【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオあなたが留置場を尋ね、そこにいる者に声をかけたなら 「こちらです」…と、普段あまり使わない一角へと案内してくれるだろう。 絶対に使わないわけではない。 ただ、そこは人数が一定以上の時だとか、他の受刑者の近くに置いておくのを避ける場合だとか―― そういう場合に使われる場所のはずだ。 とにかく、アレッサンドロは、留置場の中にいた。 場末のホテルよりは清潔な狭い部屋、簡易なベッド。 そこにごろんと横たわる長身の男。 なんだか顔やらあちこちがぼこぼこに腫れてはいるが、元気そうなそいつは、 あなたが覗きに来た時にはぐうぐうと寝息をかいているだろう。 (-262) gt 2023/09/18(Mon) 23:57:04 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ/* ご連絡ありがとうございます! 少し知れそうなことはロールに混ぜて思い当たってみたいと思います。 ルチアーノがヴィンセンツォに連絡して結局は検挙自体を防げないような流れになり……のような会話であると思うのですが、何卒ご無理のないようにお付き合いくださればと思います。 話しかけるのは検挙前、つまり三日目の夜間頃の予定ですが検挙される時系列はあまり固定せずお好きなように演出していただけるように心掛けます。 RPの機会をいただきありがとうございます、本編でもよろしくお願いします。 (-263) toumi_ 2023/09/19(Tue) 0:13:57 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → マスター エリカ「それなら良かった。今はそこらじゅうが騒がしくしているけれども、 市井の人間には関わりのないことだ。業績に関わってこないことを祈るよ」 周りの騒がしさは杞憂の産物だと言いたげに肩をすくめる。 気さくで大きく構えた調子は、いかにも上がり調子の起業家めいている。 顔の知れている相手には意味のない振る舞いでも、こういう場では要とされた。 自らが誰か、何かに聞いたことなど朧げの人間には、 この場は唯唯の偵察の意しか持たないようだった。 「ああでも、みかじめ料を払っている人は不安に思うものか。 彼らも脅されているだけで非がないとはいえ、形見の狭い思いではあるだろうし。 うちは不払いを通しているが、その辺マスターの周囲ではどうだい」 ホワイトネグローニを一杯、伴には他愛無い雑談を。 働き人の愚痴めいた言葉には、しかし確かな探りがあった。 (-264) redhaguki 2023/09/19(Tue) 0:15:48 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡あくまで、責任者然として男は留置所へと踏み入った。 おそらくは部下の何れかがあげたのだろう目標の取調べの一環として。 正式な手続きを踏んで下って来たのだから、何くれと言われる筋合いもない。 重ねて、これからの取調べを有利にするための布石だなどと言ってしまえば、 連れてきた人間も丸め込むことは出来た――おそらくは、だ。人の心などわからない――筈だ。 堂々たる姿勢をどう捉えるかはさておき、相手は確かに重鎮だ。 周りと多少違う対応を取られるのは、おかしな話ではないだろう。 そんな奥まった場所の部屋の前に立ち、壁を指先で叩いて音を出す。 直接叩き起こせもすればこそ、今はそうしたこともできない。 「随分な姿だな、黒眼鏡」 声音には、数日前に見せたものとも違う隔たりがあった。 こっちが正しい姿で、正しい対応で。マフィアの幹部に対する声の掛け方だ。 外よりもいっそうに冷えた廊下に染み入るような、重たい声だった。 (-266) redhaguki 2023/09/19(Tue) 0:24:08 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ/* こちらこそご相談いただきありがとうございます。 話しかける時間都合についても承知いたしました。 当方の都合で引き伸ばしていただいている手前もありますので、 そちらの良きようにしていただければ幸いです。 改めて、引き続きよろしくお願いいたします。 (-269) redhaguki 2023/09/19(Tue) 0:43:44 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ「元気……では、ないです」 「警部は覚えてないでしょうけれど、彼女も薬物事件の被害者です」 どこぞのマフィアと推察される誰かから唆され、少女は薬物中毒になった。 足元もおぼつかない状態で外を歩いていた所に交通事故に遭って半身不随となってしまったのだ。 養育院はあくまで子供を保護し養育し、社会へ出す所だ。 廃人となってしまった少女を看る余裕なんてどこにもないから、少女は病院を経て、今は薬物更生施設に居るということを説明した。 「僕は知ってて、見て見ぬふりをしてしまったから……」 「あの時、ちゃんと止めていたら彼女はこうはなってなかったんじゃないかと、思います」 薬物を与えた犯人は、まだ、捕まっていない。 だから男は、似たような案件には無条件に首を突っ込んでしまうようで、それが、数年前の事件の解決だったのだろう。 説明する男の表情には、熱はない。 凪いだ海のように静かなものだ。 (-284) eve_1224 2023/09/19(Tue) 1:41:12 |
【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオあなたを送り届けた職員は、何も言わずその場を辞していく。 何者かの意思が介在しているのかは分からないが、 少なくともあなたの邪魔をする気はないようだ。 「んぐ」 呻くような声。 見れば顔のあちこちは腫れあがっており、瞼が片方閉じ切っていない。 喧嘩と暴力を常に帯びていた以前ならばともかく、 ここ10年程のアレッサンドロが顔に張り付けるにはあまり見たことのない様相だろう。 「おう、旦那。 警察署にこんなスイートルームがあるとは知らなかったよ。 ガイドブックに乗っけた方がいい」 上体を起こしながら、ベッドの上にあぐらをかいて座る。 こちらの様子は、代わりはしない。 対面するものの声色が変わっても自分の態度を変えないのだから、 この男の性根が知れるというものだ。 (-297) gt 2023/09/19(Tue) 4:56:37 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオマフィアには様々な情報通が存在している。 その中でも一際表の世から隠れた情報屋は、 自らを情報屋とは名乗らず便利屋と呼ばれていた。 全て足のつかないまっとうな金を使い 他の情報屋や人を買収し、様々な真実を手に入れる道楽もの。 それは反社会組織のアジトからITグループの社長の女の住所まで多岐に渡る。 そんな猫の尻尾を掴んだ警察が一人、名をGasparo[ガスパロ]。 ガスパロが普段から隠れ潜む便利屋を見つけられたのは、 彼がよく使う駒が警察署内の人間を調べていたからに他ならない。 ターゲットになっていた警官は、 ヴィンセンツィオ・ベルティ・デ・マリア。 便利屋はヴィンセンツォを調べている最中にガスパロによる妨害に遭いトラブルに見舞われる。 即座に調べるのを取りやめさせたが、もう既に尻尾は掴まれており検挙されるまで秒読みというところまで追い込まれてしまった。 そう、思っていた。 (-317) toumi_ 2023/09/19(Tue) 7:59:37 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ元気ではないと聞いて、そうだろうな、と得たように視線が僅かに翳る。 語り口からそうと知れたことを敢えて暈した、曖昧を貫いて吐露される言葉を聞く。 どうした意図をして己に伝えるのか、それを受け止めるように、 視線は側にあるだろう貴方を見上げる形で投げかけられる。 「君がそうだと感じるのなら、そうなのだろう。 けれども過ぎた出来事を、いつかの自分が出来ていたなら、なんて評価するのは、 君自身を壊してしまいたくないならやめておいたほうがいい。 全て知った後の自分がどう俯瞰しようと、当時の君にとって最善だった筈だ」 いつか、かつて。 見たこともない小さな少年の面影を、成長した貴方に見て説く。 今そこにある貴方から、かれを庇い立てするかのように。 僅かな緊張は尾を引いて。ふと瞬きをした瞬間にほどけてしまった。 「それに今の君は、よくやっている。 ……資料室の鍵、借りっ放しではいけないよ」 (-318) redhaguki 2023/09/19(Tue) 8:08:26 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ「……動きが無いな」 依頼人には理想の資料を用意した、後はこのまま身の回りを片付けて証拠を消すだけになっている。 「そろそろ何かあってもおかしくないと思っていたんだが……。 己惚れだったか? ん」 Trrrrr……着信音が鳴り響く、何か嫌な予感がしつつ電話に出れば 『ヴィンセンツォを検挙しようとしている動きがある』と予想もしていなかった知らせが駒の一人から告げられた。 「はあ? ……どうして、……」 自分の行動でまた誰かが危険な目に遭わされた。男に過ったのはそんな考えだ。 マフィアに狙われた上級警部など格好の的、別の理由があるかもしれないが今ならまだ間に合うかもしれない。 それに、彼は確か。 『ヴィンセンツォは黒眼鏡と昔から交流が――』 「それはもう知ってる! もう切る、お前達はもう動くんじゃない。 尻尾丸めて引きこもってろ!!」 やるせない怒号を受話器に向けどうしてくれようと深いため息を吐く。 時間は刻一刻と迫り、決して鈍間を待ってくれやしなかった。 (-319) toumi_ 2023/09/19(Tue) 8:14:21 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡ああ、と。顔を見た瞬間に嘆くような吐息が唇から溢れた。 かつて視線より先に拳を突き合わせていた頃、貴方がこの地位でなかった頃は、 それこそ自分の手でこの留置所に叩き込む勢いであったこともあったろう。 実際に叶うことがあったかどうかはさておき、今更取り立てて言うことなんかじゃない。 腫れた顔だって、なおさらだ。 にも関わらず男は、人目もないのを良いことに格子の向こうで片膝をついた。 僅かばかり境界線を越えて、指先が部屋の中へと侵入する。 冷たい床を、素爪が叩いて僅かな埃を書いた。 スカイブルーの裏側がどんな色をしているか、だなんて。 こんなに暗いところでは伺い知れないかもしれない。 ただ、常より僅かに伏せがちの眦は、瞬きも少なにじいと貴方を見ている。 「誰にやられた」 と。ほかに聞かれぬように沈めた声は、炭の奥底のようにちらついていた。 (-320) redhaguki 2023/09/19(Tue) 8:15:18 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ『Buongiorno、勝利の君。 ……──突然ですまないが、貴方は【A.C.A】に狙われている』 外部からの傍受のリスクを最大限に抑えた通信で掛けたのはヴィンセンツォの携帯だ。複数台あるのならいずれかの。 それは随分と怪しい連絡になってしまったが、遊び人の放浪息子が直接会いに行くよりはよっぽどマシであったように思えた。 (-321) toumi_ 2023/09/19(Tue) 8:15:35 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ海外のルートを潜って社会の裏側に潜り込み、通信は調査局の難を逃れる。 ともすれば直接顔を合わせるよりも安全な一般の電話は、平時とは別の意味で男を驚かせた。 電話越しの声はわずかばかりの焦らすような間を持って、『いい警官』が語るよりも些か低い声で返った。 「……そういう親切なお前はどこの誰だかな。 それとも嘲るのが目的だったか? 予見していたよりかは、随分若い声をしているな。 俺のことを知ってるならてっきりもっと年寄り連中かと思ったよ」 電話越しの応答は市民に向ける其れよりもずっと冷たい。或いは、此れが素顔なのかもしれない。 姿の見えぬ連絡主とは、お互いに知らぬ顔だろうから誰と聞いて見知ったわけでもないが、 直接会う必要性を感じるかどうかは貴方の自由だろう。 誰とも知らぬ人間に声ばかりで伝えられることは少ない。 (-325) redhaguki 2023/09/19(Tue) 8:47:38 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ壊れる、という事が。 初恋を歪に変質させた情をかかえて、人一人の人生を左右させるような、自分勝手で傲慢な幸を与える思想に至った事も含むのだとしたら。 この男はもうとっくに壊れてしまっていることだろう。 「どうですかね……、まぁ。