01(Thu) 2:33:33

【人】 水分神

 
[妾を置いて行かなかったこと。
 存分に褒めたい気分じゃが
 彼は妾に感謝を伝えてくる。]


    そうかそうか、役に立ったか……

              はっっ


[懐剣を差し出されれば今の体勢────、
 抱き着いていることを思い出す。
 慌てて身体を離して、両手で受け取った。>>9

 妾は、なんちぅことをしていたのじゃ……!]
 
(66) 2021/07/01(Thu) 2:34:10

【人】 水分神

 
[心の中でぎゃあぎゃあ騒いでおる間に
 彼は自身の腕に何かを見つけた。

 妾もその視線を追い────]


   (ひっ)


[なななんでそれが、と
 止まっていた涙が目元へ集まった。]
 
(67) 2021/07/01(Thu) 2:34:22

【人】 水分神

 
[どうして、じゃと?>>11
 とぼけおって。
 懐剣を仕舞い、ぼぼぼっと熱くなる顔を手で押さえた。]


    〜〜っ
    白々しいことを言うでない……っ

    村の者なら知っておるじゃろう
    其れは我らが心を寄せた証


[つまりふぉーりんらぶとゆーことじゃ!]


    認めたわけではないからな……!
    妾のもうひとつの
    くーるでごーじゃすでびゅーちふぉーな姿を
    身に宿したからと言って
    調子に乗るでないぞ……!


[元は余所者であったと妾は知らぬので。
 村人から聞かされていても聞き流しておったので。

 べらべらと語 るに 落ちるのじゃ。]
 
(68) 2021/07/01(Thu) 2:39:35

【人】 白竜 ヤオディ

― 祝言 ―

[花婿は困惑していた。
夜ごとに花嫁に抱きつぶされる。それはいい。お互いの承知の上でのことなので。それに体力もついてきて、平気になっている自分もいる。

でもって、かんぅの希望で祝言を上げるというのもいい。
しかし、かんぅが花嫁衣裳なのはどうしてだろう。
いや、かんぅが花嫁であるというのは、最初からそうではあったのだけれど、日々、これでいいのかという疑問がわいてくるのだ。

そう。夜な夜な抱かれているのは自分の方だったから。

これで合ってるの?
余の人間世界の知識が間違っておったのかの?

疑問符だらけになるのだが、かんぅ本人が堂々としているので、そうなのかこれでいいのか、とその度に思い直す。

元々、祝言を上げるというのは人間の習慣であり、魔物であるヤオディにはそのような風習はまるっきりわからない。

白い花嫁衣裳のかんぅに合わせて、こちらも白い紋付き袴を着ている。元々色素が薄い顔立ちに髪色なので、様になってはいるだろう]
(69) 2021/07/01(Thu) 13:24:51

【人】 白竜 ヤオディ



 して、これはどうすればよいのかの?


[しきたりなどがわからず、かんぅに聞くしかないが、花嫁の背中に青龍偃月刀がある時点で色々間違っていることを、花婿殿は気づかなければならなかったのだが。
祝いの酒をふるまわれ、一息に飲み干すと、その飲みっぷりに、やんや、と拍手喝采がわく。
頬が赤く染まり、ほぼ白一色の花婿のそこだけが赤くなり、ほわっと花が咲いたようである]
(70) 2021/07/01(Thu) 13:25:12

【人】 白竜 ヤオディ


 のぉ、花嫁どの。


[皆が祝いだと騒ぐ中、花嫁ににじりより、そっとその手を握る。
とろん、とした目でかんぅを見てその耳に囁きながら、かんぅの花嫁衣裳の中に手をさし入れた。
彼が穿いてないだろうというのは知っている。だっていつものことだから]
(71) 2021/07/01(Thu) 13:25:46

【人】 白竜 ヤオディ


 ここにいる者たちはみな、この滝壺に住まう魚や小エビやらが姿を変えたものは知っておるかの。
 となると、根本的に余というか、そちとはちがうものでの。
 だから、この者たちは余たちが夜な夜な何をしているか、知らなんだ。

 あのような悲鳴をあげて、花嫁どのが、主である余をいじめて泣かせているのでは、と疑うものも多くての。

 なにぶん、魚はふーふの営みなんぞする必要もないのだから。
 それが必要なのは、陸に住まう者のみであろ?


 そち、この場で見せて教えてやってはどうだ?
 この青龍偃月刀で余を悦ばせているということを。
 そしてそれが、人の夫婦の在り方と、な。


[片手で握りきれない、まだ大きくなっていないのに、既に大きいかんぅのかんぅ。
それを両手できゅ、きゅ、と緩急つけて両手で握って、擦って。
妖艶にほほ笑むと、どうする?と胸元の合わせをほどいていく。

――花婿は、酒癖が悪かった*]
(72) 2021/07/01(Thu) 13:26:17
 

  彼が生贄を逃している村と、
  多少なりとも交流があるのなら
  私が彼の元で生活するための道具は
  そこで揃えることになるだろうか。

  神様への嫁入りに、道具を村から
  持たされることは無かった。

  それは意味がなかったからか
  それとも価値がなかったからか。

   



  彼は村との契約を切ることにしたようだが
  今のところ、村にそのことを伝えていないらしい
  神としての立ち位置を考えると
  簡単に話に行く、というわけにいかないのだろう。
  
  次の花嫁が来た時に伝えるのかと思っているが
  さて、実際に彼はどう行動するのか。
  村と神の行く末はわからないけれど
  穏便に事が進めばいいと思う。
 



  木の上に立つ彼を呼べば
  水の目はこちらを視界に入れ、軽々と飛び降りてくる。
  
  最初は高いところから落ちる様子にハラハラとしたもの
  今は慣れたように笑みを見せて
 



   「 幸せならよかった。 」


  初めて味を感じないと聞いた時は驚きを表した
  幼い頃、「美味」と書いてくれたのは覚えているし
  人型を取っているから味覚はあるものだと
  そういう先入観を持っていたから。

  必要も無い、味もしない、それなのに
  彼に食べてもらう意味はあるのか、
  考えたこともある。

  けれど、幸せだと彼が笑ってくれるから。
  嫌な思いをしないのならばと
  共に食事をすることにしている。
 

  

  あの日、嫁入りする時の気持ちは
  暗く沈んだものだった。

  どうなるのかわからない未来。
  今までの、そしてこれからの犠牲。
  どうしたって、明るい気持ちにはなれなくて。

  でも今は、これでよかったと思っている。
  生贄制度の流れが変わったこと、
  今までの人達がどうなったのか知れたこと、
  ……彼と再び出会えたこと。

  村に閉じこもっていたらなにも知らないまま
  私は生を終えていただろうから。

 

  

  世界は緩やかに時を刻む。

  怪物だろうと、人間だろうと
  自然の摂理には逆らえないのが世の理。

  いずれ私たちはまた離れ離れになる。
  けれど、……その時が来るまで。
 

[蟻となったかんぅが分からず、ぷちっと潰してしまうかもしれないのに。
でも楽観的なところが嫁の大好きなところなのだけれど。

こんなに優しく抱かれているのに、中に熱いものを感じれば、中を焼かれるような気持ちになる。
元々水の生物のヤオディは、体温は低い。
かんぅの熱は自分には熱いはずなのに、それが心地よくて。
彼の手が髪を避けてくれる。それすらも愛しい]


 もう、おしまい……っ
 あんまりして、飽きられては困るでの……


[中をどんどん開かれて汚されて。おしまいと言っているのに傍若無人にまだ中を抉るかんぅ。敏感な雄を握られ、先端の弱い場所を押されて。
高い声をあげて啼いては、かんぅにすがりつく]



 もう、感じすぎて、死んでしまう……っ



[かんぅではなく、自分の方で命数を減らしてはどうしようもないではないか。
まだ続く悪戯に、さすがに体力の限界を感じて、ヤオディは昨晩から何度目だろう。意識を失った*]

【人】   天狗

[辿り着いた村はまさに「件の娘」の祝言の最中>>39
贄を送り出したその日のうちとは、はなから罪の意識もなしかと呆れ
それがまた、あからさまな敵意を向けてくるものだから]

 それが貴様らの本音か

[怒りではなく、ただ呆れだけを声音に乗せ
これ以上話す必要もなかろうと、かわいい子天狗を送り出す

畏れを見せ、茅に謝罪でもすればまだよかったろうに
とはいえ、それすらももう遅い
ほぅら、茅が笑っている]
(73) 2021/07/01(Thu) 20:51:13
[力を与え深くで繋がった天狗にはわかる
茅の足元から広がる妖力の波紋は静かに村中に広がっていく]

 ほぉ

[この村を好いていた茅らしい方法と、関心の声を上げる
自ら手を下すのではなく、それは]

【人】   天狗

[不意に散る
、村人のどよめき、怒声、虚ろな目で呟く娘>>42
他人事のように子天狗が呟く>>41
茅は、実際何もしていないのだ、ただ「自分が聞いただろう声」を聞かせただけ

心当たりがなければ否定もできようが、それにあっさり飲まれたのであれば
内にそれがあったということだ、疑い見下し争う要因が

茅はそれを引き出しただけだ、事実かどうかなど知ったことではないが]

