人狼物語 三日月国


260 【身内】Secret

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視点:


【独】 従業員 ルミ

/*
お、オタクくん…!
(-0) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 0:01:37

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 覗き込んだ彼の顔が僅かに歪んでいたから、
  尚のこと声には窘める色が増した。
  そもそも元凶は自分が盛った薬なのだけれど。

  過去を搦めとることを望みながら、
  いま大人になった彼を体を繋げようとしたのは
  目的だけを考えればおかしな話だ。
  ──閉じ込めて脅して洗脳でもする方が確実なのに。

  心が駄目なら体だけでも、なんて有名で陳腐なフレーズ。
  結局わたしは、過去だけ欲しかったんじゃなくて
 今の自分の恋すら叶えてしまいたかった。 ]

 
(*5) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 8:40:39

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……だって、そうでしょ
  ずっと傷を抉って、死ぬまで覚えててくれるなら
  未来も一緒にいられるんでしょう?


[ だから全部、わたしのものだ。
  過去も今も未来も貴方の全てを食べてしまって、
  わたしに依存して一緒にいようよ。

  二人でハッピーエンドの幕が閉じるまで。 ]


  うん! わたしが食べる!
  だからずっと痛がってね、お兄さん。
  ────他の人で痛くなくなったりしないでね。


[ あの頃よりも低い声。
  もっと聞きたい、と欲が顔を覗かせる。 ]

 
(*6) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 8:40:44

【赤】 従業員 ルミ

 

  ────約束だから、ね。


[ 本当は誰かと飲みに行くのも許したくないし、
  何だったら仕事を辞めて貰いたいくらいなのだが。
  朝から働く一般的な社会人の彼と、
  会社員の退勤後から働く自分のすれ違いを思えば。

  幸いなことに客はたくさんついているし
  ここに住んでもらえば生活に不自由はさせない。

  考えれば考える程名案のような気がしてきて、
  思考を割いている間に。
  「ところで」と変わった話題へ一瞬ついていけず
  ぱちぱちと目を瞬かせる。 ]

 
(*7) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 8:40:50

【赤】 従業員 ルミ

 

  続き?


[ 実際に腕を切る実演でも…?
  などとあらぬ誤解をしそうになったけれども、
  その意味はすぐに理解出来た。 ]


  す、好きだもん! 好き、大好き、
  嘘じゃない……ッ


[ 本当は好きじゃない?という言葉に首を横へ振り、
  縋りつくように彼の服を握り締める。
  とんでもないあらぬ誤解だ。
  女は好きな人とセックスさえ出来れば
  無条件に興奮して濡れるタイプの性格ではない。

  それ以前に、 ]

 
(*8) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 8:40:59

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……セックスって、濡れないのが普通じゃないの?
  いきなり挿れたがる人以外は
  確かにローションとか使って慣らしてたけど……。


[ でもこの家には用意がない。
  即物的なセックスなら無くてもいい、と思って。

  けれど、今の彼と自分は、こいびとというやつで
  ──後ろ暗さも無くなった今
  続きをしたい気持ちはあるのだけれども。 ]

 
(*9) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 8:41:13

【赤】 従業員 ルミ

 

  ちょっと痛かったけど……今はもう痛くないよ。
  慣れてるから平気。
  お兄さん、は?


[ 背を支える手は、自分が不意に倒れないようにと
  気遣ってくれているだけだと信じている。
  もう片方の手が下肢へ滑らされる感覚に、
  少しくすぐったいような、そわそわするような。

  視線を彷徨わせて息を吐く。
  ローションがないから、痛かったなら今日は出来ないと
  あくまで彼を気遣うトーンで。** ]

 
(*10) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 8:45:43

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 痛みも傷も他人には決して見えない。
  どれほど交わってもどんなに近付いても、
  言葉にし難いものだってあるのだろう。

  経験していないことを警戒出来ないように
  得たことのないものは想像出来ない。 ]


  …うん、わたしだけ。


[ 満足げにふにゃ、と頬を緩めて頷いた。
  後は住居や仕事のことを決められれば完璧だ。

  ──この後今後について話し合うことになれば、
  必然的に自分の" 夜のカフェ "も話すことになるか。
  さすがに恋人には胸を張って言える気はしないので
  店の詳細がバレないことを祈るのみである。 ]

 
(*15) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 22:14:51

【赤】 従業員 ルミ

 

[ ここにきて好意を疑われているのかと思ったけれど、
  自分の思い違いだったらしい。
  縋りついていた指先から力を抜いて、息を吐く。 ]


  よ、よかった……
  セックスは別に、好きじゃない。
  でもお兄さんとならしたいって思うよ。


[ 処女ならあんな凶行には流石に及べなかっただろう。
  客とは決してそんな関係になったことはないが
  それ以外の男とは何度かしたこともある。

  内臓を押し上げられるような、妙な感覚だった。
  ああそういえばシフト載せてないなあとか
  次の自撮りどうしよう、と考える余裕があるほどに。

  " 好きな人とするもの "だという知識はあった。
  自分には適用されなかった言説だが。 ]

 
(*16) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 22:14:56

【赤】 従業員 ルミ

 

[ ところで今、彼はかわいいと言ったか。
  今まで飽きる程に聞いてきたその言葉が鮮明に聞こえて
  なにも言えず、聞こえなかったふりをする。
  頬がじわりと熱を持った。

  平常を保とうとして、今度は両腕で背を抱き締められ
  否が応でも体がぴしりと固まる。

  なんだこれは。夢を見ているのかもしれない。
  毎日見ていた叶う筈もない夢が現実になって
  雨のように降っている。 ]


