人狼物語 三日月国


212 【身内村】桜色のエピローグ✿

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視点:


水面 禎光:投票委任

火澄 七瀬 水面 禎光

火澄 瀬名 水面 禎光

水面 禎光 水面 禎光

スピカ【NPC】ヒトデ姫 スピカ

水面 禎光3票
スピカ1票

処刑対象:水面 禎光、結果:中断

[犠牲者リスト]
該当者なし

本日の生存者:火澄 七瀬、火澄 瀬名、水面 禎光、スピカ以上4名

【人】 火澄 七瀬




 ──── なに。 >>2:32

 問いかけに対して口を閉ざしたのは、敢えてのことでした。
 対峙して同じ空気を共有しているのです。
 瀬名にもそれは伝わったでしょう。


 「 禎光のことは好きですよ。…… 幼馴染として。 」


 代わりに、拍子するくらいあっさりと。
 貴女が言えなかった言葉を答えました。>>2:35

 少しだけ様子を伺った後。
 表情を変えないまま、首を傾げます。
 
 
 
(0) 希 2023/05/10(Wed) 16:48:27

【人】 火澄 七瀬




 「 不思議なことを言いますね。
   私の気持ちも禎光の気持ちも知らないのに。

   どうして私と禎光の関係を、
   瀬名が慮る必要があるのですか? 」


 
お姉ちゃん


 いつもとは違う呼び名が示す意味。
 
 
 
(1) 希 2023/05/10(Wed) 16:48:57

【人】 火澄 七瀬




 そうです。私は貴女のお姉ちゃんなんです。
 だから、貴女だけは守らなければいけないんです。


(2) 希 2023/05/10(Wed) 16:49:04

【人】 火澄 七瀬




 「 瀬名が知っているのは、
   瀬名の気持ちだけでしょう?

   私と貴女は、別の人間なのだから。
   だからこそ ────。 」


 そこまで言うと、やはり私は言葉を止めて。
 
 
 「 …… そうですね。

   瀬名、貴女の聞きたいことに答えましょう。
   ただし条件があります。
   貴女も私の質問に答えてください。 」

 
 
(3) 希 2023/05/10(Wed) 16:49:44

【人】 火澄 七瀬




 そう言って吸い込んだ息は、
 冷たい春の味がして、驚くほど冷たくて。
 胸元に隠した存在のことを、否応なしに思い出させました。

 大切な肉親二人分は果たされました。
 残ったのは、大切な他人一人分。
 ただ、どうしてでしょう。
 私は何度も失敗してしまっています。

 鉢植えを落としても、自転車のブレーキに細工をしても。
 いまだに彼を殺せていないのです。

 もう手段は選んでいられません。
 ここならば、誰にも見られずにことを成せるのです。>>1:6



(4) 希 2023/05/10(Wed) 16:50:31

【人】 火澄 七瀬




 「 火澄 瀬名。
   貴女は、水面 禎光を愛していますか? 」

 
 
(5) 希 2023/05/10(Wed) 16:50:46

【人】 火澄 七瀬




 冷え切っていたのは、
 胸元に隠し持ったナイフだったのか。
 それとも私の心の方だったのでしょうか。

 そこまで言うと、後は黙して。
 死刑判決を受ける囚人のように。
 ただ、貴女の言葉を待ちます。
 
 貴女の答えを待って、
 私はこの刃を振るうのです。
 
 命を、尊厳を、未来を奪うために。
 
 
 
(6) 希 2023/05/10(Wed) 16:50:54

【人】 火澄 七瀬




 …… そうですね。
 私はもうとっくに狂っていたのでしょう。

 あの日、神様に出会った瞬間に。
 いいえ。もっとずっと以前から。


(7) 希 2023/05/10(Wed) 16:51:17

【人】 火澄 七瀬




        双子の妹のことを
してしまった時点で。**

 
(8) 希 2023/05/10(Wed) 16:51:47

【人】 火澄 瀬名

   
 
