人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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視点:


【独】 幕の中で イレネオ

/*
エルヴィーノさんのこといじめないでって言ったじゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(-10) 2023/09/23(Sat) 21:38:21

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ

弱い力だ、そんなの自分で自覚していた。
それでもすぐ、離れてくれた貴方を。
それでも未だ、笑っている貴方を。
視界に収めれば理解せざるを得ない。

これは己が知る身体を求める行為ではなくて。
ただ目の前にいる獲物を突き、嗤っているだけだと。


それを、ようやく、ようやくに理解する。
通じないのだ、ひとつも、きっと。
どれだけ涙を落とし終わりを乞い願ったところで。
貴方が満足するまで、こちらが限界を迎えるまで。
この地獄は終わりなどしない。

絶望の色は人生で幾度か知っていた筈だった。
それでも今この時間のものが一番に濃い気がした。


「…………」

けれどもう、
そう
なのだとわかってしまえば。
恐怖で震えは収まらないまま、痛みで涙は滲むまま。
貴方を見つめた。
弱り切った瞳の奥は未だ堕ち切ってはいない。


「せ、んぱいは」
「……なんでそんなに、きらい、なの」
「マフィアのこと、……アレッサンドロの、こと」
(-14) 2023/09/23(Sat) 22:09:53

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ

ふらり、と貴方の牢の前に一人の男が立ち止まった。
ここの鍵たまに緩いんだよな、と、隣に連れた警官を見遣ってから男を見返した。
なにやらそばにいる女性警官とは懇意の仲なのか、囚人の割には足を止めたことも寄り道も咎められていないように思える。

「……イレネオ・デ・マリアか」
「……本当に、お前も派手にやってくれたんだよなあ」

そんなもしかしたらほぼ初対面の男の顔は何故か片側だけ叩かれて殴られたあとがある。
一発ずつ。多分女の力で。
(-50) 2023/09/24(Sun) 1:15:34

【墓】 幕の中で イレネオ

この男もその場にはいたはず。
隅の方で壁に寄りかかって腕を組んでいた。
その姿はほかの収容者と比べて不自然に傷がなかった。

金色の瞳は相変わらず面々の方に向けられているのだが、
突っかかっていく様子は見られない。
その辺りはそういうふうに言い含められてでもいるのだろう。
規則には従順な男のことだ。

#収容所
(+11) 2023/09/24(Sun) 2:31:24

【秘】 幕の中で イレネオ → 笑わない カンターミネ

近すぎる攻撃を避けることは叶わなかった。
避けたとてほんの少し位置がずれるだけのこと。概ね貴方の想定通りの場所に、この男は頭突きを叩き込まれる。

「────ゥ、」


小さくくぐもった声を漏らした男は、しかし、それ以上の何をもしなかった。
顔を顰めることも、声を荒らげることも、衝動的な暴力を振るうこともなかった。

つ、
と赤い血が鼻腔から流れ出して。
ぼた、ぼたり
と滴り落ちていっても。

何もしなかった。貴方の口に指を捩じ込んでいるだけ。閉じきらないように固定しているだけ。これからの行為で自分が被る害が最小限になるようにしているだけ。

貴方が選んだ手段が頭突きだったのは幸運だった。
貴方が蹴飛ばしたのが机や椅子だったのは幸運だった。
その攻撃が遍く"男性"の急所に向いていなかったのは幸運なことだったのだろう。だからこそ、男はこれだけ余裕を保っていられて。
そうして今後もないように、先んじて貴方の下肢に体重をかけることが出来た。

その下を暴こうとすることすらない。
男は貴方に欲情しているのではない。
ただ貴方を傷つけたいだけ。
ただ貴方を貶めたいだけだ。

(-73) 2023/09/24(Sun) 3:04:56

【秘】 幕の中で イレネオ → 笑わない カンターミネ

ぐ、と男の手が貴方の頭を抑えつける。
親指をそこに突っ込んだまま。引き伸ばされた唇が痛むであろうなんて気遣いは当然ない。手錠で繋がれただけの腕は一番自由だろうが、身体をひたりと近づけてしまえば結局動きは止まるはずで。​
────勿論、見越した貴方が万歳・・の姿勢でも取っていれば話は別だ。この男はそれを咎めないから。


貴方の至近に近づいて。
べろ。自身が流した血液を舌先で舐め取って。

男はそれ・・を完遂する。
貴方の口内に男の舌が、唾液が、血液が入り込んだ。
単なる嫌がらせ。手の込んだ嫌がらせ。縮まっているのであればその舌に敢えて擦り付けるように触れ合わせて、上下に完全に注ぎ落とすようにして。指のせいでどうしても閉じきれない隙間からは下品な水音が聞こえたかもしれない。

貴方がいくら歯を食い縛ろうと辞めない。貴方が唸ろうと呻こうと暴れようと辞めない。それ以上のことはしない。ただ、辞めない。

相手の言葉に心を乱されない方法はいくつかある。
そのうちのひとつは
相手を人と思わないこと
。精々けだもの程度に思っておけば、罵る言葉も態度も何処吹く風でいられるものだ。
暴れる様や与えられる痛みもそう。死に際の虫が暴れる様なものだと、今は感じられる。
(-74) 2023/09/24(Sun) 3:07:10

【秘】 笑わない カンターミネ → 幕の中で イレネオ

暴れる。その言葉通りの事だけをしていた女は、
それこそ"けだもの"程度の行動しか取る事が出来なかった。
下肢を抑えられるまで、アドレナリンの齎す興奮に
酔ったまま、ありもしない『外』の動きを呼ぼうとした。
それはカンターミネが自身を弱者として認識していたからに
他ならない行為でもあった。これは、激情を持ち、
マフィアとしての多少の暴力に馴染んでこそいたが。
所詮は、組み敷かれる程度のか弱い女でしかなかった。

故に、それは実に簡単な事だったに違いない。
見越す事もせず、両手も塞がれ、怒りのままに暴れるのも
抑えていれば何の障害にもなり得ない。
まざりもの・・・・・が舌と共に口内を踏み荒らす頃、
ようやく女はそこに嫌悪の音を含めたうなりをあげた。
きっとそれは、"それなりに"あなたの欲を満たした事だろう。
(1/2)
(-77) 2023/09/24(Sun) 3:29:19

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

ぶじゅ、ぶじゅ、と滲んで吹き出す血。
その速度に呼応するように伸びやかに飛び出した悲鳴。それを、男はまるで気に入りの歌を聞くように口角を上げて享受した。
歩く指先は軽くなり、ステップを踏むようですらいた。全て、全て、貴方の視界の外側での話。

貴方の頬に涙が流れるのを男は見た。
それが室内灯を跳ね返すのを見た。また笑った。
​────自分と同じ図体をしていた生き物が、あんなにも飄々としていた生き物が、自分より縮こまって自分より下で惨めに蹲って泣いている!


それは強者の高揚。
上下の関係の錯覚。
歴史の中で幾度と繰り返されたきた、醜悪な勘違いのひとつ。


「もうシェイカーは握れないな」
「関係ないか。お前はマフィアだし」
「偽る道具がなくなった方が人のためだ」

上機嫌に紡ぐのはそんな言葉。
男の瞳は輝いて室内を物色した。
探している。探しているのは最早、貴方の罪ではない。
貴方を痛めつける材料を、より大きく鳴かせる・・・・道具を探しているだけ。

(-78) 2023/09/24(Sun) 3:29:41

【秘】 笑わない カンターミネ → 幕の中で イレネオ

……そのまま厭だ嫌だと喚くだけの虫や獣であったならば、
そもそもあなたは負傷などしてなかったはずだ。
アドレナリンがなければこの行為に至れなかっただろうが、
同時にアドレナリンがあるからこの後に至るはずだ。

だからきっと、これもまた"天秤"なのだろう。
『正義』は言った、お前達マフィアに法はないと。
だが、その言葉は残念な事に間違いだ。
『正義』が存在する以上。

もう一方の正義・・・・・・・も存在する。
そうしてそれらは、共に天秤にかけられる。
優位であった天秤は、僅かな薬剤の効果が切れると共に
冷静さ、否、残酷さを取り戻した女によって再度、傾けられるだろう。

それは明らかな変化だった。
女から抵抗が失われた。諦めを感じさせるような変化だった。
あなたがそこで興味を失い、或いは何かを感じて身を引けば、
「その後」は来ない。だがそこでまだ、続けるのであれば。
これ幸いと、『正義』の執行を続けたのであれば。

女は、あなたの舌を奥へ誘ってから、

ぎぢ。


と。その一部に穴を空け、あるいは
咬み千切るだろう。

けだものが如く。

(2/2)
(-79) 2023/09/24(Sun) 3:29:42

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

────ぱりん。


ガラスが割れる音
が耳に届いたのは、貴方が呪詛を吐いてから幾らか後のこと。
当然まだその指先は痛むのだろう。それでもその耳はきちんと音を聞き分けたはずだった。
きっと貴方もよく聞いたことのある音。
空の酒瓶を誤って落とすと、そういう音がする。
(-80) 2023/09/24(Sun) 3:30:27

【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

絞れるような声は耳に好かった。
締めつける胎の感触も好かった。
きっと肌越しに感じる、速い鼓動も好かった。
何もかもが好ましかった。だから、欲深く貴方を食らった男は、精を吐ききった後も貴方に触れることを辞めない。

ずるり、寄せあっていた身体を動かす。花浅葱を隠して閉じた瞼に唇で触れる。
額やら頬に張り付いた髪を摘んで戻してやる。首筋に玉として浮かんだ汗を舌で掬う。
自ら付けた赤い痕を労わるように舐めもした。痛みと共に熱を持っているだろうか。

きっとそうする度に貴方は少し身動ぎをした。
僅かな感覚にまた身を震わせたりしただろう。
全て曝け出して、自分の下敷きになっていて、
今も無防備でいるこの人が、自分のせいで・・・・・・果てたのだという事実は、
それもやはり、男にとって好かった。

どうしてやろうかな。

心中の呟きは音にならなかったはず。貴方は深い眠りに落としてくれと言っていた。
そのまま貴方が男の行いを放っておくなら、これは再び緩やかに腰を動かし始めるかもしれないし。
そうでなくともいい。もう疲れ果てて眠れそうだと言うのなら、後始末・・・を手伝う程度の甲斐性はこれにもあるはずで。
(-83) 2023/09/24(Sun) 3:54:18

【秘】 幕の中で イレネオ → 笑わない カンターミネ

ざらりとした舌の表面が貴方に触れている。
剥き出しの薄い粘膜に無遠慮に触れている。
それで貴方が唸る声に、平素の男ならばきっと満足そうにしたはずだ。
けれど今の男は違った。これは今、自分の愉しみではなく、貴方の不快を優先している。
だからその声に満足そうに喉を鳴らすこともない。ただ粛々と、ただ淡々と、咥内から精神を凌辱することだけに熱心でいる。
それは正義の執行とは真逆の行動だった。暴力と圧力で相手をねじ伏せようとする、男が最も嫌う行為だった。

ご名答、『外』の助けなんて来やしない。
それに関しては素直な男の言う通りだ。
ここは治外法権。可視化法は適用外で、
被疑者に不利な規則ばかりが支配する。


だから。
だから・・・だ、男が引くことが出来たのは。
正義にかまけていればきっとそうはいかなかった。貴方の思う通りこれは裁きに浮ついて、見えた罠に足を挟まれたはずだ。

引いた舌に男は満足した。
貴方をねじ伏せたと錯覚した。それですんなり離れようとする。
​────けれど、それは間違いであって。

貴方は全力で噛み付いたのだろう。であれば。
人体の中で最も硬いその上下ひと揃いの万力は。
せめて男の指の、骨を砕くまでは出来ずとも、
表面を破損させるくらいわけもないはずなのだ。

助けが来ないのは、男にとっても同じこと。
(-87) 2023/09/24(Sun) 4:09:13

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

くふ。


弱々しい抵抗に、男は息を漏らした。
それは笑ったようにも聞こえた。睡魔に犯された貴方の耳が、勝手にそう聞いただけかもしれない。
こちらの表情はきっと伺いにくいはずだ。顔の中心で鼻を摘んだ手は大きく、貴方の口元に寄せられる手もまた大きく。近づくもので視界は遮られて​────そうしてそんなものに目を凝らすには、状況が緊迫しすぎている。

従順に開いた貴方の口。
慈悲を与えるような優しさと丁寧さで、男は貴方の舌に再び錠剤を乗せた。
そのまままた、吐き出されぬよう手のひらで塞ぐ。
さて。
今度こそ自白剤であればいいが、と男は思った。


​が────それは叶わぬ期待。
実際この場にある錠剤の中に、
自白の効果があるものはない。
それは男が既にダメにしてしまったから。

残るのは精力剤のみなのだが、
それをこの男は知らなかった。
(-90) 2023/09/24(Sun) 4:28:13

【秘】 笑わない カンターミネ → 幕の中で イレネオ

もし、体内の音を聞けたなら、今この女からは
水音と同時にブチブチと血管の切れる音が響いただろう。
それも、相当に大きく。だからこそこれは一度誘った。
そうしてなお、獲物が逃れるなど許せなかった。
相手の考えや信念など、今この瞬間はどうでもいい。
これが考えるのはあなたと同じだ。鏡のように。
お前には罰が必要だ。

離れようとしたのが、不味かった。
きっと、近すぎたが故に瞳に爛々と燃えるライムグリーンが
見えなかったのだ。苛立ちに唆されたのだ。
そうでなければ、あなたのような警察が、
これに後れを取るはずがない。

カンターミネは、離れていく頭にもう一度頭突きを見舞った。
また口の中が少し切れたが、厭いはしない。
緩んだ手、指の拘束を大きく首を振って"ずらした"。
そうして、ずらされた先は――罰を執行するのには、
余りに原始的な。人体で作られた、
断頭台
だった。

まず、ごり、と音がする。それは右か左か、ともかくあなたのどちらかの親指が断頭台に嵌まり込んだ音だった。次いでめき、と音がする。それは丁度親指の付け根、第二間接が軋む音。そのままなら根元から捩じ切られるだろうが、抵抗しない訳もあるまい。

抵抗したなら、第一関節程度までは抜けたかもしれない。だが、このけだものは、一度憎んだものを決して逃がしはしなかった。ばぎ、と音がした。丁度、それは七面鳥の骨をへし折るような音だ。或いは、警察であるあなたにはより耳馴染みがある音かもしれない。そう、人骨の折れ、砕ける音だった。
(1/2)
(-91) 2023/09/24(Sun) 4:31:51

【秘】 幕の中で イレネオ → 口に金貨を ルチアーノ

立ち止まった顔に男は怪訝な顔をした。
それは明確に、男に向かって話しかけたようだった。
しかし男は相手の顔を知らない。相手の言うことも、要領を得ていないように思う。

やり過ごすことも考えた。
無視を決め込むことも考えた。
けれど隣の女の存在が気がかりだった。
このまま居座られては不愉快だ。

「何か。」

一言。
要件を言え、と。それだけの言葉。

男は『特命』を受けていた。
そこには対価として、ある程度の行動の自由の担保もあった。
だから、もし、貴方が望んで。
男がそれを了承すれば。
二人きりで話すことも、不可能ではない。
(-92) 2023/09/24(Sun) 4:34:23

【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオ

もう、誰が殴ろうが、叫ぼうが。
このけだものには、関係なかった。
怒り狂った女は、きっと少し離れた体の隙間から、
手錠で繋がれた手を抜け出させ、その拳を握って。
自らの顎を下から思い切り打ち抜いた。


その衝撃を最後に、
ぶつり。

あなたは喪失感を覚えるだろう。
生まれてからずっと一緒だったはずの十本の内、
大きく太い一本を失ったのだから。

赤い液が勢いよく、その後はリズミカルに吹き出す。
止血しないのならば、辺りは大変な事になる。
そうしてライムグリーンに赤を浴びた女は、笑う。
口内で転がした指を、あなたの混ぜた液を、絡めて、

「ベッ!」

音を立てて、部屋の隅へ向けて吐き出した。
口元は真っ赤に化粧をしていて、頭もまだらに染まり。
日頃の子供達が見たなら、一生のトラウマになるような。

けだものはそこに立つ。自ら入れた一撃で朦朧としながら。
それでも、怒りと残酷さを手放すことなく。笑っていた。
(2/2)
(-94) 2023/09/24(Sun) 4:36:53

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

最初の一錠の時よりも随分弱い抵抗で
二錠目の薬もまた、口の中に入れられて。

もし貴方が鼻の手を除けないなら
口まで塞がれれば呼吸が困難になったせいか
また飲み込む気配があっただろう。

そうして得られる効果は、精力剤のもの。
睡魔に加えてどうしようもない熱が男を襲うのだった。
頬に赤みが差し、呼吸数が上がる。

「っ、ぅ…くっそ……」

そう間をおかない、二種の薬の服用に
熱と、睡魔とで、頭がおかしくなりそうになる。

「なにが、したいんだ、おまえ……」

流石に尋問には関係ない薬の効果が二度目にもなれば
疑問も膨らむというもの。

ただ、目の前の貴方に対して劣情をぶつける訳にもいかず
堪えるのに必死な表情を見せるだろうか。
(-95) 2023/09/24(Sun) 4:45:57

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ

「俺があんたを調べ上げて黒眼鏡を向かわせた」

真実はきっともう少し複雑で当の本人達にしかわからないことかもしれない。
それでもこの男は、自分のせいだと思っている。
少なくとも探ったことは揺るぎない事実である。

男は何気もなしにそう述べれば女性警官に目をやって、
一度だけ席を外れさせるように頼んだ。
何やら息が掛かっているのかもしれない。
素直に離れる足音が遠のけばあとは二人きり、今は牢屋越しで。

「なにか言いたいことはあるか?」

その表情は特に感情が乗っていない。
正しく、何も思っていないからだ。
(-96) 2023/09/24(Sun) 4:49:16

【秘】 幕の中で イレネオ → けだもの カンターミネ

食らったのは再びの衝撃。
愚かな犬は同じ轍を踏む。
一度千切れた血管は脆い。
乾きかけた肌に再び赤い雨が降った。
二度も同じ場所を負傷すればさすがに痛むか、
男は咄嗟にその鼻筋を抑えようと片手を引いた。
こういう時に先に動くのは利き手だと相場が決まっている​────だ。
つまり残ったのは、その逆側。

ごり、という音は刻印に似た。
死刑囚の肌に刻まれる目印だ。

めき、という音が内側に響く。
それは警鐘であり警告だった。

男は乱暴に手を振ったはずだ。
それなのに抜け出せなかった。
ばぎ。
駆け抜けるような激痛。

男はその頭を再び抑えつけた。
そうして逃げ遂せようとした。
けれどそれさえ逆効果なのだ。
頭を目掛けて振り抜かれる腕。
照準を固定したのは男だった。

(-100) 2023/09/24(Sun) 5:18:15

【秘】 幕の中で イレネオ → けだもの カンターミネ

ぶつり。


きっと貴方よりもっと。
男の方がその衝撃を感じたはずだ。

「あ゛ ?」「
な、


漏れる声には困惑が濃かった。
発したことのない音。それが喉から、指先​────正確には指先が繋がっていたはずのところから、零れて。
答えを求めるように・・・・・・・・・貴方へと視線をさ迷わせれば、まるでケチャップを纏ったウインナーのような己の指。
己の?何故?

吐き出されて転がっていくのは己の指だ。
何故​​────分からないが。



そうか。
こいつのせいだ。


目には目を。
歯には歯を。
誰が言ったか、忘れたが。
ここにいるのはけだもの・・・・二匹。


貴方が自ら脳を揺らしたのは幸運だった。
反射で残ったのが利き手だったのも幸運だった。
笑う貴方の頭を五満足の利き手で鷲掴もうとする。
それが叶うなら​────今に、男は貴方を、
後頭部から床に激突させようと持ち上げる。
(-101) 2023/09/24(Sun) 5:20:54

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

眠気と共に襲う欲。
三大欲求に数えられる二欲。
初めに盛られた睡眠剤の効果は未だ濃く貴方を苛んで、
加えて今、下腹に熱が溜まるような感覚を覚えたはずだ。
緩やかに活動を停止しかけていた貴方の身体が再び活性化する。
人の欲求の中でも一際強かろうその二つが同時に貴方を蝕み始める。

それでも男は気づかない。
レンズ越しの瞳はどこか遠くを見ているようだ。
単に片眉をあげるだけ。そうして貴方の言葉を聞く。

「したいことなんてありませんよ。」

男は事も無げに告げる。

「貴方が話してくれればそれでいい。」

見当違いな言葉を投げる。
まだ、貴方に盛ったのが自白剤であれと思っているらしく。

「話す気になりましたか。」

乱雑な問いを投げている。
しかし、それだって今だけのこと。
貴方の様子がおかしいことには、いずれ気づくはず。
(-102) 2023/09/24(Sun) 5:34:02

【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオ

ゆらり、ゆらり。立ち姿は幽鬼のよう。
口元から血を垂らし、頭を揺する。
ぎひ、と笑うけだものは、それでもまだ頭は動いていたようで。
掴まれる寸前で後頭部を守るような姿勢をとった。
そうしておきながら、やはり笑い、
鷲掴まれた向こうからあなたを見下す。

「自分から仕掛けた癖に」
「人のせいみたいなツラすんなよ、クズ」

どこまで言えたのやら。
或いは、その腕にこちらも腕やら手錠やら絡ませて。
隙があるならその利き手の指すら食い千切ろうとした。

けだもの二匹だけなら殺し合いになるだろう。
止めに入る者は来るのか、来ないのか。
来ないのならば、どこまでこのけだもの達がやるのか。

少なくとも女から牙が抜ける気配は、まだない。
(-103) 2023/09/24(Sun) 5:37:34

【秘】 幕の中で イレネオ → 口に金貨を ルチアーノ

黒眼鏡
・・・


その言葉に、男は分かりやすく表情を変えた。
変えた、というよりは抜け落ちた、が正しい。
不愉快そうなかんばせが一転、白紙に戻った。

そうして。

貴方の言葉を素直に聞く女の背中に、ひとつ。
ちっ、と舌打ち。軽蔑の籠ったそれを送って。

さて。
男は立ち上がり、再び視線を貴方へ投げやる。
かつ。靴底が鳴った。かつ。鳴った。かつん。
止まったのは鉄の格子を挟んで、目と鼻の先。
表情は凪いだまま、視線は貴方を見下ろした。

「だからどうした?」

「ひとつ訂正してやる。初歩的なことだよ。」
「向かったのはあいつじゃない。俺の方だ。」
「調べ上げた? ……はは、笑わせる。そんなことも知らずにか。」
(-104) 2023/09/24(Sun) 5:43:21

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

その問いに、男はつまらなさそうにしただろう。
興が醒めたというのが近いだろうか、そういう顔。
つまらない時間に引き戻される時の拗ねたような顔。

男の手がペンを取る。

それでも。

「なんで?」

繰り返される言葉には、やはり笑うのだ。
滑稽なものに向ける笑み。愚鈍な者を嘲弄する笑み。
堕ち切らない貴方の瞳を、くつくつと煮える瞳が見やる。

「愚問だな。」
奴らがこの国をめちゃくちゃにしたからだよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「あいつはそのノッテファミリーのカポ・レジームだ。」
「憎まない理由がない​────この国を、」

「愛しているなら。」

男がつらつらと紡ぐ言葉は。
それほど難しいことは言っていないはずなのに。
きっと、貴方にはひとつだって、理解できないことばかり。
(-105) 2023/09/24(Sun) 5:55:21

【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ

/* 終わりも近付いておりますが、熱中症のエビです。
せっかくマフィアだったので、過去時空で暴力を受けに行こうかと思っています(!?