  ……お兄さんもさっき、痛かった?
  ご、ごめんね……。

  でも今までわたし、気持ちいいってなったことないし
  たぶん、不感症……とか……


[ しかしそれでは彼が一生セックスをしてくれないのか。
  自分が気持ちよくなったら挿れたいと言われても、
  そんな経験は一度も──── ]

 
(*17) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 22:15:01

【赤】 従業員 ルミ

 


  ッひゃぅ、


[ 肩に心地いい重みが乗っかって、
  次に首筋へ彼の唇が軽く触れ、くすぐったさに声を零す。

  背中を撫でられるのは好きだ。
  けれど、何にも守られていない首筋や耳を啄まれると
  なんだか背筋や体がそわそわする。 ]


  ん、ふふ、 
  くすぐったいよ、お兄さん…


[ 大型犬が甘えているように見えて、
  思わずやわい皮膚を啄む彼の頭をふわりと撫でた。
  えっちなことが出来ないから甘えているのかと
  勘違いをしたまま、こそばゆさに身体が跳ねる。

  少し身じろいで、目が瞬いた。 ]

 
(*18) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 22:15:05

【赤】 従業員 ルミ

 


  …………お、お兄さん、って
  わたしで勃ってくれるんだ……。


[ 決して押し付けられたりしたわけではないが
  当たってしまえばさすがに気付く。

  動揺を露にして、反射的にそう零した。
  てっきり刺激しなければ兆さないと思っていたのに、
  触れなくても固くなっていることに驚いて。* ]

 
(*19) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 22:16:13

【赤】 従業員 ルミ

 

[ あの時覗き見たパスワードは" 計画 "のためで、
  崩れ去った今、使う発想を持っていない。
  今はもう連絡手段を奪う必要もないからこそ
  実家への連絡を気にするのを忘れていた。

  さて、物語を現実で続けていく為の話し合いの一つに
  自分の仕事があるとして。
  抵抗があると伝えられたら、どうだろう。

  この仕事でなければ、というわけではない。
  けれど辞めて他の仕事が出来る気もしない。
  店用のSNSアカウントを教え、
  彼が許せる範囲の営業方法を探していくことになるか。

  ────そう、それから。 ]

 
(*26) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 0:01:53

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 大切に扱われるセックスの経験がないことを、
  不幸に思ったことは一度も無い。
  " 関心を失う "ことに対してはひどく敏感だったが
  セックスにおいて静かだったのは、
  前提となる経験が乏しかったおかげだろう。 ]


  ……? うん。
  したいって思ったの、お兄さんが初めてだよ。
  だって、ほんとは好きな人とすることなんでしょ?

  今までの人には思ったこと、ないなぁ。
  しなきゃ、はあったけど。


[ 捨てられて、他の女に関心が向くよりは、と。
  埋まらない穴を体温とちっぽけな愛で埋めようとした
  バカな女の自傷行為だ。 ]

 
(*27) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 0:02:18

【赤】 従業員 ルミ

 

  ──────……ありがとう、お兄さん
  …………やさしいね、ほんと

  そういうとこも、昔と変わんないな……。


[ 長い間頑張って今日を作った。
  そう言われるだけでも、何故か泣きたいような心地になる。

  おとぎ話のお姫様よりも傷だらけで、
  なんでもしてみせると誓って来た道を汚して、
  何度も何度も夢見た大事な人。

  ──可愛いの四文字は聴こえなかったことにした。
  かわいくないと否定するのも違う気がするし
  かといって、仕事のように素直に受け取れもせず ]


  ……期待外れでも捨てないでね。


[ 気持ちよくなるなんて無理だろう、と思いながらも
  口にはせずにくすぐったさを受け入れる。
  そもそも不感症なら戯れに反応しないというのを、
  知識のつまみ食いで構築された女は知らない。 ]

 
(*28) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 0:02:22

【赤】 従業員 ルミ

 

  ひだり、
  ……────ッ、んん、くすぐったいてば……っ


[ 頭が反対の肩に移動するのは良いのだけれど、
  やわらかな髪が肌を掠める感覚に声が震える。
  間を置かず、今度は音が鼓膜を伝って神経を揺らした。

  かすかに首筋を吸い立てるような音。
  近くで鳴るのを聞いていると、
  耳から神経をくすぐられているみたいだ。 ]


  み、 みみ、ぞわぞわする……


[ 決してそれは不快だなんて類ではないのだけれど
  ──適切な言葉はまだ、経験には無い。 ]

 
(*29) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 0:02:33

【赤】 従業員 ルミ

 

  男の人が擦られたらおっきくなるのって、
  そういう理由だったんだ……?
  すごい、お兄さん。物知りだね、

  ………………ぁ。ぇと、……わたしに……。
  ……ぅ……うれしい、けど、
  あたまおいつかない ……かも……


[ 何ならずっと今の言葉がリフレインしている。
  信じていないとか嘘だとか言うつもりはもうないが、
  「わあ嬉しい、ありがとう!」などと
  素直すぎる反応が出来るほど子どもでもない。

  蜘蛛の糸よりも細い粘性の糸がちら、と見えて
  漂う夜の気配にたまらず目を逸らした。

  そのまま彼の手が背を撫でてくれるのを
  最初は「宥めてくれているのか」と
  なにも咎めず、むしろ喜んでいた──が ]

 
(*30) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 0:02:39

【赤】 従業員 ルミ

 

[ どうにもこれは、擦っているわけでもなさそうだ。
  落ち着かせるためなら一定数同じ場所を触れるべきで、
  あちらへこちらへと動く手は
  別の目的を伴っている気がしてならない。

  窺うように彼を再度見上げた。
  おず、と服を握り、問うための言葉を探している。 ]


  お兄さん、あの、背中────
  ──────ッん、ぁっ!?