 
 七瀬から返ってきたのは、
 私が口にできなかった言葉でした。>>0

 表情を変えることのない様子が
 素なのかポーカーフェイスなのか、
 それすら私は分からなくなってしまいました。


  
(9) papico 2023/05/11(Thu) 1:04:54

【人】 火澄 瀬名

  
 

 「 だって ……

   七瀬が禎光を好きになっても、
   禎光が七瀬を好きになっても、
   どっちも不思議じゃないじゃない。 」



 慮るだなんて難しい言葉を使うことだって、
 自分が姉であると言わんばかりに受け取ってしまいます。
 
 
  
(10) papico 2023/05/11(Thu) 1:04:59

【人】 火澄 瀬名

  
 

 それから、七瀬の「条件」に首を傾げました。>>3

 それから、七瀬の「質問」に息を飲み込みました。>>5
 
 
 
(11) papico 2023/05/11(Thu) 1:05:02

【人】 火澄 瀬名

  

  
 「 愛してる、なんて …… 」


 
(12) papico 2023/05/11(Thu) 1:05:07

【人】 火澄 瀬名

 

 
 そんな、漫画でだって滅多に見ないような言葉、
 たかだか14年生きただけの私に、
 ピンとくるようなものではありませんでした。

 

 仮にこの、少しだけ胸がくすぐったくなったり、
 喉の奥が苦しくなるような感情を、
 何かだと認めてしまったとしても ──────

 
 
 
(13) papico 2023/05/11(Thu) 1:05:11

【人】 火澄 瀬名

 
 
 
 「 分かんないよ、
なんて。
   知らないよ。そんなもの。


   それに ・・・・・

   仮に私が禎光を愛したとしたって ───── 」


     
(14) papico 2023/05/11(Thu) 1:05:15

【人】 火澄 瀬名

  

 

 「 それを一番に話すのは、七瀬にじゃないから。 」


     
(15) papico 2023/05/11(Thu) 1:05:17

【人】 火澄 瀬名

  
    

 これは望むような質問の答えではなかったかもしれません。
 でも、それでも、これが私の答えなのです。

 

 「 ……

   私は七瀬じゃないし、
   七瀬は私じゃない。 」
 
 
 
 すっと前から分かっていたことでした。



 「 私が知っているのは、私の気持ちだけだよ。
   七瀬の気持ちなんて分かんないよ。>>3
   何考えてるのか、なんでこんな質問するのか
   全然分かんないよ。 」
 

      
(16) papico 2023/05/11(Thu) 1:06:22

【人】 火澄 瀬名

 



 「 七瀬のこと、全然わかんない 」**


 

(17) papico 2023/05/11(Thu) 1:07:01

【人】 火澄 七瀬




 「 …… そういうのなら。

   瀬名が禎光を好きになっても、
   禎光が瀬名を好きになっても、
   どっちも不思議じゃないじゃないですよね。 」

 
 探るような会話を交わします。
 まるで綱渡りをするような。
 何かをきっかけに奈落の底へ落ちてしまいそうな
 危ういやり取りでした。
 
 
(18) 希 2023/05/11(Thu) 17:57:05

【人】 火澄 七瀬




 袂は分かたれました。>>16
 私と貴女は別々の人間。
 そうでなければいけないのです。

 瀬名は七瀬で、七瀬は瀬名。>>1:21
 そんな時間は終わらせるべきなのです。

 ──── …… なのに。
 嗚呼、貴女の一番隣にいるのは、
 もう私ではないのですね。>>15

 自身の犯した罪にふさわしい判決を受けた私は、
 呑み込んだ息と共に僅かに顔を歪めた後。
 胸元に隠していた刃を取り出しました。

 
 
(19) 希 2023/05/11(Thu) 17:58:03

【人】 火澄 七瀬




 七瀬のこと、全然わかんない 




      「 …… いいんですよ、それで。 」
 
 
 
