260 【身内】Secret
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
全て表示
[生理的反応でも嬉しいものなのか。
この手は彼女を抱き締めることはなく
瞳も閉じられたままなのに。]
…………ゃめ、
[そんなことをしなくても、
1人の男と女として知り合っていれば、
今ならば思い出を今に出来たのに。]
[弱弱しい声だけの抵抗も空しく陰茎に圧がかかる。
引き攣れるような圧迫が痛くて歯軋りした。
恋ゆえに繋がりたいなら、何故その裡は愛液で
満たされていないのか。
摩擦で生じる滑りは自分の勃起と同じ生理的反応で、
まるで自らも痛むことを課しているようだ。]
………………な、 ぃて、ンの、か、
[掠れながらも口を動かして声を発する。
力を込めれば手も動かせることに気づいた。
その手を使って虚を突けば、彼女の強姦行為を
辞めさせることが出来るかもしれないが。]
[ルミの言葉はまるで本心を誤魔化すような印象を受けた。
あいしてると言いながら、相手からそう思われないことが
自分でもわかっているかのような。]
なでられ、ンのと、 …一人でっづけ、 ンの、
どっち、
[このまま騎乗位を続けていれば、徐々に感覚を取り戻している
下肢が身体的本能で放熱することは免れない。
それを阻止しようという計算からの問いではない。
ルミ自身が欲しいのは、セックスしたという事実ではないと
ルミが気づいたのではないか。
ただ、泣いている子を撫でたかった。
そしてそれを彼女にも望んでほしかった。
それだけ。**]
[ 恋は万有引力なのだと誰かが言っていた。
ツバキの花が落ちるように音もなく、
りんごの実で堕ちたように先もない。
原初の罪というものがある。
禁断の果実を齧って神に背いた二人の話。
彼らには口にせず共に在り続ける未来があったのに
罪を犯してでも手にしたい何かがあった。
それならば、この恋は。
わたしと貴方、原初の罪の
──その対価は。 ]
[ 初めて食べたアイスの甘さも。
焼き芋の舌を焦がすような熱も。
名前を呼ばれることの嬉しさも。
誰かに花をあげることの情動も。
貴方と同じ名前の生き物がいることも。
痛みも苦しみも愛しさもなにもかも。
貴方が与えて、貴方は消えた。
────忘れようとするたびに、あなたを思い出す。 ]
…………なぁに?
これでもまだ名前で呼んでくれるんだ。
そうすれば逃げられるとでも思ってる?
[ 力も抜けて上手く喋れない状況なら、
いっそわたしに絆された振りをして
隙を突いて逃げる方が現実的かもしれないものね? ]
[ 今更男と女として知り合うなんて出来やしない。
もう一度最初からの幻想は夢のまま。
出会い方が選べないなら、
手離し方は選べるのが人間だよね?
────今度はわたしがそうする番。
一緒に同じ傷を負って。
何を見ても、なにに触れても、どんな日常でも
わたしを思い出して、──死ぬまで傷の中で会おうよ。
制止の言葉は聞いてあげない。
かさぶたを剥がして傷口を抉って貴方を手にする。
夢すら果てる程に焦がれたこの結末が、
──きっと何よりも喜べるはず、だった のに、 ]
…………?
……あぁ
お兄さん、薬切れ始めちゃった……?
[ 先程よりも明確な音になった言葉を耳に入れ、
わたしは問いに答えず小さく呟いた。
視界の端で彼の手がすこしずつ動いている。
身体でも押すか、力に任せて暴れるか。
薬剤の追加投与なんて危うい真似は出来っこない。
ならばと抑えつけるために、彼の肩へ
そっと手を伸ばそうとして── ]
[ 真意が読めなくて、わたしは目を細めて動きを止めた。
滲んだ視界を晴らすように眦を拭ってから、
途切れ途切れに紡がれる言葉へ耳を傾ける。 ]
嘘つき。
そうやって、またわたしから逃げるくせに。
ストーカーにそんなこと言ってまで逃げたいの?
──殺さないって最初から言ってるじゃない。
ああもう、どいつもこいつも、そうやって……!!
