情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 会社員 ツグアキ[ 俺は普 通だ。 例えば、たまたま見つけた大昔の思想家の こんな一説に狂おしいほど心奪われて、 密かに書き留めて大切に手帳にしまい込んでいても 俺の口角は正しい笑みの位置に佇んで 形を変えることはない。 だって2200年現在 『幸福』はいつもすぐそばにあるのだから。 ] (17) 2022/06/06(Mon) 16:02:26 |
【人】 会社員 ツグアキWith love one can live even without happiness. 人間には、愛がありさえすれば 幸福なんかなくたって 結構生きていけるものである Happiness does not lie in happiness, but in the achievement of it. 幸福は、幸福の中にあるのではなく それを手に入れる過程の中だけにある ─── Fyodor Mikhaylovich Dostoevskiy (18) 2022/06/06(Mon) 16:03:34 |
【人】 会社員 ツグアキ** [ 素手でレールをひとつひとつ前に敷いて その上を恐る恐る歩く。 振り返れば俺の人生はずっと、そんな感じ。 足がつかないプールで立ち泳ぎするように どこに行っても酸素が足りない気がしていた。 溺れないように、沈まないように つかない足でじたばたともがきながら、 俺の口角は、 いつもきちんと笑みの形に整えられている。 ] (19) 2022/06/06(Mon) 16:05:33 |
【人】 会社員 ツグアキ[ まともな側にいるためには 多数決で勝ち続けなければならない。 三分の二を二回続けて選ぶ確率は 九分の四であるように、 存外容易に少数派になり得ることに 気付かないか、気付かないふりか。 『本物』の『幸福』を、この手に。己が力で。 ─── だのに嗚呼、剥がれた爪の痕を隠した手で 握った『幸福』は、かくも脆く。 気付かないか、気付かないふりか。 ] (20) 2022/06/06(Mon) 16:08:46 |
【人】 会社員 ツグアキ弱虫は、幸福をさえおそれるものです。 綿で怪我をするんです。 幸福に傷つけられる事もあるんです。 ─── 太宰治「人間失格」 (21) 2022/06/06(Mon) 16:11:04 |
会社員 ツグアキは、メモを貼った。 (a2) 2022/06/06(Mon) 16:14:05 |
【人】 会社員 ツグアキ[ 日本の平均水準をずっと下回る家庭で生まれた。 当たり前に与えられるはずの悉くを 手に出来ず育った自覚はあるけれど 趣味や習い事に割く余裕も得られなかった 子供時代、出来ることといえば勉強だけだったから それがひいては下層から這い上がるための 努力と術に繋がったらしい。 幸いにも悪くなかった地頭のためか、 砂山から砂金を掴み取るように掠め取った。 日の当たるところへのチケットは、医学部合格。 ] (62) 2022/06/08(Wed) 4:55:54 |
【人】 会社員 ツグアキ[ その時点で 俺は、人生において 『本物』の『幸福』を、手にしたはずだった。 ─── だのに嗚呼、剥がれた爪の痕を隠した手で 握った『幸福』は、かくも脆く。 (63) 2022/06/08(Wed) 4:57:19 |
【人】 会社員 ツグアキ[ だから今日も俺は『エデン』を立ち上げる。 支給されたイヤホンで外音を遮断すれば 不幸など知らない誰かが書き込んだ、 きらきら輝く幸福があっという間に脳を染める。 義務的に与えられる『幸福』は 確かに己を一時の安寧で包み、 人肌に温い夢に揺蕩い、救われる。 生きている。 ああこれは、誰かの恋が実った日のことかな いいな、きらきら、きらきら、脳が眩しい。 ] (64) 2022/06/08(Wed) 5:01:00 |
【人】 会社員 ツグアキ……ええと、 失礼しました。 どうぞ、隣はご自由に。 俺は佐々岡です、あなたは、その─── [ 動揺を削いで、口角をゆるりと上げた。 手の中で転がるイヤホンを握り隠す。 渇望してやまない幸せは 持っているフリをして。 ] (66) 2022/06/08(Wed) 5:06:30 |