 浅ましいのぉ

[きっかけは些細なことだろう>>44、それを引きずり出し突き付けてやれば
宴の席のあちこちで諍いわめく声がする
天狗がわざわざ手を下すこともない、ただ「好きにしろ」と言っただけだ
子天狗が仕掛けたきっかけで人がどう動くかなど、それこそヒトの心のうち一つ
踏みとどまるものがいれば関心もしたろうが、結局起こったのは>>43]
(74) 2021/07/01(Thu) 20:52:54
 こわいのぉ

 こんなもん抱えて、よくまあ今まで平然としていたもんよ
 それを解き放ってやったんじゃ、茅はようやった

[躊躇いも憂慮もない笑顔で寄り添う子天狗を、褒めるかのように頭を撫でる]

【人】   天狗

[気づけば家屋から火の手が上がる>>45
よほど恨みを買っていたか、それともこの際と略奪でも仕掛けたか
村長に問うてみたかったが、倒れている者が多くて、さて誰がどうなったやらだ

天狗は何もしなかった、したとすれば、火の粉が村の外まで焼かぬよう気を付けた程度だ

全て、全ては村人たちが、己が内の猜疑心に飲まれ悪意に悪意を持って報いた結果
愉し気な子天狗を見て天狗も笑う

子天狗は村を今でも好いてはいたのだろう
だからこそ、本性を引きずり出し晒して「見せてやった」のだ
恐らくこの村は、このようなことをしなくてもいずれこうなっただろう
他の集落に悪影響が出る前に間引くのは、必要なことだと天狗は思った

やがて喧騒は消え、村のあちこちを焼いた火も小さくなる
あとに残ったのは>>46]
(75) 2021/07/01(Thu) 20:54:51

【人】   天狗

[高下駄で地を踏み鳴らす様子に、言ってこいというように子天狗の背を押す
その先には、子天狗が身代わりになってまで守ろうとした娘がいる

今、倒れていないのは娘ただ一人
息のあるものは他にまだいるかもしれないが

それはきっと、偶然ではないだろう
ほら、子天狗が気遣うように笑って、いる
見下して陰で嗤っていた娘を見て、笑って、いる]

 
無邪気な奴ほどえげつないことをしよるからのぉ


[娘の事か茅のことか、まあ、この娘は無邪気とは程遠かろうが
天狗には茅の声が全て聞こえている、何をしたのかも薄とわかる
悲鳴を上げ倒れた娘は目を剥いたまま「眠っている」
このまま、現へと戻ることはきっとないのだろう]
(76) 2021/07/01(Thu) 20:56:07

【人】   天狗

[駆け寄ってきた子天狗を抱きとめ、笑う]

 茅は優しいのぉ

[何せ、命は奪わず夢を見せてやったのだ
大事な大事な「お嬢さん」だからこそ「飛び切り大事に」扱って

無事に一仕事終えた茅の視線に合わせるように屈んで口を吸う
村が厄介者扱いしてきた茅の幸せを見せつけるように]

 そう言えば礼を言っとらんかったのぉ
 お前さんらがよこした「嫁」は、立派にワシの眷属になった
 ワシも茅も幸せじゃ、お前さんらのおかげでの

 茅からの「礼」は、お前さんらに相応しかろう?

[屍たちに向かってそう言って、そうして茅に向き直る]
(77) 2021/07/01(Thu) 20:56:50

【人】   天狗

 お疲れさんじゃ、茅
 なんぞ、労いに欲しいものでもあるか?

[その声は、周囲の惨状など全く気にもかけないような
いつもの天狗のものだった**]
(78) 2021/07/01(Thu) 20:57:21

【人】 将軍 かんぅ

[婿殿?
婿殿?!!大丈夫?かんぅに毒されていない?。>>72隣に並ぶ花婿の晴れ姿、日々の疑問など気にするものぞ。かんぅは見事にやってのけた。そう花嫁として花婿の隣に並んだのである。しかも、白い紋付きの袴を着た美しい婿殿の隣に。それでかんぅは満足だった。祝いの酒をどうすればよいと聞く姿は愛らしく。

こうするのだと大きい盃を傾けるかんぅはさぞ男前であっただろう。服装は花嫁のそれだけど。>>70


やんや、やんや。
わいわいや。飲めや歌え。
良き婚礼の儀であったと振り返る。そのはずが、寄り添う彼の手がまさかの中に入ってきたのである。ああ、御代官様お戯れはいけません。てかどういう状況だ。]


 ……ほう、ほう?


[というのが冒頭である。
ここまでのあらすじ、婿殿の酒癖がすごい。
婿殿の手はすでに此方のものに触れている。緩急をつけて両手で握るものは彼の手のぬくもりにはやくも反応をし、開ける相手を見れば、笑みを浮かべ。自らの背にある青龍偃月刀を横にと置いた。刃物は危険だからね、うん。

違う、そうじゃない。
そうじゃないー。という声は聞こえず]
(79) 2021/07/01(Thu) 21:40:03

【人】 将軍 かんぅ



 ならば、ちゃんと教えねばな。


[そう告げれば、彼の開けた上着を勢いよく脱がし、そのまま自らの方へ引き寄せれば、胸をぐわしっと鷲掴んだ。といっても婿殿は男、乳房などないのだが、白い肌を浮きだたせるように手で掴み上げて、乳首を弄り。]


 ……うぬら、見えるか。
 これが、我が花婿殿の艶姿である。


[何をしているのか。と周りの者たちが一斉に此方を見るのを見。説明として告げ、甘い声を零す彼が良く見せるようにと自らは婿殿の背後に回ろう。悲鳴を上げて啼いているのではないと火照った顔をみればすぐわかるだろう。

そう考えて]
(80) 2021/07/01(Thu) 21:40:24

【人】 将軍 かんぅ


 まずは此処から
 …見事な乳であろう。
 この見事な乳も、夫婦の営みでできたものよ。


[かんぅは自慢しだした。
気分は、かんぅの婿殿可愛い自慢である。愛いであろう、愛いであろう。と周りの者たちに視線で問えば、彼らは顔を見合わせた。そのうちの一人がおずおずと此方に近づき、婿殿の様子を伺ったか。婿殿が痛がっていないか確かめるような視線に気づけば、かんぅは乳首を転がす手を摘まむ形にして。きゅっと摘まみ、伸ばし、夫の快感を誘いつつ
姿勢を正せば、婿殿の背に熱杭を押し当て

――ずずっと押して。]
(81) 2021/07/01(Thu) 21:40:40

  成る程、揺れが大きいと
    痛みが出るもの……と

   それならば、なぁ冥桜
     天狗は走れば鼻が痛むだろうか


[ 残念ながら己は会ったことがない
 ただ、天狗の鼻は大きいと聞いている

 もし走れば痛むものならば
 褌のような何かで顔を覆うのだろうか
 その光景を想像すれば抑えきれぬ笑いが漏れ ]


  我を知ろうというならば
    そこばかり触れる必要もないのでは?
      だいたい、他の方法もあるだろうに

   いかんのか?
    なぜだ?強くはしとらんし
     大事というに丁寧に調べてるが──

[ 調子に乗って、より一層撫でていく
 気づけば相手の腰が引け
 ずるりと湯船に落ちかける羽目になり ]
       

  ぶっ、ふぇ!?!
     おぼ……おぼれ、るっ

   こ、これ!冥桜!
      その姿勢はいか……っ、ん。ん


[ 湯船自体にさほど深さはない
 とは言え、横抱きにされ
 足を持たれたならばまた別である
 
 足の裏を指がくすぐる度
 大きく手足をばたつかせ暴れ回る
 そうこうするうち、飛沫が鼻に入り ]


  ん、んん?!??
    けほっ……っ!ごほ
      ──んっ、かはっ


[ 見事にむせこけ、目を白黒

 じたばたした際全てが見えていたかもしれないが
 その辺を確かめるつもりは特にない* ]

【人】 子天狗 茅

 えへ。
 俺、がんばったよ。

[褒めて褒めてとばかりに、抱きとめてくれた天狗さまに笑う>>77
背の足りない茅に合わせて、その巨躯を屈めて口を吸ってくれる
茅はそれはそれは幸せそうに笑った]
(82) 2021/07/01(Thu) 22:22:33
[かつてヒトであった青年は、何も知らなかった
村のヒト達からどう思われていたか、真実にはまるで気づいていなかった

村のため、皆のため、と言われれば諾々と従い
嫌と言わずとも恩着せがましく今までの世話を口にされた

青年には何もわかっていなかった
醜い人々の胸の内、ヒトならざる力の一片を得て初めて
一度たりとて、青年を大事になど思っていなかったことを知る
知ってしまった

ああ醜い、ヒトというものはこんなにも醜い
そして愚かだ、ヒトであった自分を含め──


だから
それならば
いっそ────、]

 
 ――……こんな村、滅びてしまえ
 

【人】 子天狗 茅

 

[呟きは鬼火を生み、骸を焼いた
もしかしたら、息の合ったかもしれない身体も焼いた
『お嬢さん』だけは、何故だか燃えなかった
けれどそれを、茅はもう見ていない


不浄を残さぬように
他のヒトを腐らせぬように

生ける者のいなくなった村
けれど山裾には他にも村がある
害されなければ殺さない絶やさない

子天狗は歳を取らぬだろう
主人たる天狗さまがそうなのだから
どれだけの時が過ぎたとて
刹那の後の永い時を、山神さまたる天狗さまと
生きるのだ

望むと望まざるとに関わらず
その責を全うしてきた天狗さま
作物が育ちにくいその土地に力を与え、荒れやすい天候を穏やかにし
ヒトとの共存を保ってきたその人が……

愛おしい

だから、嫁ぐのだ
その力分け与えられ
共に、永遠に────、]
(83) 2021/07/01(Thu) 22:23:55

【人】 子天狗 茅

[子天狗は、抱っこと言わんばかりに手を差し伸ばす
愛しい、愛しい旦那さま
どうしてこんなに愛を注いでもらえるのか、
何故自分が特別だったのか

そんなことは茅にはわからない
わからないが

元々深く考える質でもないものだから
“わからない”は、茅にとって暗雲足りえない]

 欲しいもの?
 ……ふふ、

[茅は笑うと、天狗さまの耳元に唇を寄せる。]
(84) 2021/07/01(Thu) 22:24:14

【人】 子天狗 茅

 
 [――――囁いて、その耳たぶにそぅと口づけた。*]
 
(85) 2021/07/01(Thu) 22:25:05

【人】 白竜 ヤオディ

 ……っ!?


