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【人】 医者 サキ[ 真の字は眞。 真っ直ぐ、や、まこと 良い意味ばかりにも見えるけれど 死者 を表す……ので名付けには不向きだなんて一説もある。 亜の字の2番目、というのは そもそもが土台という意味を持つからだという。 一番でない、以上は 悪い意味に捉えられてしまうこともあるが── 土台無しには何も建てられない。 聖人に次ぐ賢人を表す時に 使われる字であるほどの良い字とも言われる。 ────結局は本人の捉え方でしかないんだろう、 漢字の由来なんてものはね。 ] (11) 2022/06/11(Sat) 15:29:01 |
【人】 医者 サキ[ 環境以外の生き方を決めるのは自分だ わかってる。 早く希望が咲きますように。 咲いた花は、いずれ枯れ落ちる。 俺の希望は咲き終えてしまったんだろう 枯れて、誰かの養分になるしか出来ない 由来も、生き方も、思い方次第だと 理解っていても、そう思わずにはいられない だから何事にも、─── ] (12) 2022/06/11(Sat) 15:29:07 |
【赤】 医者 サキ[ ───兄が失敗したのは、俺が高校入学を決めた年。 二度目、落ちて、三度目も、落ちて 荒れ狂う海のような家庭で、3年を過ごした 俺は初めて、兄は4度目の大学受験。 この状況で凡人が勉強になど 集中出来るはずもなく、成績は下がる一方。 まだギリギリ合格ラインだった 底辺に近い私立医大を、兄と受けた。 結果。 ] (*0) 2022/06/11(Sat) 15:29:15 |
【人】 医者 サキ[ ───目を瞑る。 己の口から出た言の刃が、 誰かの人生を狂わせる事を知っているから 現実の幸福を手にできるなら、 どんな形であれそれはきっと 正解 だから兄と俺が受験した大学受験の合格発表日、 俺だけが先ゆく船に乗り 絶望の底なし沼に沈んでいく1人の傍らで もう1人、別の沼へと沈んでいく人がいた。 ] (13) 2022/06/11(Sat) 15:29:27 |
【人】 医者 サキ[ 難関大学に子どもが合格した体験を 狂ったように聞き続けている。 聞き続けている。 聞き続けている。 聞き続けている。 聞き続けている。 聞き続けている。 指定感染症: Override Syndrome Project Override発足に伴い 誕生したエデンの使用により 発症する 奇病 発症したのは、 誰よりも、兄の合格を願い 支え 荒くれの的になってきた母。 既に依存状態に陥っていた母を治そうにも、 俺の合格だけでは足りなかったんだ。 ] (15) 2022/06/11(Sat) 15:29:37 |
【秘】 医者 サキ → 女子大生 マユミ[ 名声の芳香なき英雄は英雄に足らず。 黙っているに越したことはない。 俺は己が無力であることを何より知っている。 ] (-2) 2022/06/11(Sat) 15:29:43 |
【人】 医者 サキ火事!? …それは…大変だったね怪我してるし、良かったと言っちゃなんだけどさ…… それでも、命が無事で良かった、 [ 普段は上げないような声をあげて ばくばくと揺れる心臓を抑えるように呼吸をする。 火事。ニュースでやっていたか、ここの近くはないが 死者もいる大きな火事があったと記憶していた。 だから、生きていてよかった、と。 咄嗟に出たのはそんなセリフで 大病院を退院してきて、 距離のあるここへ通い直しだなんて マユミにしては珍しい行動だけれど、 家が燃えたとなれば 必然と実家に戻っているのだろうと、 この時は気にも留めなかった。 突然やってきた混乱と安堵。 アユミのことを聞くタイミングは逃してしまい、 以降半年、未だに聞けないままでいる。 ] (16) 2022/06/11(Sat) 15:29:48 |
【秘】 医者 サキ → 女子大生 マユミ[ 神に助けたいと思われるには 一片の慈悲が必要だ。 蜘蛛の糸はその日吊り下がったんだろう。 登った君が途中で抱いたのは、邪念か──さて、 ]* (-3) 2022/06/11(Sat) 15:29:53 |
【人】 医者 サキ[ 半年も経てば新しい家も見つかるだろう。 大学だって授業を待ってはくれないはずだ。 通院の度に嵩む違和感は、 以前のマユミを思い出させる真結実とは裏腹に そろそろ限度を迎える頃か。 けれど今は、特段変わりなく。 ] まだ履ける歳のうちには治るから安心して。 …っていっても大学でミニスカートっていうと、 結構目立たない?ユミちゃんなら要らない心配かな。 うん、依存も怖いからね。 そしたら今日はこれで、終わりにしよっか… あ、ちょっと待って。 [ 話しながらに情報をPCに打ち終えれば、 何か思い出したような表情の後 机の引き出しを開けて。 特に何も書かれていない白の横開き封筒を 取り出すと彼女に向かって差し出した。 ] (17) 2022/06/11(Sat) 15:29:59 |
【人】 医者 サキ商店街の福引で当たったって 患者さんに貰ったんだけどさ、 俺一緒に行く人いないし。 ユミちゃんにあげるよ [ 封筒の中身は某鼠ランドのペアチケット。 日付指定は無かったし、 1年も期間があれば花盛りの大学生なら 無駄になることはないだろう。 ついでに恋人と行くと別れるっていうしな、 友達と行くのをオススメしておく。 的確な老婆心は実体験からだとは 口が裂けても言わないが。 ]** (18) 2022/06/11(Sat) 15:30:09 |
