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【秘】 薄荷 アンジュ → 仕立て屋 エリー「お、おぉぉ!?」 男性にしては高めのボイス。どこか女性的とさえ思えるソレになってから、音階を刻むようにどんどん低くなって太くなる。 音楽とかそういうのには学がないから分からないけど、同じ人間が出している声なのかと不安になるほどに目を丸くしていた。 「……それは、そうですね。女性相手の接客だとびっくりされそうで……魔除け?みたいにはなりそうですけど。 器用……といって良いのか分からないですけど、エリーさんはすごいですね。そんな声色まで出せるなんて」 なんて笑いながら、これはどうかと提示された化粧品。一つ一つじっくり試して、成分を見て、ついでに値段も見ながら吟味する。 自分のものについては貧乏性が抜けないから困ったものだ。 「まずは、背伸びして立ち上がることも大切ですから。赤子もケガを覚悟で立ち上がらなければ進歩がありませんので。ふへへ……。 じゃあお祭りの最中は、気合を入れるために、ちょっとオシャレな感じになっておきたいですね」 気合いを入れるために、テンションを上げるために。 欲しいものが決まったら……さっき話してくれた通りに、おずおずとだけど奢って貰うことにした。 あれこれ選んでいたらちょっと想定より高くてびっくりしたけど、あなたが支払うのなら深々と頭を下げてお礼を述べた。 「……お付き合いしてくれて、ありがとうございます。色々勉強になりましたし、助かりました」 (-9) 2024/02/08(Thu) 21:57:28 |
【墓】 仕立て屋 エリー「今日は三人か」 掲示を見て、くるりと踵を返す。 普段と比べて、いくらか胸元が膨らんでいるが…… 肩口から見える包帯からして、傷口を布で覆っているから膨らんでいるのが容易に想像できるだろう。 そうして歩いていると、ふと見知った人影をいくつか見つけた。 「あれはプリシラと……カリナか」 空を見上げて、ベンチに視線を降ろして。 普段の明るさはどこへいったのか。無気力そうにぽつりとこぼした。 (+3) 2024/02/08(Thu) 21:57:59 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 薄荷 アンジュ「ちょっとしたコツがあるんだよ。 多少の訓練もしたけどね」 そう、身バレを起こさないように声を変えるのは必須技能だった。 スキルというほどでもない、ただの特技程度。 それでも、今まで役に立ってくれた特技のひとつだ。 「へぇ、いい言葉だね。 それじゃあ次に会う時のアンジュを楽しみにしておこうかな。 あぁ、そういうお礼はいいよ。僕がアンジュに付き合わせてもらったんだしさ。楽しい時間をありがとう。 それで、このお店の陳列とかは勉強になった?」 (-11) 2024/02/08(Thu) 22:05:03 |
【秘】 薄荷 アンジュ → 仕立て屋 エリー「おぉ……やっぱり接客のためには声色を変えたりする必要があるでしょうからね」 そうであろうとそうでなかろうと、身に着けたからには理由があり、あなたにとって必要なことだったのだろう。 それが何なのかは、己の立場では理解することはないのかもしれないけれど。 「うへへ……まだまだ育ち盛りなので。楽しみにしていてください。 そういって頂けるのなら……ありがとうございます。私も楽しかったです。 そうですね……。香料を多く取り扱う都合もあるのですけど、他のものと匂いが混ざらないように配置してあったり、動線がしっかりしてあったり……あと、レイアウトがカラフルというか、見やすいと言うか……そういう印象でした。 売れ筋とか、買って欲しいものをちゃんと考えて配置してる感じで……こういうのだったらマネできるかもしれませんね」 (-13) 2024/02/08(Thu) 22:13:25 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 薄荷 アンジュ「ワントーン高くしたりする程度でいいんだよ。 相手に聞き取りやすい声で話すのが大事だから」 電話応対みたいな……と言おうとして踏みとどまった。 電話で伝わるかはわからないし…… 何より、自分はそのために身に着けたものではないから。 「楽しんでもらえてよかった。育ったアンジュが楽しみだよ。 その時も姿を見せてくれる? 提携相手としてさ。 うんうん、すごくよく見えてるね。 これは店舗だからっていうのもあるけど、アンジュが言ったようなことは露店でも真似できると思う。 だからどんどん真似して繁盛してほしいな。 その時は店舗のお金も融資するからさ。融資だからいずれは返してもらうことになるだろうけど」 (-25) 2024/02/08(Thu) 23:59:12 |