お忙しいと思うのでお手隙の際に、ゆっくりできれば……

ご検討いただけますと幸いです〜!
(-107) 2023/09/24(Sun) 6:09:20

【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオ

痛みに耳がキンキンする。
貴方の言葉を上手く噛み砕けない。
自分の指がどうなってるかの確認も出来ないまま、
ただ痛みに耐えるように丸くなる。
惨めな姿だ。大の男が縮こまって。
惨めな惨めな───
か弱い姿だ。


「……っ……何する気?
人間は…………そんなに丈夫じゃないわよ……」

割れた音、ガラス瓶の音。
昔落とした瓶を拾った時に、指を切ってしまった
ことを思い出す。
乱雑に割れたガラスは……刃物と何ら変わりは無い。

(本当に…………ここで死ぬかもしれないわね……
ごめんなさい……フィオレ……アリーチェ……
約束、守れないかもしれないわ……)

心の中で懺悔して。
後は、痛みが限界を超えて飛びかけになる意識の中、
貴方の楽しむ声と施す内容を、ただ恐怖と共に待つのみだった。
(-111) 2023/09/24(Sun) 6:25:34

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ

男である身体、その欲の受け口は、その精を取り込むような場所ではない。
中に入れたままにしておくべきではないけれど、果てたばかりの頭ではそんなことを考える余裕はない。
ないけれど、まだ眠れる気はしなかった。

「ん……、」

優しく触れてくる唇も、汗を掬う舌も、撫でる手も全部が心地よくて、くすぐったくて、ふ、と小さく息を漏らした。
それが少しずつまた色の付いた吐息になったなら、あなたはまた自分を喰らおうとするだろうか。
それでいい。
そうしてあなたとなんの夢を見ずに眠れる事ができたなら、きっと目覚めた朝には柔らかく笑えるはずだ。

この時の男は、翌日にあなたが居なくなるとは、露ほども考えていないのだから。
一人になった男は、何を思うだろうか。
それは、なってみなければわからないことだ。
(-118) 2023/09/24(Sun) 7:55:34

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

「こんなもん、盛っといてか…?」

頭が重い、のに下腹部は熱く
思考を妨げて、考えが纏まらない。

「何も変わらねえって、言ってんだろ。
俺は、マフィアと内通なんて、してねえ。
データベースでも何でも漁って、調べれば分かるさ。」

「それともそんな調査も出来ない、愚図か?」

煽るような物言いになってしまうのも
余裕がないから、が大きい。

目を閉じて、熱くなった息を吐き
追加されたもう1つの欲を抑えようと必死に務める。
(-120) 2023/09/24(Sun) 8:52:31

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ


「あーそうかい。笑ってくれて結構。
 その前のお前個人を調べていたのに、何が起きたかまで分かるわけないだろ……」

男が貴方について調べられたのはある程度の個人情報だ。
周りからの噂、簡易的な履歴書のようなもの。
貴方という人間性を特定するような情報が何処かにあっただろうか。
急ぎであったあの日から資料と記憶は遠くに追いやってしまった。

そして貴方の態度からもしかして、と何か思い当たることもあったが考えるのを止めた。
此処ではあまり関係の無い話だ。

「態々秩序を体現したようなお方があんな無頼漢に……働き者だねえ」

馬鹿にするつもりもない。
ただ、真っ先に狙いに行く対象としては正に正しく、その熱意と行動力が本当に恐ろしいと思った。そんなに嫌いだったのかと。

「で、結局だ。俺が聞きたいのは、
 お前を此処に放りこんだ奴らを恨んでいるかって話だ。
 そしてそれは
誰だと思っている
のか、それを尋ねたい」
(-125) 2023/09/24(Sun) 9:35:13

【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ

Ciao,とでもいいたげに手を振る。
(-131) 2023/09/24(Sun) 10:07:28

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ

表情の移り変わりを見つめる。
先程の笑みより今のそれのほうがよっぽど良かった。
だってそれはまだ、分かるような心地がしたから。

動きに気付けば緊張で喉奥がふるえた。
けれど、投げかけた問いに返る返答を。
耳にすれば、呆けた表情を浮かべて。

それから。

「…………はは」


笑った。
ここに来て、初めて。
声を出して、可笑しそうに。
ああなんだ、そういうことか。


[1/2]
(-134) 2023/09/24(Sun) 10:39:51

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ


「そっかあ」
「……すごいね、イレネオせんぱいは」

「この国を、あいしているんだ」

隔たりを見た、それはどうしようもないものだった。
でもならばと、ようやく何かが腑に落ちた。

「オレはさ」

ゆるりと瞳を細める。
ペンを手に取った貴方の手を、震える指先が撫ぜた。

「……
オレの隣人しか
あいすることができないよ


なんだかすこし、かなしかった。


[2/2]
(-135) 2023/09/24(Sun) 10:41:35

【秘】 幕の中で イレネオ → 路地の花 フィオレ

/*
ciao〜! 過去時空暴力いいんですか! やったー!

一応暴力を振るうには条件がありますて、この男は一般人に手を出しません。代わりにマフィアと見れば強行的な手段に出ることを厭いませんので、それがわかるようなロールをしていただければと思います。

タイミングとしては法の施行前と施工後の二種類があると思いますがどちらにしましょう?
前であれば証拠不十分での逮捕は難しいでしょうし、取調べも派手にはできないでしょうから路地裏等での私刑が妥当かと思います。
後であれば一応は逮捕して取調べしたけどこちらが逮捕されたことで有耶無耶になって釈放……とか?

前者なら村中の貴方の身体状況と矛盾させずにある程度酷めの怪我も負わせられるかなあと思います。お好みで選んでいただければ!
されたい暴力、してほしくないこと、どうしてマフィアだと思わせてしまったのかもお答えいただけると幸いです!
(-155) 2023/09/24(Sun) 14:20:55

【秘】 幕の中で イレネオ → けだもの カンターミネ

叩きつけるだけでなくその膂力で割ろうとでもするよう。
締め付けられる貴方の頭蓋がめりめりと音を立てたよう。
落下の衝撃で狙いは大きく外れるはず。男の指を再度食いちぎることはきっと難しい。

ごづん。


頭を守ったとて背中から強く打てば僅かに呼吸が詰まるだろう。
それでも致命傷が与えられないと知れば男は今度こそ強行手段に出ようとする。

貴方の首に。
手が回った。
最早関係ないのだ。
正しく恥も外聞もない。
ここにいるのはけだものだけ。
相手を徹底的に叩き潰そうとする衝動だけ。

その向こうで、どちらが先に取り戻せる・・・・・か。
頭を守るために貴方は首を少し持ち上げていたはず。
その目にはきっと映るはず。
床に​────貴方の手も足も届かないような位置に、見覚えのあるアンプルが落ちている。
男は気づいていないようだ。つまりもう貴方に使われることはないだろう。
しかし。
ならば。
ほかの人間には?
まさか置き去りにして帰るわけもあるまい。


実際には、それは貴方のものによく似せた・・・アンプルだ。
しかし頭の茹だったけだものに、そこまで判断できるかどうか。
(-156) 2023/09/24(Sun) 14:36:26

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

そのざま・・は男にとって甘露のようだった。
可笑しくて可笑しくて仕方がなかった。
割れた破片を手に持った男は、それで僅か手を切ったことさえ、高揚感で気にならなかった。
もしこの場にもう一人だけでも人間がいれば、男がこうまですることはなかったのだろう。
怯えせないように、或いは自分がけだもの・・・・と見られないように、理性を保とうと努めたのだろう。
けれど、そうはならない。
ここには自分とマフィア非人間しかいない。
結果の分かりきった、ここは極小の蠱毒だ。
そのために作られた空間だった。


かつり。かつり。

惑わせようとすることすらもうない。それは侮りであって逸りだ。
蹲った貴方は死に体で、這いずって逃げる様子すらないのだろう。
それが男は楽しい。
愉しいのだ。普遍的で醜悪な人間の内面の体現。

さて。
貴方には分からないだろうが、もう時間・・は来ている。
被疑者を死なせてはさすがにまずい。一定の時間が経てば当然確認は来るもので。
だからこれが、男が与える最後の責め苦になる。


(-157) 2023/09/24(Sun) 15:05:40

【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオ

「がっ、は……」

今日だけで何回の荒事分の傷を負ったのか。
少なくとも、女がファミリーに入ってから負った傷の
「合計」より今日一日の負傷の方が大きいに違いない。

まして、自分の首を絞めるような相手はそういない。
居たとしてもすぐに取り押さえられるような、
そんな状況ばかりだった。
目を白黒させたのは今日が初めてかもしれない。

そうした行動と、血の不足。朦朧とした頭に加えて、
その目に映った物は『けだもの』を僅かにでも
寝かしつけるには充分な冷や水だった。

『アレ』は不味い。ここで使われるのは勿論、
他人に使われるのはもっと不味い。
カンターミネは多くの薬を錠剤にしていたが、
それは混ぜ物にしても露見し辛くする為と、効力調整の為。

つまりアンプルは、『未調整』なのだ。
中身の液が何にしろ、それなりに危ない。
万一、身内に使われたら。そんな事をさせる訳にはいかない。
女のけだものは、まだ眠りに落ちていなかった。
平時なら見分けがついただろうに、今はまだ難しかったのだろう。

(1/2)
(-158) 2023/09/24(Sun) 15:05:59

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

まず貴方が感じるのは
柔らかさ。

それが唇の感触だと気づいただろうか。
あろうことか、この生き物は貴方の額に口付けた。
血と膿に濡れて乾いた布地を少し下ろして。


次に感じるのは、
冷たさ。

それはつるりと硬質で、尖った部分があって。
きっと破片なのだろう。貴方の唇に押し当てられた。
僅かに、薄い肉が裂けるかもしれない。


「ああ」
「違うな、駄目だ」
「話せなくなる」

けだものにも少しなら脳はあるらしい。
それから貴方がを感じるまでには間があった。
当てずっぽうの反撃も今なら当たるかもしれない。男は、近くにいる。


(-159) 2023/09/24(Sun) 15:06:53

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

けれど、貴方が。そう、しないなら。
最後に感じるのは​────やはり、
痛み
だ。
貴方の手を、先程鈍器で殴りつけたのをは別の手を開かせて。
そうしてそこに何かを​──何か? 明白だ──を握らせて。


「ヴィットーレ」
「プレゼントをやろう」
「しっかり握って離すなよ」
「握手で始めたんだ。最後も握手で終わらないとな」

ぎゅう。


外側から強く握れば。
内側から裂けるはず。
(-160) 2023/09/24(Sun) 15:07:12

【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオ

ならば、どうする?少し前までなら、
自分で飲み干してやるという選択肢もあった。
だが、今のこの状況で気絶でもしたら、
そのまま殺される可能性を捨てきれなかった。

男が正義の徒だと確信していれば、自ら服用して
倒れる事を間違いなく厭わなかったが、
今は無理だ。ここにいるのはけだものだけだから。
ならば、もう道はそう多くない。時間も。
あなたの膂力であれば、片手がなくとも気絶、
或いは首をへし折られてもおかしくない。
視界にレッドアウトの気配が迫る前に――。

女に残ったけだものを使って、のしかかるけだものに
出来る事。きっと、馬乗りにしろ、なんにしろ、
首を絞めに来たなら体勢は変わっているはずだから。
今度こそ、冷静に。冷徹に。冷酷に。"男の急所"に一撃を。
どすっ、と。音が響くほどに、全力で。

……その痛みは、男にとって比肩するものがないと言う。
めり込ませた膝なり、拳なりの感触が最悪と言うのもあって、
或いは弱っている力を補助する為に、何度も入れる。
これでどうにかなってくれるなら。

アンプルの下へ走り、容器を握り潰しながら悶絶する男の口に
叩き込むだろう。色を見る限り、強力な睡眠薬のはずだ。
偽物でなければ。或いは、偽物でも効果が同じなら。
(-162) 2023/09/24(Sun) 15:13:13

【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ

/* やった〜〜〜〜!ありがとうございます!

法施工前の方が都合がいいかもしれません!
あまり表で派手なことをするような構成員ではないので、電話で事後報告していたところを聞かれていたとかはいかがでしょう?
入村時のシチュエーションをそのまま使っていただいても大丈夫です。死体もありますしね。
また別の角度からでしたら、家族同然の黒眼鏡さん繋がりをつついてもいいかもしれません。

されたい暴力はシェフのおまかせとしたいのですが、顔面への強い暴力(殴るなどはOKですが、形が変わったり骨や歯が折れたりなど)はどうしても苦手なので避けて頂ければと思います……!

また何かほしいものがあれば聞いていただければと思います〜!
(-163) 2023/09/24(Sun) 15:15:45

【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

呼吸の音は再び高まり、貴方に触れる手にも強さが戻る。
無言の内に瞳を見合わせて同意を読み取った。火が灯る。
ぐ、と貴方の下肢を抑えつけて。
さて、再び男はその身を食らうことにした。

貴方が目覚める頃には、男はまだ眠っていたかもしれない。
図らずしも、安らかな寝顔・・・・・・を見ることが出来たかもしれない。
身体を確かめればある程度の後始末はされているのだろう。ただし当然、好き勝手つけられた赤い痕が消えているなんてことはなく。
それはまだ暫く、残り続けるのだ。


男が、姿を消した後も。
(-167) 2023/09/24(Sun) 15:29:16

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

煽るような言葉に、男は唇を持ち上げて笑った。

「漁って。」
「調べた、結果が。」
限りなく黒に近いグレー
だ。」

立ち上がった瞳が寄る。
金色は嘲けるようでいる。
その男のかんばせに、きっと熱い息がかかって。
────それで、ようやく。

男は知る。
貴方が飲んだのは自白剤ではない。

気付いた男はぱちぱちと瞳を瞬かせる。
そうして、机をずらした・・・・。貴方の反応を確かめるように。
さて。
貴方が机を支えにしていたなら、その頼りも失うはず。
だらりと力の抜ける身体は、男の視線に晒されてどう反応するのだろうか。
(-170) 2023/09/24(Sun) 15:50:37

【秘】 幕の中で イレネオ → 口に金貨を ルチアーノ

恨んでいる? どうして?・・・・・・ ・・・・・


そう言った男の反応は、貴方には意外なものだっただろうか。

俺は感謝しているよ・・・・・・・・・。」


続く言葉は。

男は至って平静に見えた。むしろ誇らしげにすら見えたろう。
ここにいるという時点で自分以外の全ては悪人だ・・・・・・・・・・・
その点で貴方に勝っている・・・・・・・・・・・・

嫌いだった。
けれど嫌いだっただけと言われれば語弊がある。
単に、男は聡かった。
そして、同じだけ愚かだった。
顔の割れた幹部を捕らえれば法の効力を知らしめられる。
一足飛びでそこまでいけるなら食いつかない手などない。
そう考える能があった。当時の話だ。
(-172) 2023/09/24(Sun) 15:58:35

【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡

じ、と貴方の顔を見た。
腫れはどれくらい引いただろうか。
傷はどれくらい癒えただろうか。そういう目。
そういう目だけをして、ふいと逸らした。



/*
こんにちは!
ついでに秘話の打診をしてよろしいでしょうか。
ポップコーン殺人事件様がお手隙であればもう一回取り調べをやりたいなという気持ちがあります。
もちろん暇がないとか、暴力はそろそろ飽きたとか、兼ね合い様がないなどであれば断っていただいて構いません。

もし受けていただけれるのであれば、内容は「アリソン・カンパネッロについて」になるかと思います。警察署の面々でも素性を知らない者が多い相手をなぜ貴方が知っているのか、という方向性で……
何度も構いに行ってしまってすみません。モテる男、大変だと思うのですが……ご一考いただければうれしいです!
(-176) 2023/09/24(Sun) 16:07:48

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

それは一般的な愛国心。
育った場所に対する自然な郷愁だ。
強い思想でもなんでもない、単純な愛着。

だから、貴方の言葉に揺れることもない。

「それがどうした?」
「別にいいんじゃないか。」

撫ぜられれば不愉快そうに手を退けた。
くるり。余裕を誇示するようにペンを回した。
乾きかけた血が固まって散った。


「出来ないから出来る人間がする。」
「俺はそのためにいる。」
「誰もが強く正しくあれるわけじゃない。」
「だから出来る人間がするんだよ。」

凪いだ瞳で言う言葉。
それは平素の男の姿にとてもよく似ていた。
そう、このテーブルが男のデスクであれば。
それは正に普段通りの姿、そのままだった。

男は正気だ。ずっと、正気のまま狂っている。
(-178) 2023/09/24(Sun) 16:27:43

【独】 幕の中で イレネオ

/*
どうしよっか 同じ?
違う
(-179) 2023/09/24(Sun) 16:31:48

【独】 幕の中で イレネオ

/*
違うのね どうしよ
精力剤の抱き合わせでで嘔吐する
(-180) 2023/09/24(Sun) 16:33:35

【独】 幕の中で イレネオ

/*
ゲロ吐いていいの!?
サンキュ♡
(-181) 2023/09/24(Sun) 16:34:08

【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ


ふ、と口許に笑みを浮かべて、掌を開いたり閉じたりした。

/*
こんにちは、打診有難うございます!
今日はちょっと色々あってまったり進行なのですが、
置きレス気味の進行でよろしければ大丈夫です!

