［プロセラの姿は見つかっただろうか。
　もしかしたら、探している間に、
　他の誰かとすれ違ったかもしれない。

　二十一人の考えが交錯する夜。
　中継機から警報が、ずっと鳴り続けていた――……。］
　

［夜の間は世界の崩壊も、
　少しは落ち着いていただろうか。

　それとも、洋館の周りだけが守られたように
　静かだったのだろうか。

　思った以上に朝早くに目が覚めて。
　妙にすっきりとした目覚めだった。

　いつものように部屋着から着替えて。
　顔を洗って、髪を整えて。

　向かった先は、昨日二十二人が集められた広間。

　『世界』神は優雅に足を組みながら、
　ソファを我が物顔にしていた。

　彼と二人で対峙するのは妙に緊張もしたけれど、
　話しかけられれば、
　朝の挨拶を交わす程度もしたかもしれない。］

　
　
　　私、決めたよ。

　　……ううん、最初から決めてた。
　　迷うことなんてなかった。


　　お願い、『世界』あなたを壊さないで。
　　これ以上、壊さないで。

　　『箱庭』には行かない。……行けない。



　　私は、此処が……『世界』が好きだから！　　



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