(20) 希 2023/05/11(Thu) 17:58:26

【人】 火澄 七瀬




 瀬名が禎光を好きになっても不思議ではない。
 七瀬が禎光を好きになっても不思議ではない。

                   でも、
 
 
(21) 希 2023/05/11(Thu) 17:58:33

【人】 火澄 七瀬




 「 七瀬が瀬名を好きになったら、
   貴女は不思議に思うでしょう? 」


 ぴたりと刃を自身の胸元にあてたなら、
 泣きそうな顔で微笑みました。


 *********
(22) 希 2023/05/11(Thu) 17:58:47

【人】 火澄 七瀬




 神様が、言ったのです。
 この世界には存在できる人数が決まっているんだと。

 人口密度とかそう言う話はなくて。
 この世界が許容できる魂の数。

 ただ、たまにあるそうです。
 ひとつの魂がふたつに分かれて生まれてくることが。
 彼らは双子として世界に受け入れられて、
 健やかに育てられます。

 それでも、期限は決まっていました。
 
 
 
(23) 希 2023/05/11(Thu) 18:27:32

【人】 火澄 七瀬




 「 十で神童、十五で才子
      二十過ぎれば只の人。 」


 …… そんな言葉を、聞いたことはありますか?>>0:1

 
 
(24) 希 2023/05/11(Thu) 18:27:39

【人】 火澄 七瀬




 神の子として見逃されるのは、齢14までの話。
 15歳を迎えた魂は、別々の人の子として数えられます。
 そして許容量を超えて溢れた魂を、
 世界が許すことはありません。

 ──── そうなれば、どうなるのか?
 消えるのです、人知れず。
 存在が、痕跡が、人々の記憶から。
 まるで最初からいなかったかのように。

 …… 決して珍しい話ではないそうですよ。
 私達が認識できていないだけで。
 今日もどこかで、存在を許されなかった誰かが、
 人知れず消えているのかもしれません。
 
 
 
(25) 希 2023/05/11(Thu) 18:28:05

【人】 火澄 七瀬




 「15歳の誕生日を迎えたら、お前の妹は消えるよ。」




 …… だから半年前の雨の日。
 神様が私に声をかけたのは、
 ほんの気まぐれだったそうです。
 男かも女かも、日本語かどうかもわからない
 脳を揺さぶるような、不思議な声でした。

 私が何をしても、しなくてもいい。
 成功しても失敗しても構わない。
 単なる愉快な見世物なのだと、
 かの存在は、笑いながら言いました。
 
 
 
(26) 希 2023/05/11(Thu) 18:29:04

【人】 火澄 七瀬




 与太話だと笑い飛ばすことも出来ました。
 いいえ。そうするべきだったのでしょうね。
 なのに、私はどうしようもなく理解してしまいました。
 それは確かに神様で、その話は真実なのだと。

 実の妹への想いを抱えて不安定だった私の精神は、
 あの瞬間。どうしようもなく狂ってしまったのです。

 別に私が消える側でも構わないそうです。
 それでも世界の天秤は、問題なく釣り合うから。
 そうですね。選択肢がそれしかなければ、

 ………… きっと私も、間違えなかったのに。

 

(27) 希 2023/05/11(Thu) 18:29:59

【人】 火澄 七瀬




 しかし神様は悪意たっぷりの顔で、
 楽し気に代わりを提案しました。
 まるでそれが本題だというように。

 天秤を釣り合わせるために求められたのは、
 大切な肉親二人分と、大切な他人一人分。>>1:0

 それらを殺すことができたのなら、
 私も妹も、どちらの存在も許してくれるそうです。

 
     ………… 肉親は元より、大切な他人と聞いて。
     私は、貴方しか思いつけませんでした。
 
 
 
(28) 希 2023/05/11(Thu) 18:30:34

【人】 火澄 七瀬




 なのに私は貴方を殺せないばかりか、
 愚しい勘違いをしていたのです。
 あのバレンタインデーの日が来るまで。
 瀬名の隣にいるのは、私でなければいけないと。>>1:19
 瀬名の望みも私の隣にあるのだと。
 何とも都合の良い夢を見てしまっていたのです。