[ 尾骶骨と脇腹の部分を撫でられた瞬間、
  妙に甘ったるい声が零れて、ば、と口をふさいだ。

  くすぐったい、と笑っていた時とは違う色。
  僅かだけ電流が奔ったような心地がして、
  彼の手の動きを止めようと
  空いている手で、咄嗟に彼の腕を取ろうとした。** ]

 
(*31) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 0:05:15

【赤】 従業員 ルミ

 

[ そう、自分にとってはパスコードを盗み見ることも、
  例え何度変えたってそれを見破るのも容易い。
  毎日毎日勝手に覗いて女の痕跡を洗い出しはしないが、
  知っておけば怪しい時に取れる手段が増えるから。

  とはいえ合法的に浮気や類似するものを探れる今、
  疑っていようとそうでなかろうと
  定期的にスマホは見せて貰おうとするだろう。
  元恋人と繋がっていやしないか、飲み会に女はいるか
  不安の種はそこらにあるもので。


  自分の仕事が快く受け入れられるものではないことは、
  一応自覚もしている。
  知られようとそうでなかろうと、
  今の色をかけるような営業はやめていくつもりだった。
  ────歪んだ承認欲求はすぐには治らない。

  並べてみれば、過去も感性も何もかも違うけれど
  おとぎ話のようにすぐさま解決することは何もない。
  続いていくには、続ける努力が必要なのだ。 ]

 
(*38) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 21:56:35

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……──、うん。
  お兄さんが教えて。ぜんぶ。


[ 大事にされなくてもいいと思っていた。
  夢を見ない方が、現実に傷付かなくて済むからだ。
  やっぱり自分にはこの道しかないんだ、と
  一本道しかないと諦める方が楽だった。 ]


  ────……優しいとこ、好きだよ。昔から。
  お兄さんなのに子どもっぽかったとこも
  名前で呼ばれるのとか、
  嫌なことは嫌って教えてくれたとこも好き。

  でも、例え優しくなくなっても
  お兄さんのことは、ずっと好きなままだと思うな。


[ 過去に執着していただけなら、
  忘却を" 優しくない "と捉えて嫌いになっただろう ]

 
(*39) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 21:56:41

【赤】 従業員 ルミ

 

[ こんな自分に好かれて執着され続ける彼を、
  可哀そうだと思う気持ちが無いわけでもない。
  けれど手元に手繰った運命がここにあるのなら
  今更聞こえの良い言葉で手放してもやれない。

  これは、誰が何を言おうとも運命だ。
  あの日貴方がわたしに声を掛けなければ。
  わたしが貴方を好きになどならなければ。

  例え人から獣に変じたって愛している。
  ────そう、例え意地悪を言われても、だ。 ]


  …こ、言葉のあやってやつだもん……


[ 揚げ足を取られて思わず言葉に詰まる。
  喉奥で笑うような、聞き慣れない笑い方が揺れた。

  途端に気恥ずかしくなって、
  それ以上を紡ぐのをやめ、ふ、と息を零す。 ]

 
(*40) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 21:56:46

【赤】 従業員 ルミ

 

  ん、んん、……笑っちゃうより
  くすぐったいの、感じないように意識する……から…。

  というか、くすぐったくなったこと自体
  今まであんまりない、し……。


[ 今まさに身を捩って感覚を逃がそうとしたわけだが、
  上手く逃がせずに、返事は時折不自然に途切れた。
  そもそも今までけらけら笑った経験と言えば
  幼い頃くらいしかないような気もする。

  子ども同士の戯れのような触れ合いの気分で、
  彼の困ったような笑みに「ええ?」と笑い返した。 ]


  なぁにそれ、適当?
  ……あは、お兄さん調べならそれが正しいでしょ。


[ 自分には彼が世界に等しい。
  あっけらかんと見解を受け止め、知識を上書きして。 ]

 
(*41) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 21:56:52

【赤】 従業員 ルミ

 

  わたしはお兄さんが夢中になってくれるの、
  嬉しいけどな。
  ……わたしもべつに、余裕あるとかじゃないし……


[ 彼が絡むだけで何に対しても余裕など失われ、
  まるで毒殺を試みた白雪姫の魔女のようだ。
  目的を成すにはもう殺すしかない、と
  りんごに毒を塗った短慮さを咎められない。

  他愛ない会話にすこし力が抜けていた。
  ────だからだろうか、
  高い声を抑えられずに零してしまったのは。 ]

 
(*42) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 21:56:57

【赤】 従業員 ルミ

 

  ぇぁ、 あ、ぅ、


[ 声は言葉の輪郭を保てなかった。
  気持ちいい、を教えてほしいとは確かに言ったが
  自分のものではないような声が出るなんて聞いていない。

  唇で声を抑える手をつつかれ、
  言葉でも促されると、困ったように眉を下げた。

  例えばここで彼が手を外してくれたなら、
  声を聞かせることへの言い訳も出来ただろう。
  自分から外すのは。
  つまりそうすることを、自分で選んだというわけで。 ]

 
(*43) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 21:57:46

【赤】 従業員 ルミ

 


  …………………ひかない……?
  