【秘】 薄荷 アンジュ → 仕立て屋 エリー「聞き取りやすい……あぁそういえば、風魔法で通話をするときに伝えづらかったことがありました。 普段のトーンで話すから、こういう別のアイテムを介したお話だと伝わりづらいんだという前提が抜けてて、相手には苦労をかけまして」 はたして、あなたが何を続けようとしたのかはいざ知らず。 何を思うのかもまた知らず。あるのはただ、あなたに向けられた感情は尊敬と感謝であることが真なのだ。 「勿論です。一回り大きくなって、立派な商人として目の前に立つことをお約束…… して良いのかな ……いえ、します」提携相手、取引先。自分が大きくなればなるほど利益を生み、相手も自分も稼ぎが期待できるようになる。 薬師として腕を磨くのは当然だけど、こうした経営とか、お店のこともちゃんと学ばねばなららない。 「そ、そうですか。ならさっそく露店に取り入れてみます。 そ、その時は……融資先もまた、多い方が私としても助かるので……ふへ……きちんとお返しできるように努力します。 今日頂いた化粧品の分も余裕で返せるくらいには」 (-27) 2024/02/09(Fri) 0:15:10 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 薄荷 アンジュ「うん、多分そういうのと同じだと思う。 風魔法使わないから詳しくはわからないけどね」 軽く屈んで、あなたの前に小指を差し出した。 指切りの義は、この国でも通用するだろうか。 「約束。僕にもしものことがあっても、ちゃんと契約書は残しておくし。絶対に大成してくれるって見越してるからさ。 じゃ、とりあえず今日はお開きかな? 家まで送っていくよ。 露店までの方が都合いい?」 (-32) 2024/02/09(Fri) 0:43:40 |
【秘】 薄荷 アンジュ → 仕立て屋 エリーこちらの背に合わせて屈んで、あなたは小指を差し出す。 無意識にこちらも小指を立てる。 故郷では馴染みはないけど、こちらに来てから学んだ約束の儀だ。 「ふへへ……流石にしっかりしていらっしゃいますね」 こうしたなんだかエモーショナルな儀にもきちんと差し込む辺りは、やはり商人として見習いたい部分だ。 苦笑いをして、息を吸って吐いて。あなたの小指に自分の指を絡めて約束を交わした。 肌の色で奇異にみられることもなければ、若さに関係なく自分を肯定してくれる。 それはきっとすごい奇縁で、すごく良いことだ。 「す、すぐに店舗の調整をしたいので……店舗の方までで大丈夫です。まだ時間はありますから」 あなたに買って貰った化粧品の入った袋をしっかりと握りしめながら、少しでも期待に応えるために。 ちょっとでも頑張ろうって思えたから。 「エスコート…よろしくお願いします」 (-34) 2024/02/09(Fri) 1:16:33 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 薄荷 アンジュ「なんたって一国一城の主だからね」 ただ、店舗を持っているだけだけれど。 肌の色、年齢、性別。そんなの全て些細なことだ。 自分はそれらで苦労したけれど、だからと言って他者にそれを強いるつもりはない。 寧ろ、能力があるのなら積極的に取り立てたいと思っている。 今、指を絡めているあなたのように。 ……業務提携は、登用とは別物だけれど。 そうして指切りの儀を終えればあなたにエスコートをお願いされた。 それならば、それに相応しい返しをしなければ。 「じゃあ露店……ううん、店舗の方までエスコート承るよ。 それじゃレディ、お手と荷物を。 責任をもってエスコートさせていただきます」 恭しく傅いて、あなたの前に手を差し出す。 ……少し気障すぎるだろうか? (-37) 2024/02/09(Fri) 2:10:12 |