[かんぅに強引に服を剥かれる。>>80
大分かんぅに育てられてしまった乳首が、酒に酔った頬より濃い桃色に彼の指先で色を変える]


 っ……あ、もぉ……。


[皆の好奇心や感嘆の視線が集まり、それだけで、じゅん、と躰の奥が熱くなりそうだ。>>81
かんぅ殿の言葉が、自分を褒めたたえる言葉が恥ずかしくも嬉しくて。
いつもかんぅは自分を褒めてくれて、それだけでも自分が好きになれそうになる。
近くによってきた、好奇心旺盛な鯉の子が、じ〜っとひどくかんぅの手元を見ている。つまんで伸ばしているその様が珍しいのかもしれない。鱗を持つ生き物は、そんなに柔らかな肌を持たないから。
そしてヤオディほど、本当に人と見まごうほど上手に姿を取れるものはいなかった
まるでその純粋な視線は、乳飲み子が母の乳を見るようなもので。
なのに、背中に押し付けられているものはとてもいやらしい熱さを持っていて―――こくっと喉が情欲の息をのんだ]
(86) 2021/07/01(Thu) 22:32:09

【人】 白竜 ヤオディ


 陸の獣すら、かんぅ殿が獲ってこなんだなら、見たこともない者も多かったであろうな。
 それゆえ獣の睦み方すら知らないものが多いであろう。


 だから、かんぅ殿。
 とく、後ろからまいれ。


[背中におしつけられているかんぅの青龍偃月刀と後ろ手にぎゅっと一度強く握って手を離す。
前に上半身を倒してよつんばいになれば、自分の尻たぶを自ら割り開いて蕾を見せつけ、早く欲しい、と囁いた*] 
(87) 2021/07/01(Thu) 22:32:51
[かんぅ(蟻)は踏みつぶされた。
いや、この心臓は生は彼にもとより捧げられていた。胸にある確かなものが与えてくれる彼との生。それが確かな熱をもつ。もうおしまい、という彼の言葉に続く飽きられて困るという気持ちに、ふっと笑ってしまった。]


 飽きる訳がなかろう。


[愛おしい婿殿に
何度も心を奪われているのだ。交わるごとに色を増す彼の事を堪らないと思う。啼いて縋る彼を抱きしめて、それから頬を寄せた。婿殿が死んでどうする。と意識をなくした彼を見つめて、それから密やかな接吻をした。

初めての接吻は救命活動だった。
あのときは照れ隠しされてしまった(かんぅ談)けど
今は違う。今はこうして触れ合う事が出来る]


 …かんぅの方こそ
 愛を知らなんだのかもしれぬな。


[この愛を。
婿殿が知らぬものを教えたいと思っていた。
其れからどれ程歩いただろうか、気づかされた事気づいたことが多くあった。魔物の花嫁になりたいとはもう言わない。

己は、彼のただ一人でありたい。]



 ふむ、もっと知りたいぞ。
  ヤオディ。


[主のことを。
交わるだけではなく、言葉を交わし
愛を交わし、全てを知りたい。気を失った彼を抱きあげてまずは汚れを落とそうか。丹寧に丁寧に、洗い身を清めていく。何、時は長くあるのだ。主がくれたときを精一杯。愛し愛されて生きていたい。そんな思いを込めて、愛おしい身を抱きしめた。彼の生が終わるそのときまで彼が隠し事をしていたとしても

倖せであったと言ってほしい*]

  それは予にもわからぬことよ。
  何せ未だ天狗の類は見たことがない。


[瞼を閉じるが浮かぶは物語に聞く赤鼻の物の怪であった]


  噂によるとあれは相当に長いらしい。
  問題は揺れるかどうかだが確かめて見ぬとわからんな。
  とは言え予では会えぬ気がするが。


[薄らと瞼を開くと手はそのまま動かしていたからかリンが暴れ始めているところであった。
よいせと暴れる身体を抱き寄せると湯に尻と腰だけ浸かる高さまで引揚げてやり背筋を擽るではなく優しく撫でてやる]


  ほれ、鼻に入ると痛かろう。
  鼻を摘まんでやるから、ふん、とするのだ。


[男はリンの鼻を片方だけ空気が通るように摘まむと先ほど自身がしてみせたようにしてみよと謂う]

  すまぬ、流石に擽った過ぎたか。
  しかしな、お主が弄っておったのは真に鋭敏なのだ。
  強くしすぎてはいかんし優しくしすぎてもいかん。


[片方でふんすとできたらもう片方が通ずるように鼻を摘まんでやろう]


  一度興ればしばらくは萎えぬし。
  弄りすぎれば先端から白いねばねばの液体が出る。


[それは宛ら――]


  そう、女子は大きくなり子を成すと胸から乳が出るが。
  男児は此処を大きくすると先端から汁が出るのだ。

  それなりに生臭いものだぞ。


[じたばたしたことで丁度リンの股間に直立したそれが挟まり先端だけが頭を覗かせていたようで、ほれ、ここからだと男は先端を示した]

  お主がもう少し成長したらな。
  もう少し詳しく教えてやろう。
  お主が言うように知り合うには色々とやり方がある。


[リンが落ち着いたら肩まで湯に浸かろう]


  逆上せぬ間に温まれば上がるとしよう。
  今宵は眠りの詩を聞かせてやろう。


[そう頭を優しく撫でてやる*]

【人】 将軍 かんぅ



 そうであったのか、
 む?…む


[陸の獣すら知らぬ水の子らに
教えていいものか。と今更に思う。だが、近づく好奇心旺盛な鯉の情緒教育としては、など考える余裕などありはしない。自ら四つん這いになり尻タブを婿殿が開くのだから、其処しか見えなくなるのも道理。自らの重い花嫁衣裳をはんば脱ぎ、彼の臀部を両手で持てば望むように青龍偃月刀(本体)を彼の肉体にとつけた。啼く花の色っぽさ。

参れと迎えいれる声]
(88) 2021/07/02(Fri) 0:22:58

【人】 将軍 かんぅ



 …ほう、そうだな。
 しかと見てもらおうか、主の


  いや、我らの交尾を。



[獣の睦み合いを婿殿が所望するのなら
その熟れた花に一気、熱源を突き立てよう。祝言の前まで交わっていたのだ。肉欲を飲む其処は柔らかく此方を迎えいれる。おいで、という幻聴に合わせ、腰を進めれば、周りがわわっと音を立て交わる部分に注目を寄せた。其れに気づけば挿入したものを緩やかに引いて、雁部を見せ]


 ……はっ、婿殿



[気持ちよいか。と
臀部を撫で案じるように、周りの者たちに見せるように身を引いて結合部を露わにした。*]
(89) 2021/07/02(Fri) 0:23:06

[ これ程までに声を上げ身に触れても、目一つ開けず反応も無い千
 暮らしの中健康的に変わった筈の肌は、また白くなってしまった。

 取り戻してしまった記憶が、
 目前で大切なものを喪う悲劇が三度目であることを理解させる。

 戦慄く唇、震える身体。
 かっと見開いた紅の目尻に水が溜まっていた。

 喪いたくない、喪いたくない、……喪いたくない。
 直ぐ其処にある終わりの前で、
 尽くす手も見つからず、それでも諦められない鬼は

 ──やがて、気づきに至る。 ]



[ 
ならば此処にあるじゃないか。

 山の獣の命を啜り得てきた、潤沢な
 六尺の身体を動かせる程のそれが!