 でも、そうではなかったのだと。
 今の私は知ってしまいました。>>15



(29) 希 2023/05/11(Thu) 18:31:01

【人】 火澄 七瀬




 ごめんなさい。お父さん、お母さん。
 私は車のブレーキに細工をして、
 貴方たちを殺してしまいました。
 死ぬ必要なんてなかったのに。

 ごめんなさい。禎光。
 私は貴方が大切でした。
 でも貴方のことを殺そうとしました。

 ごめんなさい。瀬名。
 …… 馬鹿なお姉ちゃんで、ごめんね。
 
 

 
(30) 希 2023/05/11(Thu) 18:31:10

【人】 火澄 七瀬




 間違えてばかりでした。せめて最後は正しい選択を。


(31) 希 2023/05/11(Thu) 18:31:15

【人】 火澄 七瀬




    「 …… もしも、やり直せるのなら。
      どうか今度は間違えないように。 」
 
 
 
(32) 希 2023/05/11(Thu) 18:31:34

【人】 火澄 七瀬




 刃を煌めかせたのなら。
 ひらり。
 開け放たれた扉から飛び込んできた
花びら
が、


 
      雨ではない露に濡れ、地に落ちました。**



(33) 希 2023/05/11(Thu) 18:33:44

【人】 水面 禎光

 *****
 
 
 「 うん、ありがとう
   ああ …… 傘は僕が持つよ 」
 
 
 七瀬を瀬名と間違えたフリをした、あの日。>>2:24
 ひとつの傘の下で何気ない会話が続き ────
 七瀬だと気付いている事は、言えずじまいだった。
 
 " 何気ない会話 "。
 人格の違いは感じ取っているものの
 普段から同じように接しているのだから
 たとえ瀬名が七瀬であっても、違和のないやり取り。
 
 
(34) よし☆ 2023/05/11(Thu) 23:57:29

【人】 水面 禎光

 
 
    見分けのつかない他の人みたいに
     どっちでもいい ≠フではなく
 
    優劣なんてつけたくないほどに
     どっちも大切 ≠セからだと ────
 
 
 接し方を変えない理由を
 綺麗な言葉で並べるなら、そういうコトだろう。
 
 
              ─── 簡潔に言うなら ?
 
 
(35) よし☆ 2023/05/11(Thu) 23:57:32

【人】 水面 禎光

 
 

         どちらかに踏み込むと
         3人で居られなくなりそうで 怖い

 
 
(36) よし☆ 2023/05/11(Thu) 23:57:36

【人】 水面 禎光

 
 
 彼女が広げた薄紅色の傘。
 もう自分は七瀬だって自白しているようなモノだけど。
 
 
 「 七瀬の歌声…… 声楽だっけ?
   昨日も僕の家まで響いてきてたけど 本当に綺麗だね
   瀬名はやったりしないの? 」
 
 
 この日の僕は 悪戯心が増殖していたのだろう。
 瀬名と誤認したフリをしつつ、" 何気ない会話 "を。
 
 
 *****
(37) よし☆ 2023/05/11(Thu) 23:57:40

【人】 水面 禎光

 
 
 会話の内容までは届かないけれど、
 別の部屋にいる七瀬と瀬名の声を遠くで感じながら。
 僕は今、書斎で誰かの日記を開いている。
 
 書き手の一人称は"私"。
 どうやら両親を亡くしたらしい。 >>0:0
 なにかに陶酔しているのだろうか ─── >>1:0
 " 対価 "とか、" 神様 "といった言葉が見てとれる。
 
 日々を綴ったにしては あまりにも話が突飛しすぎて。
 日記形式で なにか物語でも創作していたのだろうか ?
 
