【人】 寡黙 エミール>>+4 ファリエ 「……あぁ」 か細い声。 頷いたのを見れば立ち上がり、手を差し出したりしたかもしれない。 そうして案内されるまま二人で歩いてしばらくすると、空き地にたどり着く。 「へぇ……、忘れ去られた場所みたいだな」 ここなら確かに、ゆっくりと落ち着いてものを考えることも可能だろう。 あなたが腰を下ろしたそばに自分も腰を下ろして。 ただ数度、その背を撫でるようにぽんぽんと叩いた。 話す余裕もないならば、まずは呼吸を落ち着けるのが大事だろうから。 しばらくして、ぽつり。 「……怖くなったか、人に囲まれて。 ……幸せになりたいんだろ。……光ったのは嬉しいことではないのか」 呟くように聞いたのは、先日の食事との違いに不安を覚えたからだ。 (9) 2024/02/06(Tue) 1:31:34 |