 鬼は笑みを浮かべていた。
 それは日常の中、千の隣で時折緩んだ表情とよく似たもの。

 抱くのは村人への憎悪ではなく、愛した者を守れる喜び。
 常軌を逸した思考に至っても、鬼は花嫁の愛した鬼のままでいる。 ]




待っていろ、千

[ 上向きに千を横たえ開いた大口は、無論彼に牙を剥きはしない。

 持ち上げた自らの逞しい腕の、太く血管が流れる手首へ
 ──鋭い犬歯を突き立て、一気に噛み切った。 ]

ぐ……っ


[ 堪らず漏れる呻き声。
 躊躇いの無い自傷行為は外敵に与えられるのとは違う痛みを齎す。
 それでも、止まることは無い。

 顎を持って口を開かせ、押し当てるように傷口を触れさせる。
 その喉に鬼の血が流れ込んでゆく。 ]



生きろ、未だ死んではならない
どうか目を開けてくれ……、私の元へ戻ってきてくれ

[ 急激な失血とこの場に漂い続けている濃厚な血の芳香
 この人間を喰らえと、足りぬものを補えと叫ぶ本能。

 その一切を無視し抗いながら、
 鬼はひたすらに血を注ぎ、呼び掛け続けた。 ]*


[鬼の行ったことは、花嫁の死を前に冷静さを失ったとしか言えないもの

だがその行為は確かに、直ぐ途絶える筈だった呼吸を繋いだ。
されるがまま流し込まれている内にその音は大きくなり、やがて噎せ、吐き出す動作を挟むようになる。
しかし厭がるような素振りは無く、苦しみながら自ら喉を鳴らして取り込んでいった。

狂気的な救命が続き、外がすっかりと宵闇に閉ざされた頃
残された片目がゆっくりと開き、目前の男とよく似た彩りを晒す。]



[そして相手を退けるように起き上がり、素早く距離を取る。

汚れた床に両の腕をつき、膝をついたまま腰を軽く上げたような姿勢
荒い呼吸音を響かせながら睨みつける姿は、領域を侵された獣に似ている。

獣じみたその者は紅鉄坊に飛び掛かり、太い手首を掴んで引き倒そうとした。
もし体躯の差でそれが叶わなくとも、糧を求める本能は血を流す部位だけは離さないだろう。]

[地獄じみた血潮の世界、
        最早此処には鬼しかおらぬ。

浄土へ旅立つ人の子留めるならば、
        同じ道へと堕とすしかない。]


[血に塗れた、死装束に似た白い着物姿に、乾いた紅がこびりついた幽鬼のような色の顔。
手首に食らい付く勢いで命を啜り上げる白髪の男。

一体どちらが鬼なのか分かったものではない光景。いや、もう既にどちらも鬼なのだ。
なり方が特殊だった故か肉は全く喰らおうとしないが、似た存在と化したことに変わりはないだろう。

理性に欠いた獣の如く果てた存在を、紅鉄坊がどう扱っても
やがて肩の動きは安定し、瞳に知性の光が宿る。
いつの間にか新しい血は流れなくなり、着物の下で全ての傷が塞がっていた。]



 ……紅鉄様、俺は

[紅い左目が困惑を宿し、紅鉄坊を見上げる。
覚えているのは死に瀕し力なく目を閉じるまでの出来事。少なくとも、今は。

半分になった視界に未だ慣れないのか、目元に触れたりあちこちに目線を滑らせた。
惨い傷を目にし痛ましげに表情を歪めて、許されるなら腕を取り掌に頬を擦り寄せる。

労るように、許しを乞うように、──再会を喜ぶように。*]



よし、よし……もっと飲め

[ 目から耳から伝わる明らかな変化は、鬼の心に再び希望を灯した。

 すぐに潰えそうだった息は、耳に届きやすく強くなる。
 咽れば上体を上げ、背を軽く叩いてやる。
 明らかに血を求めている様子が、
 この行いが間違いではないと示していると鬼に感じさせた。

 その思考は──ある意味では正しく、一方ではそうではない。 ]



千!   ……?

どうした、私が分からないというのか!?
血なら幾らでも飲んで構わない、だから落ち着け!

[ やっと開いた目に喜んだのも早々、異様な様子に気づく。

 人道を踏み外し、暗がりの世界へと堕とされた千
 もしかしたらかつてより力を増していたのかもしれないが、

 そこは腕っぷしと頑丈な身体を取り柄として生きてきた鬼
 引き倒されることはなく、
 むしろ片腕で抱くように捕まえることに成功する。 ]



まさか、私は……

[ 警戒し攻撃を仕掛けてきた様子から一転
 或いはそんなこと気にもしていないかのように、
 一心不乱に啜り上げる姿に漸く気づきが及ぶ。

 自ら千を同胞へと変えてしまったのだ、と。 ]

……それでもいい、生きていてくれたら、それでいい

[ 幾分かの動揺を与えられたが、振り払う。

 命すら啜られているような容赦のなさに痛みを堪えながら、笑った。
 鬼が望んだのは花嫁が生き長らえることであり、
 人間であり続けることではない。

 どんな存在になろうと千は千に違いなかった。 ]




…………ああ、ああ、嗚呼

[ いつしか降りていた闇の中、全ての変化を捉えることは
 視界からも余裕からも叶わなかったが

 知性の光が一つ紅に灯る瞬間を、その目は間近で視た。
 それは鬼から言葉を奪い取る程の光景。
 あれ程苛み続けていた痛みと食欲が、今は全く感じられない。 ]

お前は、助かったんだ
今はそれだけ分かればいい

 [先程までの姿を想えば、戸惑う千に記憶がないことは察せられる。

 しかし今は多くの説明はせず、掌に齎される感触をただ受け入れた。
 背にしていた壁に千を抱えたままで寄りかかり、
 力を抜いて腰を落ち着かせ、それから。 ]




   契りを守る義理など元来ラサルハグにはなく
   一方的に反故にすることも厭わない。

   しかし直ぐに村に伝えることは無いだろう。

   契りを反故にされた事を
   直ぐに伝えられた村人は何を思うか

   忌み嫌うにも一定の理解が必要なのだ。
   故に人間を忌み嫌う蛇にはその愚かな道程を
   想像するのは難しいことではない。






   本当の愚か者は己が愚かであることにも
   気づくことがない。

   朽ち果てる寸前になって尚も喚き続けるだろう。
   自身が何に守られているかも忘れ。







         
 ソフィア

    「「「「「あの女のせいだ!」」」」」











      そう、喚き続けるのだ。










   しかし村の行末を見守るのもまた新たな契り。
   村を滅ぼすのは彼女の本意ではないのだから。




          ならばラサルハグの取る手段が
          一つに定まってくるのは自明であろう。




   




 ***

   己の行動は彼女を幾度か驚かせたらしい。
   その度に大丈夫だと告げることになるだろうが
   それも繰り返せば慣れてくれたようだ。

   ソフィアを娶ると決めた日から
   ラサルハグは人の姿で隣の村に足を運んでいる。

   彼女が生活が出来るように。
   そして己が彼女の様式美を知るために。
   しかし実際に必要なものは彼女がここに来て
   初めて知ることになるだろう。
   本人にしか分からないことなのだから。









      「お前に出会わなければ知ることも
       決してなかったのだろうな。」


   彼女が村に閉じこもったままでは
   知ることが出来なかったというのならば

   洞窟に一人閉じこもったままでは
   ラサルハグは知ることが出来なかっただろう。

   それもまた運命と呼べるのだろうか。







           ────犠牲を忘れることなかれ。



   己の願いを叶えた彼女を
   ラサルハグが生涯忘れることはない。

   彼女が全てを忘れなかったのに同じ。

   ラサルハグはソフィアという賢者の歩み。
   その歴史の語り部となることを決断する。

   




   時の刻みは種族の壁を超える。
   普遍の真理の前には全てが無力のまま
   長い時の中で朽ちていくのが摂理。

   しかし、無力でありながら無価値ではないと
   ラサルハグにその気付きを与えたのは
   紛れもなく彼女である。

   今宵もまた互いの選ぶ道が重なろう。

   ラサルハグは柔らかに微笑み
   裏葉柳に水を与えるがごとく彼女に語りかける。




 

  『賢く強く、育ちますように。』

  あなた達に与えられた名前に恥じない人間に

  私はなれているだろうか。



── ▷ epilogue  ──   

 



  フライパンに被せた蓋を開ければ
  もわ、と湯気が立ち上がり、
  美味しそうな匂いを辺りに振りまいた。

  すっかりと出来た移住スペースで調理中。
  焼けたものをお皿に載せると
  クリームを全体に塗り、果物を飾り付けていく。


   「 出来たわ! 」
 
 



  やがて、やり遂げたという達成感に
  思わず歓声をあげれば。
  転ばないように気をつけながら、
  彼の待っている机へと両手で皿を持ち運んでいく。
  
  ただ、待っていてとしか伝えていないから
  なにをしているのかも、なにも
  わからないんじゃないだろうか。
  
  彼はどんな表情をしているだろう。
  私は目を弛ませて柔くほほ笑みかける。
 



  擽ったそうにしながら伝えると
  いつかのように、彼の手を取る。

  触れる体温は冷たい。
  でも、私の心はほかほかと
  温かい気持ちでいっぱい。
 

 

  だからその後の行動は、何気なく。
  彼の手をそのままそっと持ち上げれば、
  甲に顔をちかづけ、唇を寄せる。

  それは誓いの口付けのように淑やかに。

  閉じていた瞳を開けば、
  頬を染めて照れくさそうに笑った。
  

 
――……こんな村、滅びてしまえ

【人】   天狗

[子天狗の吐いた呪は、遥か昔に天狗が生まれた村に掛けたそれと同じ>>0:59
だが、その齎す結果には大きな違いがあった
天狗の呪は彼の村を不毛の地と変えたが
子天狗のそれは不浄を払うもの>>83
子天狗の、茅の本質ともいえるだろうその力は
長きにわたり凍てついていた天狗の魂の澱すら払うよう]

 ほんに、茅らしいやり方じゃの

[鬼火は
ただ一人を除いて
全てを灰に変え無に還す
灰は灰に、塵は塵に
村人の魂が上がるか堕ちるかなど知ったことではないが
この地に澱みが残らぬならば、いずれまたこの地も村として蘇るだろう
ヒトを絶やすが目的ではなく、全ては他を護るためと
それは天狗が背負った物に背くものではなかったので]
(90) 2021/07/02(Fri) 14:24:53

【人】   天狗

[きっと、茅には元から資質があったのだろう
無条件にヒトを愛しヒトのためにありたいという思いは、きっと今も変わってはいない
悪意に気づかなければ或いは、などと思ったところで嫁にする意志は変わらぬし
それを惜しむ気は天狗にはない、子天狗は今でも真っ直ぐなままだから

天狗は気付いていない、自身もまた同じだと
ただ天狗は初めから悪意を見てしまっていた、ヒトの愚かさを、醜さを
人など信用するに値しないと、だが

それなら、
何故天狗はここに居る?