取り急ぎご連絡だけ、よろしくおねがいいたします!
(-182) 2023/09/24(Sun) 16:37:15

【秘】 幕の中で イレネオ → けだもの カンターミネ

二発。
顔面に食らったものとは比較にならない痛み。
それだけ下品・・なことをされたことはこれまでなかったし、
それだけ容赦のない・・・・・暴力を振るわれたことだってなかった。

ぐう、と押し潰れるような音が男の喉から絞り出されて力が緩む。
その隙にもう一発。食らわせたなら腹が浮く。空間が出来れば抜け出すことは容易になるはずだ。
逃げ出す貴方を捉える余裕は今はない。

せめてとばかり顔をそちらに向けたのがついに運の尽き・・・・
貴様Troia、と吼えようとした口は、的として不足がないはずだ。

無味の液体が口内に流し込まれる。
男もまた、その指に噛みついたかもしれない。
少なくとも。
近づく貴方の身体を捕えようとする。それくらいはした。それくらいの、反撃は。
(-183) 2023/09/24(Sun) 16:50:14

【秘】 幕の中で イレネオ → 路地の花 フィオレ

/*
いいですね! そうしましょうか。
さすがに聞きとがめて声をかけたということで。
電話で黒眼鏡さんの名前を出してくれたらより確実にマフィアの烙印を押せるかと思います。

そして了解しました! では顔面への暴力は避ける形で。
こちらは性的な暴力を加えないPCですので、その部分もPL単位では安心して頂いて大丈夫です。
ただ腹とかに暴力をする可能性はあります。ほか確認事項などなければ次のレスから始めて頂ければ!
(-185) 2023/09/24(Sun) 16:59:38

【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡

余程煽ってくれる。
これは規則の従順な犬。飼い主に噛みつくことはしない。
けれどそのジェスチャーを見れば口の端を簡単に歪めた。

チ、と舌打ち。がやついた環境では届かなかったかもしれない。



/*
ありがとうございます!
私も今日はかなりゆっくりですので大丈夫です。置きレスでお願いします。
今は二人とも全チャにいる状態なので、時間軸はこの後でどうでしょうか。
(-186) 2023/09/24(Sun) 17:06:41

【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ

/*
このあとで大丈夫です!よろしくお願いいたしますね。
(-190) 2023/09/24(Sun) 17:17:05

【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオ

咳き込み、肩で息をしながらそれらを実行に移す。
移すしかない。少なくとも止められなければ、
また同じようけだもの同士の戦いになると考えている。

容器を握り潰した拳を噛み切る事は難しいだろう、
とはいえ歯を立てれば出血くらいは見込めるはず。
女も、ここで喉に膝蹴りでも入れてしまえば
それこそ再起不能にくらいは出来ると踏んでいた、が。

「おい、『警察』!」

恐らくは、捕えられながらもそう、呼ぶ。
睨みに怒りは混じれども、狂乱の色は少し薄めて。

「ここが分水嶺だくそったれ。乙女の大事なモン奪った罪は、
 お前のムスコを蹴っ飛ばしたので帳消しだ。
 そしてお前が俺に働いた『尋問』関係ないただの暴力は、
 指を食い千切った俺の罪で帳消しにしてやる。
 だからいいか、よく聞けよ」
(-191) 2023/09/24(Sun) 17:17:56

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

机がずらされたなら
貴方が支えない限り、男は椅子からずり落ちる形となる。

鈍い音を立てて転がるが、痛みよりも衝撃に震える。
男なら分かるある一部分が反応しているのが分かるかも。

同性とはいえ、こんな姿を見られるのは
男も本意ではないから。

「みる、な…!」

貴方から距離を取ろうと
ようやっと体を動かそうとするだろう。
(-192) 2023/09/24(Sun) 17:18:19

【秘】 また、歌う カンターミネ → 幕の中で イレネオ

肩で息をしながら、この女はやっと唸り声ではなく、
取り戻しつつある人間としての『言葉』を紡いだ。

「あの指を氷で包んで、急いで処置すればまだギリ繋がる。
 薬が効いてぶっ倒れる前に署員を呼んで処置して貰え。
 次に『まともに取り調べする』気があるんなら、
 少しはまともに答えてやるから、この下らねえ喧嘩は
 ここで手打ちにしろ。これで嫌だってんなら、
 お前は今度こそ路地裏のチンピラ以下の、糞野郎だ!
 薬が効いた後ぶっ倒れたお前の手足指喉目舌全部潰す!
 どうする、正義の警察官さんよ……!」

そうやって、カンターミネは選択肢を提示した。
今、天秤はこちらに傾いている。このままにするのは簡単だ。
だが、そうすれば揺り戻しが来る。今の男のように。
だから、傾きを平らに、とまでは言わないが。
『正義』の下に、平等に。問うくらいは、する。
それが例え、損得勘定からなるものだとしても。
再度、歌った。
(-193) 2023/09/24(Sun) 17:19:14

【墓】 幕の中で イレネオ

壁際にいた男はふい、と顔ごと逸らし。
仁王立ちのようになっていた足を緩め、一歩踏み出した。

向かう先は収容所の出入り口。
おそらくはそれなりに出入りの制限されているだろうそこへ、
迷いなく。止められるとは思っていないような自然な動作で。

そして、実際その通り。
男は立っていた警官と一言、二言言葉を交わし、そのまま場を後にした。

#収容所
(+43) 2023/09/24(Sun) 17:35:18

【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡

すれ違いざま。

「後で行く。」

そんな、一縷の甘さもない一言を貴方に落として行った。
(-194) 2023/09/24(Sun) 17:36:25

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

ずるり。
落ちる身体を支えることはない。その義理はない。

しかし転がった身体が起き上がる素振りを見せないのであれば、不審そうに近づいた。

何かあったのだろうか・・・・・・・・・・。そんな表情。
まさか。
悪い薬だったりしたのだろうか。
なんとも間抜けな話だ。男は焦った。
殺すつもりなんて当然あるはずもない。致命的な効果を与えるつもりだって当然ない。ただ尋問・・を楽にしたかっただけ────いじめっ子の論理。


焦燥から貴方の肩に手で触れた男は、服越しに感じる湿度に僅か動揺した。
けれどその後。
赤らんだ貴方の顔と仕草、息遣い。それから聞かされた効能の一覧を思い返して────

「は」
「はは。ああ、そう。」

「そうか」

ぺろ、と。舌先を僅かに出した。

/*
すみません、同時にPL打診も失礼します。
完全にニコロくんを辱める方向にシフトしてしまったのですが、
もっと真っ当な暴力の方がお好みだったりするでしょうか。
その場合はそちらにハンドルも切れますので仰ってくださいね。
(-195) 2023/09/24(Sun) 17:49:38

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

肩に触れる手を、咄嗟に叩き落とす。
そして貴方を睨みつけるのだ。

「黒に近いグレーだ…?
何もやってない人間からそんな情報が出るなんて…
情報調査能力が欠けてるんじゃないか?」

熱い息を漏らしながら、貴方の反応を見れば。
嫌な予感が、ぞくり、と背筋を走った。

「…それ以上触ろうとしたら、ぶん殴るぞ。」

男に好きにされる趣味は勿論ない。
手負いの獣が唸るように、拒絶の意思を明確に示した。

/*
RPお付き合いありがとうございます。
ニコロは大変嫌がりますが、PLは流れのままやっていただいて大丈夫です。
存分に辱めてください。
勿論、辱め以外で暴力を振るう流れになったらそれも遠慮なくどうぞ!
基本的に流れで何をやっていただいても構わないPLなので
引き続きよろしくお願いいたします。
(-196) 2023/09/24(Sun) 18:05:42

【秘】 けだもの イレネオ → また、歌う カンターミネ

人の言葉を話して歌った貴方と対極。
男は唸った。血走った瞳で唸った。金と赤。明らかな警戒色を双眸に宿して。

肌に突き立った鋭い犬歯は肌を裂きもしただろう。
したはずだ。

手を捕えれば理性を失った力が骨を折りもするだろう。
掴ませ方が悪ければ。


男は貴方の言葉をまるで聞いていない・・・・・・・・・・・・・・・・・
男が食らった薬の効果は精力剤だった・・・・・・・・・・・・・・・・・


しかしその効果が正しく発露することもまた、ない。

この男に薬物への耐性はない。
アドレナリンによる高揚と興奮。
そこに叩き込まれた薬剤によるドーパミンとエンドルフィンの過剰放出。
それは男の身体を、精神を、内部作用を狂わせた。



 
(-201) 2023/09/24(Sun) 18:19:05

【秘】 けだもの イレネオ → また、歌う カンターミネ

   
ごぶ。



泡立った音。

男の鼻から再度の血液が滴る。滑らかに流れ落ちるその様は明らかに異常だった。そして。


「ぉ」
「え゛、」



次いで喉元でぐるる、といやな・・・音。
ぼた、ぼたと雪崩れ落ちる吐瀉物が男の口元を、喉を、服を汚した。傍にいたか、或いは組み敷いた貴方のことさえも。
貴方とこれは同じ。同じけだもの。同じ囚人同士。これとて碌な飯は食っていないのだろう、水っぽいすえたにおいが広がっていく。

綯交ぜの感情で滾る瞳が貴方に向く。
そのぎらつきは憎悪に似ていた。


────けれど、それだけ。
男の身体は、そのまま。落ちる。


回線のショートと失血による意識レベルの低下。
貴方を捕えた手にだけは未だに力が籠っていたが、
この状況ではどうにか外すのは難しいことではないはずだ。
(-202) 2023/09/24(Sun) 18:21:00

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

やった・・・んだろう。」
「マフィアの女と交際していた。潔白とは言えない。」

情は人を狂わせる。
簡単に人に足を踏み外させる。
それくらいはこの男も知っていた。
知っているから、それを縁に貴方を嬲る。

「はは。」
「嫌だな。何を想像したんですか。」

嘲るように言う男にだって、男を好きにする・・・・・趣味はないのだ。
それでも敢えてそのようにする。顔を寄せる、手を添わせる。
さて、殴れるものなら殴ってみろと嘲弄してそのようにした。


/*
ありがとうございます。では流れのように!
ニコロくんかわいいですね。こちらも楽しんでいただけるように頑張ります。
(-205) 2023/09/24(Sun) 18:37:57

【秘】 また、歌う カンターミネ → 幕の中で イレネオ

表情、いや目を見ればわかる。
これは睡眠薬俺のじゃない!

「クソッタレ!なんで違うモンが混じってんだよ!!」

自分の薬ならここで止まっていただろうに。
だが、この効果なら。余程薬物に耐性でもないなら。
突っ込んだ拳の表面を削られながら、握りを強くする。
一滴、一滴。男に流し込む。恐らく、あなたが嫌う血と共に。
掴まれた腕が嫌な軋みを上げる。
もう数秒遅ければ粉砕骨折、下手すれば腕を失くしていた。

幸い、そうはならなかった。ヒビは間違いなく入っているし、
代償に酸性の強い体液やらはかなり浴びる事になったが。
それでも、やっと終わる。人間が床に落ちた音。
饐えたにおい。どろどろだ、血だのなんだので。
だが、ともあれ、なんとか。この場は一旦、鎮静した。
(-206) 2023/09/24(Sun) 18:58:17

【秘】 また、歌う カンターミネ → 幕の中で イレネオ

「……はぁー……」

最悪だ。汚されるのは勿論、傷だらけで。
さらにこのけだものは、下手すれば自分の話は聞いていない。
聞いてたとして覚えているかも怪しいもんだ。
だから、ここで見逃せば絶対復讐に来るだろう。
だが、ここで本当に全部を潰せば警察殺しだ。
自分の人生がメチャクチャになるのはどうでもいいが、
自分の周囲を巻き込むとなればそうもいかない。

つまり、選択の余地がないのだ。見逃すほか、ない。
最悪の一言に尽きる。せめてこのけだものが人間に戻った時、
死んでない事を天秤にかけて、頭を働かせるのを願いつつ。

「おい!見てんだろ!失血と怪我!指の切断!
 まだギリギリ壊死しないで済む!神経系が終わる前に
 とっとと拾いに来い!下らない喧嘩で死なせんなバカ共!」

カンターミネは、それ以上男を痛めつけなかった。
正直な話、両手両足くらいは破壊しておきたかったが。
『天秤』を考えると、或いは、己の正義として、
人間として、そうする訳にはいかなかった。

ガンガン!扉を蹴り、職員を呼ぶ。尋常ならざる呼び方をすれば、流石に駆けつけてくるだろう。千切れた指を男の傍に置いて、やってきた職員に捕まりながら処置を指示する。
まだ指は繋がるはずだ。リハビリは必要だろうけど。とにかく、自分よりそいつに輸血と感染治療、指の処置を。そう、ある程度必死に伝えて、ようやく、カンターミネはこの部屋を後にする権利を得た。

「……なあ、このニオイで歩くの流石に不味いだろ。
 バケツの水一杯でいいからぶっかけてくんね?」

そんな言葉を呟きながら、けだものと別れた。
(-207) 2023/09/24(Sun) 19:09:36

【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ

夜。三日月島の道路脇。
車を降りた女は、少し離れた場所で電話を始めた。

「もしもし?」
「引っかけた子が、うちのファミリーに手を出したおばかさんだってみたいで」

「うん、そう。話は聞けたから、迎えついでに後始末お願いしてもいい?」
「そんなこと言わないでよ、ちゃんとお礼も用意しとくから……」


身だしなみを整えながら、歩いている。
周りの警戒はしていない。かおる、花のにおい。

「黒眼鏡の命令?」
「それなら大丈夫よ、私から話通しておくわ。あの人私には甘いんだから」

だから、声を大きくはしていないとしても。
内容を隠したりはしていない。


/* 問題ありません、性的な暴力はしない旨も了解いたしました!
改めてよろしくお願いします〜!
(-211) 2023/09/24(Sun) 19:25:37

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ

――かつん。

廊下に靴の音が響く。
ゆっくりと、あなたが居るとされる牢の前に着くと、ふぅ、と静かに息をついた。

「イレネオ? 大丈夫かい」

正義感のあるあなたが、犯罪を起こしたり、マフィアに通じていたりするなんてことは全く思っていない。
あんな法がなければ、あなたが逮捕されることはなかったはずと、そう信じてここまで来たようだ。

ちなみに、首輪のように連なったあなたの噛み跡は、当然まだくっきりと残っている。
隠そうとしても見えてしまっているそれはどうにもならないから、早々にシャツを着るのはあきらめて、タートルネックにスーツを合わせてみた。
普段とイメージは少し違うだろうけれど、仕方のないことだ。
(-213) 2023/09/24(Sun) 19:39:01

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

「付き合ってたが、ただの一人の人間としてだ。
お互いに、覚悟の上でのことだ。」

それに、と続けた。

「情に流されて警察を恨んでたとしたら
A.C.Aに参加する理由はないと思うが?」

言いながら、そちらを見れば
近づく貴方、触れる手にびくりと震える。

「お前が悪趣味に走る最悪な想像をしただけだ。
っ、触るなって言っただろ!」

薬のせいでキレはないが
拒むように腕が振りかぶられて、貴方の頬へ。
(-214) 2023/09/24(Sun) 19:39:28

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ

愛国心など振り返れば抱いたことがなかった。
だからこそ男にとって、眼前の人が抱く肩書はあくまでその人の一部でしかなかった。
今もそう。だから隔たりは消えない。

「ぃ、」


ペン先が回ればまたくぐもった声が落ちて身体が跳ねる。
指先は退けられるままに離れることだろう。
その間にも注がれてゆく言葉を耳はまだ拾い上げ。
滲む視界に移る姿は普段と全く変わらなかった。
これがあの職場だったら、どんなに。


「……そ、ですか」

痛みが遠退いていたから少しばかり落ち着いていた鼓動は。
たったそれだけの刺激でまた煩く脈打ち始める。
覚悟の形をまだ知らない男が持つ限度など知れているものだ。
だからその恐怖にまた、飲み込まれてしまう前に。

「ねえ、イレネオせんぱい」

尋ねる。
これがきっと、最後の問い。

「…………オレって、警官、向いてるかな」
(-221) 2023/09/24(Sun) 20:37:27

【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ

「仕事熱心だねえ」

からからと笑った。
(-271) 2023/09/25(Mon) 1:08:49

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ

「感謝……?」

流石に拍子抜けだったのか訝しむよりは呆けるように。

「……ここは快適か、イレネオ。
 表のほうがそれはそれは自由にできると思うんだがなあ?」

ああ、一つ二つ目の前の輩に文句が言いたい可能性が出てきた。
だがこれをぶつけるには些か情報も足りなければその怒りはお門違いなのかもしれない。

男の言葉には少しの苛立ちと不満が含まれはじめた。
この牢屋内での暴行事件の一端を担っているのはこの男なのではないかと。
まだ全てを知らないのだ、それでも推測できるだけの人格は把握していたから。
(-273) 2023/09/25(Mon) 1:36:23

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

どうしてだったかは今となると分からない。その日、男は夜道を歩いていた。

祭りがあるわけでもなければ、大きなイベントがあるわけでもない。スポーツの試合だってやっていない、ある種狭間・・の時期。
わざわざ出歩く者は決して多くない。その一人一人に、自然目を配るように歩くのは、職業柄のくせだった。

そして。
通りに差し掛かった男は、くん、と鼻を鳴らす。
​────かおる、花のにおい。


嗅覚の敏感な男は、香る匂いのもとを、正しく振り向くことが出来たんだろう。
女。電話をしている。
仕事の用らしい​────ファミリー。妙な単語だ。予感・・がする。
黒眼鏡・・・


さて。
男は立ち止まった。
その小さな異変に、貴方が気づくかどうか。もう少し話し続けるのなら、こちらもそれを聞くつもりで。
(-276) 2023/09/25(Mon) 2:06:13

【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

訪ねた檻の中に、その男はいたのだろう。
男は壁際で膝を抱えて丸くなっていた。項垂れているようにも、眠っているようにも見えた。薄暗い照明の下で、その姿はきっと、何処か頼りないものに見えたはずだ。

かつん。

近づいてきた足音が自分の牢の前で止まったと気づき、男は顔を上げた。
そうして、それが貴方と認めると。

「……ああ。」

ふ、と。自然に笑って見せた。
次にはすいと立ち上がる。そうしてまっすぐ、貴方に正対しに向かう足取りに惑いはない。
かつん。これも靴音を立てて、立ち止まって。
いつもはない鉄柵の向こう、いつも通りの10cmの高みから、これは貴方に目を合わせた。

「先輩。」

そうする表情も、いつも通り。
……よりは、少し間抜けたような。まじまじ貴方の様子を伺っている様子で。
これはこの国の男らしくなく、ファッションに疎い男だった。
だから何かが違うとはわかっても、何が違うのかがわからなくて。
(-279) 2023/09/25(Mon) 2:18:53

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

「どうだか。」
「悪人は大抵」
「まさかと思われるような善良な顔をしているものですから。」

そう言いながらも触れる手は止めずに、
貴方の身体が震えれば微かに目を開く。
頬へ飛んだ手はむしろ甘んじて受け入れるだろうか。
その威力がどれ程であれ、男は好きに打たせた後、その手を掴んだ。

「ははは。」
効いてる・・・・みたいですね。」

つ、と貴方の手のひらを指でなぞる。
レンズ越しの金色には笑みが浮かんでいるだろう。
恐らくは床に這ったまま、震えている貴方を見て。
(-283) 2023/09/25(Mon) 2:39:13

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

愚問だな・・・・。」


は、と男は息を吐いて笑った。くるり、指先でペンが踊った。
それは酷く演技じみた仕草だった。この男らしからぬ、大仰な仕草。
視線の動きはペン先から貴方へ。金色は軌跡を作り、その大きな瞳を見返した。

向いているわけがないだろう・・・・・・・・・・・・・。」


ぴしゃり。そう言い切る。

「マフィアごときを慕う人間が。」
「その善悪もわからないお前が。」
警察に向いているはずがない・・・・・・・・・・・・・。」


男は、身内に甘いたちである。
身内には。では、身内でない者には。
そうでないと断じたものには、さて。
それが今、貴方の見ている顔だった。

​────男の言葉は。
もしかしたら、貴方の背を突き放し。
家族マフィアの方へと歩み出す、
僅かな一助になるものだったかもしれない。
例えそうだったとしても、
それは男の意図したものではない。


(-287) 2023/09/25(Mon) 3:09:35

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

「そうだ。聞きたいことがあったんだ」

くるり。くるり。ペン先が回る。
誇示するように回る。
機嫌よく舞い踊る。

「お前、マウリツィオ・ベトゥッラという男マフィアを知らないか」
「ずっと探してるんだが尻尾を出さない」
「それとネロ。二人ともお前より背が低かったな」
「知らないか?」

「ああ」
「それと、誰だったか」
お前くらいの背丈の女マフィア・・・・・・・・・・・・・・

「花の匂いがする奴だ。知らないか」

回る。
誰かの、顔は。
浮かんだだろうか。
(-288) 2023/09/25(Mon) 3:10:38

【秘】 幕の中で イレネオ → 口に金貨を ルチアーノ

「そうだろうな。お前たちにとっては。」

会話はきっと噛み合わない。
男は自分を
​────正確には、自分が従う法を​────
絶対的に信じているようだった。それが何よりも正しいと思っているらしかった。
ここでの生活がいくら不便であっても。
ここでの寝床がいくら硬いものであっても。
ここでの食事がいくら粗末なものであっても。
そんなことは、この男にはさして問題にならない。
従順な犬は、飼い主の与える環境に文句を言わない。

貴方の苛立ちを、男はこの環境への苛立ちととった。
そら見た事か、と鼻で笑う。
悪人に罰が下るさまは、見ていて胸がすく・・

暴行事件なんて事実はここにはない。
あるのは、男が特命を得たということだけ。
その手段として許されているものに、暴力も含まれていたというだけ。
(-290) 2023/09/25(Mon) 3:22:51

【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ

女は少しうわついた様子だった。
事後のような頬の紅潮。そして、電話をしていることによる注意力散漫。
何かを成し遂げた後の、達成感によるものだったのだろうか。

だから、あなたの姿に気が付くことはなかった。
話を、続けている。

―――嗅覚が敏感であるならば、その花の中に。微かな薬品の匂いに気付けるだろうか。
違法薬物の匂いではないようだった。



「遊ぶにしろ、注意力を身に着けろって言いたいんでしょ?
 もう耳にタコができるほど聞いたわよ」
「しょうがないじゃない、あの人とするの気持ちよくって―――もう、何よ慌てちゃって。
 童貞じゃないんだから」


「とにかく!
ノッテ
の役に立ったんだから感謝してよね」
「じゃあ、お迎え待ってるから―――」

自慢気な声が、横を通り過ぎようとする。
誰かに聞かれているとも知らずに。
(-292) 2023/09/25(Mon) 3:36:27

【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡

取調べの声が再び貴方にかかったのは、収容所を使った配置変更より後。男が貴方に予告めいた声を落としたその日のことだった。

逮捕者も多くなり閑散とした署内では、法に疑念を持つ声をあげることも難しくなっている。強硬派に反対する人間もいるにはいるだろうが、魔女狩りに合うことを考えれば見かけ上は大人しくしているのが賢い。負傷した囚人に対し、難儀そうに顔を顰めつつも声はかけないようなものも多かった。
貴方を扱う警察諸氏の態度はどうだったろう。
やはり特例に困惑していたか、腫れ物を触るようにした者もいたかもしれない。
どうあれきっと、彼らは貴方を無理に引き立てることはしなかったはずだ。

たかだか数日前にも目にした扉を、貴方は再びくぐることになる。
取調べ室。
先の記録機器は、再びそこで作動するのだろうか。

中央に設置された机の向こう側に、いくらか顔色を悪くした男が座っていた。
(-295) 2023/09/25(Mon) 4:45:18

【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオ

まず感じたのは、額に濡れた感触。
何度も感じたことのあるそれは、なにをされたかなんて
一瞬で察することが出来た。
ぞわっ、と嫌悪感が身体中から沸き起こる。
憎い相手に愛情表現をされるほどおぞましい事など、
この世には存在しないのではないだろうか。

「いっ………………!」

それから、やわく少し盛りあがった唇の肉が、
プツリと音を立てて薄く切れ、まだ新鮮な赤い血が滴る。
神経の一層集まったそこの痛みは、麻痺しかけた体にも
鮮明に痛みを伝えてきた。

獣が、僅かばかりの理性で止まり。
少しの間。男は反撃をしない…………できない。
痛みによる恐怖が、腕を振り回すよりも脇を固めて
外部からの暴力に耐え忍ぶよう形をとる。
腕を開けばその分無防備になってしまう。
…………それが、怖い。

さてそうして、施される行為に。
(-298) 2023/09/25(Mon) 6:17:01

【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオ

「ッあァァ!!ぐぅ…………!!」

手のひらにざっくり刺さる破片。
肉を、血管を、神経を引き裂き骨まで到達するガラス。
ぶしゃ、と鮮血が迸りまた床を汚す。
痛みに腕が痙攣して、あなたに握られたまま
ビクビクと魚のように跳ねる。