[ しかしこのまま意地になっても仕方がない。
  まるで合意ではない行為のように見えてしまうし、
  ────きもちいい、を教えてほしいと思ったのも
  したいと言ったのも自分なのだ。

  そろ、と恐る恐るの仕草で手を下ろした。
  行き場を失った手はすこしの間宙を彷徨い、
  彼の肩をそうっと掴む。* ]

 
(*44) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 22:00:40

【赤】 従業員 ルミ

 

[ " 知らない顔 "があることを許しがたく思うのは、
  自分の悪癖であり、同時に変えられない部分だ。
  正確に言えば「我慢をしろ」と言われれば出来るのだが、
  重ねていくうちに遠からず爆発してしまう。

  いつか暴くのではなく、
  自分にも見せてくれるようになればいい。

  何でもかんでもSNSで把握しようとしてしまう性分を、
  愛の実感を得るために相手の全てを知ろうという欲を、
  もし正せる日が来るのならば
  それもまた、運命の成せる技になるのだろう。 ]

 
(*50) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:26:14

【赤】 従業員 ルミ

 

  ふふ、そうだね
  かわいかったな、小さい頃のお兄さん。


[ 記憶の中を慈しむように目を細める。
  一緒に食べた美味しいものの味、
  凪いだ風の音、祭りの喧騒、手の温もり。

  降り注ぐ雨から守ってくれたのも彼だった。
  肌から熱を奪うつめたい雨。
  傘を差したかったけれど、わたしは持ってはいなくて、
  けれど濡れないでいられる道を諦めさせないでくれた。

  それなら。
  傷を抉って、わたしをずっと憶え込ませて、
  ────そんな中でわたしは貴方の何になれるだろう。

  痛い傷以外の何に、いつか、成れるのだろう。 ]

 
(*51) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:26:18

【赤】 従業員 ルミ

 


[ これは夢よりも優しい現実だ。
  嫌われて憎まれて然るべきのことをしたわたしに、
  貴方はずっと近くにいる許しをくれた。

  防衛反応、あるいはストックホルム症候群。
  傷付けてその痛みを食べ続けるという行為は
  ある意味洗脳だと言われても反論できない。
  ────罪に対する罰はどこにあるのだろう。


  けれども、食べていたいのだ。
  愛されていると思えるような蜜の味。
  貴方をこんなにも愛しているのは、わたしだけ。 ]


  
(*52) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:26:22

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……が、がんばる…… ッ、


[ ────いやそれにしては甘い言葉が出てくるな?と
  彼の経験値を推察し、過去の恋人の顔を浮かべ、
  わたし以外にはそういう顔も見せてたのに……と
  嫉妬の炎を燃やしてしまう。
  耳朶をやわく噛まれる感覚に、すぐさま鎮火したが。

  多くは言わないようにして、言葉を返した。
  どうせSNS越しにもう知っている情報だ。
  改めて肉声で聞きたい話でもない。

  過ぎたことを詰って責めたいわけでもないのだ。
  大声で喚いたのは関係が終わると思っていたからで、
  続いていくためには堪えるべきことも分かっている。
  過去は変えられないから過去なのだし。 ]

 
(*53) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:26:25

【赤】 従業員 ルミ

 

  ぁ、 当たってる……けどっ
  ……お兄さんの、そういう……
  えっちなことの対象に入ると、おもって、なくて

  …………し、しんぱい、なのっ!


[ そういえば当たっていることを遠回しに言及しても、
  特に位置をずらそうということはしていなかった。
  あまり自分が身を引こうと動けば余計に熱を感じるし、
  気にしないようにしていたのに。

  再度意識すると、後はもう気にしないなんて出来ずに、
  彼の熱から粘性のものが零れていることに気が付いた。
  流石に正体を知らないほど無知ではない。
  かぁ、と耳が熱くなって、
  神経を言葉に出来ない感覚が奔っていく。 ]

 
(*54) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:26:31

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 既にどうしていいか分からない迷子なのだが、
  どうやら爪を立てても良いらしい。
  こくんと頷き、緊張を逃すように息を零して。

  傷の残る唇なんて美味しくもないだろうに
  キスをしてくれるのが嬉しくて、目を閉じた。
  りんごと同じ赤い色だったはずなのに
  やっぱり甘さなんて微塵もない、鉄の味。 ]


  お兄さん、


[ 優しいキスを名残惜しく思うのはこちらも同じ。
  どこかねだるような色を帯びた声で彼を呼び、
  離れていく唇を見つめて── ]

 
(*55) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:26:35

【赤】 従業員 ルミ

 


  ──ッんぅ、ぁ、ふ……っ


[ さっきと同じ場所を擦られると肩が跳ねる。
  伸ばされた手に服越しで軽く胸を引っ掻かれると、
  くすぐったさでもぞわぞわでもない、
  身体が熱くなるような感覚が込み上げた。

  胸は左程大きいわけでもなく、平均的だ。
  戯れに触れられたことはあるけれども、
  乱雑に扱われて痛いだけだった。

  ────だからこそ、自分は性行為では感じないと
  思っていた筈だった、のだが。 ]

 
(*56) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:26:42

【赤】 従業員 ルミ

 

  や、……へんな、かんじ、する……っ


[ 下腹部がわずかに重い。
  きゅう、と勝手に膣が締まるような感覚があって、
  彼の肩を掴む指先に力を込めた。

  服越しという状況の生々しさに気が付いて、
  ふるりと睫毛を揺らす。 ]


  ……お兄さん、あのね、その……


[ リボンやビジューが多く施された可愛い服だが、
  彼の動きの邪魔にもなってしまうだろう。
  ──という最もらしい理由をつけて、
  おねだりをするような上目遣いで彼を見つめ。 ]

 
(*57) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:32:55

【赤】 従業員 ルミ

 


  服、……ぬぎたい、かも……
  ………………おにいさん、脱がせてくれる……?


