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【秘】 司書 エルナト → 童心 クロノ「やぁ。」 名前を呼ばれればひらり、手をあげて。 てく、てく、ゆったりとした足取りで近づく。 目の前まで立てば、身長差分視線が下がる。 「うん、何もないなら良かった。」 「約束は守れたようで何よりだね。」 君を守れてよかったよ、と少し安堵の息。 嘘つきにはならずに済んだようだ。 その後の言葉には、うーん、と思案して。 「…まぁ、子供達もたくさんいるからね。」 「単に違う子を標的にしてるだけじゃないかな。」 「きっと大丈夫、そんなに不安そうな顔しないで?」 騒ぎがあったんだもの、連れてこれなかったことで、 君が怒られたりなんてしないさ、と。 叶うなら頬に掌で触れて、安心できそうな言葉を告げて。 実際にどうかなんて知らない、耳障りがいいだけの言葉。 (-185) 2022/05/06(Fri) 11:13:11 |
【秘】 童心 クロノ → 司書 エルナト「……そう、だといい……けど」 不安げに言いながらも、 けれども触れられたら、少し頬を赤らめて 昨日の出来事にどういう感情を持てばいいのか 自分でもまだ分からなくて、どきまぎと視線を逸らす。 「……あの、」 「エルナトくん、の、昨日の……って」 「その………」 ああして、執拗に舐めて来たのは そういう病気なのだろうか。 そういうのが、好きに思ってしまう病気なのだろうか、と 問おうとして、病気と呼ぶのもヘンな感じがして、 中途半端に言って言い淀んだ。 (-187) 2022/05/06(Fri) 12:39:14 |
【秘】 司書 エルナト → 童心 クロノ「きっと大丈夫さ。」 蜂蜜みたいな言葉を吐いて。 赤らんだ頬を、親指で軽く撫でる。 動物に触れた時、その温もりが心地よいと思うのと同じように、 君の体温は心地が良かった。 言い淀む言葉、でも、聞きたいことは分かる。 まぁ、気にするなと言われる方が難しいだろう。 ひとつ、思案して。 「食事なんだ。」 ぽつり、零した。 それはどうしようもなく単純な事実であった。 ▼ (-189) 2022/05/06(Fri) 12:54:17 |
【秘】 司書 エルナト → 童心 クロノ「人のご飯が食べられなくてね。僕が食べられるのは。」 「汗とか、涙とか。」 「……唾液とか、それ以外とか。」 頬を撫でていた親指を、君の唇に触れさせる。 くい、と指を曲げて。 その隙間に侵入しようとして。 「人の体液だけが食べられる。」 「美味しいと思うし、実際に栄養にもなる。」 「………そういう、病気。」 だからそう、昨日のあれは。 まさに"食事"に他ならなかった。 「…気持ち悪いでしょう。僕も、あんまり食べちゃいけないと思うんだけど。」 「……最近はずっとお腹も減ってるし、それに……」 「…食べる事にも、抵抗が無くなってきちゃって。」 成長期の体は栄養を欲しがるし。 慣れた行為はその異常性を麻痺させるし。 君の体を舐って、唾液の交換をする事も。 何の抵抗もなく、あったのは多幸感と満腹感だけ。 「……嫌だった?ごめんね。」 眉を下げて謝る。 誰かを傷つけたいわけじゃない。 でも、本能には抗えない。 指を隙間に入れる事が出来たなら。 君のぬるりとした舌を、指の腹で丹念に撫でる。 (-190) 2022/05/06(Fri) 13:01:55 |
【秘】 童心 クロノ → 司書 エルナト「……しょくじ、」 小さく言葉を反芻して、あなたを見上げる。 食事なら、しなくちゃお腹が空くだろう。 「………」 嫌だとか、気持ち悪い、とか。 思わなかったかと言えば、たぶん嘘になる。 でもそれを言われたら、傷付くものだ、と。 言われて来て知っているから、言えなかった。 驚いたし、怖かったし、けれど、 あなたの言葉が優しくて心地よかったのも、 あなたが“大人”から助けてくれたのも事実で、 だから、だから。 マイナスの言葉を肯定する事が、上手く出来ない。 なんて考えているうちに、あなたの指が口内に。 刺激された舌が唾液を分泌させて、 唾液と指とに、言葉が塞がれて。 これもきっと、“食事”のための行為なんだろう。 意図してなのか、食事を求めての無意識でなのかは、分からないけれど ▼ (-195) 2022/05/06(Fri) 13:28:58 |
【秘】 童心 クロノ → 司書 エルナト「………ん、」 唾液の溜まった口で、喉だけで声を出して 小さく開けた口で少しだけ顔を上に傾ける。 “食べて”いいよと、言うように。 (-196) 2022/05/06(Fri) 13:29:30 |