まともな治療を受けなければ、この手はもう
使い物にならないかもしれない。
何を握ることも、撫でることも、抱きしめることも。
きっともう出来なくなるだろう。
撫でて抱きしめたい愛する家族達を守った、その代償として。
(-299) 2023/09/25(Mon) 6:21:50

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

「だとするなら、俺が認めるのは付き合っていた事一点のみだ。
他に関与した情報は何もない筈だろ。」

確かに貴方の頬を殴り飛ばしたのに
やはり、威力は足りないのか。
掴まれると手を退こうとする。

「ダフネに関する事についてはそれ以外には何もねえ。
っひ…!やめろって、言って…!」

手のひらを走る指の感覚に
ぞわぞわとして、嫌がるように身を捩るだろう。
(-304) 2023/09/25(Mon) 7:01:34

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ

「そこから出してはあげられないけど……ちょっとまって」

柔らかい笑みを見て、少しだけ安堵を。
何人か牢屋に入ってる人を見たけれど、傷がある人が多かった。
あなたは大丈夫だろうかと気にしながら、牢屋の鍵を出す。

「僕がそっち行くから。
 あぁ、大丈夫、危険な人の牢屋には入ってないから安心して良いよ」

かちゃりと扉を開けて中に入る。
鍵を管理していた上司は牢の中。
男はその直属でもあったから、これくらいの特権はあっても許されるだろう、多分。
いや、みつかたら絶対に始末書ものだが。

「……ん? あぁ、これ」
「これはキミが見えるところまで沢山痕をつけるから……、これじゃないと、
か、隠れなくて
……」

10cm上の視界から、まじまじと間の抜けた視線を受ければ、気恥ずかしそうにタートルネックの襟を更に上げる。
あなたがそれを見たいと思うのであれば、襟を下ろしてみても男は抵抗をしないだろう。
(-309) 2023/09/25(Mon) 8:10:22

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ

「此処の何が楽しいんだか……。
 変わった宗教でもしてるのかあ……?」

思い当たったのは牢屋が好きか、この環境が好きであるかだ。
概ね後者だろうと思いつつもその執着と熱意は何処からか。
人、過去、etc。ある程度考えてみても、思いつきはしない。
ただどれかが当てはまる事実だけはありそうなことが何処となくわかった。

マフィアに所属する自分もそれの複合でボスに絶対の忠誠を誓っている。
この感情を説明しろと言われても簡単には言えないし、何も合理的ではないだろう。

「……一つ、俺の罪を教えてくれないか。
 罰する必要がある罪ってやつが何なのかも知りたい」

自分はまあ、分かる通りマフィアなんだが。
それ以上でもそれ以下でもない、と貴方に告げて緩やかに首を傾げた。

貴方の考える法は普通の秩序とはズレた物なのだろう。
だからここまで警戒された男の信条が気になったし、聞けるものなら聴きたかった。
まあ無視されてしまえばそれまでだ、ここまで話してくれたのも運良く機嫌が良くなってくれたからだと思っているから。
(-318) 2023/09/25(Mon) 11:13:25

【秘】 幕の中で イレネオ → 路地の花 フィオレ

闇色の髪を踊らせながら、貴方はこちらに向かってくる。
女の高さの声は、男には可憐よりも不快さが大きかった。
花のかおりがする。
良い香りではない。・・・・・・・・・

「失礼。」

貴方の歩みを、恐らくは言葉も止めさせたのは、そんな一言。
するりと一歩。大きい歩幅で貴方の前を遮った男の声だった。

男はそれ以外に何も言わない。まだ。
しかし、貴方が僅かでも妙な動きを見せるなら。
これはその前に貴方の腕を掴むだろう。容赦なく、軋む音がするくらいに。
(-320) 2023/09/25(Mon) 11:36:21

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

男は貴方を愛していない。
ただ、男はわかっている。
こうすれば人の心と尊厳は傷つけられる。
それは本能的な知覚。蹂躙者の思考回路。
それに加えて、なんだか、とても。
弱った貴方に、くすぐられた・・・・・・ので。


ふっくらとした唇の肉が裂けるのを見ていた。
貴方が怯えから身を小さくするのを見ていた。
歪めさせて絶叫を溢れさせる口元を見ていた。
不自然にがくがくと痙攣する身体を見ていた。


「あっはは、ははは!」



男は笑った。高らかに笑った。
けだものは、弱者悪者を嬲る歓びを覚えた。

(-324) 2023/09/25(Mon) 12:14:42

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

舌なめずりをした男は、そのまま。なんだか堪らなくなったように貴方の身体を掻き抱く。
貴方は暴れたかもしれない。遂に、ようやく、何とか反撃を加えようとしたかもしれない。しかし既に遅い。それらはもう、大した威力ではないだろう。
男はそれ以上何もしなかった。時間が来ていた。
だから出来なかった? 否、充分だった・・・・・


ただ血と汗と、傷口の化膿する嫌なにおいが充満している。



暫くして。
終わりを告げるノックがあるだろう。男は静かに応じ、扉が開かれる。
そうして入ってきた警官に、何か言われる前に。

こいつ・・・が。」
「意識を飛ばしかけていたので、介抱を。」

男は薄く笑って、酷く冷静にそう言ったのだと。
それも全て、全て。貴方の視界の外の話だった。
(-325) 2023/09/25(Mon) 12:15:11

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

何もない・・・・、なら。」
「こうはなっていないはずでしょう。」

すり。
すり、と手のひらを撫ぜる指。
眠気と情欲で上がる貴方の体温。
手つきばかりは優しい。
振るう・・・だけでは意味がないのだと、学んだ。


と。
ふいに男は貴方の上に影を降らす。貴方の手を離して立ち上がれば、なぜだか椅子の位置を調整した。顔を上げてみるなら、机の極近く。正しい位置に戻すように。
さて。
次にはまた貴方の脇にしゃがみこむ。そうして、何を思ったのか。
これは貴方を抱えあげようとした。
蹲った貴方の姿勢に物足りなさを感じたか、或いは単に親切心か。それだって余計なお世話に違いないのだが。

どうあれ、抵抗することは出来なくもないだろう。男は貴方より大柄であるが、貴方もそれほど華奢ではないのだから。
(-327) 2023/09/25(Mon) 12:27:51

【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

規則に厳しい男は、貴方の行動を見て少し怪訝な顔をしたはずだ。
しかし勝手に、なるほどと納得する。そういえば貴方の上司の管轄だ。やはり、懐に入れた相手には甘い男だった。
貴方が男を訪ねたのが彼が逮捕された当日から翌日の午前までなら、彼の様子に変わりはないはずだ。
しかしそれ以降なら、やや顔色が悪かったかもしれない。それに注視するならば、左手には包帯。


「俺は危険じゃないんですか。」

揶揄う言葉だってそれほど変わりはしない。むしろ上機嫌、或いは少し距離の近いようなそれ。
一度寝たくらいで何とやら。そういう言葉もあるけれど、男はどちらかというと、身体的な距離と精神的な距離は比例するたちのほうだった。

だからだろう。
気恥ずかしげに襟元を持ち上げる貴方の手を、男は留めて。その上から捲ってしまったのだって。
元からそう遠慮がある方ではなかったが、更になくなっている様子だ。布地の下に残る多様な痕を見れば、満足気に鼻を鳴らしてから、少し撫でた。

「……痛そうですね。」

どの口が言う、と。怒られるかもしれないが。
(-329) 2023/09/25(Mon) 12:39:09

【秘】 幕の中で イレネオ → 口に金貨を ルチアーノ

「それはお前が一番よく知っているんじゃないのか。」

淡々。言葉を紡ぐ。
貴方は悪い事をした。
それをついに隠せなくなって、この場所に来た。
それだけが真実。それだけが真理であると、男は言う。
男は悪人が嫌いだ。
ただし、ほかの人間警官獲物仕事を奪うほどに飢えてはいない。

「罰する必要のある意味も何も。」
「悪人は全て等しく罰されるべきなんだよ。」

「お前たちは一際罪深い。」
この国をめちゃくちゃにしたんだから・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

噛み合わない。きっと、ずっと噛み合わない。
それでも男は随分、真摯に答えているつもりのようだった。
聞き分けのない幼子に物を教えるがごとく。それが悪いのだ、それが悪なのだと、言い含めて覚えさせるようにして。
(-330) 2023/09/25(Mon) 12:46:57

【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ

/*
ciao〜! 拷問売りの少女です。挙手ありがとうございます。身内からの拷問ですみません。

まず、なんでお前は初日に捕まったくせに動けているんだという疑問があると思いますので、そちらにお答えさせていただきます。
端的に言うと、イレネオは新法の急進派から特命を受けている状況です。任務としては「逮捕者を尋問して自白させる」こと。手段として「何をしてもいい」と言われています。こんなところです。

拷問するに当たって、いくつかお願いがあります。
ひとつめは、「この情報を聞き出してほしい」というものを夏に瓶ラムネさんから教えてほしいです。もちろん自白してくれなくて構いませんが、そういうひとつの軸があるとこちらも話を進めやすくなるので。
ふたつめは、特にされたい拷問があればそれも教えていただきたいです。なるべく意に添いたいのと、こちらもそれほど引き出しがあるわけではないので……すみません……
そしてみっつめ。本当に大事なのですが、NGを再度教えていただきたいです!! 欠損はどうか、後遺症はどうか、全部平気だけど水責めだけは無理! など。絶対PL様には傷ついてほしくないので、よろしくお願いします。

長文失礼しました。ご面倒でなければお相手よろしくお願いします!
(-332) 2023/09/25(Mon) 12:58:39

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ


「…………あはは」


はっきりと言い切られた。
それはいっそ清々しい程だった。
だから痛みに呻くより先に。
笑いが漏れる。

「そっかぁ」


瞼を伏せた。
そうとしか返事をしなかったことも。
抱いた感情も、紛れもない真実だった。

牢から出た先のことは分からない。
それでも一つ、いま。
指針は得た。

[1/2]
(-335) 2023/09/25(Mon) 13:10:14

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

/*
ciao〜! 拷問売りの少女です。挙手ありがとうございます。身内からの拷問ですみません。

まず、なんでお前は初日に捕まったくせに動けているんだという疑問があると思いますので、そちらにお答えさせていただきます。
端的に言うと、イレネオは新法の急進派から特命を受けている状況です。任務としては「逮捕者を尋問して自白させる」こと。手段として「何をしてもいい」と言われています。故に尋問の途中に暴力的な手段に出る……という感じです。

拷問するに当たって、いくつかお願いがあります。
ひとつめは、「この情報を聞き出してほしい」というものをおさとうかえでさんから教えてほしいです。とはいえ、ダニエラちゃんは既に自白しているので……「幇助しようとしていたマフィアが誰なのか」とかでしょうか?
もちろん自白してくれなくて構いません。というか、すぐ吐かれるとこちらも振り上げた手を振り下ろせなくなるので、ちょうどいい塩梅のものがあればぜひ教えてください。そういうひとつの軸があるとこちらも話を進めやすくなるので。
ふたつめは、特にされたい拷問があればそれも教えていただきたいです。なるべく意に添いたいのと、こちらもそれほど引き出しがあるわけではないので……すみません。
そしてみっつめ。本当に大事なのですが、NGを再度教えていただきたいです!! 欠損はどうか、後遺症はどうか、全部平気だけど水責めだけは無理! など。絶対PL様には傷ついてほしくないので、よろしくお願いします。
特にダニエラちゃんには、せっかくなので爪とか剥ぎたいなと思っています。大丈夫でしょうか?

長文失礼しました。ご面倒でなければお相手よろしくお願いします!
(-336) 2023/09/25(Mon) 13:10:50

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ

後は其方が飽くまで。
或いは己が限度を迎えるまで。
ペン先が回る度にひくりと身体を跳ねさせ。
痛みの波の中を揺蕩うだけ……の筈だった。

尋ねられる、貴方が探すマフィアの所在。
ひとり、ふたり──そして、さんにん。

「────」

最後の一人を聞いた瞬間、目を瞠った。
男はそれだけは守らなくてはいけなかった。

瞳の中で揺らいだ驚愕の色はすぐに変わる。
眉を潜め、貴方を睨み付ける中にあるものは。

「…………知って、どうする」

剝き出しの、明確な敵意だ。

[2/2]
(-337) 2023/09/25(Mon) 13:11:24

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

/*
ciao〜! そんな気はしていましたが、イレネオさんの顔でciao〜!は職場で見るには危険物ですね!

分かりやすいご解説ありがとうございます!
ちなみにダニエラは、魔術師くんのお陰でイレネオさんが暗殺者であることを知っています。
なるほどなあってなるんでしょうね。なるほどなあ。

ひとつめ。
まさに1番聞き出して欲しいのは「幇助しようとしていたマフィアは誰か」また「盗聴器の入手元」となります。
というかこれは確定情報なのですが、
ダニエラは
上記以外のどの情報でも絶対に答えることがありません

なので何聞いてくださってもどのように脅してくださっても黙秘し続けます。
それだとお困りになりそうなら、少し方向を変えて煽りながらの「愉快犯」アピールでもしようかなといった感じです。どちらの方が拷問しやすいですか?

ふたつめ。
爪のことをどうぞよろしくお願いします。
左手の小指が弱点です。
その他普通に暴力してくださっても構いません。

みっつめ。
何もなければ「NGないです!」と言っていたのですが、さすがにめちゃくちゃ怒られそうなので、欠損と後遺症をNGとさせていただきたいです。
ただめちゃくちゃ痛めつけられたくはあるので
爪のことをどうぞよろしくお願いします(再放送)


以上、休憩終わり間際にぎりぎりで入力しています内容となりますので、また何かご質問等ありましたら仕事の後にお答えします。
よろしくお願いしますね!
(-338) 2023/09/25(Mon) 13:26:01

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

男はそれが好きだった。
貴方の怯えが好きだった。
これは尋問の形を取った楽しい遊び。
嬲っていい他者を踏みつけにして踊る舞台の上。
でなければ、いくら真面目な人間でも完遂出来はしない。

男はそれが好きだった。
貴方の怯えが好きだった。
だから。
その顔は、不愉快だった。


(-339) 2023/09/25(Mon) 13:29:30

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

だん!


それを予見していたなら避けられたかもしれない。
二撃目。今度は先程よりも少し上、手と手首の丁度境目あたり。
ペン先は硬くとも、本体自体は骨より柔い。二度も全力を込められたそれはそろそろ割れて、男の手にも僅か刺さった。

顔を顰める。
細めた目を向ける。

「知っているんだな。」
「言え。」

逆らうことは許されない。
断固とした口調は、そう告げる。
(-340) 2023/09/25(Mon) 13:29:42

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

/*
こちら一日で落ちた大間抜け暗殺者となっております へへ……

ではその二点を突かせていただきますね!
どうでしょう……最悪なことにこの男はどっちでも暴力を振るえるんですが、
初速が早いのは愉快犯的な言動で話を逸らされる方
でしょうか。警察のプライドはないのか? という感じで神経を逆撫でされると思うので。

欠損、後遺症NGOKです! これは悪あがきなんですが脱臼とか骨折も難しいでしょうか。治療して治る範囲はどうだ? という疑問です。ロール中に突然ギリギリ責めるよりは今打診かな! と思いましたので、最後にそれだけ聞かせていただければ!
爪のこと、強く心に受け止めました。
おまかせください。では!
(-343) 2023/09/25(Mon) 13:46:49

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ

「っぅ゛」


鮮血が舞った。
熱の籠った頭に怒りさえ昇れば、避けるまでに思考は回らなかったけれど。
だからこそ先程とは違った、這い上がる恐怖を上回る激情が其処に在る。

「ぃ、……わない」


鼓動は煩い、痛みに汗が落ちる。
涙が滲む、それでも、ぎらついた眼光はそのまま。
貴方を映している。

「いうもん、か」

男が先程まで怯え続けていたのは、ただそれだけでは覚悟を持てなかったからだ。
己が身を守りたいだけの発想では逃げることしか考えられない。
だから逃げたかった、助けて欲しかった、されど。
この身よりも余程、大切な存在を挙げられたのならば。

「ぜったい、」
「アンタには、教えない」


僅か血の滲む貴方の手を、男は強く掴んだ。
それは変わらず、手折ってしまうには容易い力で。
けれど今までで一番強い、反抗の意志。
(-344) 2023/09/25(Mon) 13:51:37

【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ

「あら?」

声をかけられて初めて、気付いたような素振り。
また後でね、と通話を切って。

聞かれていた?でも、殺しまでしたことは口にしていないはず。
こんな時間だから、気にかけて声を掛けてくれたのかもしれないし。
けれど、あまり長居をしては車に気付かれてしまうかも。


法執行前であるから、過剰な心配もなく。
普段通りに笑顔を見せる。

「こんばんは、私に何かご用かしら」

何もないようなら、早く立ち去ってしまおうと。
ようやく少しだけ冷めた頭で。周りを見て、不審なものがいないか確認している。
(-345) 2023/09/25(Mon) 13:52:38

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

「あるってそっちが思い込んでる、だけ、だろ…!」

あったとして
A.C.Aに居た後ろめたさくらいで
過去の恋人に関しては殆ど何もないのが真実だ。

手に触れられる度にぞわ、として
その都度息を詰まらせ、声を殺していたけれど
不意に貴方が離れて、次には抱え上げようとしたものだから。

「っ、あ…!?おい、離せ…!」

びく、と一際大きく震えて
藻掻くくらいの抵抗はするだろう。
とはいっても熱と眠気で力が抜けた体ではたかが知れている。
(-347) 2023/09/25(Mon) 13:54:23

【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ

「よう」

警察から貸与されたスウェット姿というラフな格好の男は、
普段のだらしない足取りが嘘のようなきびきびしとした態度で取調室に入ってきた。
連行する署員が注意する余地もないほどしっかりと、
それでも漂うのは物事を俯瞰するようなどこか不遜さ。

「随分エンジョイしてるようだな、
 お前の飼い主も心配してたぞ」

──まぁ口は減っていないが。
(-348) 2023/09/25(Mon) 13:57:24

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

男の求めを拒否するのであれば。
その頬に平手が飛ぶだろう。片手を半ば固定された状態では避けることも難しいかもしれない。
難しいだけだ、努力すれば或いは。


「言え。」


「どれだ。」
「マウリツィオ・ベトゥッラか。」
「ネロか。」
「あの女か?」

男は、何も掴んではいない。
だから出来ることは、貴方を痛めつけることだけ。
そうして貴方が根負けして、囀るのを待つことだけ。
(-350) 2023/09/25(Mon) 14:03:11

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

殺した、とは聞かなかった。
けれどファミリーという言葉を聞いた。
黒眼鏡の命令とも聞こえた。
あまつさえノッテの役に立ったと宣った。

この女はマフィアだ。
でなければ作りの悪いコメディか。
とはいえ現行犯ではない。
即逮捕といけないところがもどかしく、男の靴はとんとん、と石畳を叩くだろう。

「今。」
「何の話を?」
(-352) 2023/09/25(Mon) 14:06:01

【秘】 路地の花 フィオレ → 法の下に イレネオ

「やだ、聞こえてたのかしら」
「うるさくてごめんなさいね」

何を探っている?
女は賢くこそなかったが、人の機微に疎い方でもなかった。

「迎えを頼んでたのよ」
「火遊びの相手と喧嘩別れしちゃってね」

警鐘が鳴っている気がする。
表立ってマフィアらしいことはしていない、にしても。
流石にこのままこの場に留まるのがまずいことくらいは、わかる。

一歩、足を後ろに引いた。
(-353) 2023/09/25(Mon) 14:13:07

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

「どうだか。」

弱々しく藻掻く様は風呂を嫌がる犬のようだ。
何かテレビで見た気がする。そんな映像を思い出して、男はまた少し笑った。揶揄の含みがある笑み。

そして、貴方がそれ以上抵抗しないなら。
男は貴方を座らせる・・・・
椅子にではない。椅子に座った自分の膝・・・・・・・・・・・に、だ。自分の方に無理矢理向けて座らせれば、反応した部分を腹辺りに感じることになったかもしれない。それには少し顔を顰めた。失礼な話だ。
こうしてしまえば貴方は脚を使えない。背後の机も自由を僅か奪うだろう。貴方に出来る抵抗は更に封じられて、こちらにとっては好都合。

「なら別の女とあったんじゃないか?」

「昇進も望まず、外回りを好んだのは逢瀬のためだ。」
「違うか?」

恋人が睦み合う時のような形。
不似合いなそんな構図で、言うのはやはり不釣り合いな下世話なことだ。
(-354) 2023/09/25(Mon) 14:19:52

【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ

がつ、 がつ、 がつ。


──法改正による騒動が起こって実に5日目。
次々と逮捕者が増え、並ぶ牢屋が嫌に賑わいを見せている。
本当に嫌だな。
留置所の廊下を、厚底のショートブーツが叩く足音が響く。
歩きながら、髪を結んでいたゴムを解いて、眼鏡を外し、
そのまま鞄へとしまい込んだ。


がつ、 がつ、
がつ。


そのゆったりとして重い足音は、
不意に貴方の居る牢の前で止まる。

「ciao〜……どうも」

そこに居たのは長身の男だ。
薄いレモン色の癖のある長髪を揺らして立っている。
見下ろすのは貴方にとって見覚えのない翠の双眼。
重く、影から湧いて出たような低いトーンの声。


「はじめまして。あんたがイレネオ・デ・マリア?」

初対面なのだ。だから、男は笑ってみせた。
見世物小屋にでも来たかのような笑顔だった。
(-356) 2023/09/25(Mon) 14:25:21

【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡

貴方の言葉に男は顔を顰めた。加えてふん、と鼻を鳴らす。どちらも不機嫌だ、貴方が嫌いだという、半ば無意識のアピール。

「話す元気があるようで何よりだよ。」

男の手元の調書に真新しいところはない。結局、警察は貴方から何も引き出せなかった。
だからこそ、強硬派これらは焦っていた。折角捕まえた貴方は言わば賞金首で、何か少しでも叩いて宝を転げさせようとしている。
犬どころか、まるで死肉漁りのハイエナだ。

