【妖】 配信者 秋月壮真[夢見るような心地だった。 他人の旋律をなぞるのと違って 想いを込めて弾くピアノは こんなに気分が良いものなのだ。 ……そうして興奮冷めやらぬまま 彼女のアカウントにDMを送信したのだが 気分は一転、頭から冷水を掛けられたようだった。] 返事が無い……既読にもならない 何か設定を間違えてる……? [ソワソワと落ち着かない様子で スマートフォンとノートPCを操作した。 新たに捨て垢を作成してそこにDMを送る。 ……届いた。間違っていない。 彼女の身に何かあったのだろうか?] ($0) 2024/05/19(Sun) 13:18:08 |
【妖】 配信者 秋月壮真[ホーム画面での投稿もリプライも無い。 暁ソウマアカウントの投稿にいいねもつかない。 いつもならまだ少し起きている筈なのに。 そう言えば……、毎週生配信の時は 投げ銭つきも通常コメントももっとくれるのに 昨日もらったのは最初のひとつだけだった。] 普段と変わらない時間に帰ってきて…… うん、そう、配信に間に合うよう 帰ってきてくれて…… それから現在までも家を出た様子はない…… [密かに仕込んだ遠隔カメラの録画を確認しても 安心は得られなかった。 誰かが侵入した形跡もなかったけれど、 死角はあるし、 部屋の中の様子までは見られないのだ。] ($1) 2024/05/19(Sun) 13:19:18 |
【妖】 配信者 秋月壮真明かりがついたまま……? [何事もなければ良いのだけれど 彼女は一人暮らしだから……、 もしも倒れていたら? 誰かに襲われていたら? 胸が騒ぐ。] ($2) 2024/05/19(Sun) 13:20:40 |
【人】 配信者 秋月壮真僕が……———の言うことを きかなかったから、 罰が当たったの……? [深夜消え入りそうな声の問いに返事は無かった。*] (15) 2024/05/19(Sun) 13:21:57 |
【妖】 配信者 秋月壮真……いかなきゃ、 [押し潰されそうな心を押して、自宅を飛び出した。 タクシーを手配して向かうよりは走った方が早い。 SNSに上げられる写真のほんの僅かな写り込みから 住処を特定できたのだが、そこそこな近所で良かった。 地球の裏側だって、自分はきっと向かったけれど。] はっ、はぁっ、……生きてる……? [息を切らして飛び込んだのは彼女が住む部屋の隣──、 カメラを仕込んでいるのもここの玄関とベランダだ。 土足のまま上がり込むと、 彼女の部屋側の壁に耳を当てた。 ────どうか無事でいて。] ($3) 2024/05/19(Sun) 13:24:10 |
【妖】 配信者 秋月壮真[学生向けの建物は壁も薄いし 生まれつき耳が人より良かった。 それらに感謝する。] ……、寝息……? ただ寝てるだけなのかな……? [壁越しに微かな息遣いが聴こえて。 ……息を長く吐き出した。 彼女は生きている。 緊張が一気に解けて、 壁に手を当てたまま重力に従って座り込む。 規則正しい音を暫く聴いて。 そのまま寝てしまった……。] ($4) 2024/05/19(Sun) 13:27:17 |
【妖】 配信者 秋月壮真……しまった、あのまま寝てしまっ…… !!!! [ジーンズのポケットが震えて目が覚めて、 ぼーっとしたまま取り出したスマートフォン。 「ハツナさんからメッセージが届いてます。」 ……の通知に驚いて、端末を落としてしまった。 立ち所に目が覚めて、そぉ……っと、 それ以上物音をたてないよう拾い上げる。] ($5) 2024/05/19(Sun) 14:01:18 |
【妖】 配信者 秋月壮真[拾い上げるとすぐさまDMの返事に既読をつけた。] (返事……嬉しい。凄く丁寧だ。 一応警戒されているけど……) [思い遣りの感じられる文面に口許が緩む。 疑われるのは覚悟の上だった。 だけど本人だと感じ取ってくれたのだろうか? 自分がそうであって欲しいと願うから そんな風に考えてしまうのかも知れないけれど。] ($6) 2024/05/19(Sun) 14:02:08 |
【人】 配信者 秋月壮真────────────────── @Johann_Christoph_S お返事ありがとうございますハツナさん。 光栄なのはこちらこそです。 私が本人であることの証明ですが、 次にお送りする画像で足りるでしょうか? 視聴者の方と個人的な連絡をするのは 初めてのため勝手を理解していません。 もし不足でしたらハツナさんから 具体的に指定して頂けると幸いです。 私に出来ることなら何でも致します。 < どうぞよろしくお願い致します。 ────────────────── (17) 2024/05/19(Sun) 14:33:18 |
【人】 配信者 秋月壮真[そんな文面のメッセージからややあって、 DMで送られるのは一枚の画像。 昨日の生配信の時の衣装そのままの 暁ソウマの自撮り画像だ。 たったいま撮られたばかりのもので……。 撮るのが慣れていないのもあるが 壁や天井が写り込まないよう 矢鱈とドアップのものであった。 勿論どこにも公開したことはない。 因みにシャッター音は鳴らないように改造済み。 *] (18) 2024/05/19(Sun) 14:33:55 |
【人】 配信者 秋月壮真────────────────── @Johann_Christoph_S 無礼だなんて思っていません。 信じて頂けて嬉しいです。 ありがとうございます。 早速ですが今夜はご都合いかがですか? 場所は面箕駅から程近い「のうえ」 < というお店を考えています。 ────────────────── (29) 2024/05/19(Sun) 22:26:15 |