[ 唇を噛み締めて、自分の腕に爪を立てた。
傷付いてくれと願った以上大差はないだろうけれど、
物理的に傷を負わせたいなんて思ってはいない。
行き場のない激情を彷徨わせながら、
わたしはもう一度、彼の顔を じ、と見下ろして。 ]
………………………。
…………逃げたら死んでやるから。
[ 目論見通りにはいかないと続けることは出来ただろう。
けれど同時に、彼の幻影を、貴方へ見ていた。
撫でられたかったわけじゃない。
そんな夢はもう小人たちの家に置いてきた。
ただ、もしかすれば、と微かな蜘蛛の糸を手繰ったの。
わたしから逃げないお兄さん。
わたしを、忘れないでいてくれる、お兄さん。 ]
[ 熱を引き抜き、けれど警戒するように跨ったままで
わたしは動向を見守った。
撫でられたかったわけじゃない。
だって、この恋が実らないのと同じで
撫でて貰えるわけがないって理解してるから。
撫でて欲しいなんて望めない。
それだけのことをしてるって、分かってるから。
* ]
[人は忘却の生き物だ。
覚えようとして取り組んだことさえ、1時間後に50%、
24時間後に70%、1か月後には殆どを忘れるという。
自分が忘れていることを詳細に覚えている彼女は、
毎日自分といた日々を思い出して記憶を定着させたのだろうか。
つきあっていた相手だって、毎日自分のことを想ってくれていた
とは限らないのに。
10数年会わない間毎日。
それはどれだけの労力だっただろう。
忘れてしまうことへの恐怖もあったかもしれない。
覚えていなくても咎める人なんていないのに、
「忘れたくない」と思ってくれていたのか。]
[片や、そんな労力も払わず思い出そうとしなかった
自分にも残っている記憶がある。
強く意識しなくても残っていたということは、
それだけ自分にとっても既に深い部分に
根付いていたということだ。
これから彼女が補完してくれれば、
もっと取り戻せる思い出もあるかもしれない。
]
[名前を呼ぶことがどうして逃げることに繋がるのか。
眉毛だけが疑問を浮かべるように動く。
騙して逃げようなんて計算が出来る男ではない。]
………………。
[痛いことに変わりはなくても、
同じ傷にはならないだろう。
だって、相手に離れられたという痛みと、
相手に恋心をぶつけられた痛みは
根本的に違うから。]
[声が震えている。
瞼はまだ重く開きにくいが、手を持ち上げられるということは
やはり薬の効果が切れ始めているのだろう。]
ぅそ、ついて、なぃ。
[本当にならなかったことがあったとしても、
その時の気持ちは絶対に嘘の心算ではなかった。]
……にげるつもり、なら。
もっと動けるよぅになるまで、待ってる。
[こんな少しだけしか動かない状態で
それをルミに明かすメリットなんてない。
動きを見せたのは、言葉と行動通り、撫でようとしただけだ。]
[ルミはどんな表情なのだろう。
目を閉じていると何も見えない。]
……ここまで生きてきたのに。
昔のぉれのことに執着して、
ぃまからのぉれはぁきらめられンだ?
[殺さない、とルミは言った。
その言葉はきっと嘘ではないだろうと今は疑っていない。
逃げたら死んでやる、とは。
罪悪感に苛まれろということか。
自分を加害した相手の自殺で此方の心が痛むと思っているのか。
忘れていたことを詰る癖、自分の中にルミを慈しむ気持ちが
残っていることを期待していないと出ない言葉だと思った。]
……まだないてる?
[摩擦がなくなり、水音を立てて外気に晒された性器が
萎れて落ちる。
二択で選んだのは、自分の望みと合致していると思っているから、
撫でる先を探してもう一度、先程よりもスムーズに
腕を持ち上げた。*]
[ あの時間を忘れて、過去の貴方を記憶に埋めて。
きっとそうするのが一番良い道だったかもしれない。
わたしは貴方を傷付けないし、
貴方も忘れた過去を思い出すこともない。
諦めるのは生きていくだけならとても楽で、
けれど選べたのは無様でも縋りつくいばらの道。
思い出すたびに惨めで痛くて腕を切った。
血を流すたびに生きている実感があって
でも、そこにはいつも、貴方はいない。
]
[ 彼の声は震えながらも、言葉の輪郭を形作る。
持ち上げられた手を見やり、動向を注視しながら
うそではないと紡ぐ声へ目を細めた。 ]
そう思わせて逃げる算段かもしれないじゃない。
[ 理性では彼の言うことが正しいと分かっている。
感情が、一度消えた相手のことを信用できないだけだ。
ちがう。
信用できないという言葉すらも正しくはない。
これ以上、期待して傷付きたくないと
自己防衛に徹しているだけ。 ]
……諦めさせたのはお兄さんなのに、
なんでそんなこと言うの?