「まずは座れ。それからだ。」

それでも、自身のその浅ましさに男は気づかない。
これが正義であるという態度をそのまま崩さないでいる。
くるり、右手の指先でペンが踊った。

同じ灯りの下の、男の顔色は少し悪い。
貴方が心配してやることでもないだろう。
(-357) 2023/09/25(Mon) 14:26:50

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 法の下に イレネオ

平手が飛べばぎゅっと目を瞑った。
ペン先で抉られるのとは違う鋭い痛みが走る。
こわい。
湧いたそれを抑え付ける、不要だ。

「……っいわない、っていってるだろ!」

「アンタ、知ったらぜってぇ碌なことしないじゃん!」
「ケホッ」


いきなりの大声は乾いた喉には刺激だった。
咳き込みながらも睨みつける瞳は変わらないまま。
熱がどっと上がる心地がした、頭がぐらつく。

「家族に、こんなことされて堪るか……ッ!」
(-358) 2023/09/25(Mon) 14:28:32

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 法の下に イレネオ

睡眠剤さえなければ。
蹴るなり殴るなり、もう少しマシな抵抗も出来たろう。
短時間に2種類の薬を摂取した体では
この程度が限界だ。抵抗虚しく座らされる。

「違う、それは、テオとアリーの為だ…!
前線で、危険な任務には俺が出れば良いって
それで敢えて下に残っただけで他に女なんかいねえ!」

熱い息が貴方に掛かるかもしれない。
顔を顰めたのは此方も同じだ。
噛みつくように睨みつけるだろうか。
(-359) 2023/09/25(Mon) 14:28:43

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

男の瞳は、貴方が通話を切った携帯の液晶に注がれた。
その相手を探ろうとする目の動き。名前から相手を割り出そうとする動き。教師や科学者、或いは貴方に思いを寄せる男たち。もしくは探偵や警察・・がする機微だった。

「そうか。」
「喧嘩で手が出るのはよくないな。​────」
ついてるぞ・・・・・。」

頬に伸びる手に、貴方は何か過ぎっただろうか。
全くの的外れの可能性だってある。
人を殺す手段は、何も血が出るものだけとは限らない。
それでも、何か後ろめたいことがあるなら。反応があるはずだ。
男はそう考えて、かまをかけただけ。
(-360) 2023/09/25(Mon) 14:32:46

【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ


「拷問尋問ってのは相手が話せるようにやることだろ?
 つまり口だけはどうしたって潰せないわけだ。
 あとからペラペラしゃべるより、
 今のうちに喋るだけ喋っておいた方が場の空気が温まるかと思ってね」

のらくらと言葉を重ねながら、調書を無意味な言葉だけが埋めていく。

「実際特に喋ることはもうないんだがね。
 目が飛び出るような新情報を期待されても、こちとら拘留される時に黒眼鏡をとられちまった。
 眩しくて目も開けていられない、どうだい、ここは司法取引としてアレだけでも返してくれないか」

どすんと席に座り、退室していく署員に「また後でなー」と手を振った。
そうして前のめりになり、何かを話そうとして、


「…イレネオくん、顔色悪くない?
 ちゃんと飯食ってるかい」

心配するような声色。
(-361) 2023/09/25(Mon) 14:35:16

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ

僕にとっては。

「……キミが一番危険かもね」

ほら、言ってる間にそうやって襟をめくるし。
なんて悪態をついた所で、嬉しそうにしている様子なのは悪くないなと思うから、もうとっくに絆されてしまっていて勝てそうもないのだけど。

「ん……っ、そんなに痛くはないよ、もう」

首を撫でられくすぐったそうに身を捩ったが、それよりも気になるのは、あなたの顔色だ。
日に日に人が居なくなる中、どうしても確認をしなければならないこともあった中、ここに来るのはあなたが捕まった翌々日。
嬉しそうにしていても、上機嫌にしていても、なんとなく、顔色が悪いのが気になる。
そればかりか、襟元を掴んでいる方と反対の手には包帯が巻いてあるし……。

「……キミも、怪我をしたのか。
 どうしたの、それ。捕まる時に何かあったかい?」

何も知らぬ男は、心配気に眉を下げた。
(-362) 2023/09/25(Mon) 14:37:35

【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ

その日、面会の予定はなかった。
────その日どころか、特に一日だってなかったが。


おまけに、近づく足音にも覚えはなかった。
その上、届いた声にだって覚えはなかった。

名前を呼ばれれば、男は顔を上げただろう。
……その顔にだって、やっぱり覚えなどない。

「そうだが。」
「何か用か?」

殊更に。
強調するように、冷ややかな眼差しを男は貴方に投げやる。
それは拒絶の視線だった。緩やかに侮る貴方の笑みを、そのまま跳ね返すように。
(-363) 2023/09/25(Mon) 14:38:20

【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ

「やっぱりそうだ」と男は笑顔を崩さなかった。
冷たい視線に怯むわけでもない。
むしろ愉快そうに目を細めている。
そこに含まれる拒絶の意図をまるっきり無視するつもりだ。

「すみませんね、イレネオ巡査長。
 あんたに聞きたい事があってここに来た」

質問は至極簡単なものだった。

「あんた、ニーノに手出したか?」

首を傾げ、答えを、反応を待つ。
(-364) 2023/09/25(Mon) 14:43:58

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

家族、と聞いて。
男は。
口の端を、歪めるように。
笑った。
これまでで一番歪な笑みだ。


「​────お前たちが」


手がペンを離れる。貴方の首に伸びる。
正確には襟首だ。何も殺す気はない。


「お前たちのようなものが」



逃げられないならそのまま掴む。
ぐ、と強く力を込めて。
乾いた喉は更に詰まるだろう。


「家族を語るな」



否定。
強い、強い。強い、否定だ。
何がそれほど男の逆鱗に触れたのか。
それはこれまでで一番強い感情。憎悪に似た瞳の炎。
貴方の息を詰めた男は、追い打ちをかけるようにその頭を、揺さぶる。
(-365) 2023/09/25(Mon) 14:46:37

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

「口では何とでも言える。」

そう、なんとでも。
だから無理矢理吐かせたところで、意味なんてないのだ。
人は自分を楽にするためにいくらだって嘘を吐くし、
やはり情に流されて、不要に罪を負うことだってある。


ぬるい愉悦を浮かべながら男は言葉を紡いでいく。
その間にも手は服越しに貴方の身体を這った。脇腹から胸の中心。それから首筋、襟元から露出した肌に触れる。

「ああ。」
「そうか。」
「男の可能性もありますね。」

喉仏をくすぐるようにしながら言う言葉は一層下卑ていた。
貴方の喉がそれで震えるなら、男もまたそこを震わせて笑う。
(-366) 2023/09/25(Mon) 14:58:41

【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡

玉石混交とはよく言うものだ。
貴方の言葉からこちらは玉を掴み取ろうとする。何かがあるはずだと手を突っ込んでかき混ぜる。しかしそこには何もない。何もない徒労感を、それで自棄になる感覚を、男は既に知っている。

それでも、止めない。
男は全く、真面目な警官だった。

「ざまあないな。」
「黒眼鏡はおしまいだ。そのままアレッサンドロ・ルカーニアとして裁かれればいい。」

くるり。ペン先が回る。
貴方が余程注意深い男なら、それも。初め貴方と話した時に持っていたものとは違うと、気づいたかもしれない。

自分より大柄な相手はこの男にとって珍しい。
貴方が腰かければどすんと衝撃があって、それでまた少し顔を顰めた。
身体の大きいというのは、本能的に嫌なものだ。


そして。
そこに触れられれば、隠しようのない舌打ちがひとつ。

「うるさい。」
「お前には関係ない。」


かかん。と、ペン先が紙面を打った。
話を戻せ、主導権をこちらにある。そういう仕草だった。
(-368) 2023/09/25(Mon) 15:08:19

【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

それは少し残念だな。
それならいいのだけれど。

形になった以外の心情は男には読み取りづらかった。
ただ、なんだか胸の奥が動いたような気がして、それだけ少し首を傾げた。
指先に感じる少しの膨らみ。薄い肌に浮く牙の痕。ぽこぽこと小さく盛り上がったそれは指にも楽しいらしく、さりさりと楽しむ様子はやはり無遠慮だ。

けれど、それについて触れられれば動きを止める。
落としていた視線を貴方に戻してから、男は自分の手元に目を向けた。そうして下手に隠すように背後に回す。まるで犬が尻尾を巻いて後ずさるような、明確でわかりやすい隠匿の行動。
とはいえ、怯えているようではない。単に表情はきまり悪そうな、そうして少しばかり不機嫌そうにも見えるだろうものに変わった。

違います・・・・。」
「俺は平気ですよ。」
(-370) 2023/09/25(Mon) 15:19:43

【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ

問いに対して。
男はゆっくり、目を開いた。そうして細めた。
とはいえ時間にして数秒。答えに窮した、というほどでもない。

身内・・か?」


返る言葉は簡単だった。
それは答えではなかった。
無礼な輩に真っ向から対してやるつもりはない、と言うように。

男は、ニーノ・サヴィアに手を出していない・・・・・・・・・・・・・・・・・
だから報復などに怯んだわけではない。
男は、取調べをしただけだ。
(-371) 2023/09/25(Mon) 15:27:00

【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ

「まったく真面目だ」

事実。
アレッサンドロは、そういった愚直なまでの真面目さを好んでいた。
男として譲らぬ線があるであろうその態度を、
見守るような気持ちでそこに座っているのである。

こんな調子では怯えすくむこともありはしない。
ペン先には視線を向けながら何も言うことはなく、ただ背すじをぴんと伸ばして──それこそ本能的にだろうか、男は相手を威圧する振る舞いを文字通り体に染みつかせていた──あなたと相対する。

「あァ?」

そうしてぴくり、と眉を跳ね上げる様も、どこか楽しそうで。

「ないことあるかよ。
 お前、自分が法の代行者・・・・・に過ぎないって自覚はあるのかね?
 お前は俺と法・・・がつつがなく向き合うためのインターフェイスに過ぎない。
 俺はお前を通して司法と対峙して、己が権利を主張しなきゃあいけないんだ。
 
 つまりこれは俺にとって、正当な権利と発言の場なんだぞ?
 なのにお前は調子が悪そうだ、お前、自分がプロサッカー選手だとしてみろ。
 運命をかけた一線、これに勝つかどうかでトーナメントの優勝が決まる、自分が背負ってきた人生の価値が極まる、
 そんな時に審判が青い顔してゴホゴホ咳してたらどう思う?
 言いたくなるはずさ、もちろんこう、」

カードをかかげるように、手錠がはまったままの手を掲げる。

チェンジひっこめ、だろ?
 せめて顔洗って来いよ、寝不足か? ン?」
(-373) 2023/09/25(Mon) 15:47:42

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ

首の赤い首輪は、痛みは引いてきていても、もう暫くなくなることはない。
消えてなくなったらまた、つけさせてあげてもいいけれど。
でもそれにはひとつ、あなたと約束したいことがあった。

「こら、今更隠しても駄目だよ」
「まったく……僕には危険なことをするなって言いながら、キミは一人で危険なことをするから」

だからこんな事になるんだぞと、咎めるように見上げた。
少しだけ決まり悪そうにしている様子を見て、ふぅ……と小さく息をついた。

「キミが僕を心配してくれるように、僕だって心配する心くらいある」
「一人で無理をするのは、良くない」

正義感の強いあなたのことだから、一人で無理をした結果なのだとそう思っている。
何が原因だったとしても、大怪我をしたり居なくなられるのはいやなのだ。

僕は、独りにされるのがとても怖いから。


「……一人で背負い込まないって……約束、できるかい?」
(-374) 2023/09/25(Mon) 15:54:22

【独】 幕の中で イレネオ

/*
実際さ どう? いや嫌いなんだけどさ黒眼鏡さんのことは

元から嫌いなので逆に平常
(-375) 2023/09/25(Mon) 15:58:47

【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ

「身内。まあ……そうだな」
「そうならどうする? お巡りさん」

表情は変えない。身動ぎもしない。
ジャケットのポケットに両手を突っ込んで、
首を傾げたまま続ける。
そういう置物のようだった。

「他の奴も怪我してるんじゃあないか?」
「あんたの尋問の後、傷を作って……」

ん? と、答えを促す一音。
(-377) 2023/09/25(Mon) 16:01:32

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

/*
1日目で落ちなくても占われた時点で2日目で落ちることが決まってしまっていた暗殺者さん…(ほろり)

ありがとうございます!では悪エラで参りたいと思います。
そして仕事中思い出したのですが、カンターミネさんとの既知にておくすりの治験(?)も多少行っており、自白剤などもがんばって耐えることができます。ご参考までに。
あとは、差分の兼ね合いでどこかで眼鏡を弾き飛ばしてもらえると大喜びします。このくらいかな…

脱臼骨折は◎です!多少の身動き(歩いたり)の余地があると本当は嬉しいですが、なくてもいいです。
本当に
取り返しがつかない範囲
を超越しなければいいかなとPLは思っています。
では重ね重ね、
爪のことをどうぞよろしくお願いします。

何かあればまたご連絡をお願い致しますね!
(-379) 2023/09/25(Mon) 16:04:31

【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡

背筋を伸ばす。そうして前のめりになる。
貴方の大仰な態度。演技じみて時にがさつで、通り越していっそのこと優雅ですらある。
大きな蛇を相手にしているみたいだ、と。思うほどの感受性は男にはなかったが、きっとそれを前にした獣と同じ警戒を向けていた。
実直さは老獪さに敵うものではない。大抵の場合。
貴方の言葉で、簡単にかっと燃える。

うるさいな・・・・・。これは俺の仕事だ。」
「俺は青い顔をしているか?」
「俺は辛そうに咳をしているか?」
「見ろ。俺の手は震えているか?」

ぎ、と歯を剥きだして言う様は、何かしらの傷をつけられたよう。
手負いの犬。矜持にでも痛みを受けたのか、早口でまくし立てる様は苛立ちを隠していなかった。


「いい心がけだ。」
「精々真っ当に向き合うんだな。懺悔室のつもりで話せ。」

かかん。かん。かん。
血が上って元気でも出たのか、幾らか顔色を戻した男は、やっぱり苦虫を嚙み潰したようでいる。
(-381) 2023/09/25(Mon) 16:17:18

【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

こら、と言われればますます目を逸らしたんだろう。
いつも真っ直ぐ見下ろす瞳。忌憚も何もない金色は、今は合わせられない。見上げる花浅葱から逃げるようにそっぽを向いている。
怒られる犬のようだ。悪戯をしたことを、見え透いたその行動を、隠せずともやり過ごそうとしている時の。

それでも耳は向いている・・・・・・・
貴方の言葉を男はきちんと聞いていて、だからそれが怒りより、心配か不安から来るものだと読み取った。

そろり。
視線がようやく、再びそちらを向く。まだ目は合わずに、貴方の胸元辺りに落ちてはいるが。

「すみません。」

そうすれば、謝罪は存外素直だった。
やや小さいような声でも、問題なく聞き取ることは出来るのだろう。声は上から下に降る。

「少し。気が、昂ってしまって。」

はあ、とため息を吐く。

「しませんよ。」
「心配させましたか。」
(-382) 2023/09/25(Mon) 16:32:09

【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ

「捕まえる。」

いっそ無謀なまでの生真面目さ。
愚直なまでの勤勉さが、男の常だった。
牢に入っているのはこちらだ。身動きが取れないのはこちらだ。
そのくせ、まるでその障害などないように。男は単純に言ってのけた。

ニーノはこの男のことを、貴方にどう伝えただろうか。
さてその言葉と今貴方が見たこの男に、何か違いはあるだろうか。


立ち上がった男が貴方に相対する。
上背はある方だという自負があった。貴方の視線はそれより高かった。
それだって不快で、チ、と舌が鳴る。

「そうだな。灸を据えたよ。全員じゃない。」
「それがどうした?」
(-384) 2023/09/25(Mon) 16:46:53

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

捕らえられた貴方は、暫くの待機の後取調べを受けることになった。
引き連れていく警官は二人。男女のどちらか、あるいはどちらとも、貴方は面識があったかもしれない。かつては同僚だった誰かだったかもしれない。
今貴方の自由を縛る手に、そんなかつての優しさは既になかった。

向かう先は取調べ室。
そこで貴方もまた、誰かと相対したことがあったかもしれない。
しかし今の貴方の立場は、そんな“いつか”とは真逆のものだった。

机の向こう。
警官の座る席で貴方を待ち受けていた男の瞳は冷たい。
貴方に目をやり、書面に目を落とし。もう一度貴方に目をやってから、貴方を連れて来た警官に視線で促した。

席につけば、始まる。

/*
了解です! とりあえず逃げる余地は残してロールをしますね。
その上で折るにしても腕か指で留めておきます。
(-386) 2023/09/25(Mon) 16:53:10

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ

「当たり前。……心配、すごくした」

後ろに隠れた手をそっと取って、その手の甲を、痛くない程度に撫でた。
どんな怪我なんだろうか。
それは包帯の下に隠れてしまってるから、知りようもないけれど。
顔色の悪さから読み取れるのは、痛そうだ、ということだけ。

「約束してくれるなら許すよ」

安心させるように、目を細めて。
軽く伸ばした手をあなたの頭に乗せた。
もう大丈夫と、2,3度ゆっくり撫でてやる。

「日に日に皆が捕まっていくから、僕も時間の問題かもしれないけど……、ここから出してあげられるように頑張るから、待ってて欲しい」

「いい子にしてるんだよ?
 そしたら、ちゃんとご褒美をあげよう」

何が良いかな? とあなたの眼鏡に手をかける。
ほら、僕の目を見て、言ってごらん。
(-387) 2023/09/25(Mon) 17:00:21

【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ

「どうして。彼は実直な巡査じゃないか!
 彼の何がどうしてそんなに悪い?」

わざとらしく目を丸くして、ポケットから手を出して上げた。
随分急な話だ。捉えられているのはそちら。
こちらはまだ自由の身だ。
それに、すぐにその結論に至る理由が分からない。

貴方が立ち上がるそのままに視線も上にスライドする。
高い、が、自分よりは少し下か。

「へえ……そう。噂通りだ。
 正しい正しいお巡りさんだから、それでも平気な訳だ。
 あんたは立場と法にぬくぬく護られてンだねぇ……」
(-389) 2023/09/25(Mon) 17:06:02

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

牢の中でも、そこから引き連れられるさなかでも。
女は怯える様子なく、むしろ落ち着きしれりとした様子を見せていた。
ただ飴玉でも転がしているかチューイングガムでも噛んでいるかと錯覚するほどの暢気な雰囲気を纏いながら。
常日頃から好んで行う食べ歩きの延長であるように、かつかつと革靴の底を鳴らしている。

「…あれえ。」

へらりと。
何故か口火を切ったのは、冷たい瞳のあなたなど意にも介さぬ間延びした声。

「イレネオさんってえ、逮捕されたんじゃなかったですっけえ?」

まるでそこがいつもの警察署のデスクであるかのごとく女は囀る。
ことりと首を傾けて、んー?と暢気に、不思議そうに。

/*
ありがとうございます!
それではその形で、よろしくお願いします!
(-390) 2023/09/25(Mon) 17:06:20

【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ

通話画面に映る名前は、あなたの知るものではない。はずだ。
同じアソシエーテのラウルという青年のもの。
メイドマン・ルチアーノの部下を探っていなければ、聞いたこともない名前だったかもしれない。

「そう、おかしいわね」
「私、喧嘩別れはしたけど。手を出しても出されてもいないわ」

ターゲットは、毒物で死に至らしめた。
だから彼女でもかまをかけられている。と分かった。
同時に、あなたへの警戒を高める。目的のわからない探りほど不気味なものはないからだ。

また一歩、足を下げる。
(-392) 2023/09/25(Mon) 17:16:10

【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

少なくとも。
手の甲や、手のひらを撫でられることに、男は抵抗しなかった。そのあたりに傷はないのかもしれない。
もし貴方が注意深く触れたなら、親指・・の具合がおかしいようだとわかったかもしれない。優しく撫でただけなら知り得ないことだ。


それでもきっと男はまだ、きまり悪そうに視線を下に落としていた。
落とした視線が上がったのは、貴方の手が頭に乗った時だ。

男はそれに驚いたらしかった。
丸くなった金が貴方のかんばせに注ぐ。男は犬を自称していたが、当然実際そうではない。動物でもなければ子どもでもないから、人に頭を撫でられることなんてそれほどはなかった。
だから少し黙ることになる。ぱち、ぱち、と瞬きの間。

それでも、やっぱり嫌ではないのだ。
触れられることも。触れることも、至近で見つめることさえも。

(-393) 2023/09/25(Mon) 17:22:58

【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

だから。
眼鏡にかかった手を、男は厭うことはなかった。
貴方がそれを外すならそのように。動作は恙なく従順に行われて。

さて、犬は口を開き。
少しばかり顔を傾け────おそらくは、貴方に口づけようと、した。



けれど。
ここは檻の中。
今ではないか、と。一度、止まる。
(-394) 2023/09/25(Mon) 17:23:42

【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ

「悪いだろう。お前のような者とつるんでいる。」

貴方は彼の身内だと言った。
その意味するところは明白だ。

「実直な巡査のすることじゃない。」

言い切る言葉もまた明白だ。
男の言葉は存外素直で親切でいる。のらりくらりと躱すところがない。

続く言葉には呆れたように鼻を鳴らすだろう。ふん、そんなことも知らないのか。

「そうだよ。」
「法は、法を守るものを守る。」
「わかるか?」
「その穴を突いてずる・・をしようという輩のためにあるものじゃない。」
(-395) 2023/09/25(Mon) 17:27:48

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

「口を慎め、ダニエラ・エーコ。」

意に介さぬのはこちらも同じ。
貴方の暢気さにも、問いにも取り合いはしない。ただ座れとだけ促している。
自身が悪人と認めた人間に対して、男はいつもこうだった。
貴方は悪人である。
貴方はマフィアに利した。