本当に、ヒトなどどうでもいいと思っているのならば
先代に呪をかけられたとて放っておけばよかったというのに
人を守り、人を育み、そばにあり続けた

天狗もまた、人を見捨て切れてはいなかったのだ
まったくもって当人は気付いてもいなかったが]
(91) 2021/07/02(Fri) 14:27:14

【人】   天狗

[茅は天狗を厭わなかった
天狗が何者かを知っていてなお
、村のためとはいえ
受け入れて
天狗の毒ではなく自分の意志で天狗を望んでくれた

それがどれだけ嬉しかった事か!


だからこそ手放したくなくて、愛しくて
共にありたいと望んだ、いつまでも、いつまでも
そんな望みさえ、人を捨ててまで受け入れてくれた茅

この先、茅にとっては困ることも辛いこともあるかもしれない
もっとも天狗がそんな目に合わせるようなことはないが

それでも、このまま変わらずにいてくれたなら
天狗もただの悪童から変われるのかもしれない
それは、まだまだ先の話だろうけれど]
(92) 2021/07/02(Fri) 14:29:18

【人】   天狗

[甘えるように腕を差し出す子天狗を腕の中へと抱き収め
労いにと問えば返るのは一つの望み>>-153
耳たぶに触れて囁くのにからからと笑う]

 無欲じゃな、ワシの嫁さんは

[耳元に囁き返して背を撫でる
強請られなくても精はいつだって注いでやるというのに
無欲なのではなく他に望む物がないというのが正しいかもしれないが
]

 住処に戻るか?
 それとも、ここで村の奴らにお前の幸せな姿を見てもらうのもありかの?

[骸は燃え落ちてもはや人の形ではなかったが、一つ残った人影見遣って問うて

その返事も待たぬまま、言葉ごと唇を吸い上げた**]
(93) 2021/07/02(Fri) 14:30:39

【人】 白竜 ヤオディ

[かんぅは何かがあるとすぐに山に登りたがる。
やはり、水の中よりそちらの方が好きなのだろうか、と一瞬心が陰るが、元々陸の生き物なのだから仕方がないこと。
縛り付けてはならぬと反省をもする]
(94) 2021/07/02(Fri) 21:05:14

【人】 白竜 ヤオディ



 あぁ……いぃ……やはり、これがほしくて……!



[これで自分がどれだけ、この男を求めているか、どれだけ欲しがっているか皆はわかるだろう。
初めて見る行為に、知識はあるものが、これが陸での交わりかと隣のものに教えさんざめく。
水中の生き物で、他者の体に生殖器を直接突きこむものはごく一部。
それも海の生き物ばかりで真水に近いこの辺りにそのような性質をもつものはいない。
そしてその場合は痛みをもっているのだから、このように悦んで受け入れるということも想像せず、ただただ感心するだけなのだろう。
特に、子をなすでもなく同じ雄同士なのに、お互いの愛を確かめ合うための睦みあうことは、想定外かもしれない]
(95) 2021/07/02(Fri) 21:05:33

【人】 白竜 ヤオディ


 気持ちいいぃ、……もっとしてぇ……っ♡


[祝言ギリギリまでかんぅを受け入れていた躰は、中途半端な熱を得たままだったせいもあって。
彼の太いもので突きこまれた瞬間、過敏に慣れすぎた熱杭が、先端から感じた液を噴き出して。
それを見た小魚が、主様、鉄砲魚飼ってるのか、と素直な感想を漏らすのも微笑ましい]


 そなたらには、できぬ愛し、愛され方での。
 かんぅのみが、できる、余の愛し方じゃ。

 あ……っ、あっ あん〜〜〜っ


[突きこまれる度に声がかき消される。
こんなに愛されているのだから、安心して、と皆に教えたいのに、上手く言葉が出ない。
いや、言葉は必要ないのかもしれない。
彼の動きに合わせて自分も腰を振り、そして]
(96) 2021/07/02(Fri) 21:05:52
[ 天狗には会ったことがない
 鬼にも、龍にも、大蛇にも
 そも嫁たちの生まれ育った里ですら
 己はこの目で確かめたことはない

 それなりに生きてきたとは自負しているが
 それなお、己の知る景色はあまりに少なすぎる
 
 鼻をかむのすら手伝おうとする冥桜
 幼児に対する様なその仕草に
 わずかな苛立ちを覚えはするものの ]


  鼻ぐらい自分でかめるが
    ────……まぁ、いい

   しかし、強くしすぎてもダメで
     優しくしすぎてもダメとは難しい
       取り外せたら楽だとは思わぬか?


[ 促されるままに鼻をかむ
 右、左、交互につままれ鼻から息をし
 そうして吸い込んだ水を出し終えたなら
 ふぅ、と安堵の息を吐き ]

[ また一つ、知らぬ話に瞬きを

 女子は──と言われれば
 平らな己の胸にぺたりと手を置き確かめて
 次の話には興味深げな視線を脚の間へ向け ]
 

  ふぅん
   知らぬことが沢山で
     少しばかり癪にさわる

    それもまた、
      我が大きくなるまでは
       内緒のままということか


[ 教えろとねだる気にはなれない
 子供ではないと言い募る気にも

 ため息一つ
 せめてもの仕返しに
 邪魔なものを太腿で締め付けつつ
 肩口はおろか口元まで湯に沈み込み ]


  ────ん


[ 顔半分、湯に潜ったまま嫁の言葉にこくり
 湯を飲まぬようあくびを噛み殺した* ]

― 勘違い ―


 な、なんと。本当はかんぅ殿は余を殺すためにやってきておったとは……。


[白竜様がぷるぷると震えながら、本を読んでおられます。
上流に捨てられた本がどうやら滝壺に流れついてきたようだ。
それは大和という国の神話らしい。
ぱらぱらめくっていたら、生贄の女性の代わりに一人の若者が女装し、相手の居住地に乗り込んできたとかなんとか。
色々な神話が混ざっているが、え、デジャブを感じる。
自分たちをベースに二次創作してる?レベルにそっくりで。

というより、古来よりよくあるパターンなのだろう。

魔物に嫁いできた女装男が大きな蛇の化身である男を酔わせて、剣を突きつけるシーンでは、とうとうさめざめと泣きだしてしまった。
読者多しといえども、魔物側に感情移入をして読んでいるのはきっとヤオディだけだろう]

 かんぅ殿も本当は、いつも背負っている青龍偃月刀で余を殺すために……。
 女装をしていたのも、余を油断させて、殺しやすくするため……


[ぼろぼろ泣きながら読み進める。そこ泣くところじゃないし。
ヤオディ、ちゃんとよく嫁。いや読め。
かんぅはあっさりと男と見破られていたのだから、その女装意味ないし。
その後も嫁であることにこだわって女物を着るの大好きなとことかは、綺麗に忘れているらしい。
あの人、絶対、ほんとに嫁に来たがってただけだから]


 ふむふむ、この後は……。


[涙をふきふき読み進めていくと、なんかふいんき(変換できない)が変わっている。
女装をしていた男が、俺の草薙剣をくらえ、と酔った魔物をズコバコと下半身の生身の剣で突き刺して、くんずほぐれつしている。


 わー、すごい、こんなことまで!?

 縛って目隠ししたり、あれやこれや、知らない道具を使って魔物を責めている。

 確かに、ヤオディもかんぅから色々なことは教わってはいるが、かんぅは基本、ヤオディに激甘なので、痛いようなプレイはしないから。
 感じすぎて死んじゃう、というのはあっても、せいぜいぴしゃん、とお尻を叩かれるくらい]


 か、かんぅ殿ももしかして、余にこういうことしたいのか……。 



[真っ赤になって一人で慌てている。
こんな激しいことはされてはいないが、嫁となってきた者に、魔物が肉剣に倒されたのも同じ。
あはんでうふんな本を、河原とかに捨てて次の若者の糧にするのはどの時代、どの世界でも同じこと。
よりによってマニアックな一冊が滝壺に流れ着いてしまったようだ。

その本でも結局、魔物は英雄の剣「に」屈服し、もう悪いことはしませんでした、めでたしめでたし*]

【人】 将軍 かんぅ



 婿殿?