【秘】 高等部 ラピス → 童心 クロノ泣きじゃくる身体をぎゅっと抱きしめて、 あやすように背中を叩いた。 心の中に溜まったものが全部吐き出されるように。 涙の沁み込んでいく服が、悪い感情も全部奪い取ってくれたら良い。 ──しっかりしなくていいよ。 甘えたいときに、弱音を吐きたいときに、我慢なんかしなくていい。 小さな身体でも、誰かを支えるくらいの力はあるのだと伝えたかった。 私は大丈夫だから、あなたがつらいときに頼ってほしい。 落ち着くまでは、ずっとそうして待っている。 (-198) 2022/05/06(Fri) 13:56:28 |
【秘】 司書 エルナト → 童心 クロノ自分の食性が、気持ち悪い事は知っている。 いくつになっても乳離れが出来ず、 食事もとれない自分を疎んで、母が自分を捨てた日から。 これは人を不快にさせるものなのだと、認識している。 何かを言われても、きっと気にすることはない。 気にしても仕方ないし、我慢はできない。 それに、家畜になにを思われようが関係ないでしょう? 病によって、認識は随分と 歪められてしまった。人を人と思えない。 小腹が空いて、無意識にお菓子に手を伸ばすように。 舌に触れて、にじみ出る液の感触を楽しむ。 ぴちゃぴちゃという水音が。 少年には、肉が焼ける音と同じくらい美味しそうな音に聞こえた。 ▼ (-203) 2022/05/06(Fri) 14:49:54 |
【秘】 司書 エルナト → 童心 クロノだから、君がまるで、"いいよ"とでもいうように 顎をあげたのを見て。 少年は、きょとんと目を丸くした。 「………いいの?」 皿の上に盛られたご馳走を見るような目で、君を見る。 くぅ、とお腹が鳴った。 文字通りの据え膳に、ひとつ、ごくりと喉を鳴らして。 そっと、身を屈めた。 長い横髪を指で掬って、耳にかけて。 蜜の溜まった皿に、舌を入れる。 じゅる、と少しはしたない音を立てて。 君が用意してくれたご飯を啜る。 舌が、君の口の中を這い回って。 君の味を、しっかりと堪能して。 奪ってしまった唾液の分、君が渇いてしまわないように。 自分のそれを、君に流し込んであげる。 誰が来るかもわからない廊下の隅で。 食事をする。 (-204) 2022/05/06(Fri) 14:56:34 |
【秘】 童心 クロノ → 高等部 ラピスしばらくそうして、ぐすぐすとあなたにしがみついて泣いて ひとまず溢れて来たものが収まれば、 その肩に顔を擦りつけた後に顔を離す。 ……こうやって零した涙を 少しばかり勿体なく思うのは、 涙も汗も唾液も、美味しそうに食べる彼の顔を 見てしまったからかも知れない。 涙として吐き出した分は確かに軽くなって 溜息の様に口から息を漏らしては、 幼い顔のまま、小さく笑顔を浮かべた。 「……ごめん、ありがとう………」 「ちょっと、おちついた……とおもう。」 (-205) 2022/05/06(Fri) 15:39:32 |
【秘】 童心 クロノ → 司書 エルナト「 ん、……… 」傍から見れば、 廊下の隅でこっそり口づけをし合う少年少女の青春の様で、 その実は給餌に他ならない。 溜まった唾液があなたに啜り出され、 舌が交わる分あなたの味に満たされる。 少しの間止めた息は、離れれば荒く吐かれて。 いやか、いやじゃないか、やっぱりよく分からない。 でもお腹が空く事はかなしいし、 あなたがひもじい思いをしてるのも、かなしい。 だったら、あげていいと思える間だけでも あなたのお腹を満たせたらいいな、とか。 思うのは多分、役に立てなかった分を誤魔化したいだけなんだと思う。 「……口、だけなら……、」 「いつでも……、 いいから…… 」口の中のそのを飲み込んで、 苦笑がちに笑って見せた。 (-208) 2022/05/06(Fri) 15:56:35 |
【秘】 司書 エルナト → 童心 クロノ「ん………ふっ…………」 熱を帯びた吐息を合わせた唇の隙間から漏らす。 欲望に突き動かされてるのは、間違いない。 ただ、それが男女としてのものじゃなく。 ただ、生物的なものであるだけ。 お互いの味を口内に塗りたくって、 吐いた吐息まで君の香りになってしまう頃。 ようやく口を離して、ほう、と一息ついて。 自らの口の端についた唾液までぺろり、と舐め取って、 お腹をさする。満たされていく。 「……美味しい…………。」 恍惚の声。恍惚の表情。 少し汗ばんで赤く上気した顔は、どことなく扇情的で。 されどやっぱり、そこに食事以上の意味を持ってはいなかった。 「……口以外は…………」 「………駄目なの……………?」 だから、懇願するように、熱に潤む瞳で君を見て、 "その先"を求めるように呟く声もまた。 『もっと美味しいものを食べたい』以上の意味を孕んではいなかった。 (-209) 2022/05/06(Fri) 16:22:03 |