わたしから離れて、勝手に消えて、逃げて
新しく女まで作って幸せそうで──
忘れてしまえるような昔の子どもひとりが、
…………ッお兄さんには他にたくさんの人がいても
わたしには、わたしにはずっと、
昔のお兄さんしかいないのに!!
[ どうして勝手に大人になったの。
どうしてわたしの知らない顔を他の女に見せてるの。
今からの貴方を諦めなかったとして、
貴方はわたしのモノになってくれるの? ]
[ 叶わない夢なら最初から星屑になって落ちてしまえ。
咲かない花なら最初から枯れて朽ちて消えてしまえ。
わたしのものにならないお兄さんなら、
いっそ過去に執着していた方が楽だった。
────なのに結局今の貴方の傷を欲しがっている。
相反した感情と憎悪と愛情。
矛盾を抱えていることくらい分かっていて、
途方もない夢だけは見ないように自制して。 ]
…………おかげさまで。
[ ここで可愛く愛想を撒けるような女の子だったら、
ここで、強がって突き放せるくらい強ければ。
なにかを探すように持ち上げられる腕を見やり、
そ、とすこしだけ頭を下げる。
────撫でられたいなんて、思う資格はないけれど
ふれられたいと、願ってしまって。* ]
[忘れることも覚えていることも
男には傷とならなかった。
より多くの人と過ごして経験してきたことを背負うには
一つ一つの思い出のウェイトを軽くしないと
動けなくなることを、人間の脳は知っていて、
それに強い意思を介入させた者だけが
その最適化をカスタマイズすることができる。
物理的に流れた時間は同じ。
ルミが自分との思い出のウェイトを変えまいと
懸命に抗った結果負った痛みは、
「今」手当てすることはできない。]
[だが、「今」痛んでいる彼女には間に合うと、
それを願ってしまった。
その想いが防衛本能から来るものと解釈することは
出来るだろう。
ストックホルム症候群と名付けたければそれで良い。
それで躊躇するくらいなら、動かしにくい腕に
無理に力を入れていない。]
俺だけを、想って、ここまでひとりで
頑張ったって・・…聞いて、
俺は、ふつうに感動した、けど。
[悪意なく取った行動を詰られることよりも、
「ずっと昔のお兄さんしかいないのに」という言葉の方が
胸を抉った。
会えない相手なんて忘れた方が楽な筈だ。
頑張る必要なんてどこにもない。
だが自分にだけ執着したルミは
生きることを放棄せず
自分への恋を何度も反芻して定着させた。
取った手段は犯罪だが、それに至る感情そのものには
感動としか言い表せない気持ちを産んだ。]
[ケホ、と咳をする。
無理矢理口を動かしたからか喉奥がヒリヒリする。]
……間に合わなかったか。
まーいいや。
[泣き止んだと聞いた。
本当かは知らないが、本当でも嘘でもやることは変わらない。
触った感触があった。
体温までは移らないほどの微か。
そこが頭でなかったとしても良い。
幾筋もの線が描かれた手首でも。]
いーたいの、いーたいの、
…っ、おーれが、たーべた、
[ぎゅ、と拳を握り、自分の口元へ。
上手く操作出来ずに自分で頬を殴ってしまったが、
口は飲み込む動きが出来た。]
10何年分だって食ってやる。
[流石に思い出した今は、消化活動については
口にしなかったが、
思い出し笑いで少し噎せたように笑った。
瞼の痺れが取れた。
最初に見る相手の表情は、どんな色をしていただろう。**]
[ 女は彼と違って、経験してきた物事が少ない。
生きてきた世界とてそもそも狭いような生き物だ。
多くの人々と経験を知るよりも、
閉じ切った閉鎖的な世界で身を守ることを好んだ。
思い出のウェイトは過去に寄り過ぎた。
痛みも重みも麻痺するほどに時を重ねて、
昔を反芻し、飲み込み、追体験でこころを誤魔化す。
過去を今に当てはめて息をしているだけ。
そうするのが楽で、なにも傷付かずにいられるから。 ]