[ おねがい、と甘えた声で。
  図らずしも選択を迫られるより先に。** ]

 
(*58) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:34:18

【独】 従業員 ルミ

/*
簡易メモが朝と夜ならんでて
サンホラ…?となるなど(最近聞いた)

お兄さんがひたすらかわいいので幸せです
ロルの書き方忘れてるからやっとこういう書き方してたな…を思い出せてる
いうて同じことメルヴィルの時もしてた
(-2) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:43:45

【独】 従業員 ルミ

/*
灰を書くくせがあまりなくて思い出した時に書いてるんですが
しかし毎度お兄さんの返しに拝んでいます

(離別幼馴染のすれ違い好きなんですよね…)の顔してる
コンカフェなあ
ルミには彼氏が嫌がるって発想あんまり無いのかもしれない…そういうのは全部自分がぶつける感情だと思ってそう
(-3) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:52:29

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 可愛い、はたくさん浴びてきた。
  自分に似合うメイクも髪型も服装も知っているし、
  生まれ持ったこの顔自体が可愛い類なのも分かっている。
  SNSや店、或いは道でも言われてきたし
  その度に笑って「ありがとう」と返せていたはずだ。

  そう、誰に言われても今までずっと変わらなかった。
  ────今まで、なら。 ]


  はぇ、


[ 気の抜けた声が零れて宙に溶けた。
  小さい頃の彼をかわいいと言うだけのつもりが、
  強烈なカウンターを喰らった気分だ。

  かわいくないという謙遜などは頭にないけれども
  妙にまごついてしまって上手くいかない。
  ──彼にそんな風に思って貰えるわけがないという、
  無自覚の諦めのろいがあったのかもしれず
  重ねられた言葉に、瞬きを数度。 ]

 
(*65) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 20:43:51

【赤】 従業員 ルミ

 

  …………ありがとう、お兄さん
  あの、その、……うれしいよ。


[ 複雑そうな、微妙ともいえる反応ではなく
  幼い頃のようにへにゃりと頬を緩めて笑った。
  自分にとっての世界である彼が、
  他でもない唯一がそう言ってくれるなら、
  受け取りたくないわけがないのだ。 ]


 
(*66) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 20:43:57

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 元カノの影を見るたび、嫉妬の炎がぱちりと弾ける。
  何度同じことをあの人にしたの、とか
  かわいいってわたし以外にも言ったんだよね──など
  嫌な想像は枚挙に暇がない。

  別れろと迫った女の顔を思い出して。
  昏い思考に呑まれる前に、彼が想像を奪っていく。 ]


  ……一致してるのも嫌じゃない……?
  解釈違い……でも、そうかも。

  だって、わたしの知ってるお兄さんは
  わたしのこと女として見なさそうだもん……。


[ 恋と聞けば鯉を連想しそうな少年だった気がする。
  いや、さすがにそれは穿ちすぎかもしれないが、
  色恋沙汰に興味など無さそうだったのは間違いない。 ]

 
(*67) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 20:44:04

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……お兄さん、甘やかすの上手だね。


[ 一度許されると、なんでも許されるような気がしてしまう。
  心配や不安を否定せず受け止めて貰えるたび、
  相手の許容のラインを探りたくなる。

  心の隙間を蜜で埋めようとする悪癖だ。
  自覚しているから、堪えるためにそう言った。

  何気なくしているかもしれないその受容は、
  自分にとっては甘やかしなのだと示すために。 ]

 
(*68) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 20:44:12

【赤】 従業員 ルミ

 

[ あつい?、と問われて首を横に振った。
  髪飾りを外してもらいながら、少しの間考えて
  ゆるやかに口を開く。 ]


  ……この服、お気に入りなの。
  だからよく着るんだけど。


[ きらきらで、ふわふわで。
  幼い頃手に入れられなかった、お姫様のような服。

  だから生地を傷ませたくないというわけではない。
  物にはいずれ寿命が来てしまうのが摂理だ。
  ────あついわけではないのに、
  恥ずかしさを覚えてでも脱がせてとねだったのは、 ]

 
(*69) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 20:44:15

【赤】 従業員 ルミ

 

  …………服着たまま、しちゃったら
  見たり、着る度に思い出しちゃいそうだなって

  その……お兄さんのこと。


[ この服着てえっちなことしたんだ、などと
  裾やレースが目に入る度に思い出すのは遠慮したい。
  街中で平然としていられなくなってしまう。

  髪飾りの結晶は、
  白雪姫の制服が決まった時に買ったものだ。
  自分の名前になにか意味があるなんて知らない。
  ──そんなものないと無意識に思い込んでいるから。

  けれど、いずれ知っていくのだろうか。
  この名前にもなにか、ひとつ意味はあるのだと。 ]

 
(*70) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 20:45:01

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 自分の解釈と思い込みの世界で生きてきた女には、
  知らないことの方が多くある。

  ────思えば。
  考えをこうして誰かに話すこともあまりなく、
  そんな経験にも乏しかった。 ]


  ……そう、かな……?


[ 服と同じ、黒いレースの下着のホックを外されると
  心臓がいっそう音を立てて早鐘を打った。

  彼の片手で外さない判断は英断だっただろう。
  そんなことをされていれば、ほぼ間違いなく
  女の幻影に牙を剥いてしまいそうだったから。 ]

 
(*71) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 20:45:11

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 体全部に心臓の鼓動が届いていると錯覚するくらい、
  跳ねて、動いて、全身で緊張を訴えている。
  シャツを脱いだ彼の身体を直視できず、
  まるで初めての女のように視線をうろつかせた。

  ──おかしい。
  今までなら、こんな風に身体が固まるようなことも、
  相手の肌すら何を思うこともなかったのに。 ]


  ────ひゃんっ、


[ 左胸に彼の掌が触れて、体温が融ける。
  びく、と肩が跳ね、制御出来ない声を零して。

  強く触れるわけではない優しい触れ方。
  痛み以外を行為で感じたことは無かったのだから
  これもきっと、くすぐったくて
  少しぞわりとするような、妙な感覚で終わる、── ]

 
(*72) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 20:45:17

【赤】 従業員 ルミ

 

  ──…ッふぁ、ン、ん……っ、
  ゃ、ぁ……っ?