「お前の尋問を担当する。」
「さっさと始めてさっさと終わりたいんだ。座れ。」

とん、とん。
ペンが紙面を叩く音。
ここ数日、いつもこの部屋に響いていた音だった。
(-397) 2023/09/25(Mon) 17:33:37

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ

歪む笑みを認めた、次の瞬間には。

「ッ、ぁ」


襟首を掴まれる。
喉が更に詰まる。
強い、強い力で。

「ぅえ、ゃ、め、っ」

脳が揺れてきもちわるい。
はきそうだ。

まともに物を捉えられない視界がそれでも一瞬。
強い感情に揺らめく炎を見た。
認められない何かがあるのだと知る。
だとして、それだけは。

それ家族だけは、否定されて堪るものか。

自由になった両腕を動かす。
痛むのを構わず両の手を握り込む。
そうしてぶんと振るい、その頬を横殴ろうとした。
……その結果、もし解放されたとて。
ぐらつく視界に耐え切れず、椅子から転げ落ち崩れるだけだが。
(-398) 2023/09/25(Mon) 17:39:36

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

走り出されたとて構わない。
リーチの差ではこちらに分がある。
車か何かに乗られて逃げられる方が厄介だ。
路地裏なんかに逃げ込んでくれるのは、むしろ好都合。


一歩、一歩と引く貴方に対し、これはじりじりと位置を調整する。
迎えに来かねない車から遠ざけるためだった。それは貴方を囲い込む動きだった。

伸びる指先は未だそちらへ。避けないなら直に触れるだろう。

「なら吐瀉物でも跳ねたか。」
「拭ってやる。動くなよ。」

避けないなら、逃げないなら。
この手は触れる・・・どころで済まない。
貴方の襟首を引き掴み、引きずって。
その携帯を奪って、鑑識班に回して解析を強要する。これはそういう男だった。
(-399) 2023/09/25(Mon) 17:40:39

【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ

「──ふーん。そっか。残念だね」

ぱ、と泡の弾けたようだった。瞬きの間。
一気に力を抜いた腕はそのままぶらりと降ろされ、
一瞬で笑顔を取り払ったままの表情になる。
全くの無表情で、自分から問うた質問の答えを
放り投げるように返事をした。

「そうらしいな。
 オレはあんま守られた事無いから関係無いけど」

「法を守れば取り調べの最中暴力を振るっても良い……
 素敵だね。実に都合がいい。捕まっても自由だ。
 あんたは傷一つ付かず、ここでただ暇を潰すだけ。
 デジタルデトックスにでも来たの?」

男はぼそぼそと喋る。だのに声の通りは良かった。
演劇じみた声の抑揚と低いトーンはそのままに、
翠はまだ貴方の方を向いている。

「皆殴られてあんただけツラっとしてんの、ヤダね〜……」

カツン。カツン。
人差し指の爪の先が、牢を等間隔で叩く。

「あんたの正義って何?」
(-400) 2023/09/25(Mon) 17:43:59

【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ

「わかりやすく例え話してやったつもりだったが、
 犬科には高度すぎたか?
 体調悪いなら別のやつ連れてこいよな」

聞きゃしないだろうと、それについてはそれ以上言わず。

「懺悔するようなことは何もないね。
 神様がいるとしたら俺が言うことは
 『失せろVattene』だ。
 取調室で言うわけにゃあいかねえなあ」

例え話を大真面目に返しながら、口元に浮かべた笑みはそのまま、じんわりと広がった。
背もたれがぎいと鳴り、顎がくいとあがって背がのけぞる。

「証言がとりたいなら、なんの件かだけでもいってもらわねえとな。
 『なんかやってるだろ、吐け!』なんて、チンピラには通ってもカポに対して切る札じゃあねえよなあ」
(-401) 2023/09/25(Mon) 17:55:15

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

余程侮っていたか、油断していたか。
或いはそれだけ頭に血が上っていたのか。
貴方の一発を男は食らった。素の威力。引くことの体力の低下と痛み、手錠の不自由さ。足すことの、手錠そのものの硬さによる衝撃。
結果として威力はそれなりのものになっていただろう。
実際、大きな音がしたはずだ。貴方にとっては小気味いいものだったかもしれないし、違ったかもしれない。

それでも。
男は貴方を離さなかった。

ぎり、と歯を食いしばり。口の中が切れたのか、血交じりの唾をぺっと吐いて。
それでも目を逸らさない。それでも貴方を離さない。

奪ったのはお前たちだ・・・・・・・・・・
壊したのはお前たちだ・・・・・・・・・・
「それが家族だと? 反吐が出る」


それは、貴方の知らない話。
あなたには知りようがない話。
この国の、50年前の話。




さて。
軌道の圧迫による酸欠。
加えて激昂による血の巡り。
更に元からの体調不良。
くらりと視界が強く傾くかもしれない。
さもなくば────そうなるまで、男は、離さない。
(-402) 2023/09/25(Mon) 17:56:30

【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ

わかった・・・・
この男が嫌いだ・・・・・・・

そうだよ・・・・。」
「やむを得ない手段だ。」

ぼそぼそとした声が不快だ。
見下ろす視線も腹立たしい。
大きな図体だって不愉快だ。
この男が嫌いだ。

「そもそも捕まる方が悪い。」
「そういうことをしたんだからな。違うか?」

音を立てる檻がうるさい。
早く帰れ。話すことはない。
目は逸らさず、むしろ睨みつけて言う。


さて、貴方が来たのが昼を過ぎた時間帯なら。
男の顔色は悪く、左の手には包帯が巻かれていたはず。
何も無傷ではないのだ。これも報いは受けている。
それだって、貴方にとってはどうでもいいことかもしれないが。
(-405) 2023/09/25(Mon) 18:28:17

【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡

────初めは弁護士を呼べの一点張りだったくせに。
とは、わざわざ口にしない。
男の目の前にいるのはアレッサンドロ・ルカーニア。ノッテファミリーの幹部カポ・レジーム。港の支配者。
この男が最も嫌うマフィアだ。
男はマフィアを嫌っている。

それでも。
単に嬲り排除するのではなく、法に則って裁きを下そうという気は合った
────その法が悪法であれば無意味な真摯さだ


は、とこれはひとつ息を吐く。
努めて冷静でいようとする仕草だった。かつてのけだものは今鳴りを潜め、そこにいるのは単に一人の巡査長。
ととん。再び紙面をペンが叩く。とん。とん。

「アリソン・カンパネッロ。」
「お前が口に出した名前だ。」
「どうしてお前が知っている、何を知っている。」

聞きたいことはそれである。
言ってやったぞ、さあ聞かせろ、と。
煮えはすれど燃えない金が語った。
(-409) 2023/09/25(Mon) 18:46:46

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

「ええー。気になるのにい。」
「はあーい。」

一瞬口を尖らせるも、次の時にはへらへらと。
私語を注意された子供の態度で笑っている。

「……。」

着席をすると、打って変わって、今度は静かな女だった。
ただそのつま先が、ぱたぱたと揺れている。
とん、とん。あなたの鳴らす音。
それに合わせて、音もなく床を叩く。
(-411) 2023/09/25(Mon) 18:52:01

【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ

「あ、なんだ。あんたちゃんとやむを得ないって思ってんだ」
「よかった〜。暴力振りてえから警察やってんのかと思った」

安心したわ〜、と心にもない事を言う。
そこでようやくまた口元に薄く笑みが浮かぶのだった。

「おや。そらごもっともだ。捕まるには捕まる理由がある」
「例えば猿の考えた横暴な改正案とかな」

かつん。かつん。
叩く音は続いている。貴方の神経を逆撫でする為の音。
傍迷惑なメトロノームが、二人の間で響いている。

「じゃああんたも悪いのか?檻の中のお人」
「なんで俺が檻の外こっちに居るんだろうな?」

「世の中には良い法律と悪い法律がある……
 今回のはことさら悪い。数撃ちゃ当たるって?
 ダセェな……所長代理顔真っ赤かよ」

何のために男がここに居るのか。
ただの嫌がらせ
だ。
敵討ちにしては陰湿で、悪戯にしては大胆。
憂さ晴らし、八つ当たり、その他諸々。
なんにせよ質の悪い事!


「おかげですっかりここはサーカステントだ。
 悪人嬲りは正義の人々の心をスッキリさせる
 脱法エンターテイメントですからね。
 楽しそうで何よりだよ……」
(-412) 2023/09/25(Mon) 19:08:21

【秘】 リヴィオ → 幕の中で イレネオ

/*
拷問売りの少女様Ciao!夏に瓶ラムネ、そして最後の狂犬です。
拷問販売ありがとうございます。よろしくお願いします。

@イレネオさんの状況ついて
凡そそういった事情をお察ししておりましたので問題ございません。
ご丁寧に回答ありがとうございます。

A聞き出してほしい情報について
聞き出して欲しい情報とは少し異なりますが、マフィアから押収した銃の所持についてボイスレコーダーはありますが件の警部補との証言の食い違いもあり、
また、A.C.Aにてマフィアの一人が仲間であったり、ルチアーノさんと仲良く歓談検挙(ルチアーノさん出頭)、>>L4 のダニエラさんは簡単に自首をしないような罪でありながらリヴィオと共に出頭してきた点から、
リヴィオ・アリオストはマフィアの内通者ではないかと上層部が疑っている形が一番拷問を受けやすいのかなと思いました。
質問にするのであれば「内通者か否か」「銃の使用目的は?」等でしょうか。
勿論否定しますし実際異なりますが、簡単には口を割らないような質問である点から気にせず拷問していただいて大丈夫です。
殆ど何もしていないのに拷問するのはどうなんだ?という場合は遠慮なくお伝え下さい。

B特にされたい拷問について
特にというのは思い付かず、申し訳ございません。負担のない範囲で行っていただければと思います。

CNGについて
実は当方こういった方面で特にNGというものはございませんが、今回の状況において後(エピ)にこうでない方がいいという点が欠損・後遺症の二点となります。
水責めや爪剥ぎ・骨折等治療可能な物は大丈夫です。是非。

Dその他について
恐らくダニエラさんについて「彼女の爪を剥ぐのは遠慮して欲しい」と口にしますが、あくまでRP上となりますので、NGとしての発言ではございません。
御相手様の希望の可能性もございますし、もしものために先のお伝え失礼致します。
また、現在体調不良電池切れ人間で右手は猫による引っ掻き傷で化膿し発熱、頭痛、食欲不振状態です。
表の通り病院へは一度出頭前に行きました。念の為の情報提示です。

こちらこそ長文失礼いたしました。何か不明点・質問等ございましたら遠慮なく仰っていただければと思います。
(-413) 2023/09/25(Mon) 19:25:47

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ

――甲を撫でただけでは、親指の具合には気付く事はできなかった。せっかく包帯を巻いているのを暴くような真似もしたくはなかったし、あまり強く聞くのも嫌がりそうな気配がしていたから。
それでも、痛そうなのはわかったから、あとで痛み止めを正規の手段で差し入れするつもりで居たが。


「キス、されるのかと思ったのに」

あの時はキスどころか変顔をされたけど、今度は違うと思う。
思ったけど、その唇はなかなか降りては来なかった。

「キス、されるのかと思ったのに」

ガラスの壁のない金の瞳をじっと見て、くすりと笑う。
強引なくせに、こんな時はいつも止まるし。
なんでも確認しようとする。
そんな、犬のようなあなただ。

”いいよ”をしたら、多分。



あなたが躊躇するなら。
目を閉じてあげようか。
(-420) 2023/09/25(Mon) 20:39:12

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

「っ…!」

テオドロに聞けば良い。
そう口に出そうになったけれど
弟をこんな男の手に晒すのは、許せなくて。

「は、っぅ……んっ……
そういう逢い引きするような相手は
男だろうが女だろうが、いねえっつってんだよ。」

体を震わせて、ぞわり、ぞわりと走る感覚を堪えて
喉を撫でられれば反射で熱い息が漏れる。

逢い引きする相手は居ないのだ。それは本当。
大切な相手は居るけれど
それこそ言えば碌なことにならないから、口には出さない。

変わらず、熱に浮かされた瞳で睨みつける。
お前なんかに屈しない、と。
(-421) 2023/09/25(Mon) 20:42:45

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ

/*
おっかしいな……セリフの位置変えた時消したはずが残ってダブってるな……(悲しい

大事なことは2度……言ってません。言ってないよ。
申し訳ない……!
(-425) 2023/09/25(Mon) 21:12:23

【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ

思惑があってこちらを囲い込もうとしているのだろう。
とまでは分かるが、位置を調整されていることまで気が付けただろうか。
自分の見つけた逃げ道は、誘導されたものではないのか。
そこまでは、思考が追いついていない。こちらに、地の利があると信じ込んでいる。

「お生憎様」
「私、リードされるよりする方が好きなのよ」

頼んでもいないことを聞いてやる義理はない。

ショートブーツが地を蹴って、低い姿勢であなたの横を走り抜ける。
大人から逃げることには慣れっこで。
路地裏は、自分達スラム育ちの庭だ。だから、あなたを撒くことは容易だなどと
思い上がっている


逃げ込んだ路地で、携帯からメッセージを送ろうと画面をタップしている。ただでさえ文を考えるのは苦手なのに、焦ってうまく打てない。
(-426) 2023/09/25(Mon) 21:22:10

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

男は何も暴力を趣味にしているわけではない。
誰彼構わず当たり散らす野蛮な人間ではない。
だから、従順な態度を好ましく思ったはずだ。

貴方の足が揺れるのは気にならない。
それがこちらの脛を蹴り飛ばすのでなければ。

貴方が口を開かないのも気にしない。
わざわざ煽り飛ばしてくるより幾らもましだ。


「A.C.Aのメンバーに盗聴器を仕掛けたと。」
「事実か。」

とん。
紙面を叩く。叩くペン先はまだ引っ込められている。
貴方が何かを口にすれば、それを書きつけるつもり。
(-431) 2023/09/25(Mon) 22:07:55

【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ

それはお前たちの方だろうマフィアと一緒にするな。」

「野蛮で。」
「横暴で。」
「低俗で。」
「自分たちの利権しか考えていない。」

かつん。かつん。
その音が嫌いだ。
この男は真面目で善良な警官・・・・・・・・・である。
普段は、こうまで人に言葉の刃を向けることはない。
普段であれば。

マフィアお前たちは抜け道を通るのが上手いからな。」
「正義はどうしても後手に回る。」
「必要な措置だよ。」

先回りのネズミ捕り。
虫が湧く前の除虫剤。
それと同じだ、と。
男は言う。
(-433) 2023/09/25(Mon) 22:19:55

【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ

/*
諸々了解しました。ありがとうございます!
では方向性としてはマフィアの内通者であることを聞き出そうとしている感じで。何もしていない人に拷問するのは……の点ですが、ご心配ありがとうございます。大丈夫です、全く気にせず完遂出来ますので見ていてください。
ダニエラちゃんのネイルについても承知しました! ご丁寧にありがとうございます。

ではリヴィオくんの体調や見た感じの雰囲気? 状態? についてもう少し知れると嬉しいので、お手数でなければそういう描写を交えた「取調室に向かうロール」を始めて頂ければと思います。難しそうなら伝えて頂ければこちらから開始します!
(-435) 2023/09/25(Mon) 22:24:54

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

さて確かに。
女はあなたの言葉に素直に従い静かになった。
それを
従順
と呼ぶならそれできっと正しい。


「……。」

ぷら、ぷら。足を揺らして。
あなたの問いからほんの少し、たった頃。

「…あー。」
「もしかしてえ」
「もう、口を慎まなくてもいい時間ですう?」

へらりと笑った。
やはり変わらぬ、デスクの態度で。

「なら、こおいう堅苦しいの、ヤなんですよねえ。」
「…それより何で、イレネオさんは逮捕されたのに自由にしてるんですかあ?」
(-436) 2023/09/25(Mon) 22:26:37

【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ

「え?オレ達が暴力振るいたいからマフィアやってるって?
 非道い事を言うな……オレは嫌いだよ。
 拷問とかももうやりたくないね。
 好きな奴にやらせたらいいよ、ああいうの」

「それに相手の事を慮る事だってするんだぜ?
 あんた、固定観念に囚われるタイプ? それとも懐古的?」

べ、と舌を出してみせた。
野蛮で、横暴で、低俗な事を否定する気は無い。
だってそうなのだ。
だからどうした。

「正義……正義ねえ。病気だなあ……」
「正義だの悪だの言う奴は皆病気だよ。固執する奴は猶更。
 重病だ。人類の課題だね。母親の臍の緒を通って
 子から親に伝染すんだよ。救いようもない……」

かつん。

「遠いご先祖に変態が居たんだよ。
 人の行い全てをカテゴライズして広めたプロバガンダ野郎。
 それだよ。正義と悪って言い訳といちゃもんつけたい時に
 すげ〜便利だもんな。それが蔓延しちまった」

かつん。かつん。

「ま、それは治せねえ医者が悪いんだわ。気にすんな。
 いつか気にならなくなる時が来るよ」
(-438) 2023/09/25(Mon) 22:35:53

【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

男が逡巡したのはその真面目さからだったのだろう。法や規則への従順さ。ここではそうすべきではない、という、暗黙の了解のようなもの。
だから、どうだろう。
やっぱり少し変な顔をしたかもしれない。だって、あんまり場違いだ。

欲にかまけて。
一度止まって。
けれど、貴方に許されて。

「大胆な人だな。」

半ば呆れるように、半ば感心するように、少し戸惑うように。
口から出たのはそんな言葉だ。目まで閉じてしまうのなら尚更。

(-441) 2023/09/25(Mon) 22:38:10
イレネオは、悪いことをする人間が、嫌いだ。
(c31) 2023/09/25(Mon) 22:38:21

【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

それでも。
貴方のそれは嫌じゃなかった。

欲にかまけるように。
許しに従うように。
貴方の唇に、上から重ね合わせて。
二度、三度。角度を変えては食むようにする。
一度許せば欲深いのを、貴方は知っているはずだ。


右手が、貴方の手の甲を柔らかく撫でた。
(-443) 2023/09/25(Mon) 22:39:34

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

その瞳を男は好んだ。
最早視線で射貫く以外の手段を持たない弱さを好んだ。
これ程近くにいるのに反撃ひとつ出来ないのが愉快だった。
自分が正義の側に立ったのだと勘違いした時。
踏みつけていい悪をその目に映した時。
人はどこまでも傲慢になる。


触れられたところから増幅する快感が。
上がった体温に比して低い男の手指が。
奥の奥まで浚おうとする金色の双眸が。
貴方の羞恥心をより一層誘うだろうか。
その羞恥が感覚を増幅させるだろうか。

「熱いな。」
「脱がせてあげましょうか。」

悪趣味な発言はずっと、貴方を辱めるためだけに。
男の手が、貴方の襟首から浅く入り込んだ。
(-444) 2023/09/25(Mon) 22:50:54

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

己の脇を姿勢を低くして駆け抜ける女。
金の瞳が正面から逸れて姿を追う。ぐるり。瞳と身体が同じに動いた。
小さなあなたの背を追ってこれも走り出す。

狩りの時間だ。


路地裏に逃げ込むことは名案に思えただろう。
そこは実際貴方にとって馴染みのある場所だったろう。
それくらい男にも分かっている・・・・・・・・・・・・・・
分かっていれば手を打つ手段はいくらでもある・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この辺りは男の見回りの順路。
そこで見つけた悪人を逃がすわけにはいかない。
そのために、男は覚えていた。
路地裏の入り組んだ構造を、道のひとつひとつを、しっかりと頭に入れていた。

────貴方がこの男を舐めてかかっていなければ。
警察如きと思いあがっていなければ、逃げ切れたかもしれない。

画面を見つめている間。
後ろからの足音が消えたのに、気づいていただろうか。
(-445) 2023/09/25(Mon) 23:02:56

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

「必要、無いだろ…っう…!」

じとり、と汗ばんだ肌に手が触れる。
熱を帯びた体はそれだけでも敏感に反応を返してしまう。
堪えれば堪えるほど、感覚が研ぎ澄まされる気がして。

「やめ、ろって…言って……!」

ガタン、と机が揺れて音を立てる。
身を捩って、逃げようとして。
貴方の腕を掴んで止めようとするだろう。

けれど動けば動くほど、薬はより回るものだから。
ぐら、と視界が揺れて、そちらへ体を預けそうになる。
(-446) 2023/09/25(Mon) 23:03:57

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

とん。
とん。とん。
とん。

繰り返される単調な音。
貧乏ゆすりに似た一定の速度。

「無駄口を叩くのはやめろ。ダニエラ・エーコ。」
「お前に許可されているのは、俺の質問に答えることだけだ。」

この男は何を勘違いしているのだか、そんなことを言う。
自分が何か権力を持ってでもいるように言う。
貴方はこの態度を嘲っても構わない。その疑問は、まったく正しい。
(-447) 2023/09/25(Mon) 23:08:46

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ

「さぁ……でも」
「元気、出るだろう?」

血の気のない顔に、少しだけでも色が戻るならそれでいいじゃないかと思う。

男は別に真面目な男ではない。
シエスタを好むし、面倒そうに仕事をするし、自堕落だ。
それでもやるべき仕事はダメ出しを貰わない程度にこなす器用さはあるから、あなたの教育係になったのだが。

それがどうして、ここまで好かれることになったのかは、正直分からない。
自分が傷つくことくらいはどうとも思わない上、目的のために手段はあまり選ばないタイプだから、下手をすれば嫌われるくらいの人間だというのに。
だけど不思議なことにそれを嫌だとは思わないから、こうして近づかれることを、許したのだ。

(-449) 2023/09/25(Mon) 23:20:17

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ

唇を受け入れて、二度、三度。
こうして唇を食べられてしまうのもまぁ、悪くない。
元々自分は、大事な人に幸を与える事を目的にして生きてきたから。
今更認めないなんて言えないし、
あなたはとっくに、自分にとっても内側の人間だった。
だからまぁ、欲深いのくらいは許せるよ。



撫でられればくすぐったそうに笑って、その手を繋ぐ。
黒眼鏡に調教師ハンドラーと呼ばれた男は、決して無理をさせぬよう……その手綱をしっかりと握った。
(-450) 2023/09/25(Mon) 23:21:13