でも……これは個人的に報復を考えてるから犯人を探してるだけです。 幼馴染の家族が殺された事件も調べてますし……」 「彼女には、ただ、施設を出ても人として生きるだけのものを与えようと思っています」 養育院にいたのだから、女には身寄りがない。 施設を出ても、重度の精神疾患と動かぬ体を抱えていては、死ぬしか道はないだろう。 男の行動は、やること成すこと彼女と幼馴染の事に直結しているが、内情をあまり話すことをしてこなかったため、これを知るものは極端に少ない。 それでも自分の身さえどうでもよく、手段をあまり選ばない思考を除けば、優しいだけの男に見えてしまう。 生活態度の件がなければ、相当の優等生に見えていたかもしれない。 「……あ、はい。 見回りに行く時間になったら返します」 鍵を、手の中でしっかりと握り直した。 (-326) eve_1224 2023/09/19(Tue) 8:50:29 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ貴方が例えその腑を曝け出すことで大多数の他に指差されるような人間であってしても、 この男は今と変わらない態度を向け続けることだろう。 それが絶対評価たる上司としての務めだ。情のためではない。 そういう類いの寛容を含む目は、貴方からの返答を聞いて微笑むように細められる。 「いつも通り、忙しくならないうちにやるべきことを終わらせて息抜きしてしまいなさい。 常通りのコンディションでいられるのが一番いいことだ、我々はね」 今も、そして日が経って混乱が彼らに忍び寄ろうとしてもそれは変わらない。 手袋に包んだ手が貴方の腕を軽く叩いて送り出す。 その日ばかりははっきりと、何事もなく過ぎていったことだろう。 (-328) redhaguki 2023/09/19(Tue) 8:59:27 |
【秘】 マスター エリカ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ肩をすくめ、ほんのちょっぴりだけわらう。店の経営は趣味……道楽のようなものだとは聞いたことがあっただろうか。少なくとも、金銭的な利益を求めて経営しているわけでないことは、店の形態から窺えているはずだ。 「うちも同じだが……さてな。 今は何を口にしても理由になる。 生憎と、この耳でそうした話を聞くことはない」 酒瓶に手をやりつつ、そんなことを返す。耳によってでなければそれなりに把握していることはあるらしい。とは言えその内容を教えてくれはしないだろうが。 並べられた瓶は三つ。ビアンコサルティ、ベルモットの白、ドライ・ジン。氷入りのグラスに注がれた中身が混ぜられる。 さっぱりとした味わいのホワイトネグローニの中でも、ハーブがよく香る爽やかな取り合わせだ。 確かなそれに全く気付かない程、彼女は鈍くもない。それでも彼女の見てくれは至っていつも通り。彼女はここで、彼女の思ういつも通りを送るだけ。いつも通りを提供するだけ。その視野をもってして知り得る情報で、誰ぞに何ぞを説くこともないのだ。 コトン 最後に皮結びをした輪切りレモンを添えて、 グラスはあなたに差し出された。 (-329) 66111 2023/09/19(Tue) 9:02:15 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → マスター エリカ或いは、商売熱心な働き者による市場調査にも思えなくはない。 問われればそう返すくらいの余長を引いた上で、男は悠々と過ごしている。 ふ、と。貴方の所作に目を向けて。瞬きがふたつ。 それから、僅かに自分に対してそうするように緩く首を振って、よく手入れのされた髪を振るった。 或いは。施行されつつある過激な法案を振るえるだけの手を他の警官たち同様に持ちつつも、 愚直にそれに従うことの馬鹿馬鹿しさを、再確認しにきたのかもしれない。 「もうじきぶどうの収穫時期になる。酒に関わることは何かと目をつけられがちだ。 何事もなく季節が過ぎたなら良いのだけどな」 酒精を纏った鮮やかな香りを口元に運びつつ、商売人めいた愚痴が一つ。 貴方の元を生身で訪れた警官の用事は、有耶無耶に過ぎた。おそらくは、きっと。 (-330) redhaguki 2023/09/19(Tue) 9:10:51 |
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