【人】 陽光の元で ニーノ>>43 フィオレ 「……あれ」 詰めてもらった袋を持ってピザ屋を離れようとしたときに、聞こえてきた注文する声に自然と視線がそちらへと向く。 見えるのはとりあえず紙袋──だったわけだが、その向こうに見知った顔を見つけると口元が綻んだ。 「あ──やっぱねえさんだ! 奇遇だな、オレもピザ買ったところで…… ……っていうか荷物多」 偶然会えたことへの嬉しさを少しも隠すことなく話し始めようとしたが、それよりも前に見るからに多い荷物が気に掛かる。 傍へと駆け寄っていけば躊躇いなく差し出したのは片手だ。 こちらの荷物は現状ピザの袋ひとつしかないので。 「落ちそう、持とうか?」 (63) 2023/09/09(Sat) 4:35:46 |