【秘】 宝石集め カリナ → 仕立て屋 エリー「もしかして慰めながら口説いてくれてる? ふふ、ありがとね」 なんだかあなたに対しては、同じ感覚を持っていそうなところが不思議であり、少し怖くもある。 だってここには痣を光らせられる存在が居るっていうじゃない。あなたを疑っているわけではないのだけれど。 でもちょっと弾んだような内緒話は楽しくて愚痴といっただけに気は緩んでいる。 「ん? えっ!? そんなすごいステータス生きて目にすると思わなかったわ? 生まれもってなら相当じゃない、訓練したって言われても正直信じがたいけど……」 「うん? ……あら逃走に奔走色々あったのね。 ええと……うーーん……悪用だなんて、持って手に入れた才でいい生活を送るのは自然だと思うけど、泥棒?それとも……あー、もったいぶらずに教えて頂戴! どうせココだけの話になるわよ」 (-38) 2024/02/09(Fri) 16:02:41 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 宝石集め カリナ「そう思ってくれて構わないよ? 同じ痣持ち同士、仲良くしたいしさ」 痣を光らせるような相手がいるとは聞く。 実際、研究の副産物で光らせることができる毒はできてしまった。 ……まぁ、それは痣を光らせる不届き者以外に使う気はないけれど。 それよりも、結果である他人の痣を非活性化できる毒の方が重要だ。痣の魔力にアテられる前に、誰かに使ってあげたいものだ。 「えー……いいけど引かないでよ? 依頼者とかブッキング以外ではカリナにしか言ってないから」 周りの様子を見てからあなたの手に触れて、レアスキルの『認識阻害』を発動する。 自分から発せられる物事の解像度が一段階落ちるというスキルだ。 発動時に触れあっている相手も対象となる。 これで盗み聞きされる心配はない。 「今使ったスキルで多少察したかもしれないけど、暗殺とかしてなんとか生計立ててたんだよ。 十つくらいの子供が一人で生きていくためだったから…… ……やっぱり引いた?」 (-39) 2024/02/09(Fri) 17:37:08 |
【秘】 薄荷 アンジュ → 仕立て屋 エリー「ふへへ……お願いします」 調子に乗ってお願いしちゃったけど、あなたはノリよく応じてくれた。 あなたに今買った化粧品の入った袋を持ってもらい、差し出された手を取った。 キザかもしれないけれど、そういった対応なんて縁遠いと思っていたものだから、喜ばないわけにもいかない。 薄っすらと笑みを浮かべて、あなたの眼に視線を絡める。 「一国一城の主様……まるで王子様のようですね」 自分を見定めて背中を押して、そんな自分の手を取るあなた。 なるほど、実際に直面するとこそばゆい気がするけど、いい気分だ。 「それでは参りましょう、エリーさん」 そうしてあなたに手を取られながら、自分の店まで送ってもらうことになるのだろう。 (-53) 2024/02/10(Sat) 16:47:17 |
【秘】 宝石集め カリナ → 仕立て屋 エリー「引かないでっていったのに聞く?」 絡み酒が少し入ったような酩酊の気分の最中、触れられた手に首を傾げていれば認識阻害のスキルに目を瞬かせて、わと声を出す。 「これ、レアスキル? 初めてお目にかかったわね」 「浮かれすぎたかしら? そんな緊張しないで。 正直意外だったし良いことだなんて思わないけど……。 必要だった技術に非難なんてしない、ここはそういう世界よ」 「私だって盗賊ギルドってバレたら、近寄られなくなるの。名前で損してるの」 誰かに言われたそんな言葉を使ってあなたを元気づけるような声掛けをする。盗賊とか暗殺の字が恐いのではと、情報屋や護衛とかもう少し存在するではないか。 この世界では仕方のないこと、立場が違えば自分もする必要があったかもしれないと、口には出さないが覚悟しようとしたことを思い出して。 「殺されそうになるまでは味方よ。 私に依頼が来たら返り討ちにするわ、覚悟して?」 そんな事はできなくとも、言うだけ、酒の勢いは女の気分と調子をよくさせ続けていた。 (-65) 2024/02/11(Sun) 12:20:16 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 宝石集め カリナ「……だって、モンスターじゃなくて人を殺めたなんて。 穢れた手で服を作ってるなんて、引かれても仕方ないかなって」 叱られるのを恐れる子供のように俯いていたけれど、あなたの言葉で視線を戻す。 「必要だった技術……ていうかカリナ、盗賊ギルドだったんだ。 何? 人の心盗むのが得意みたいな?」 元気づけてくれたあなたに、軽いお返しとばかりに冗談を。 共感だけでなく、理詰めで無理矢理納得させられるのはなんだか心地いい気もした。 「それは困るな。 カリナ暗殺依頼が来たらまず保留にしてカリナと相談しないと」 ま、今は依頼を蹴る程度の蓄えは余裕であるのだけど。 穢れた手で今更ゴミ掃除をするくらいならと足を洗えていないのも事実だ。 そしてカリナは宝石であってもゴミではない。 そんな依頼がきても、受けるつもりは毛頭ないのだ。 (-66) 2024/02/11(Sun) 15:52:29 |
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