[よもや思いの丈を抑えきれぬなったとき
山にいって叫ぶ行為に心を曇らせているとはしらず、ただ雰囲気の違いに珍しく気づけば、その身を撫でた。

かんぅの心を動かすのは婿殿である。その婿殿に対する思いを抑えられなくなったとき、山に走ってしまうのは、衝動的だった。ただ衝動で水に飛び込まぬのは、彼が水の魔物だからにほかならない。

彼への衝動を逃しきれず、飛び出すのだ。
水の中には彼が居る。

そう思えば、婿殿が危険であると
意識があった。だが]
(97) 2021/07/02(Fri) 21:54:50

【人】 将軍 かんぅ



 …婿殿、思う事があれば言うとよい。


[かんぅは婿殿の心が知りたい。
愛ゆえに、覗き込んでしまう。彼の其れは縛り付けとは言わない。愛なのだ。全ては愛である。心から抱きしめたい。そんな思いを込めて、彼の腰に劣情を押し付けた。

欲望の声が響く。
婿殿の様子に皆が理解を見せるなか。
もっとと鳴く声にますますと熱は昂ぶりを見せて]
(98) 2021/07/02(Fri) 21:55:35

【人】 将軍 かんぅ



 …婿殿っ 、婿殿。


[良いのだな。と何度と穿った。
熱杭が零す液体が白く変わるまで、腰を打ち付ける音は止まらず、ばっちゅんばっちゅんと卑猥な水音を鳴らした。彼らはこのような水音をきっと知らなんだだろう。痛みはなく快感がある性交を教えるように腰を何度と引いては突いて。

気づけば獣のように腰をふる愛しい人がいた。
その姿こそが、心をよくよく表している]


 ……  っく!!



[絶頂の声を聞き
肉体の奥が燃え、かんぅの刀身からも熱が溢れでた。熱が彼の中を圧迫するのが分かる。このまま暫くは浸っていたいと思うのも事実。だが

肩で大きく息をして
祝言の床を汚す彼を抱きあげ。
勢いよく体を反転させれば抱き合う形で彼を穿ちだす]
(99) 2021/07/02(Fri) 21:56:10
[よもや婿殿が多趣味(あぶのーまる)であったとは。
かんぅが其れを見つけたのは二人の愛の巣の寝具の下である。ふんふんと筋肉掃除をかんぅをしていたところ、ついうっかり見てしまったのである。其の本の題名は、俺の草薙剣であった。

なぜよりにもよってその本を…

これが、他の本ならば
婿殿をかんぅが殺すはずがないと誤解を解いて
美しく幸せな接吻(きす)をするはずだったのに。なぜかよりにもよって、くんずほぐれつをしているほうを見てしまったのか。其れをかんぅは熟読した]



 …ほう、ほう?目隠しとな


[ああ、読み進めているよ。
婿殿早く来て、止めて]


 道具 む?滝壺 か


[滝壺?!滝壺で何をするの。
蛸壺とかじゃないかな。まってとても危険。危険が来る。河原とかに捨てたあはんでうふんな本から飛躍していく。この男自体が、危険すぎて河原に捨てられかねない。

そんな危険(R18)な妄想を逞しくし
すくっと立ち上がれば]


 婿殿!!!婿殿!!!!


[かんぅと夜の合戦をしようぞと
駆け出した。性交(あぶのーまる)。
婿殿の明日はどっちだ。真っ赤になっていた可愛い婿殿はどうなっちゃうのか。でも、期待しちゃっているところあるから、きっとうまくいくでしょう。たぶん。


婿殿が叫ぶ結果になるのは目に見えているが
それも愛ゆえに。頑張れ、婿殿。
俺たちの戦い(せっくす)はまだ始まったばかりだ。*]

【人】 白竜の花嫁 かんぅ

- かんぅ うきうき -

[かんぅは16歳(?)だもの。
恋に恋をしちゃう年ごろなんだぞ。これで婿殿が白竜ではなく鯉であったら危なかった。(こいてきないみで)でも、恋から愛にめざめしかんぅ(すーぱーかんぅ)は心を手に入れたのである。一騎当千、戦場にいき、戦場にしぬ。

それがかんぅの本来の運命であった。
だが、婿殿がその運命を変えたのだ。
勝手に嫁いできたとは言ってはいけない。運命などかんぅは信じぬ。己が力で全ては勝ち取るものだと思っていた。だが、これは運命であるといっていいのではないか。


否、否、否、これこそが愛。

愛である


愛に目覚めし、人が一人。
かつて使えし王に手紙を書いた]
(100) 2021/07/02(Fri) 22:52:34

【人】 白竜の花嫁 かんぅ



 『結婚して、初めての年を迎えました』


[どこからどう見ても
年賀はがきである
*]
(101) 2021/07/02(Fri) 22:54:28

【人】      千








──二〇██年六月 ██県██市█町 歴史資料館
            
          
            
或る夜間巡視警備員の独白
(102) 2021/07/02(Fri) 23:05:44

【人】      千



 温暖化による異常気象で、六月から蒸し暑い日々が続いていた。
 すっかり初夏といっていい有り様であるのに、
 梅雨は忘れることなくやって来るのだから、うんざりする。

 今日も夕方まで降り続いていた雨の名残か、 
 高い湿度が生暖かい嫌な空気を屋内に漂わせていた。

 着込んだ制服が温度に釣り合っておらず、額に汗が滲むのが分かる。
 暦上は夏本番は未だ遠い現状、とっくに閉館時間を迎えた夜
 冷房の使用が許されるのは休憩室だけだ。

 節電という掲げられた名目はあるものの、
 実のところ、雇われの厳しさを感じるばかり。
 少しばかり人付き合いが不得意な身には有り難い仕事であったが、
 特にこの季節はあまり快いとは言えなかった。
(103) 2021/07/02(Fri) 23:05:58

【人】      千



 どこぞの酔狂な金持ちの寄付によって、
 ここ数年の内に建て替えられたというこの建物は

 規模と需要に反した、真新しく清潔な内装が目を引く
 まさしく金の無駄遣いであると、
 望んで働いているわけではない一般庶民には思えてならないが

 無駄に大きな窓から差し込む月の光に関しては、
 巡回中いつも有り難く感じていた。

 夜の資料館は不気味に思えてならない。

 今の時代を生きる存在は自分一人きり、
 犇めく過去が黙して暗がりからこちらを見ている。
 そこには独特の居心地の悪さがあった。

 中にはきな臭く鬱蒼としたものも収められていて、
 そんなものを置いているからいつでも客足が少ないのではと
 思えてならないが、当然口を出せる立場でもない。
(104) 2021/07/02(Fri) 23:06:11

【人】      千



 一人分の靴音だけが、反響し静かな空間に響く
 丁度この先にあるコーナーが、きな臭い展示物のある場所だった。

 不気味であっても、怖いと感じているわけじゃない。

 自分は既に親に結婚を急かされる年齢の男で、
 真夜中に展示物が動き出し警備員を巻き込み騒動を起こすのは
 映画やゲームの話でしかないのだから。


 何も起きやしない。いつもと変わらず時間が過ぎ、帰宅する。


 その筈なのに────

 あるわけがない風の流れを、温い空気の中確かに感じた。
(105) 2021/07/02(Fri) 23:06:25
「なあ、今でも覚えているのかい?」

「……当然だ。
 この名の一つ一つ、決して忘れられやしない」

【人】      紅鉄坊




 男が二人、何かを話している。
 息を殺し足音を潜め近づき、様子を覗っているが
 その内容が聞き取れる位置に来ても、意味がよく分からない。

 こんな寂れた資料館なんかに、強盗が入ったというのか。
 どれ程建物が新しく見えても、金があるわけがないだろう。

 大昔は山ばかりだったという、過疎化の進んだ田舎町だが
 夜遅くだって、いくらでもコンビニやガソリンスタンドがあるのに。

 自分から見て正面に開け放たれた窓、左右に展示物が置かれている
 差し込む光により、それを眺める男達の輪郭が浮かび上がる。

 一人は黒い短髪の大柄な男、青緑色の上着越しにも筋肉が分かる。
 もう一人は脱色したのか白い髪の小柄な男で、やけに着込んでいた。
(106) 2021/07/02(Fri) 23:07:44

【人】      紅鉄坊



 侵入経路は明確だが、窓に鍵を忘れていたのだろうか。
 今までそんなことは一度も無かったし、
 警報装置が起動していないのも奇妙だ。

 だが、凶器の類は見当たらない。
 懐にあるとしても、こちらは直ぐに然るべき場所へ連絡が出来る。
 何が目的かは未だ検討も付かないが、
 その現代社会を舐めた行いをすぐ後悔することになるだろう。

 踏み込み、彼らを手持ちのライトで照らしながら叫ぶように言った。
(107) 2021/07/02(Fri) 23:07:57

【人】      紅鉄坊

「────ここで何をしている!」
(108) 2021/07/02(Fri) 23:08:10

【人】      紅鉄坊




 驚いたように両者の身体が反応し、こちらへと振り返った。

 そして、そして──……これはなんだ?
 続ける言葉も思考も足も、何もかもが停止してしまう。

 自分は休憩室の机に突っ伏して、居眠りでもしているのか?
 そう思ってしまう程、信じられないことだった。
(109) 2021/07/02(Fri) 23:08:22

【人】 異形 紅鉄坊

「ッ、すまない。私たちは怪しい者ではない。ただ、その……」
(110) 2021/07/02(Fri) 23:08:47

【人】 異形 紅鉄坊



 男達が一瞬で、まるで普通の人と思えない姿に変わったなどと。
 奇特なコスプレイヤーという言い訳すら出来ないじゃないか!