 
(38) よし☆ 2023/05/11(Thu) 23:57:43

【人】 水面 禎光

 
 
 僕は、際限なく高まっていく鼓動を抑えるべく
 第三者が感じるだろう疑問を必死に浮かべた。
 
 
        ─── 心の奥底で 茶番だと知りながら。
 
 
(39) よし☆ 2023/05/11(Thu) 23:57:49

【人】 水面 禎光

 
 
 覚えのある筆跡。
 両親が死んだ日付。
 以前からこの家に出入りしてたであろう動作。
 
 そして罪の告白。未だ釣り合わない天秤。
 
 
 全てが ひとりの人物を指し示していたとしても ───
 
 
(40) よし☆ 2023/05/11(Thu) 23:57:53

【人】 水面 禎光

 
 
 日記を読み終えた時、
 書き手に感じたのは 
狂ってる
 
 
 嗚呼、でも僕も 人の事を言えないのかもしれない。
 " 大切な他人一人分 "。
 
 もし、僕の事だとするならば ────
 恐怖よりも前に 
嬉しさ
が先にやってきたんだから。
 
 
(41) よし☆ 2023/05/11(Thu) 23:58:04

【人】 水面 禎光

 
 
 七瀬と瀬名。
 生きることの楽しさを教えてくれた、ふたりの天使。
 キミ達に出会うまでは死んでいるようなモノだったよ。
 
 すぐにお姉ちゃん風を吹かせたがる七瀬も
 対等じゃないとすぐにヘソを曲げてしまう瀬名も
 僕にとっては どっちも大切なんだ
 陳腐とも、不誠実とも思わない


           ──── どっちも、愛してる

 
 
(42) よし☆ 2023/05/11(Thu) 23:58:07

【人】 水面 禎光

 
 
 瀬名を救うために七瀬が狂ったのなら。
 
 そして真実であれ、虚構であれ
 賽は投げられ、もう取り返しがつかないのなら ───


      よろこんで" 大切な他人一人分 "になるさ
      七瀬と瀬名の未来のために
      僕も一緒に 狂っていたい

 
 
(43) よし☆ 2023/05/11(Thu) 23:58:11

【人】 水面 禎光

 
 
 「 七瀬! 違うだろ!! 」
 
 
 ふたりがいる部屋に戻った時、
 視界に飛び込んだのは 自身の胸元に刃を当てた七瀬の姿。
 その刃は僕に向けられるべきじゃなかったのか?
 僕は全力で駆け寄り、刃先を掴むべく手を伸ばす。
 
 少しでも七瀬が怯んだのであれば ──
 迷い込んだ花びらを鮮やかに染めたのは
 僕の手のひらから零れ落ちた紅だったろう。**
 
 
(44) よし☆ 2023/05/11(Thu) 23:58:17

【人】 火澄 七瀬




 「 ありがとう。お願いするね。 」


 そう言って手渡した薄紅の傘は、>>34
 思いのほか高くまで上がりました。

 …… 私の幼馴染は、いつの間にか
 随分と背が伸びていたようです。

 出会った頃は、男女の身長差が顕著になる前。
 禎光が病弱だったこともあってか、
 そこまで差は無かったように思います。
 
 
 
(45) 希 2023/05/12(Fri) 10:56:40

【人】 火澄 七瀬

 


 歌を褒められれば、気恥ずかしさはありましたが。
 嬉しい気持ちもありました。
 
 姉である手前、あまり表には出しませんが。
 私は案外単純なんです。
 先程のつまらなさは、
 くすぐったい物へと変わっていました。

 思慮深く、他者を配慮を欠かさない禎光は、
 いつだって私達の欲しい言葉をくれるのです。
 
 
 
(46) 希 2023/05/12(Fri) 10:56:57

【人】 火澄 七瀬

 


 …… ただ、少し困ってもいました。

 瀬名の意見。>>37
 予想して答えることはできたでしょう。
 私達はずっと隣にいた双子なのですから。
 それでも、私が決めていいことではありません。

 すっかり禎光の手の上で転がされていること。
 気付かぬまま、私はうんうんと悩みました。
 
 次第に明るくなっていく遠くの空を見ながら。
 結局私が言えたのは、
 当たり障りのない言葉だけでした。
 
 
 