医者 サキは、メモを貼った。 (a0) 2022/06/11(Sat) 15:32:19 |
【独】 医者 サキ/* は〜〜〜〜お前と言うやつはどうしてこんなに筆が…遅………… 私の頭が悪すぎて拾えてる気がしないんよ……アルトさんの想定とがばってたら申し訳ない 遅いし(ほんと) (-4) 2022/06/11(Sat) 15:36:12 |
【独】 医者 サキ/* 毎度賢いものがかえってくるので、賢いものを返そうとするんですけど、かしこさがたりない 今回ソクラテスばっかりみてるんですけどね 嘘はいつまでも続かない みただけでかしこくなれるなら苦労は無いのだ すいを (-5) 2022/06/11(Sat) 15:41:24 |
【秘】 女子大生 マユミ → 医者 サキ[ 能ある鷹は爪を隠すとはよく言ったもので、 爪を秘めたまま終わり、 名の残らなかった英雄のなんと多い事か。 そもそも英雄譚なんて、その殆どが捏造でしょう? ] (-7) 2022/06/11(Sat) 20:38:12 |
【人】 医者 サキ[ 母を助けることが出来なかった。 形だけは一人前に医者になり ただ1人治すことの出来なかった 患者のことを、ずっと引きずっている。 希望は咲き終えた。 そうだな、きっと、花じゃなかったんだ。 土壌が腐って、内側から蝕まれて、枯れた。 この大地に木が植わることはもうない。 …ない、はずだ。 ] (37) 2022/06/12(Sun) 15:35:53 |
【人】 医者 サキ[ 俺はいつもアユミに聞いていた。 「二人とも元気にしてるか」と。 俺がマユミに聞くことはなかった。 「二人とも元気にしてるか」なんて。 ] (38) 2022/06/12(Sun) 15:36:26 |
【人】 医者 サキ[ 世間に死の烙印を押されたのは船越亜結実。 今ここで息をし話しているのは船越真結実。 俺が理解るのはそれだけだ。 傷を抉らないように、触れないように。 聞くことがなかったのは、聞けなかったのは、 隠れているほんとうなど知りたくはなかったから。 その命に優劣も望みもありはしないのに。 ] (39) 2022/06/12(Sun) 15:37:50 |
【人】 医者 サキうーん……まあ、 ほら、 個人経営の医者なんて忙しいしさ、 すぐフラれちゃうんだよ いいのいいの。 使って貰えた方がチケットも報われるだろ [ 歯切れ悪く、適当な理由を1つ述べる。 最後はけらけら、笑って受け取るのを眺めていた。 実際の理由なんて次男だから、 面倒な嫡男がいるから、 メリットが見合ってないから、 上げだしたらきりが無い。 ゆらり、心で黒いものがもやつく。 診療時間が終わりかけていることを指す 時計を見やると、また口角を上げた。 ] (40) 2022/06/12(Sun) 15:38:24 |
【人】 医者 サキおー、楽しみに待ってるよ 無理しないでな、お大事に。 [ 友達と行く、もお土産を買ってくる、も 消化されることがないとは、知らず。 ひらひら、手を振って見送った。 次に来た時だって、つけ込む気はなかったさ 今のまま、いてくれたのなら それでよかった。 想像するはずも無い。 日常は続かないだなんて、そんなこと。 ]** (41) 2022/06/12(Sun) 15:39:17 |
【人】 医者 サキ[ 今日も変わりなく、時間が過ぎていた。 お大事に 、と何万と言ってきたフレーズをまた1つ積み重ねる、日常。 そんな日常に薄くヒビが入ったのは、 次のカルテを持ってきた看護師が どうにも落ち着かない様子を見せたその時だった。 ] (71) 2022/06/12(Sun) 23:08:07 |
【人】 医者 サキそうしたら次の方を───… 何かありました? [ 尋ねれば、 「船越さんの娘さんなんですけど…」 と歯切れ悪くカルテを渡される。 船越真結実。ここ半年見てきた名だ。 半年前、久しぶりに持ってきた時だって こんなに驚いた様子はなかったのに。 …驚いているのは、それだけの何かがあったのか? 考えを纏めるのが精一杯、深く尋ねている暇はなく。 呼んできますと言って看護師は待合室へ出ていった。 少しして、入ってきた彼女の姿を見て。 俺は思わず、持っていたペンを床へと落とした。 ] (72) 2022/06/12(Sun) 23:09:49 |
【人】 医者 サキ ……っ ッ、! [ 形だけはこちらを向いているのに、 まるで掴めない遠くの何かを 見ているような、 虚 ろいの瞳。 しばらく、言葉が出なかった。 言葉になり損ねたものが なんで、 喉奥でつっかかって、押し返されて、 胃の腑に帰っていく。 どうして、 カラカラと、落ちたペンの回転する音が 虚しく時の進みを知らせていた。 ───俺はその瞳を、知っている。 同じだ。 …10年以上前、嫌という程見せつけられたそれと。 ] (73) 2022/06/12(Sun) 23:11:37 |
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