 勇敢な警備員ぶろうとしていた筈が、腰を抜かして座り込む。

 大柄な──より異形が強い方が何か弁明する言葉など、
 耳にも入らないどころか、必死に距離を取ろうとしてしまう。

 その時、小柄で白い方が動いた。
 一歩、一歩。この状況など意に介さないような軽い足取り
 目前まで近づいて、屈んでこちらを紅い片目が凝視した。

 男達はどちらも片方しか目が開いていなくて、
 紅色をしていることも同じらしい。

 補い合うように左右対称のそれの意味を考えてしまったのは、
 恐ろしさでついに後退ることも出来なくなった現実逃避なのか。
(111) 2021/07/02(Fri) 23:09:03

【人】      千


「いーや、怪しくはあるだろうこの状況
 でも俺達はただ、里帰りしているだけだぜ。
                 だが、ああ……あんた」
(112) 2021/07/02(Fri) 23:10:03

【人】      千




 歪む笑みを浮かべる口から、牙が覗いた。
(113) 2021/07/02(Fri) 23:11:18

【人】 異形 千



「視えるんだなァ?可哀想になァ?
        はは……、────
ひひひひっ!
(114) 2021/07/02(Fri) 23:11:37

【人】      千




 不気味な笑いを耳にしながら、意識が遠のいていく。
(115) 2021/07/02(Fri) 23:12:02

【人】      千

 

 




 
(116) 2021/07/02(Fri) 23:12:48

【人】      千



 どうやら気絶していたらしい。

 すっかり静けさを取り戻している空間。
 不審者も恐ろしい異形も、何処にもいない。

 ふらつきながら窓に近づき、外を見下ろしても

 その先、資料館の傍らで咲き誇る純白の梔子が見えて、
 芳しい香りが風に乗り届くばかりだった。

 湿度の高い夜、あれはよく香るから────
(117) 2021/07/02(Fri) 23:13:10

【置】      千




 彼らが見ていたのは、透明なケースに収められた石版。

 かつて山の中に存在した、文化の発展も届かない閉鎖的な村は

 災害や疫病を人々を呪う鬼の所業とし、
 鎮める為に花嫁と称して贄を出していたという。
 それも恐ろしい程長い年月、定期的に。

 生け贄とされた村娘たちの名前が、
 何者かにより代々記録されていたという品が、それだ。

 科学が人間の妄想を払い切れなかった時代
 数多の血を流させてしまった、悍ましい集団妄想。

 その筈だ。そうであるべきだ。それ以外には可能性は無い

 だが、これでは
(L0) 2021/07/02(Fri) 23:13:49
公開: 2021/07/02(Fri) 23:15:00

【人】 吸血鬼 千




 まるで、本当に────
(118) 2021/07/02(Fri) 23:14:26

【人】 鬼 紅鉄坊




 ────鬼がいたみたいじゃないか。*
(119) 2021/07/02(Fri) 23:15:06

【人】 龍之介

 
[不思議そうにしていれば
 お咎めを受けた。
 どうやら周知のことだったらしい。>>68

 村の覡たちが
 うっかり伝え忘れていたのか、
 今、教えていただいたばかりの事実を]



   こころを、よせ……?   
っっ!!




[繰り返すように呟いた瞬間、
 言葉と意味が結びついて
 頬が、耳が、全身が、ぼっと熱を持つ。

 先ほどまで
 死にそうに見えるほど青褪めていたというのに
 首筋まで茜色に染め、

 これ以上ない血色の良さになっていた。]
 
(120) 2021/07/02(Fri) 23:29:57

【人】 龍之介

 
[体を火照らせながら
 連ねてくださるお声に傾注すれば、
 もうひとつ驚きの
 嬉しすぎる事実を教えられ>>68


 その上、
 貴女の形のよい唇が
 自分の名を紡いでくださる。

 一音一音を味わうように声にしてくださるその顔が、

 雨上がりに架かる七色の橋のように
 美しくて、可憐で。>>-131



    ‥‥‥‥



[声を取り戻したばかりだというのに
 言葉を失ってしまった。]
 
(121) 2021/07/02(Fri) 23:30:01

【人】 龍之介

 
[それにしても

 腕に息づくこの”龍”が
 みくまり様の、もうひとつのお姿だったなんて…、
 

 そう分かってから見つめると、   
 なんだか
愛おしさ

 込み上げてきて
    

 思わず、手のひらで
 そっと優しく撫でてしまっていた。]**
 
(122) 2021/07/02(Fri) 23:30:18

【人】 水分神

 
[動揺で要らぬことを口走ったが
 人々からどこまでのことを知られているかを知らぬ
 妾目線での話。

 周知のことではないやも知れぬ。>>120

 妾が猛烈に感じているのは羞恥。]
 
(123) 2021/07/03(Sat) 0:52:45

【人】 水分神

 
[然し其れも、
 龍之介が無事であることを噛み締めれば
 何処かへ行ってしまう。]
 
(124) 2021/07/03(Sat) 0:52:53

【人】 水分神

 
[腕の龍を大事そうに撫ぜるのが見えれば>>122


   (あっ、、あーー、あーーーー)


[感覚が繋がっている訳ではないが。
 妾自身が
愛でられている
ようで
 みょーにどきどきそわそわするのじゃぁ……。]
 
(125) 2021/07/03(Sat) 0:53:43

【人】 水分神

 
[態とらしく咳払いをすれば
 表情をきりりと引き締めて立ち上がる。]


    ……、……

    疲れておるじゃろうから今宵とは言わぬが……
    覚悟が決まれば、閨に来るが良い

    其処で妾の夫に相応しいかとくと見極めてやろう


[抱擁した時に着物が汚れた。
 身を清めてから部屋に戻るとしようか。]
 
(126) 2021/07/03(Sat) 0:54:00

【人】 水分神

 
[────言うたものの。
 夫婦が閨で何をするかは良う知らぬ。
 何をどう見極めるとか、考えておらんかった。**]
 
(127) 2021/07/03(Sat) 0:54:40

【人】   天狗

―― 後日譚 ――
[天狗の加護を受けていた村の一つが「無くなった」という話は
偶然その村を訪れた行商人から周囲の集落に伝わった
何事かと駆け付け調べては見たが、そこにあるのは焼け跡のみで
居た筈の住人の姿は「どこにも」無かった
ただ一人、娘が彷徨っているのを保護したが、答えられる状態ではなく
よほど恐ろしい思いをしたのだろうと人々は噂をした

だが、誰一人として、それが天狗の仕業だとは口にしなかった
それは、口にすれば災いが及ぶなどという話ではなく
「山神様がそのようなことはしないだろう」と皆が思ったからだった
山神様は山裾の村々を護り、その「礼」にと娘を嫁に送り出す
それはもう、ずっと昔からのことで、そもそもそれが何故かなど
村人はほとんど覚えてはいなかったので]
(128) 2021/07/03(Sat) 2:30:06

【人】   天狗

[それから少したって、天狗は保護している村全てに使いを送る
そのようなことは滅多になかったから村人は驚き
そうして、先の村が滅んだ一件を思い出す
もしや、この先に良からぬことが起きるのではないかと

不安げな人々に向かって、使いは天狗の声で「安心せぇ」と笑って見せた
使いは「影」であり、それを通して話しているのだと前置きしてから
此度の要件を語りだす

……「もう、嫁はいらぬ」と]
(129) 2021/07/03(Sat) 2:31:04

【人】   天狗

 もう嫁はいらぬ
 此度、ワシは長きにわたり共にある「眷属」を得た
 これまで、大切な娘を送り出してくれたことに感謝する
 そして、悲しい思いをさせただろう、すまんかった

[村人はざわめき、そうして泣き出す者もいた
天狗が去ってしまうのではないかと、そう気に掛けるものもいた、が]

 安心せぇ、ワシはこれからもこの地を護る
 嫁を取らぬようになるだけじゃ

 じゃがの、一つ気がかりなことがある……
 皆も知っとるじゃろ、先日「無くなった」村の件じゃ

[村人たちがはっとして使いを、天狗を見る]
(130) 2021/07/03(Sat) 2:32:11

【人】   天狗

[此度の嫁がその村から送り出されたことは皆知っている
その嫁が眷属となりこの先も「山神様」を支えるなら、それはとてもめでたいことだ]

 良き嫁を得た礼に、久々に村に下りたんじゃ……
 じゃがの……

[その村は酷い
業病
に蝕まれていたと天狗は言った
もっと正しく言えば、何か良からぬものに「憑りつかれて」いたようだと
それに気づかなかったのは天狗の不徳と言い置いて]

 人を狂わせる病じゃ……互いに殺しおうて手に負えんかった
 ワシらにまで刃を向けてきての……火まで放って酷い有様じゃった

[
嘘ではない、事実彼らは自らの手で滅んで行ったのだから
]

