人狼物語 三日月国

167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】


【人】 銀の弾丸 リカルド

【マウロの部屋】>>73 ラウラ

リカルドはツィオほど、気を使った優しい言葉をかけてやることは出来ない。
そんなに上手く口は回らない。
それでも意図が伝わったと感じれば、小さく口元に笑みを浮かべて歩く。

そうして、暫く街中を歩けばマウロが寝泊まりをしていた部屋にたどり着いた。
大家に事情を話せば、部屋の鍵をもらうことは出来たから、簡単にその戸を開くことも出来て訪れた二人を拒むことはない。
蒸し暑い空気に、マウロが好んでいた煙草の残り香が漂っていて、いつ帰ってきてもおかしくないとさえ思えるくらいだ。

それでもまずはラウラの手当が先決であったから、エアコンのスイッチを入れると流し台にラウラを導いて蛇口を捻った。

「まずはその手を冷やせ。治りが遅いと腕も鈍る」

「…………、」

生真面目からのぶっきらぼうな物言いは、ツィオと比べれば幾分マウロの方に近かっただろうか。
貴方が手を冷やし始めるのを確認すれば、少しずつ冷えてくる部屋を見回してある一点、大事そうに飾ってあるそれをみつけて、そこから視線を外せなくなってしまった。
(74) 2022/08/17(Wed) 14:38:48