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【人】 空虚 タチバナ[真っ白なパジャマは染みひとつなくこの身を包む。 当時母が持ち込んだものだろう。 汚れやすい白なんて不便だったろうになんて 他人事みたいに思うけれど、生地の薄さを見る限り、 買い替えの容易な物のようだった。 そこに最初からあったという顔で開いた穴は、 肉の色や血を滲ませることなく 胸元の凹凸によって周囲の肌を晒している。] …………あなた、何? [彼の差し出した上着は自身の肩に乗った。 生者とは明確に異なる穴を晒しながら、 生者と同じ質量を持つ存在として 薄手のパジャマに薄手のカーディガンが沈む。 だから、不可解だった。 これまでの人間たちは、血などなくとも 実際に怪異と遭遇すれば怯えのひとつは見せたもの。 しかし、この男からは恐怖が見えない気がした。 二度同じ言葉を告げたのは、 その怪訝な感情を示すためがひとつ。 そして、彼の最初の問いを否定するためだった。 見知らぬ人間にいきなり敵意を明かしたりはしない。 得体のしれないものを見るように、 なぜかこちらが後ずさってしまう。] (18) 2022/08/11(Thu) 13:13:21 |
【人】 空虚 タチバナ[男は尚も話を続けた。 彼が発した言葉>>1には聞き覚えがあったが、 知っているとすぐに頷くことはなかった。 読書は居場所のない家での数少ない娯楽だった。 しかし購入物を管理されていた自分には 縁遠い作家の一人だったと思う。 母の好みには合わなかったからだ。 頭痛がする。 頷く代わりに眉間に皺を寄せた。 すう、と。必要もないのに息を吸う動作をする。] ……知らないの? 病気だろうとなんだろうと、 人間はいずれ100%死ぬのよ。 [自身は彼の余命も思考も知らない。 子どもたちとは違って、そんな強い力はない。 だから気軽とも取れる彼の生への執着の希薄さは、 それこそ人外染みているように感じられた。] (19) 2022/08/11(Thu) 13:13:44 |
【人】 空虚 タチバナ[彼に明確な答えを与えはしない。 まだだ。もっと飢えて、もっと求めて、 もっと欲しがってもらえるように、 もっともっと、生者らしく、足掻いてもらえるように。 そうじゃなきゃ、この痛みが遠のいてくれないの。] ……はやく、死にたいの? [率先して死にたい訳じゃないと彼は言った。 けれど、死にたくないとも言わなかった。 好奇心だけで安易に踏み込んだ愚か者か、 死を許容したが故の無謀か。 見定めるように視線が彼の輪郭をなぞり、 それに合わせて冷たい指先がゆるゆると動く。] (22) 2022/08/11(Thu) 13:15:01 |
【人】 空虚 タチバナ[思考を読み解くなんてことはできない、けれど。 その代わり、ひとつ種≠埋めてあげよう。 頭の奥、違和感を抱く程度の本当に微かな痛み。 私が抱える痛みよりずっと優しいもの。 生きることに何の支障もないだろう。 ただ、それをどう感じるかは彼次第だ。 受け取り方がどうであれ、 彼が欲に溺れたらささいな痛みなど 掻き消えてしまうだろう。 そうすれば、逃れられる。 そうすれば、忘れられる。] (23) 2022/08/11(Thu) 13:16:31 |
【人】 空虚 タチバナ[もっと、もっと、そんな淡白な反応じゃなくて、] あなたの夢は、何? [人間らしく、死に怯えてよ。 怨念に満ちた瞳を細め、うっとりと微笑んだ。]* (24) 2022/08/11(Thu) 13:16:49 |
空虚 タチバナは、メモを貼った。 (a8) 2022/08/11(Thu) 13:21:05 |
【人】 空虚 タチバナ[この病院に巣食う者たちについて、詳しく知らない。 深く関わろうともしてこなかったからだ。 ただ、長い間刷り込まれた常識が、 自身を無能たらしめている。 私は誰よりも愚かで、出来が悪くて。 みんなは私よりも優秀で、強くて、何でもできて。 ……いいなぁ。]* (25) 2022/08/11(Thu) 13:48:41 |
空虚 タチバナは、メモを貼った。 (a10) 2022/08/11(Thu) 13:50:39 |
【人】 空虚 タチバナ[チハヤと名乗った青年>>26は、 後ずさった自身を宥めるように声をかける。 学生だろうか。 幼くは見えないが、彼の抱く好奇心は 己の知る大人のそれよりも鮮やかに見えた。] ……。 [いつ亡くなったの、なんて気軽に聞くくらいには、 無謀で、愚かで、鮮やかで、あるいは素直で。 こんな子ならきっと愛されるんだろう。 彼の事情を顧みることなく、勝手な感想を抱く。 己を見下ろした視線が彼に戻った時、 少しだけ呆れと羨むような色が混じっていた。] ……タチバナ。 [チハヤというのは名前だろうか。 ならばこちらも名前を口にすべきだと思ったのに、 自然と零れたのは家族と同じ響きを持つ音だった。 いつ、という問いは答えない。だって覚えてないの。 時間なんて死んでしまえば意味を失うのだから。] (35) 2022/08/11(Thu) 17:35:12 |
【人】 空虚 タチバナ[母が子どもにするように、彼の頭を撫でる。 彼が手を掴んだ時も、今も、真っ白な肌に温度はない。 いくら彼の手に温もりがあろうとも、 髪を透いた指先が耳の先を掠めたとしても、 逃れようのない冷たさが彼の肌を蝕むはずだ。] 苦しい? つらい? [狂うことすらできなくとも、 濃厚な死の温度と匂いは生者の不安を煽るのだろう。 怖がらなくてもいいの。驚かなくてもいいの。 真っ白な布に黒いインクが染み込んでいくように、 きっと、魂が勝手に怯えてくれるから。 頭を撫でる手を止め、今度はこちらから手を取って、 引き寄せるような動作で頭を抱き込もうとする。] (40) 2022/08/11(Thu) 17:40:34 |
空虚 タチバナは、メモを貼った。 (a13) 2022/08/11(Thu) 17:51:53 |
【人】 空虚 タチバナ[チハヤ>>41が私の名前を呼ぶ。 怨霊の前で無防備な姿を晒す男が、 私が不幸にした家族の名前を呼ぶ>>42。 頭痛が酷くなって一瞬目の前が眩んだ。 大した抵抗もなく彼の頭を抱きしめられたなら、 きっとその動揺を見られることはなかっただろう。 唯一、彼の頭を掻き抱いた指先だけが ほんの僅か、震えただけだ。] あまいの、きらい? [この身により近づけば、死の甘さは一層香り立つ。 もったりした、喉に張りつくような匂いが 彼の身体の内へ、中へ、奥へ、入り込もうとする。 己の唇は彼の左の耳元へ滑り、 冷たい吐息と湿った問いを吹き入れた。] (54) 2022/08/11(Thu) 21:14:19 |
【人】 空虚 タチバナ[でも、それじゃあダメだ。 それじゃあ、わたしが満たされない。 自らの意思で死を望んで、求めて、選んで。 そうして、XXXの代わりに悔いて欲しい。 私は怨霊だ。恨みが私を留めている。 だから――彼の願いを叶えようとしているなんて、 ありえない。あってはいけないの。 だって、生まれた時から私は加害者で あなたは私に貪られる哀れな被害者なんだから。] (56) 2022/08/11(Thu) 21:15:50 |
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