 あれは放っておけばほかにも広がるもんじゃった
 ワシはこのあたり一帯を護らにゃならん……あんな業病にさらすわけにはいかんかった

[だから、浄化したのだ、と]
(131) 2021/07/03(Sat) 2:34:26

【人】   天狗

[そう、あの村は病んでいた、病み腐っていた
嘘は言っていない

そうして、他の村の者たちもそれを疑いなく信じた
そう信じたくなるようなものを、人々も感じていたのかもしれない]

 浄化はしたがの、あれは人に憑りつく魔物のようなもんじゃ
 あの村は……まあ、元から少しばかり変わっとったがの
 そこに付け入られたんじゃろう

 あれはワシの力じゃ防げんものじゃ
 だからの、お前たちも努々油断召されるな
 皆で協力して支え合っていくがええ、それが多分一番じゃ

[「山神様」の言葉に人々は頭を下げる
やはり村を守ってくれているのだと
、もう長い事天狗は悪さをしてこなかったので
]
(132) 2021/07/03(Sat) 2:36:14

【人】   天狗

[それから、件の村の跡地は必要なら皆で管理するようにと伝える
あのあたりは土地がよいから放置して荒れるのはもったいないと
そうしてもう一つ
それまでは禁足としていた「嫁の岩屋」のある洞穴付近を解放し
新たな禁足区域を山頂付近のみにすると伝えた
山頂付近は天狗の力の影響が強く物の怪が寄り付きやすいから、と
解放した区域の山の幸は皆で分け合うようにと]

 皆がこれまで通りあり続けるなら
 ワシもこれまで通りにこの地を護ろう
 変に祀り上げたりする必要はないが、そうじゃの
 怖がらんでくれたら、ありがたいかの

[冗談めかして言えば村人からも笑い声が届く
使いは、つまりは天狗は満足げな表情を残して村を去った]
(133) 2021/07/03(Sat) 2:38:16

【人】   天狗

 さて、茅よ、これでよかったと思うかの?

[と、傍らで……正確には腕の中で全てを聞いていた「嫁」に問う
もっと言えば
寝床の中
なのだが、そこはとりあえず置いておこう


かつて悪行を重ねた物の怪は、いつの間にやら本物の「山神」になっていた
そのこと、今だ天狗に自覚はないのだが、この「嫁」の影響は大きいだろう]
(134) 2021/07/03(Sat) 2:40:07
 よい眷属を、嫁を得て、茅と出会えて
 ワシは、本当に
しあわせ
じゃぁ……

[そう呟いて、愛しい子天狗へと顔を寄せる
生まれて初めて「しあわせ」を口にして**]

  お主の発想は面白いな。
  もしかするとそうした生き物もな。
  この世界のどこかには居るやもしれぬ。


[鼻をかんだ後、指先は湯につけ擦り流しておく。
後は湯の流れに従い勝手に廃されていくだろう]


  ただ、、そうさな。
  予はこのような目であるから遠くへは行けぬ。
  人から話を聞いたり、村の周囲の景色しか知らぬ。
  知らぬ景色は数多もあり。
  星の数程にもこの世界は予にとっては見知らぬものだ。


[次は溺れぬようにと鼻だけは出るような高さへとリンの位置を調整する]


  ほれ、またそう戯れる。
  そうされると予は心地好いものよ。


[それへの刺激は心地が好い。
ただ幼き身に欲情するかと言えば――]

  ま、世の中そちらのが良いという者もいようが。
  予としては胸も尻もそれなりに欲しいものだ。
  内緒というわけではないぞ?
  例えば今お主が挟んでおるモノだがな。
  それはお主の身体の――そうさな。
  股座の孔に突っ込んで使うものだ。


[挟み込んでいるなら理解できようが単純に身体の大きさが合っていないのだ。
緋扇がそうしたところも教えてくれていると助かったのだがそれはしていなかったらしい。
男の身で女子に身体のことを教えようとすればどうしても行為が混ざる]


  今の身ではそこに予のものは入るまい。
  出来ぬことを教えるは良いが。
  教えても試みることができぬのだ。
  それなら先に詩や音を教えた方が良いだろう?


[百――と途中を端折りそこだけを口にする]

  さ、上がるとしようか。
  夜は同じ床で眠りにつくまで子守詩を謳ってやろう。
  その前には香油であるかな。
  五色の家に咲く椿から取った香油があるはずだ。
  あれで香りをつけてやろう。


[自然の浴槽からあがると脱衣所へと向かう。
拭き布でリンの身体につく水滴をとん、とんと優しく拭ってやるが男は自分の身体は割と雑に拭いていた。
髪の毛もしっかりと水分を取れば頭に乾いている布を巻いてやり、それから香油を肌に馴染ませるように塗ってやろう]


  予たちは遥か西の方よりこの地へ参ったらしい。
  彼の地は神々が集う地らしく、蘇芳や緋扇。
  他にも永く眠った者たちは自然そこへ旅立つのやもしれぬ。
  いつか――。


[香油を塗り終われば寝間着を着させて寝室へ向かうとしよう。
共に同じ床に入り身を寄せて――]

  そう、いつか――。
  予はこの目で確かめることはできぬが。
  共に旅が出来ると良いものだと思うよ。


[そう囁きながら、子守詩を紡いでいこう。
この地ではない遥か遠い西の地にて、永遠に受け継がれる神々の詩を**]

【人】 龍之介

 
[予想に違わず、激励と受け取った自分。>>-227



   
はい…!




[発声の勘も徐々に取り戻し
 気合も入った分だけ、力強い返事になった。]
 
(135) 2021/07/03(Sat) 9:17:16

【人】 龍之介

 
[心を寄せてくださった証でもある
 もうひとつの尊いお姿を
 慈しむように撫ぜていれば

 咳払いが聞こえて、



   (そうだ、今は何よりも
    目の前の貴女を優先しなければ…!)



 慌てて視線を戻し、見上げれば、
 気遣いのお言葉と
 閨へのお誘いが降ってきて、>>126

 
どくん、ッ


 鼓動が驚くほど大きく飛び跳ねる。]
 
(136) 2021/07/03(Sat) 9:17:28

【人】 龍之介

  
[閨房術は、
 指南書などで学んで
 頭に叩き込んでは来たけれど

 家事とは異なり
 実践を積んできた訳ではないから
 自信はないに等しい。

 上手く、出来るかは分からないけれど



 …というか、それよりも何よりも



   (貴女に触れられる…なんて
    考えただけで、心臓が破裂してしまいそうだ…)



 唐突に、キツく抱きしめられた時の
 柔らかな感触も蘇ってきて
 体中の血が沸騰してしまったみたいに、ぐらぐらする。]
 
(137) 2021/07/03(Sat) 9:18:01

【人】 龍之介

 
[湯で蛸みたいに
 かっか、ぽっぽしながら
 艷やかな髪のたなびく後ろ姿を見送って、

 七◯秒ほど。



 ものすごい勢いで
 身綺麗にし
 潰れた実を選り分け甘く煮詰めながら
 部屋を片付け、拭き上げて、
 更にもう一度、かいた汗を流しつつ
 念入りに体も磨き上げて、

 ミクマリ様の寝所へと向かう姿があった。]**
 
(138) 2021/07/03(Sat) 9:18:18

【人】 子天狗 茅

―― 後日 ――

[すっかりと定位置となった天狗さまの腕の中で、子天狗はくふりと笑う>>134

ほら、なんだかんだ、天狗さまは優しい
子天狗は知っていた

その全てが聞こえるわけではないけれど、天狗さまの心だって、子天狗にはちゃんと聞こえていたのだから

すり、と内腿を天狗さまの脚に擦り付けて、甘えたようにその喉元に口づける

それから……口にされた言葉に、茅は瞬いた。]
(139) 2021/07/03(Sat) 9:19:20
[
>
『しあわせじゃぁ』
って
“あなた”が言うから。

触れ合った唇から、じわ、じわ、と胸の内に広がる暖かさは、きっと。
あぁ、こんなものまで天狗さまは、分け与えてくれる。]

 ふふ。
 
しあわせ、


[しあわせだった。
しあわせでしかなかった。

溢れそうになるその想いのまま、茅は天狗さまに抱き着いて、勢いのまま、二人して褥の上に転がる。
どちらともなく、また唇を重ねた。**]



              
―― 天狗の嫁取り《完》 ――

【人】 水分神

 
[懐剣を取り出せば大事に仕舞い直した。

 屋敷に残されていたもので
 妾にとって不要なものじゃったが
 彼奴の命を救ってくれたとあれば
 感謝の気持ちも芽生える。

 そうして手放せば
 身を清めたのち光沢のある薄手の着物へと着替えた。]
 
(140) 2021/07/03(Sat) 9:56:02

【人】 水分神

 

    ……そーいえばっ


[先程は龍之介が助かったことに安堵して
 それどころではなかったが
 妾は悪いことをしたのじゃ。>>9
 果物がなくなりそうだというのは嘘じゃったし
 採りに行って欲しいというのも嘘。
 それで危険な目に遭わせてしまったのじゃから
 其処は謝らねばならぬ。
 
二度と、斯様なことはせぬじゃろう。

 
(141) 2021/07/03(Sat) 9:56:06

【人】 水分神

 

   (流石に今宵は休むじゃろう。
    明日言うのじゃ……)


[ころんとふかふかな布団の上に転がった。
 もの凄い勢いで支度をしているとは知らず。**>>138
 
(142) 2021/07/03(Sat) 9:56:09