>>112 ルヘナ
「……望んじゃねーよ。望んだことなんかなかった。
いつ死んでもいいとは、思ってたけど……でも」
あの日の気持ちを少年は忘れない。
生きたいとそう望んだから、
だから明日への約束を口にした。
結果、裏切ることになったのは
あなたの言う通り後悔そのものだ。
「今は、『生きたい』って思うよ。それが俺の望み。
だからさ──紅茶、もらおうか。
一日遅刻したけどさ、それくらい許してくれるんだろ。
『ルヘナ様』とやらはさ」
肩を竦めた。
許してくれて、ありがとう。
あなたに対し、素直な言葉は不要だと思った。