【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ

そら見たことか。お前たちはそういう生き物だ。

「はは。」
「したくないことは人に押し付ける。救えない。」
「奉仕の精神って知ってるか?」

この男が人を見上げることになることはそう多くない。
珍しく視線を上げ、顎を上げて。は、と嘲ったように笑う。
つらつらと淀みなく吐き出される言葉はこちらに向いているとすら思えない。何を言っているのかわからない・・・・・・・・・・・・・・
頭の病気なのか? 最早哀れだとすら思う。嘲った口の形を元に戻して、今度は尖らせるようにして目を眇めた。

「熱でもあるのか? お前。」
「目障りだ。消えろ。そろそろうるさい。」
「ああ、名前だけ置いていけ。調書を取る時に面倒だからな。」
(-451) 2023/09/25(Mon) 23:22:52

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

ぱた。
ぱた。ぱた。
ぱた。

真似をして、音もなく足が床を叩く。

「えー。やあですよお。」

けらけらと、女は控えめに笑った。

「なあんであたしだけ答えないといけないんですかあ?」
「イレネオさんだって、逮捕されたんですよねえ?」

「おんなじ警察でえ。逮捕されてえ。」
「あたしと何が違うんですかあ?」

気怠げな声。こてりとまた小首を傾げる。
(-453) 2023/09/25(Mon) 23:28:10

【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ

「……はあ」
「何だったのかしら、あれ……」

画面を叩きつつ、足音から離れるように路地裏を歩き回っている。
街へ向かうルートだって分かっているから、そちらの方へと足を運んでいた。

探るような瞳。通話内容に言及する様子。
昨今の情勢を考えれば、敵対している組織の人間か……あるいは、ノッテとやりあっている警察連中の人間か。


いずれにせよ、捕まってファミリーに泥を塗るわけにはいかない。
上手くやってこられたのだから。

「……?」

足音が消えたように思えて、足を止める。
足を止めてしまった
(-454) 2023/09/25(Mon) 23:28:21

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

「あはは。」

遂に男は声をあげた。
テレビでも見ているような浅い笑い。日常の中にあるような平静な笑いだ。

「嫌だな。親切心じゃないですか。……おっと。」

がたん。バランスを崩した貴方の身体が倒れそうになる。
掴む手はむしろ縋ったようになったかもしれない。その熱さにまた喉から笑いが漏れた。
自由な手で背をしっかりと支えてやれば、先程より距離は余計に近づいて。

手を掴んだ力は如何程だろう。
振りほどくことができるなら、これはそんなもの意に介さない。
くく、と喉元で笑いを転がす。転がしては無遠慮に貴方の頬を撫で。

「誘ってるんですか。」

片手で掴んで、こちらを向かせたりもする。
勿論冗談だ。男には少しも、その気はない。
(-458) 2023/09/25(Mon) 23:41:02

【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ

「え? 適材適所って知らないの?
 作業効率とかもあんでしょ?
 やりたくない奴が無理やりやるより
 やりたい奴が生き生きと喜んでやった方が良くね?
 警察ってそうなの? 労働環境大丈夫?
 拷問やりたい奴は頭おかしいと思うけどさ」

おかしいなあ、と口をへの字に曲げた。
批判したいばっかりで論理的じゃないな。
物事を公平に見るのが警察なんじゃあないのか。

「健康体だよ。お陰様でね。ゴミなのは認めるけど。
 別に名乗る程でもないガラクタだし
 名前なんか抑えなくても良いんじゃないか?」

嘲笑に眉一つ動かさない。視線のブレすらない。
癇に障る様子も、何もなかった。

「でもあんたの『目障り』になれてよかったよ。
 あんたの嫌な思い出になれてよかった」

そう言ってようやく金属音は止まる。

(-460) 2023/09/25(Mon) 23:44:30

【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ

「オレの事、早く忘れな」

──鉄格子に爪を立てた。力を入れる。下に引く。


イ、
ィ、
イ、
イ、ィ。



「アハ!」

「そろそろ帰るよ。覚えときな。
 正義と悪はこの世にはないが、道理と因果が代わりにある」

……そうしてやっと、この男は牢の前から動いた。
重たい足音が、聖歌のハミングと共に離れて行く。
勿論名前なんて残していかなかった。
引き留めなければ直ぐに去る。
今の時間は、ただの悪い夢になるだろう。
(-461) 2023/09/25(Mon) 23:45:05

【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

それは男にとっても同じだった。
どうしてここまで近づいてしまったのか。
けれど貴方とは違って、この男はそういったことを深く考えるたちではなかった。
だからただあるようにある。だからただしたいように、させたいように、されたいように。

そうしたいから近づいて。
そうしたいから、許しに肯った。

最後にぺろ、と貴方の唇を舐め上げる。
それでもやっぱり至近にあるままだ。繋がれた指の先で微かに貴方の手のひらを撫ぜて、男は視線を右、左。
口を小さく開いて、閉じて。開いて、閉じて。
もう一度、開いた。

(-464) 2023/09/25(Mon) 23:54:21

【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

「レオって呼んでほしいな。」


それは、やや小さな声。

「ご褒美。いい子にしてたら。」


それは“イレネオ”の愛称ではない。
彼の手帳にも、プロフィールにも、書いていない呼び名。
(-465) 2023/09/25(Mon) 23:57:17

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

「余計な世話、なんだよ…」

かろうじて絞り出す声。
手を掴んだ力は徐々に抜けていって
ぐら、ぐら、ぐら、と熱に思考が蝕まれていく。

「お前なんか誘う訳ないだろ、馬鹿が…」

ハッ、と弱弱しく鼻で笑う。お断りだ、と。
けれどその瞳は潤み、顔は真っ赤に上気して
下腹部も酷く、熱く感じるだろう。

我慢は限界に近く
相手が貴方でなければ、より縋っていたかもしれない。
この男の自我は、それなりに強固なようだ。
(-466) 2023/09/26(Tue) 0:00:12

【秘】 リヴィオ → 幕の中で イレネオ

それまで死んだように眠っていた男は、
看守に揺られ、叩かれ、気だるそうに体を起こす。
実際、動くのはまだ辛くて堪らないが、
傷も熱も癒えやしないが、それでも立ち上がって、
お望み通り取調室に向かうとしようか。

無理は慣れている。痛みも慣れている。
隠すのは昔から得意だった、それは、今も変わらず。
ただ、いつも以上に隠すのには疲れたから、
足取りの重さは隠さないし、時折ふらつくのも隠さない。
勿論、流れる汗だって隠せるはずもなかった。

「…そう急かさないでくれ」

看守に背を押され、笑い混じりにそう告げる。
あんまり分からないだろうが、頭も痛いんだ。
もう少し優しく扱ってくれると嬉しいね。

人が減ってから結構頑張って働いていたんだけどな。
どうやらそれは上手く伝わっていないらしい。
まぁ、褒められたい訳じゃないんだが。
それでも案外、腹は立つものだね。

出来ればあの先輩銃を渡してきたも同じ目にあっていてくれと願った。

案外考える余裕があるほどの元気があることに
男はふっと笑って、目的の場所に向かうため、歩き続ける。
(-468) 2023/09/26(Tue) 0:06:10

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

男は貴方を従順と思っていた。
男は貴方を扱いやすいと思っていた。
それらはどうやら思い違いだったようだ。面倒な、とわかりやすく男の顔が歪んだ。

「全く違う。」


とん。


「お前は犯罪者で俺は警察だ。」

とん、とん。


「立場を弁えろ。」

とん。と、とん。


響いているのは単調な音。
早まり連続するのは苛立ちの証拠。

「現に俺はこちらに座っていて」
「お前はそちらに座っている。」
「答えろ。盗聴器を仕掛けたのは事実か。」

とん。とん。とん。とん。
(-470) 2023/09/26(Tue) 0:08:35

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

撒いたのだと確信してさっさと離れていればよかったのだろうか。
否。

それとも気づかないままに走り続けていればよかったのだろうか。
否。

或いはそもそもここに逃げ込まなければよかったのか?
それが、最善。


足を止めた貴方は振り向いただろうか。
背後の様子を確認しようと首を回しただろうか。
であれば、そうして意識の外になった
そちらから、

────ぐ、 と。

何か・・が、貴方の腕を掴み。

ずる、と。強く引いた。

街へ向かうルートは分かっている・・・・・・・・・・・・・・・
最善を通るだろうということも。
であれば。
待ち伏せることくらいは簡単だ。
(-471) 2023/09/26(Tue) 0:14:47

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 法の下に イレネオ

「ええ?そおですう?」

ぱた。


「でもお、イレネオさんも逮捕されましたしい」

ぱた、ぱた。


「犯罪者…はおんなじですよねえ?」

ぱた、た。ぱた。


小さな子供が遊んでいる。
あなたを真似て、揚げ足をとって、そうしてへらりと笑うのだ。
頭のおかしい愉快犯。それが、今の、あたしの設定。


「――あ。」
「もしかしてえ、これが噂に聞く」
「賄賂って、やつですかあ?悪いんだあ」

けらけらけら。また、控えめな笑い声。
そうやって、女があなたのその立場を探っているのもまた事実。
痺れを切らして答えてしまえば棚ぼただ。それくらいの、淡い狙い。
(-475) 2023/09/26(Tue) 0:26:41

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ

動く視線を追って、見つめる。
何かソワソワしてるのはわかる、きっと何か言いたいのだと、黙ったまま。

「……レオ?」

きょとんとした顔で、こてりと首を傾げた。
あなたがそんな風に呼ばれているのは、聞いたことがない。
昔呼ばれた愛称なのかもしれないが、そういう話も聞いたことはなかった。
けれども思い入れがあるのか、それとも誰も呼ばぬ名で呼んでほしいのか理由はわからないが、あなたはそう呼んでほしいらしい。
それなら、断る理由はなくて。

「……わかった。じゃあここでいい子に待てたらね」

本当は今すぐだって呼んで構わないのだけど、それじゃご褒美の意味がない。
無事にここから出ることができたら、その時は呼ぼう。
約束するよと頷く。

「また痛み止め持っては来るけど……、
 仕事に戻らないとだから、僕はそろそろ行くよ」

何度だって、いつだって。
生きてさえいれば呼んであげるよ。――レオ。


「またね」
(-476) 2023/09/26(Tue) 0:28:40

【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ

最善を選んだつもりだった。自分でも。
街にさえ出られれば、この時間でも多少の人通りがある。
人目につくようなことは避けるだろうと思ったから。

だから、街に向かってると分かった時点で"深追いはしない"と、そう思い込んだ。
思い込まされていた。


だから、想定通りであったことを確認するために。
足を止めて、振り向いたのだ。

「―――っ、あ……!?」

意識の外であれば、油断していたのとそう変わりはなく。
強く引かれた身体は、そちらへと引き寄せられる。
勢い任せにぶつかってしまっただろうか。あるいは、バランスを崩して。寄せられた先でたたらを踏んでしまっているのだろう。
(-477) 2023/09/26(Tue) 0:30:24

【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ

耳障りな音。音。音。
それに加えて悪趣味な言葉!

男は口を開いただろう。きっと何か言おうとした。しかし、その前に。


────
キイ
、イ、
イ、ィ。



あんまりに、
耳障りな音!


男は思い切り顔を顰めた。そうして去る後ろ姿から早々に視線を外し、大きく舌打ちをひとつ。


それだけ。
男は全く真面目な警官だ。
仕事の時間・・・・・になればきっと、全てが切り替わる。
貴方の言葉は、毒にも薬にもならない。

名前は、次の仕事・・ででも聞きだせばいい。
(-478) 2023/09/26(Tue) 0:32:33

【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ

取調室。
そこは最早男の定位置になりつつあった。捕まってから特命を受けてからこっち、牢で暮らす時間よりもここにいる方が長いように思う。

嘆かわしいことだ。それはそれだけ、この国に悪人がいたということの証左で。
ため息を吐き、資料に印字された名前を見て眉を顰める。リヴィオ・アリエスト。それは男の先輩であり、同僚であり、善良な警察官であったはずの男の名だった。

そうこうしているうちに、ノックの音。
男は顔を上げて貴方を迎えるだろう。瞳にはかつて向けていたものとは違う、軽蔑の色。

貴方を連れてきた警官らにいつも通り会釈して。
さて。ほとんどルーチン化した作業。ペンで紙面を叩き、席に着けと促した。
(-492) 2023/09/26(Tue) 2:17:31

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

ガシャン。


突如、大きな音が響いた。
それは男が膝で机を蹴り上げた音。
痺れを切らした男が実力行使に出ようとした音。


「俺は。」
「選ばれたんだよ、ダニエラ。」
「正当な仕事を言い渡されてここにいる。」

たん。
たん。たん。
だん。


苛立ちの証拠。ペンの音が大きく、だんだん攻撃的になっていく。
迂遠な言葉は、それでも貴方の知りたい一端になったかもしれない。

「三度目だ。」
「それだけ答えろ。」
事実か・・・?」
(-493) 2023/09/26(Tue) 2:24:25

【秘】 リヴィオ → 幕の中で イレネオ

取調室前に辿り着いて、一人の看守が扉を開ける。
中に入るよう促され歩けば、手元で冷たく重い鎖の音がした。

正直なところ、そこにいる人物に予想外だとは思わない。
だから、"いつも通り"、男は口を開いて。

「…やぁ、イレネオ。君に会うのは随分と久しい気がするよ」

無駄口。傍の看守から鋭い眼光を感じるが無視だ。
何もしていないとは言わないが、ここにいる人間に
そのような視線を向けられる何かをしたとも言えない。

君の軽蔑の色も緩やかな微笑みで受け止めて、
促されるままに席に着いた。

男の顔色は良いとは言えないが、
収容所で死んだように眠っていた人物と同一だとは思えない。
ぱっと見てその形跡があるとすれば小さく跳ねた髪くらい。

勿論、近付けば見える額に滲む汗も、また。
(-494) 2023/09/26(Tue) 2:37:31

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

男は考えている。貴方の扱い・・を。
それは酷く傲慢で横暴な様だ。男に課された目的は尋問であり、自白の強要であり、こんなお遊び・・・ではない。
男は貴方と違う。何も薬剤を投与されているわけではない。
今は。

それでも脳を染めていくのは心地よい、奇妙な万能感。目の前の貴方を自分は好きにできるのだという勘違い。
もう一突きもすれば崩れるかな。
力の抜ける貴方の手を感じて男は思う。
何が? 貴方の理性。何のために? 何の​────そう、問いの答えを得るために。
問いって?
なんだっけ。
まあいいか。



片手は貴方の背中に添えている。
貴方が暴れたから、机の位置は少し遠くなった。
それを認めて、男はうん、と頷いた。

(-496) 2023/09/26(Tue) 3:27:28

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

貴方の身体を机の方に倒させる。
そうすれば背がそこに乗るだろう。男の手による支えはいらなくなる。背中を机に支えられ両足を床に着く姿勢。半端なブリッヂのような姿勢、で伝わるだろうか。
自由になった両手をあなたの身体の両側に着く。さあ、こうすれば貴方は逃げられなくなる。

そうして、そのまま。
身体を添わせるようにして、男は貴方に自らの影を重ね。
これまでもそうしてきたように、
貴方の唇に、自身のそれを重ねようと​────勿論、貴方の抵抗がなければの話。

それでも男は正気だった。
悪法に身を委ね、狂法に賛成し、その手先となっても。
男はずっと正気だった。これは真面目な警官だ。

正気のまま、貴方を辱めている。
(-497) 2023/09/26(Tue) 3:27:43

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

「…あは。」

大きな音。女は肩を竦めた。

「選ばれたあ」
「ふうん」

怯むことなく、間延びした声。
いつも通りの笑顔。
笑うのだけは、得意だった。


ぱた。
ぱた。ぱた。ぱた。

「正当な仕事……ああ。」
「つまり、
これ
のことですかあ。」
「大変ですねえ。イレネオさん」

「何人くらいとお話したんですう?」
「もしかして、ここに来た人全員ですかあ?」
「忙しそお。」

ひとつ答えるとまた次が湧く。尋問とはそういうものだろう。
女は決して尋問をしているわけではなかったが。
また楽しそうにけらけらと笑う。これは必要な事だから。

………ほんとうは、こわい。すごく。
けれど本心なんてひとつも見せず笑うのだけは、女は得意だった。
(-503) 2023/09/26(Tue) 5:37:44

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ

「……? おー。そうだな」

男は大体の懲悪勧善主義は五月蠅い御託を並べるものだと思っていた。
しかしそれは単純明快かつ、自分の問いとはまったく噛み合わず、されど理解が出来てしまった。
この男、一体どこの忠犬なのかと。警察に所属しているのではなかったのか?
それにしても、こんな人間早々いないだろうとも思った。

不遜であることも倫理観からして承知だが、
ここ数日で人間らしくない人間を連続で見てしまって感覚が麻痺してきていた。

教えられた通りのことを信じて疑わず、一途にその手をふるって裁きを下す。
本当に、似たものばかりが集まっているのかこの煮凝りのような牢獄は。

「この国をめちゃくちゃにした輩がのうのうと暮らすのが悪い。
 ここにきて罰を受け自分が悪人であると、わからなければいけない」

「そこに償いは?
 罰を受けた後は赦されてもいいんじゃないか」

「お前、――自分が悪人でないと思っていないか。
 世間はお前を罰を受けて償いをしなければいけない存在だと捉えている。
 そして、俺も、ここに入るべくして入った輩だと思っている。
 思想が違う人間皆悪人だなんて言わないよな」
(-505) 2023/09/26(Tue) 5:51:05

【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ

ふうん、と鼻を鳴らして。

「アリソン女史のことか?
 まぁ昔の知り合いだね」

にやにやとした笑みを崩さず、答える。

「彼女は面白いヤツでな、三日月島の朝焼けが好きだというんだ。
 ずっとこの島にいるとそういう気はしないもんだし、
 ノンキに海を眺めるなんてこともそうないんだが…
 そう言われて海を見てみると、不思議と今まで見たことがない景色だったような気にもなる。
 ヤア、そうなると、心持も違ってくるというものだ」

ぽろぽろと零れ落ちるように、
捜査に役立ちそうなにもないことばかり。

「だが女のことをどんくらい知ってるなんて、
 紳士的に見ればあまり話すべきじゃないしなあ。
 残念ながら好きな下着とかスリーサイズは知らないよ」
(-508) 2023/09/26(Tue) 6:21:41

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

男は既に、薬で意識が朦朧で
それでも理性を保っているのは
他でもない弟妹と、守らねばと決めた人の為。
何かが違う気がする…けれどそれがきっと一番。


けれど、目の前の男が何を考えているかだとか
そんな事を考える余裕は最早なかった。

されるがままに、力が抜けるままに机に倒されて
顔が近づいてようやっと、何をされそうか気付いた時には
その唇は重なっていただろう。

「ッ…!」

女程ではないにせよ、柔らかい感触を感じて
最後に出来た抵抗は、唇を引き結ぶことのみだった。
(-519) 2023/09/26(Tue) 8:35:14

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ

一撃は確かに貴方の頬を捉えた筈だった。
されど──首元の圧迫感は変わらぬまま。

「────ッ」

ならばその手を離そうかと指先を動かそうとしたところで。
あ、だめだ、
先程の一撃で痛みが酷く言うことを効かない。
足掻こうとした最中にも真っ直ぐとぶつけられる。
所以の分からない激情が、憎悪が、怒りが。
その理由を知りたいと望んだところで……もう、遅いのだろう。

────くらり。

「…………ぁ、」


大した音は漏れなかった。
ぷつんと電源が切れたみたいに。
男の身体から力が抜ける。
がくんと首が傾く。

先に限界を迎えたのはこちらの意識だった。

名を呼ばれても、痛みを与えても。
しばらくはぴくりとも反応しない。
気を失った男は、ただの物同然となることだろう。

全てを手放すその前。
怒りと敵意の渦巻く奥底に未だ見る。
あなたの隣人で居たかった、などと。
悲しみを抱く弱さは、
矢張り警官に向くものではないのかもしれない。
(-524) 2023/09/26(Tue) 9:52:56

【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

首を傾げる貴方。それに、こくりと頷く。
理由については説明しづらいのだろうか。何も追及してこない貴方に甘えて、それ以上口に出すこともなく、ただ大人しくしている。

誰にも言うつもりはなかった。
強い意志で隠していたのではない。単に、必要なかった。
誰にでもあるだろう幼少期の記憶。そのひとつ。
かさついたあたたかい手に撫でられた想い出。
その人だけが、自分をそう呼んだ。



いい子で待てたら、と言われればそれにも小さく頷いたはずだ。
少し俯いたまま、少し視線を逸らしたまま。それでも安心したように、表情を緩めてはにかんだ。

それは、
勇気を出して渡した宝物を、
受け取ってもらえた子どものような。
そんな顔だった。


(-543) 2023/09/26(Tue) 12:46:00

【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

そうして、続く言葉にもう一度頷いて。

「ありがとうございます。」

ようやく目を合わせた男は、憑き物が落ちたようにすっきりと言った。
それは先の約束へのものに聞こえたかもしれないし、単に差し入れに対してに聞こえたかもしれない。
最後にひとつ、名残を惜しむように肌を撫でた。それだけ。
引き留めることはせずに、貴方の背を目で追って見送った。
(-544) 2023/09/26(Tue) 12:48:45

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

強い腕が貴方を引き寄せる。
それは何もロマンチックな話ではない。場合によっては暴行と呼ばれる点でのみ共通する。

隘路に潜む獲物を引きずり出し、己に有利な状況に持ち込むように。
貴方が連れ出されるのは、先程よりは広い路地だ。

ぶつかった・・・・・だろう。倒れ込む形。
そうして捕まった・・・・

「逃げたな。」

暗い夜の路地裏。暗い色をした衣服を着た長身の男。
端的な一言は、まるで悪役だ。

「ノッテファミリーか。」
「仕事帰りか? 臭う・・ぞ。」
(-545) 2023/09/26(Tue) 12:56:47

【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ

「そうですね。」

犬は受けた恩を忘れない。
貴方が自分の先輩であったこと、共に働いたことを忘れているわけでは当然ない。
だから一層嘆かわしい。だから一層恨めしい。だから一層憎らしい。