【人】 会社員 ツグアキ[ 何不自由なく育ってきた同期の面々が さくさくと実績を積み、見出され、 苦労無く敷かれたレールの上を スキップで駆け抜けていくのを 目の当たりにする日々だったよ。 いくら努力を重ねても基盤のない己が 光を浴びることはほぼ無いのだと言う 現実を知った頃。 ] (67) 2022/06/08(Wed) 5:11:12 |
【人】 会社員 ツグアキ神に問う。信頼は罪なりや。 果たして、無垢の信頼心は、罪の源泉なりや。 神に問う。無抵抗は罪なりや? いまは自分には、幸福も不幸もありません。 ただ、一さいは過ぎて行きます。 (68) 2022/06/08(Wed) 5:12:20 |
【人】 会社員 ツグアキ[ 血を吐き泥水を啜るようにして 仕上げた論文が、 理事長の一人息子のものとして学会に発表され 華々しい評価を得た場面を目にする。 自分の口座に記された見たこともない桁の 入金記録と引き換えに 己の医師としての未来が 永久に閉ざされたことを自覚するのは、 あの頃のこと、だったね。 ]** (69) 2022/06/08(Wed) 5:15:20 |
【秘】 内科医 カナ → 会社員 ツグアキ[当たり前の幸福に囲まれた私は 自分の手で掴み取った幸福なんてひとつもない。 今の環境が壊れてしまえば 私の『幸福』は露と消えてしまう。 楽園の存在は漠然とした恐怖を 私の心へと巣食わせて。 私は心の声に従うままに 新しい『幸福』を探して、走り回る。] (-8) 2022/06/08(Wed) 16:20:47 |
【秘】 内科医 カナ → 会社員 ツグアキ[私があなたに声をかけた理由。 それはあなたが私よりもずっと優秀でいて なのに私よりもずっと不幸な顔をしていたから。 結局全て私の憶測でしかないけれど 私が見えた佐々岡くんは、そんな空気を持つ人。] (-9) 2022/06/08(Wed) 16:22:42 |
【秘】 内科医 カナ → 会社員 ツグアキ惹かれた?ううん。 そんな綺麗で愛らしい気持ちじゃない。 私はただ知りたかったの。 不幸な人の気持ちを、世界を。 (-10) 2022/06/08(Wed) 16:25:01 |
【人】 会社員 ツグアキあ、あぁ、古森、さん。 すみません、あまり余裕が無くて なかなか他の人と絡めないから。 [ きちんと知っているふりをするべきか、 知らないと正直に言うべきか。 まぁでも同期、なのかな、と思い至る。 声をかけてくるということは、と ぱっと考えたところで瞬きをひとつ。 その風貌はなんとなく 記憶の片隅に覚えがある気がした。 ] (102) 2022/06/09(Thu) 10:15:50 |
【人】 会社員 ツグアキ邪魔なんかじゃないですよ。 ……どうぞ? [ 彼女が何のために声をかけてきたのかは わからないまま、隣へ一応促してみる。 刹那、ふわ、と空気が和らぐような感覚。 ああ、『持っている』人、の匂いがする。 (103) 2022/06/09(Thu) 10:16:39 |
【秘】 会社員 ツグアキ → 内科医 カナ[ 俺が得られぬ幸福を渇望していることなど 知りもしないくせに いいね、頭が良くて、なんて ─── よくあることだ。 ] (-23) 2022/06/09(Thu) 10:19:44 |
【人】 会社員 ツグアキ[ そう言う場合には、変に恐縮すると ますます面倒くさくなる。 純粋な笑みでこう答えるのが一番だ、と 学んでいた。 ] 古森さん、は? 得意ではないのですか? とは言えこの学部に来ていて 勉強が苦手ということもないのでしょうけど。 [ くす、と笑んで少しだけ首を傾けて 頭をぽりぽりとかいた。 ] (106) 2022/06/09(Thu) 10:20:42 |
【人】 会社員 ツグアキ……なにか、俺に あなたのちからになれることが ?[ 使い古して角が擦れて汚れた参考書に手を置いて。 あくまで人好きのする表情で、 学習のことだけを指し示す口ぶりで。 ] (107) 2022/06/09(Thu) 10:22:00 |
【人】 会社員 ツグアキ[ 本来当たり前に得られるはずの『幸福』を 擬似的に容易に受け入れることに対して 微かな違和感を感じたのはいつだったのか。 それともそもそも人生など不平等だと 残された脳細胞の微細な理性一片は 記憶していたのだろうか。 もしくは俺だって人並みに 美人には弱かった、ってことなのだろうか。 そうだな、だからあの時。 付け足したのかな。余計な一言。 ] (108) 2022/06/09(Thu) 10:25:17 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新