[ ────終わるはず、で。

  そっと薄桃の先端をなぞる指先の動きが、
  ふに、と戯れのように沈ませられる感覚が。
  今までの感覚とは違う痺れを奔らせてくる。

  びくんと腰が僅かに跳ねた。
  先端が次第に硬くなっているのは単なる刺激故ではなく、
  確かに快感を拾っている結果だ。

  唇を舐められる度、声を抑えるのにも失敗して
  色の混じった喘ぎを零すしかなく。
  すこしずつ、蕾が朝日を浴びて花開くように、
  秘部は蜜を帯び始めた。* ]

 
(*73) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 20:45:21

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 優しい嘘という言葉がある。
  あれは言う側ではなく言われた側に許された例えだが、
  今この場で「可愛いと口にしたことはない」などと
  嘘を言われても、自分は優しさと捉えなかっただろう。

  言った経験くらい推察できる。
  インターネット越しに見て来たのだから。
  なにも考えずにただ眺めていたなんてあるわけがない。 ]


  ふふ、それはもちろん
  ──……ほんと、大きくなったね、お兄さんも


[ けれどネットとリアルは違うものだ。
  いくら分かった気になっていても、
  直に触れて初めて" 実感 "としてそれを得る。

  過去の亡霊が大人になったような感覚が、
  輪郭を伴い、温度を連れ立ってやってくる。 ]

 
(*81) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 23:04:17

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 何でも知りたいと願って糸を巡らせても、
  秘められてしまえば分からないもので。
  長い睫毛を瞬かせ、呆けたような顔を浮かべた。 ]


  ──────……おにい、さん、って
  そのときから、かわいいって
  思ってくれてたの?

  ……わたしのこと、面倒になったとか
  そういう理由じゃなかったんだ……。


[ よかった、と消え入るような声で呟いて、
  彼の肌へ頬をすり寄せた。
  例え知っても嫌いになんかならなかったのに、と
  悔しいような気持ちにもなるけれど。 ]

 
(*82) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 23:04:21

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 縛り付けられていることが我慢ならず別れた、
  という事情までは知る由も無いが。
  その過去があって尚「ずっと傷をつけていい」と
  自分に許しをくれたのは、
  他の誰よりも痛くて尊い特別だ。 ]


  ……ん、……うん。
  …………うん。

  うれしい、お兄さん、──だいすき。


[ 痛みも甘やかな毒にして、
  ふたりしかいない世界で一緒にいられればいいのに。

  出来ないならせめて、ここにいるときだけは、
  自分のことしか見えなくしてしまいたい。
  ──……ぎゅう、と一度、彼をやわく抱き締めて。 ]

 
(*83) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 23:04:25

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 運命の出会いには可愛いドレスが付き物だ。
  再会を演出する道具にうってつけの気に入りの服。
  鮮烈に記憶を彩って、
  忘れがたい程の色を植え付けるための。

  傷んでしまっても良かった。
  わたしが可愛く在りたい理由は結局のところ、
  貴方の目に入りたい一心だったから。 ]

 
(*84) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 23:04:40

【赤】 従業員 ルミ

 

  えー……うーん……。
  だってそれだと、お兄さんがいない時、
  思い出すばっかりで寂しくなっちゃう……

  ……んん、いかない。
  わたしばっかり思い出すなんてずるいもん。
  お兄さんもこのソファ座る度に、
  思い出してよ、わたしのこと。


[ 可愛さを武器に生きてきた自覚はあるし、
  言葉や態度が男性にどう刺さるかも知っている。
  が、これは計算でデコレートされた甘さではない。
  そんなことが出来る余裕はとうに奪われた。

  ベッドで熱を思い出すなんてのも良いけれど、
  せっかくなら、彼の日常に潜む記憶でありたい。 ]

 
(*85) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 23:04:52

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 部屋を暗くしたがるような初々しさは無いけれど、
  慣れたような素振りを見せることもない。
  ゆっくりと与えられる刺激へあまやかに鳴いて、
  身体を跳ねさせ、内側に熱を燻らせた。

  触れられずともぴんと立った右胸の先へ、
  彼の舌先のぬくもりが触れれば ]


  ────……ッひぁ、あっ!?


[ やわらかな舌の感覚が妙に心地よくて、
  なのにはっきりと分かるほどに舌があつい。

  かわいく表情を作ることも出来ていないのに、
  それでも彼には自分が可愛く映るのか。 ]

 
(*86) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 23:04:55

【赤】 従業員 ルミ

 

  ンぅ、あ、──ッひぁ、ア、ん……ッ
  や、それ、やだ……ぁ…っ

  おなか、きゅうって、なる……っ


[ 刺激に慣れる前に別の愛撫が施されて、
  すっかり力の抜けた手で彼にしがみついた。

  胸を揉まれたことなんて幾度かあるのに、
  あの時とはまるで感じ方が違うのだ。

  尾骶骨と脇腹の間へ軽く吸い付かれただけで、
  大きく震える体を抑えられない。
  本当に嫌というわけでもないのに
  それ以外に例える言葉を知らなかった。 ]

 
(*87) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 23:05:51

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 言葉で「やだ」と紡ぎながら、
  身体は決して彼から逃れようとはしていない。

  しがみつくのと同時、
  初めて味わう快楽を「もっと」と求めるように、
  彼へねだっている。** ]


 
(*88) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 23:07:22

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 愛しているから何でも知りたいような、
  傷付けることすら出来てしまうこの愛はきっと
  無理矢理に犯す愛を持たない彼とは
  根本から違う色を帯びている。 ]


  あは、……お兄さんはそれで傷付いてくれるんだ。
  うれしいなあ。

  でも今ここでおあずけするの、
  わたしがヤだから、大丈夫。


[ 本当に夢から醒めたと嘘を吐いたとして。
  彼を傷つけることが出来ても、
  それで離れて行かれては元も子もない。

  ​───日常に根差す毒花である方が
  わたしのことを忘れられないでしょう? ]