【妖】 配信者 秋月壮真[送ってからしまったな、と少し冷静になる。 つい一度隣駅、と打ってしまったのを消して 正式な駅名に打ち直したのはよかったものの、 昨日の今日は早すぎるだろうか。 今朝DMを開封した彼女にとっては今日の今日だ。 でも、壁を隔てずに早く逢いたいから……。 冷静になっても、今日が良いという結論になる。 勿論彼女が別日を望むなら従う次第。] ($11) 2024/05/19(Sun) 22:27:18 |
【妖】 配信者 秋月壮真[店は、何度も利用している 一見さんお断りの高級料理店だ。 顔が利くから 彼女の好きなものを 特別に用意して貰うことができるし、 ……それ以外のことも。*] ($12) 2024/05/19(Sun) 22:34:20 |
【妖】 配信者 秋月壮真(また後で、華音……) [向こう側に彼女がいるあたりの壁を 大きな手でそっと撫でてから……、 部屋を後にした。 早く貴方に触れたいよ。] ($15) 2024/05/21(Tue) 8:07:01 |
【人】 配信者 秋月壮真[自宅に向かって走っているとき。] ……へくしゅっ ? [昨夜は汗をかいたまま寝てしまったから 冷えたのかもしれない。自業自得だ。 今夜の約束には影響ないだろう。 何事にも変え難いとても大事な約束だ。 一応今朝はシャワーだけでなく 湯船に浸かってしっかり温まることにするが。] (40) 2024/05/21(Tue) 9:35:29 |
【妖】 配信者 秋月壮真[しかし────] ……、人がそこそこいるな…… [普段のランニングより遅い時間なので仕方がない。 昨夜は慌てて飛び出したからキャップもなかった。 足元の地面を睨むような目つきで帰路を急いだ。 今夜も周りに人はいるだろうから、慣れる他ない。] ($16) 2024/05/21(Tue) 9:35:52 |
【人】 配信者 秋月壮真[とは言え薄紫色のシャツの襟を ささっと整えるくらいものだが……。 ドレスコードがない店だとは言え 日頃着ているパーカーはそぐわない。 黒のジャケットとパンツは クリーニングの袋から出したばかりだし 購入時に磨いて貰った革靴は下ろしたて。 整髪料で後ろに流した長めの前髪も 下手に触らないほうが良いだろう。] (43) 2024/05/21(Tue) 10:14:20 |
【妖】 配信者 秋月壮真[溜息が出る。] (今日もかわいいな……、 今日は特にかわいい気がする……) [学校やバイトに行く時の服装も良いのだけれど 今日は特にお洒落を決め込んでくれたようだ。 ……俺のために。 俺のための華音。 自動販売機の隙間からスマートフォンのカメラで 30枚ほど連写してから……、姿を表した。] ($17) 2024/05/21(Tue) 10:15:19 |
【人】 配信者 秋月壮真[ゆっくりと近づいて声をかける。] かの ……、 ハツナ、さんですよねいらしてたんですね 来てくれて嬉しいです、ソウマです [名乗り、胸に手を当てて会釈した。 緊張しているがそういうのが表れにくい顔でよかった。] (44) 2024/05/21(Tue) 13:34:36 |
【人】 配信者 秋月壮真[近くで見ると一層愛らしい。] もしかしてお洒落してきてくれたんですか? ……素敵です、良く似合ってます [瞳の色とコーディネートが合っていて綺麗だ。 桃の妖精さんみたいだ、というのは心にしまって。 口元にほんの少し微笑みを浮かべた。*] (45) 2024/05/21(Tue) 13:34:43 |
【人】 配信者 秋月壮真[並んで歩くと小さい。かわいい。 肩幅なんて狭くてすっぽり隠せてしまいそうだ。] この辺りですか? 今から行く店にならセンセイ…… 母が好きで何度か 家が近いんです [矢張り周りに人はいたけれど、全然気にならない。 自分の世界で彼女だけがきらきらと輝くから 他はどうでも良くなってしまった。 前を向いて歩きながら不自然でない程度に顔を見る。 柔らかそうな耳は果実のように色付いていて 食べたら美味しいに違いない。] (53) 2024/05/21(Tue) 18:23:10 |
【人】 配信者 秋月壮真どうぞ [店に着けば当然のように扉を開けて 彼女を先に入れる。レディファースト。 デートをするのが実際には生まれて初めてでも。] (54) 2024/05/21(Tue) 18:23:26 |
【人】 配信者 秋月壮真[広い個室、テーブル越しに向かい合って座る。 真っ白なテーブルクロスにメニューはない。] 食事内容は勝手ながら予約済みです お口に合うといいんですが…… それとドリンクも ハツナさんと一緒に飲みたくて 私が好きなものを持ち込みました [駅に向かう前に一度立ち寄って預けていたそれは 配膳スタッフがボトルのまま持ってきて 互いの目の前のワイングラスに注いでくれる。 良く冷えた白桃100%のジュース。] (55) 2024/05/21(Tue) 18:24:43 |
【人】 配信者 秋月壮真乾杯しましょう ええと……、ハツナさんとの出逢いに [照れたように一瞬目が泳いだあと しっかりと桃色の瞳を見つめ直して、 グラスはぶつけず少し高く掲げるだけの乾杯を。 そのまま引き寄せてジュースを一口飲んだ。*] (56) 2024/05/21(Tue) 18:24:59 |