「俺も会いたくなかったですよ。」

そう言った言葉に、実際どれ程の感情が籠っていたのか。
男のかんばせに傷心は浮かんでいない。ただ冴えて冷えた蔑みだけがあった。貴方も見たことがあるかもしれない、それは男が悪人に向ける顔。

こん。
こん、こん。

響く音はここ数日で癖になったもの。
しかし男は、この仕事・・を、作業にしてはいなかった。
(-548) 2023/09/26(Tue) 13:14:42

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

ばん。


音。大きな音。
それは男が机を叩いた音。
単純な威圧。分かりやすく、安直な。

「ダニエラ。」


これで、貴方が止めないなら。
それは慈悲だ。男の────善性と言うのは乱暴か。
それでも、ここが境界。越えさせれば、貴方は傷を負うことになる。

男はまた、椅子を鳴らして立ち上がり。
貴方より長いリーチをいいことにして。
その襟元を、締め上げるように掴むはずだ。
(-549) 2023/09/26(Tue) 13:28:47

【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ

倒れ込んだ先。
自分の手を掴んで引き込んだのは、助けに来た"家族"なんかではなくて。
先程、自分に探りを入れた男。
やっぱり全部聞いてたんじゃない。と舌打ちでも出てしまいそうだ。

「逃げて当然でしょう。電話の内容を不躾に尋ねた上で、かまをかけてくるような男。信用ならないもの」

口では余裕ぶってそう言うものの。
ぐ、と掴まれた腕を振りほどこうと力を込める。

「離して」
「あなたに話したことが全てよ」

冷や汗。
冷静を装ってこそいるが、あなたの前にいることは自分に得がないと分かっている。
知らない振りでまだ、やり過ごせやしないだろうかと。

広い路地の、逃げ道を探る。
暗がりに目を凝らすその時間は、明確な隙になるだろう。
(-550) 2023/09/26(Tue) 13:29:30

【秘】 幕の中で イレネオ → 口に金貨を ルチアーノ

男は警察である。模範的で、至極真っ当な警官である。
真面目だから法に従う。
真面目だから忠実でいる。
その病的なまでの生真面目さを育んだのは誰だったのだろう。


さて。
貴方の言葉に対し、男は片眉を持ち上げた。
心底意味が解らない・・・・・・・・・

それは、そんな表情。

罰なんか受けちゃいないだろう・・・・・・・・・・・・・・。」

ここは留置所だぞ・・・・・・・・刑務所じゃない・・・・・・・。」

連日に渡って振るった暴力は、何も裁きのためのものではない。
それは手段だった。任務を遂行するための。仕事に熱心な男の、ただの仕事の一部だった。
私刑の意図など毛の先程もない。


「そうだな。受けた後ならいいんじゃないか。」
「それがどうした?」

お前は何を、当然のことを。
そう言いたげな声音は、男が心からそう考えていることの証左だった。
この男は、法に忠実だ。
法がそう裁いたなら、ひとつの文句も出しはしない。
法がそう裁いたなら。
(-551) 2023/09/26(Tue) 13:47:16

【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡

そういう・・・・話は聞いていない。」

にやついた笑顔、対していつも通りの渋面。
聞きたいのは思い出話でも、女の趣味の話でもない。

「どうしてお前が知っている?」
「彼女の……話は」
「極秘事項だったはずだが。」

彼女の素性。彼女の献金。彼女の交渉。
それらは全て、署長代理との間で行われた物のはずだった。
マフィアである貴方が知りようはずもない。
この男でさえ知らない話だったのだ。あの日まで。それもまた、気に食わない。


「どこで繋がった?」
「どういう話をしたんだ。」

彼女の行動にマフィアの息がかかっていたら。
それを探れ。主人・・の命令だ。


搦手の使えぬ男には荷が重いだろうに。
(-553) 2023/09/26(Tue) 14:15:12

【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ

「どうしてだと思う?
 ……というか」

器用に手錠をしたまま、頬杖をつく。
ここに看守がいれば態度が悪いと指導をしただろうが、
ここには今あなたしかいない。

「そこまでいけば、簡単な話だと思うがね。
 ──聞いてねえのか? 飼い主ハンドラーから」

答えはすでにそこにある。
少し意外そうな顔をして、尋ねた。
(-554) 2023/09/26(Tue) 14:21:02

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

ここまでしておいて。
こうまでしておいて。
それでもなおこの男は、
貴方に欲情していない。
これは欲からくる行為ではない。

眼鏡が邪魔だ。
気付いて寸前でそれを外せば、貴方が唇を引き結ぶ最後の抵抗が見えた。
死にかけのうさぎのようなささやかなそれに、口角が上がる。

(-557) 2023/09/26(Tue) 14:51:51

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

一度。
唇を重ねる。押し付けるような、触れあうだけのそれ。
同時に男は手の位置を移動させた。貴方が逃げないことを知って閉じ込めるのを止める。片手は貴方の頭に回る。
具合・・を確かめるようにもう一度。

「口」
「開けましょうよ」

片手は貴方の下肢に回る。
直接は触れない。付け根を撫でるだけ、けれど。
声ひとつが漏れれば、滑り込ませる隙はある。
(-558) 2023/09/26(Tue) 14:52:08

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

これはその後の話。
気を失った貴方の姿に、これは大きく舌を打ち。
けれどその身体を、手酷く投げ捨てるなどということはしなかった。

ゆっくりと息を吸う。
それを長く吐く。
そうして目を閉じれば、そこにあるのはいつもの顔。
冷静で生真面目で四角四面で、正義漢のイレネオ・デ・マリア。

貴方を椅子に座らせて、男は落ち着いて人を呼んだ。
やはり体調が悪い。
治療を優先するように。

男が貴方にしたことは、それきり。
きっと、もう会うこともないだろう。


男にとって、貴方は隣人であった。
それでも、しかし。
隣人を須らく愛するほどには、
男は情深い人間ではなかった。
(-559) 2023/09/26(Tue) 15:22:00

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

「…なんですかあ。」
「いいじゃないですかあ、別にい」
「あたしは」
「イレネオさんをおもって、言ってるんですよお」

間延びした声で、女は述べた。
女にとって、必要なことを。
そしてあなたにとって、不必要なことを。

――つ、と一瞬。呼吸が奪われるのはその頃か。
そんな状態で、女の口許はやおらに弧を描いた。

「…もういっかい、聞きます、けどお…、」

絞り出すような声。
塞がれた両手が抵抗を許さないから、そのままの姿勢で。

これ
、何人くらいに、したんです、かあ?」

なんの危険も感じていなさそうに振る舞う。
こわい。こわい。こわい。こわい。でも。…でも。
(-561) 2023/09/26(Tue) 15:36:35

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

「離すと思うか。」
「全てなら尚更。」

焦った様子の貴方に対して男は高揚を見せない。
これは仕事である。これは責務である。これは使命である。
男の楽しみはそこにない。これから齎されることにもまた。
単に遂行する。過剰なまでにやり遂げる。これは法の犬だ。

隙を、見せてはいけなかった。

がん。
足元に衝撃。
払うように一閃すれば貴方の身体は宙を舞うだろうか。そのまま地に叩きつけられるだろうか。
一瞬動きが止まってくれればいい。その一瞬、男の四肢が自由になったなら。
次の瞬間にはより有利な体制に持ち込める。貴方の四肢を上から抑え、携帯を取り上げて────顔認証でもあれば、解除は楽なのだが。
(-562) 2023/09/26(Tue) 15:37:34

【墓】 幕の中で イレネオ

とん。
ととん。とん。とん。

とん。────とん。

いつもの音。
いつもの音が響いている。
いつも通りの音だけが。

男は仕事中・・・だ。


#取調室
(+77) 2023/09/26(Tue) 15:41:23

【秘】 リヴィオ → 幕の中で イレネオ

「おや、君は誤解しているようだ。
俺は別に、
会いたくない
とは言ってないだろ?」

あぁ、でも君は
そう
なんだな。
微笑みを崩さないまま、翠眼を細めて君を見ている。

「…さて、ひとつ君に先に伝えておこうと思うんだが。
 俺は
銃の所持以外に疑われることは何もない

 上が何を考えて俺を呼んだのかは分からないが……」

「……俺を嫌いなあの狐目の警部補先輩が、
 俺を貶めるためだけに銃をかっぱらってきた」

それだけが事実だ。
勿論、その後に手元に置いていた事実も認めよう。
現物は出頭時に渡しているからね、直ぐに分かるはず。

手錠で縛られた両手を軽く揺らして、
君がどう反応を示すのか待っている。

これで済むなら、君はここに居ないんだろうが。
(-567) 2023/09/26(Tue) 16:06:03

【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡

金属のぶつかる軽い音と共に貴方が姿勢を変える。
それに男は少し身を引いて、僅かに顔を顰めた。
言っても無駄だということは何度も噛みつこうとして知っているし、敵意のない行動をいちいち咎めるのは正義に反する。
顔を顰めるだけ。歯をかち、と鳴らしただけだ。

男は何も知らない。
何も教えられていない。
この男は、過激派一派にとって一員ではない・・・・・・
足切りが効く程度の駒。
放てば走る忠実な猟犬。
加えて、その一派もまた一枚岩ではない。
指令は、常に最上から最下層に下るわけではない。


鳴らした歯を不機嫌そうに噛み締めて男は黙った。
この男は、そう頭がいいわけではない。
思考するより行動する方が余程得意だ。
おまけにこの歳まで来た頭の固さ。
加えて世の中の複雑さを知らぬ純粋培養。
簡単に導けるはずの答えは、偏見に阻まれて出てこない。
(-568) 2023/09/26(Tue) 16:09:08

【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ

「………はー。
 ほんと、なんだかな。

 おまえら、もうちょい互いに信頼したほうがいいんじゃねえの」

頬杖をついたまま、かちゃり、と音。
指があなたのほうをむいて。

「お前の飼い主が近く、公表するさ。
 それを待てよ。
 俺から聞くより、よっぽど信じられるだろ?
 俺も何度も同じこと話したくないんだわ、お前ら警察に」

それを知らないふりをして、投げやりに答える。
『そうでない』と認めるのなら、話してやるよ─と言外に。
で。と、続け。

「他には?」
(-569) 2023/09/26(Tue) 16:19:33

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

さあな。
とは、言わなかった。

男の腕が貴方の呼吸を奪う。
命まで取るつもりはない。そうすれば貴方は話せない。だから、

ばちん。


頬を打つ音がまず、ひとつ。
一番単純な、一番簡単な、暴力のかたち。
衝撃は貴方の顔にどれくらい伝わったか。
少なくとも横向くくらいはしただろう。それを無理矢理正面に戻させる。

五人目だよ・・・・・。」

「お前でな。」

男は真面目な警官だった。
職務に対して真摯だった。
だからこそこの取調べも、
流れ作業にはしていない。
一人一人に対し、きちんと向き合って・・・・・・・・・いる。


「一言で答えろ。」
まだ許してやる・・・・・・・。」
「マフィアを幇助する目的でA.C.Aの情報を売ったのは、事実か?」
(-570) 2023/09/26(Tue) 16:26:56

【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ

「拘留者同士で罪の擦り付け合いですか。」

こん。こん。こん。

「嘆かわしいな。」
「警察はいつからこう・・なったんだ。」

こん。こん。こん。

お前・・には。」
「マフィアの内通者である、と。容疑がかけられている。」

貴方の口から出る以上の事実を男は求めている。
話せ、と単調な音が急いた。
(-571) 2023/09/26(Tue) 16:40:14

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

頬に鋭く、痛み。
その衝撃で、眼鏡が飛んだ。
乱視の視界は、ぼやりと霞む。

「…あははっ」

怖いと叫ぶ心を怖くないと騙す。
そうして笑ってしまえば欠片も本心は表へ出なかった。

「マフィアに…売った?」
「【A.C.A】の情報を…、ですかあ?」
「…あははっ、ふふっ、ちょっとお、」
「あんま笑わせないで、くださいよお」

肩を揺らして、控えめにからころと。
ほんとうに可笑しそうに女は哂う。
しかしそれだけ。あなたの問いには、答えない。
(-573) 2023/09/26(Tue) 16:43:31

【秘】 リヴィオ → 幕の中で イレネオ

あぁ、あの狐目先輩め。

どうせこうなると思ったんだ。
だからボイスレコーダーを用意したというのに、
所持をしていたという事実が潔白を塗り潰す。

「…はは、なるほど。それは面白い容疑だね。
 しかし今言ったように俺にはあれ以上話せることはない」

嘆かわしいものだね。
本当に、一体いつから警察は
こう
なったのか。

微笑むことをやめ、真っ直ぐに君を見つめる。
そうして一呼吸の後、再度口を開いて。

「つまりだ、その事実を俺は否定しよう。
 
俺はマフィアの内通者ではない
、話は以上だ」

否定する。ない事実は認めようがないものだ。
1度でもひるめばそれが隙になるのだと、男は知っていた。

「仕事熱心もいいが、君も少し休暇を取るのはどうかな?
 疲れるだろう、こういう時間は」
(-577) 2023/09/26(Tue) 17:14:23

【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ

ああ、全く融通が利かない人!
高揚していない様子がさらに焦りを加速させる。
楽しんでいるなら、やりようはいくらでもある。気を逸らすことが出来る。
だけど、これは―――

「っ、え」

抜け道を探していた、足が浮いて 視界が回る。
気が付けば、視界には石畳。
左肩を強く打ちつける形で、横向きに地へとたたきつけられた。漏れるうめき声。眉は強く寄せられた。

手から携帯がすっぽ抜け、少し先の地面に転がっている。
流石に画面は消されているようだが。
(-578) 2023/09/26(Tue) 17:15:44

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

貴方の言葉には、声を出さずに鼻で笑う。
傍目から見ればまるで恋人の睦み合いのようなのに
向けられる目線は軽蔑と羞恥のもの。

しかしそれも
下肢に触れられるだけで、脆く崩れる。

「っ、ぁ……」

体が震えて
小さく、声が零れ落ちた。
焦らされるような錯覚に、息が上がるだろう。
(-585) 2023/09/26(Tue) 18:22:24

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

男にはそれで十分。
この行為を貫徹するにはそれだけでいい。
開いたと見ればもう一度重ねた。三度。開いたところに舌を潜らせる。

薬剤のせいで止めどなく分泌される唾液がぬるついた。
舌を絡ませようとすれば逃げるだろうか。咎めるように下肢を撫でれば弛緩するだろうか、それとも引き攣るのだろうか。わざと音を立てるようにするのだって辱めだ。
服越しに合わせた肌の体温が上がった気がする。
口の中はきっと一際熱い。その感触に男も目を細めた。

この男に、男を抱く趣味はない。
それでもさして抵抗があるわけでもなかった。
布越しの性器の具合を確認してやろうか。
自分に果てさせられるのはさぞ嫌だろうな。
(-604) 2023/09/26(Tue) 19:43:19
イレネオは、柔らかい肉が好きだ。
(c45) 2023/09/26(Tue) 19:44:20

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

ばちん。
二度。
両頬がひりつくように痛むはずだ。
しかし話せない程の痛みは当然ないはずで。

笑う貴方を見下ろす男の瞳は冷たい。
困惑はそこになかった。不審そうに眉根を寄せはしたが、それだけ。

「違うならそれも吐け。」
「それから盗聴器の入手元。」
「笑っていたいなら尚更だ。」

ぐ、と首元が詰まる。
窒息しない程度、しかし息が苦しい程度に。
それは男の意思によるものというより、無意識の苛立ちにこもった力のせいらしかった。

徐々に。
徐々に、強くなる痛みの気配が近づいて。
(-608) 2023/09/26(Tue) 20:09:47

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ

「…………裁判所に犬小屋でも建ててでも住んでるような男だなお前」

感心した、洗脳や諸々とも似ていて精錬された法の番犬。
自分の身内が関わっていなければ何も間違ってないと言ってやれもしたし、その上で文句を言ってもっと立ち振舞を変えるように口を出していたかもしれない。

そうだ、貴方に対する違和感はその口調と態度なのだ。
もっと柔らかければヘイトを買わずに不備なくその正義を執行できるのではないのだろうか。
なんて不毛なことを考える、こんな提案も通ることなどないし気にされることもなさそうで。

「いいや、わざわざ時間を取らせたな。
 お前の手を煩わせるときが来たらそれはもう嫌がりながら声をかけに来てやろう。
 なんとも雲行きが怪しいデートだなあ?
 その罰も、罪も関係ない。お前を見るのが楽しそうなんでね。
 俺は楽しみにしているよ、お前はどうかは知らんがな。」

そう言って踵を返して牢から離れていく。
驚くほどに悪感情も良い感情も抱かなかった。
善悪がないと言うのはこういう物でもあるのかもしれないと、興味対象として覚えてしまった。
同時にそれが真の平等かは、哲学問題は不得意なので考えるのを辞める。

危うい人間であると思ったが、さて。
思ったよりも子供みたいなやつで毒気が抜かれてしまった、と。
こんな感想を持つのも自分だけなのかもしれないと独りごちた。
(-609) 2023/09/26(Tue) 20:09:52

【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ

「そうか。」

毅然とした貴方の態度。
それをそのまま跳ね返すような頑なさで男も言う。

「必要ない。」
「お前が早く吐いてくれればいいだけのことだよ。」

ととん。とん。とん。

「それまで帰さない・・・・。」
何から始める?・・・・・・・

目には目を。
歯には歯を。
毅然とした態度には毅然とした態度。
これは根比べだ。
誰にも得はない。
(-615) 2023/09/26(Tue) 20:26:55

【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡

貴方のそういう物言いが男は嫌いだった。
まるで対等な人間同士ででもあるような。
まるで同じ立場で横に並んでいるような。
そうやってのらりくらりとしたところが、
まるで真理を語っているかのような物言いが、好きではなかった。

「それも」
「何故知っている?」
「お前は……」

ととん。
音は僅かに小さく。
苛立ちよりは
興味
猜疑

金色は今はレンズ越し。貴方の瞳を覗き込むような温度。
こういう目を、この男は時々した。
何もかも始まる前の時。
まだこの男が真に法の下にいた時の話。
貴方を悪だと断じるくせに、貴方の言葉から何かを受け取ろうとする瞳だ。
(-617) 2023/09/26(Tue) 20:37:15

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

膝で貴方の身体を押さえつける。
馬乗りにはならない。強姦魔犯罪者と罵られてはかなわない。
手の届かなくなるまえに携帯を掴めばそのままタップして貴方の顔に翳す。
しかしロックは解除されなかった。舌打ちをひとつしてポケットに仕舞い込む。

「何をしていた?」
「役職は。誰を呼んだ?」
「殺しか?」

黒眼鏡・・・と言ったな?」


体重をかける。
まだ、それだけ。
(-622) 2023/09/26(Tue) 20:44:53

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

また頬へ、鋭い痛み。そうしてじん、と。
触らなくとも、熱を持つのがわかった。

「だか、らぁ…っ」

――喉の奥。生理的に零れた呻き声。
それでも女は口角を上げ。零れる声も、その色を保ったままだった。
こわくない。笑え。


「売りま、せん、よぉ…っ」
「結果を、見て、わかりま…せんかぁ?」

「――あた、しはっ」

かしゃり、手錠の鎖が鳴って。

「誰が、A.C.Aか、調べ…てえ…っ」
「その人たちを、みんな、逮捕しよおとした…んです、よおっ…」

あは、とまた喉から笑い声が落ちる。
そして。これは。
あなたの望んだ、真実だ。
(-623) 2023/09/26(Tue) 20:45:57

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

「こおんな、」

でも。
まだだ。終わらない。笑え。


「悪用しやすい、法案」
「作る方が、悪いってえ…っ」

「だから、ぁ」
「一般人も、巻き込んで、やりまし…たぁ…っ」

口が回るうちに。
…もう機会は、ないかもしれないから。


「――言ってる意味」
「…わかり、ますかぁ…?」

けた、けた。些か力なく、喉が鳴る。
そして。これは。
嘘だ。
…けれど。
果たして今すぐに、それを判断することはできるだろうか。
虚実の境を、見つめることはできるだろうか。


女はいう。
自分は確かに悪人であると。
法を利用し、嘲った、
愉快犯
であるのだと。
(-624) 2023/09/26(Tue) 20:46:58

【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ

にやにやと笑いながら、
まるで人間のようにあなたに相対し続ける。

「俺は俺の知ってることしか知らんよ。
 お前だって、自分が仕組んだこと・・・・・・なら分かるだろ?
 逆に、自分の手の及ばないところで起きたことは何も知らない」

両手を開こうとして、手錠がかちゃりと音を立てた。

「――何故か知ってる、なんてことはない。
 知っているから、そこには何かがあるんだ。
 サア、なんだろね」

あなたの瞳の色に、その瞳を好奇に輝かせて。
(-625) 2023/09/26(Tue) 20:47:56
 


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エルヴィーノ
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何処にも行けない

ペネロペ
7回 残 たくさん

何度でも見付けて

ロメオ
8回 残 たくさん

ひとのかたちは

犠牲者 (12)

ガイオ(2d)
0回 残 たくさん

 

エリカ(3d)
0回 残 たくさん

コバルト色を手に

黒眼鏡(3d)
47回 残 たくさん

Kovacs.

ニーノ(3d)
18回 残 たくさん

大丈夫だ

イレネオ(3d)
6回 残 たくさん

薄藍を想った

ニコロ(4d)
0回 残 たくさん

これからも一緒に

カンターミネ(4d)
1回 残 たくさん

いつでも傍に居る

ヴィンセンツィオ(4d)
20回 残 たくさん

白鳥は唄えない

アリーチェ(5d)
0回 残 たくさん

そうだ、わたしは

ルチアーノ(5d)
11回 残 たくさん

もう楽にしてくれ

リヴィオ(6d)
0回 残 たくさん

もうすこしだけ

ダニエラ(6d)
4回 残 たくさん

ほんとは、まだ

処刑者 (4)

ヴィットーレ(3d)
1回 残 たくさん

 

テオドロ(4d)
3回 残 たくさん

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