  
(*96) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 18:44:29

【赤】 従業員 ルミ

 

[ わたしにとっての愛は優しくない。
  目に見えないくせに形すらまばらで歪で
  日常のどこにでもあるような色をして、
  世界から隔絶されたような鮮烈さを残して。

  縛っても呪っても抑え込んでも構わない。
  だからずっと憶えてね。
  わたしが貴方を傷付けた数だけ、
  わたしが貴方で傷付いたこと。
  ​────これじゃまるで人魚姫だ。 ]


  …………ずるいよ、お兄さん
  そんなこと言われちゃったら、許したくなる。
  ────────……。


[ もっと早く教えてよ、と肌に縋った。
  彼が一番にかわいいと言ってくれていたら、
  彼だけにかわいいと言って貰えたら。

  もう手に入らない夢のたられば話だ。 ]

  
(*97) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 18:44:46

【赤】 従業員 ルミ

 

[ あの頃は、同じ気持ちなどひとつも返って来なかった。
  好きなのも一緒にいたいのも離れ難いのも自分だけ。
  それでも良いなんて健気な女のフリをして、
  諦め悪く惨めに夢へしがみついて。

  ふらりと足を踏み入れた夜の街は綺麗だった。
  満たされてない人ばかりの雑踏に紛れれば
  わたしの痛みも昇華されると思っていた。
  時折金を貢いで気を引こうとした男は、
  どれもみんな思い出の中の彼に似ている。

  傷の中でしかもう会えなかった好きな人。
  ──これからはもう、全部、わたしだけの。 ]

  
(*98) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 18:45:03

【赤】 従業員 ルミ

 

  ………………、………

  ……お兄さんだけで満たされるように、
  これからずっと、いっぱい言って。


[ この承認欲求が歪んでいることは分かっている。
  数多の人に愛想を振りまいて、色をかけ、
  薄っぺらな愛を得ようとする不健全さ。

  一時だけ満たされるために始めた仕事も、
  彼しか充たせない心の隙間が埋まった後なら
  辞める決心もつくだろうから。

  そうなれば。
  その時ようやく、彼の好きだという気持ちを
  微塵も疑わずにいられるのだろう。 ]

  
(*99) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 18:45:17

【赤】 従業員 ルミ

 

[ ソファを見る度押し倒された記憶が蘇ってくれるなら、
  あのシュガーポットも警戒するだろうか。
  捨てはせずとも仕舞い込む予定ではあるけれど。 ]


  すごいの……?
  …あんまりえっちなこと、分かんないけど
  お兄さんの好きにしていいよ。

  ……いいって言い方、だめかな
  してほしい、のほうが正しいかも…


[ 体から始まる恋もあるというし。
  手放すのが惜しい体だと思われれば御の字である。
  最悪顔で留めてはおけないものか。 ]

  
(*100) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 18:45:32

【赤】 従業員 ルミ

 

[ すぐさま体と顔に頼ろうとする悪癖を頭に過ぎらせたが、
  与えられた刺激が即物的な思考を追い払う。

  強くはないどころか、ただ甘くて優しい触れ方なのに
  声がこぼれ落ちるのが止められない。
  彼の熱が太ももに当たり、粘性の液体が肌へ伝った。
  ──それだけの刺激さえ甘いような、 ]


  ン、ゃ、おにいさ…っ


[ 吐いた息は体温を乗せたようにあつい。
  時折肌にかかる彼の呼吸も同じように熱を帯びていて、
  堪らないような心地になり、軽く頭を抱いた。 ]

  
(*101) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 18:45:48

【赤】 従業員 ルミ

 

[ お腹がきゅうとなるような感覚は、
  これが“ きもちいい ”ということらしい。
  薄っぺらな生白い下腹部をやわく摩り、
  ぽや、と半ば蕩けた目で彼を見た。 ]


  これ、が、きもちいい……なら
  もうお兄さん、挿れてくれる、の?


[ 確か最初、そんなことを言っていたような。
  必死に頭を回し、あやすような柔いキスを追い掛ける。
  甘える子どものようにキスをねだり、
  乱れた息を落ち着けた。 ]

  
(*102) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 18:46:03

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 差し込まれた指が軽く動かされるだけで、
  いやらしい水音が立って鼓膜を揺らす。
  ローションも使っていないのに、
  気付けば下着は粗相でもしたように濡れていた。 ]


  ぅ……や、だめ、みないで……


[ 彼の視線の先に気が付いて、
  思わず手で秘部を隠しては俯いた。
  生まれつき薄い陰毛は大事な場所を隠すにはやや足りず、
  卑猥な糸がとろりと太ももへ伝い落ちる。

  どう見ても不感症のそれなどでは無い。
  それくらい自分にも嫌ほど理解が出来て、
  今しがた秘部を隠そうとした手を動かし直して
  今度は彼の目を覆うようにあてがった。 ]

  
(*103) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 18:46:18

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……えーと、えへへ……
  か、かくれんぼ……。


[ 何とも色気のない言い訳だった。
  幼い頃かくれんぼをふたりで遊んだ記憶が蘇り、
  どこか懐かしいような気持ちになる。

  そのまま彼の髪へ顔を埋め、目を細めた。
  砂や太陽の匂いがしていた昔と違って、
  匂い立つのは大人の男としての色。

  ずくりとお腹の奥が重くなって、熱が疼いて、
  それを隠すようにまた息を吐いた。** ]

  
(*104) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 18:46:34

【独】 従業員 ルミ

/*
>>*112に着地するの好きすぎる
(-4) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 21:55:58

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 虐げられるのが好きなら最初から喜んでいるだろう。
  さすがの自分でも、まさか被虐趣味かと疑ってはいない。
  いや、もしそうなら受け止めるつもりではあるが、
  SNSも現実の彼もそんな片鱗は見えないので。