【秘】 童心 クロノ → 司書 エルナト口付けは本来、恋人同士がやるものだと言うことは 幼い少女でも当然、知っていること。 だから、きっとそれ以上の、昨日のような事も 本当だったら、愛し合うもの同士じゃないと そぐわないのだろう。 そう思ったって、そうだとしても。 あなたがお腹が空くのなら、 愛なんてなくても、誰かがあげないと、 あなたが、お腹がすいてしかたなくなっちゃうだろうから。 あなたの味の息を吐いて、 少し濡れた口元を袖で拭って。 小さな懇願じみた言葉には、 視線を逸らして一度口を結んでから 「口、 以外は…………」 「…………誰もいないとこでなら……。」 そのまま羞恥心が立ち上って来るのに合わせて、 ぴきぴきという音が内から響くのが聞こえて、 少し慌てて、身を翻す。 これ以上懇願されたら、応えてしまいそうだから。 (-210) 2022/05/06(Fri) 16:44:22 |
【秘】 高等部 ラピス → 童心 クロノ幼い笑顔を見れば、 両手を頭に差し込んでわしゃわしゃ、頬を挟んでむにむに ここ数日していなかった戯れるような仕草。 後ろ髪を引くような感情がまだその内側に残っているようにも思えたけれど、僅かでも心を軽くできたのならそれで良い。 幼い良心が、都合よく利用されなければいいなと思った。 『どういたしまして』 お礼への返答だけ書いて、手帳を見せる。 (-211) 2022/05/06(Fri) 16:50:01 |
【秘】 童心 クロノ → 高等部 ラピス「ん……、へへ、」 ぴき、と小さな音。 戯れに大人びた顔が笑って、 おかえし、というように あなたの頭をわちゃわちゃと撫でる。 これもまた、よくやる事だ。 「……すっきりした、から……、 ちょっと、お散歩……してくるね。 ほんとに、ありがとう、ラピスちゃん」 (-214) 2022/05/06(Fri) 18:38:24 |
【秘】 高等部 ラピス → 童心 クロノお返しをされてふふ、と満足そうな顔をした。 こくり。 『いってらっしゃい』 またペンを走らせて、送り出す言葉をかける。 散歩に出掛けるクロノに手を振って、 その場はお別れをしただろう。 (-221) 2022/05/06(Fri) 19:00:53 |
【秘】 司書 エルナト → 童心 クロノ全く愛のない、愛を確かめ合う行為。 食事とイコールで結ばれてしまう行為。 何一つの感情がなくとも、何一つの感情を抱けずとも。 牛が子供のために作り出した乳を搾って我がものとするように、 誰かのためのものを、奪い取らなければ生きていけない。 きっと君がその身を捧げなければ、少年は。 他の誰かから、そう、出来れば自分でも抑えつけられる、小さな子から。 望まぬ行為を強制して、食事を奪い取るのだろう。 今までそうしてきたように。 翻される体。 食べかけのお皿を下げられたような感覚に陥って、 つい、その背中から抱き着く。 ぎゅっと抱きしめて、耳元で、少し荒くなった吐息を吐いて。 欲情にも似た、熱のこもった声で。 「じゃあ。」 「………図書室、いこう…………?」 少年だけが管理するそこは、鍵さえ閉めてしまえば。 誰も来ない場所になるからと、やっぱり、懇願するような、か細い声で。 (-224) 2022/05/06(Fri) 19:25:13 |
【秘】 童心 クロノ → 司書 エルナト「───………」 後ろから抱き留められれば、 誤魔化そうとしたものは、誤魔化し切れず。 ぴき、と言う音の後に少女の面は、身体は、 成熟した女のものになる。 それでも、その中味は変わらない。 「……わ、」 「……分かった…………。」 艶やかな女の声は、困惑を宿したまま言う。 誰もいないところでなら、と言ったのは自分だ。 自分の言ったことと、あなたの言葉で、 それはもう供物にならざる負えない。 優しい声で囁けば、囁かずとも、抵抗の余地も無い。 あなたに捧ぐ雫の源泉は、逃げる事も無い。 自覚の無い自己犠牲は、都合よくあなたに使われる。 ──さあ、今日も、悪魔に供物を捧げよう。 (-250) 2022/05/06(Fri) 20:54:41 |
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