  許されるつもりなどないまま、毒林檎を手向けた。
  ふたりを結ぶのはもう過ぎた過去の青さでも、
  陽だまりの柔さでもないと知っていたから。

  呪って縛って、
  血よりも赤い糸で彼と自分の世界を繋ぐ。 ]


  ……


[ わたし以外の誰のものにもならないで、と祈るのも愛で
  わたしを忘れられないくらい傷付いて、と呪うのも愛で
  わたしとずっと一緒の地獄にいようよ、と願うのも愛だ

  日常の色に紛れた呪いは愛の顔をしている。 ]

 
(*113) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 23:02:46

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 大人になっただけのただの男女ではなく、
  恋人よりも強く結びついた唯一の関係というのは
  傍目に見れば正しいものではないのだろう。

  正しくないことを「おかしい」と糾弾するのは簡単だ。
  自覚している。理解だってしている。
  けれど、" おかしい "からなんだと言うのか。

  わたしは狡いから、きっと許したくないと言う。
  傷を主張すればずっと償わせて傍に置けるから。
  過去のふたりも、捨てたくないから。 ]

 
(*114) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 23:02:51

【赤】 従業員 ルミ

 

[ イミテーションの愛はもう飽きてしまった。
  どれだけ与えられても満たされない。
  求めた本物のひかりをいつか素直に受け入れられたら、
  きっと、縋り続けた偽りだって手離せるのだろう。

  愛される存在を演じて、そして向けられた愛は
  手離す間もなくやがて朽ちるかもしれないが。 ]


  ────ん。
  お兄さんの今の言葉、忘れないでね。

  何かある度に突き付けてやるんだから。


[ その度に腕を切って脅すことも躊躇いがないのだ。
  都度罪悪感で転げ回って欲しい。

  彼となら初めても、それを越えたあとだって
  どんなことも特別ないろになる。
  ──雪は何色にだって染まるものだ。 ]

 
(*115) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 23:02:55

【赤】 従業員 ルミ

 

  …………?
  りんごあめ食べ切れなかったのはおにいさ、
  ────ンむ、


[ なるほど……と神妙な顔で頷こうとしたが、
  思い返さなくてもりんご飴ギブアップは彼ではないか?
  わたし泣いたことないもん、と
  異議を申し立てようとするより先にキスが降る。

  ────まあ、いいか。
  途端に思考を溶かして目を閉じる。
  薬が抜けきったなら、交わる体液にも影響はない。

  白雪姫はキスで目が醒めたのに、
  今はまるで真逆のような。 ]

 
(*116) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 23:02:59

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 喉が鳴る音が近くから聞こえるのが居た堪れなくて、
  まるで幼い頃に戻るように戯れを重ねた。
  したいと言った思いに嘘はないのに
  許容量を越えそうな現実が、判断を鈍らせる。 ]


  えっ、えと、じゅう……?


[ 十秒しか猶予がない遊びだったか、あれは。
  今この場では至極どうでもいい二人のルールを、
  必死に思い出そうと海馬に潜る。

  いや三十秒だったじゃん!などと言ったとしても、
  どのみち時間制限があることに変わりないのだが。 ]

 
(*117) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 23:03:04

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……あぅ……。


[ 恥ずかしいからといって反射で動かなければよかった。
  着実に進み続けるカウントダウンに、
  むしろその時を意識してしまう。

  今更やめた、など通用しない空気になってしまった。
  身を守っていたショーツが横に避けられ、
  もう意味も無い可愛いだけの布一枚になる。

  触れられる距離にいるのに、触れられない。
  お預けに似たことをしたのは自分なのに
  そのくせ落ち着かない気持ちになりながら。
  律儀に数え続ける彼へ、つい昔の影を── ]

 
(*118) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 23:03:12

【赤】 従業員 ルミ

 

  ────ッは、反則……!


[ 見なかった。
  素直な少年は狡い大人になり、早口でカウントを終え
  面影を辿る時間を奪っていく。

  そのまま彼の手が自分の手に重なって熱を帯びる。
  幼子のじゃれあいのようなやり取りは終わって、
  ここにあるのは、体温を融かしあう二人の男女だけ。 ]

 
(*119) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 23:03:17

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 息を吐く。
  少しの間忘れられていた腹部の熱が重く疼いて、
  そろりと彼の目から手を離した。

  見つかってしまったら、鬼は交代。
  ────けれど今回に限っては、
  ありきたりなルールは返上になるだろうか。 ]


  ……みつかっちゃった。
  ふふ、懐かしい
  昔はよくこうして遊んでた、けど。


[ 今と全く同じ言葉を紡いで、
  彼を見つける側に回ったものだった。

  夜の匂いなど無かった頃の話。 ]

 
(*120) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 23:03:23

【赤】 従業員 ルミ

 


  …………ああもう、…だめかも。
  はずかしいと、わたし、言葉が多くなっちゃう。

  ……お兄さん。
  あのね、……しゃべれないくらい、きもちよくして。


[ ぎゅ、と彼に再び抱きついた。
  そのまま首へ吸い付いて痕を残そうとしたけれど、
  経験が足りないのか、上手く赤がつかなくて。

  代わりにかぷりと首筋を噛む。
  ふふんと笑って、「浮気防止」と呟いた。* ]

 
(*121) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 23:05:41

【独】 従業員 ルミ

/*
簡易メモくさ(ごめんwwww)
(-5) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 23:12:26

【独】 従業員 ルミ

/*
無駄に!を増やすなど
(-6) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 23:15:53

【独】 従業員 ルミ

/*
あれ今日エピ入るのか…
文章が格段に下手になってました、が、常に愛は込めています
いつもありがとうの感謝の気持ち
(-8) 鬼葉 2024/05/14(Tue) 23:49:41