(47) 希 2023/05/12(Fri) 10:57:09

【人】 火澄 七瀬

 


 「 …… やるかは、わからないけど。

   いつか禎光も含めた3人で。
  
   一緒に歌えたら、楽しそうだとは思うよ。 」



 *****
(48) 希 2023/05/12(Fri) 10:57:17

【人】 火澄 七瀬




 飛び込んでくる何者かの気配。
 思わずびくりと肩を震わせた頃には、
 その顔は、思いのほか近くにありました。

 刃を掴む手のひらからは、
 紅の鮮血が滴り落ち、花びらを濃く染め上げます。

 それが誰なのか。
 今さら確認するまでもありません。
 
 …… ひとりとひとりだった私達は、
 貴方と出会ったことで、

 さんにん、となったのですから。
 
 
 
(49) 希 2023/05/12(Fri) 11:29:17

【人】 火澄 七瀬




 思わずナイフを取り返そうとしましたが、
 しっかりと刃を掴んだ指は、
 私の力ではびくともしませんでした。


 「 ……禎光。 」


 あんなに小さかったのに。
 あんなに身体が弱かったのに。
 

     そこにいたのは
     立派に成長した、ひとりの男の子だったのです。
 


 
(50) 希 2023/05/12(Fri) 11:30:52

【人】 火澄 七瀬




 違うだろ。>>44


 「 …… ああ、私は、
   最後まで間違ってしまったのですね。 」


 ナイフの代わりに、貴方の言葉が胸を貫けば
 歪んだ顔から、涙が溢れ落ちます。

 ええ、そうです。
 きっと貴方が正しいのでしょう。>>46
 この場で愚かなのは、私だけなのです。

 それでもせめて、最後くらいは。
 貴方を殺せなかったこと。
 それだけは正しかったのだと
──── 信じたかった。


 
 
(51) 希 2023/05/12(Fri) 11:32:43

【人】 火澄 七瀬

 
 

 それでも私は、もう止まることができませんでした。


 「 禎光。 」


 再度名を呼んで、思い出します。
 貴方にはいつだって。

 言わなければいけなかったのに、>>0:16
 言えなかった言葉がありました。



 「 ごめんなさい。 」
 
 
 
 
(52) 希 2023/05/12(Fri) 11:34:11

【人】 火澄 七瀬

 


 ナイフから彼の指を剥がすことは難しかったでしょう。
 ならばと私は、貴方の腕ごとを掴んで動かします。

 貴方の手の分、隠れた刃。
 胸を貫くには、深さが足りなくなっていました。

 ならばと、刺すのは別の場所と。



 「 …… 大好きですよ、禎光。
   瀬名のこと、よろしくお願いしますね。 」


 ──── それが、最期でした。
 私は自身の喉に、刃の切っ先を突き刺しました。
 
 
 
(53) 希 2023/05/12(Fri) 11:35:30

【人】 火澄 七瀬

 

 

         ああ、これでもう、歌えない。>>48

(54) 希 2023/05/12(Fri) 11:35:40

【人】 火澄 七瀬




 吹き出す鮮血の熱が、鉄錆の匂いが、
 貴方の手や顔を覆ったかもしれません。
 人を貫く感触も、こびり付いて離れない。

 …… 最後まで私は、
 貴方にひどいことしかしませんでした。
 でも見逃して貰えると嬉しいです。

 全て忘れてしまうのですから。
 最初から、全部無かったことに。
 
 
 
(55) 希 2023/05/12(Fri) 11:36:25

【人】 火澄 七瀬





 …… ああ、声が聞こえます。
 そうですね。言っていましたよね。
 これは愉快な見世物≠セと。>>26

 ならば貴方がここにいるのは当然なのでしょう。
 
 

(56) 希 2023/05/12(Fri) 11:36:31

【人】 火澄 七瀬





 薄れゆく意識の中。

 誰かの笑い声が響いていました。**
 
 

(57) 希 2023/05/12(Fri) 11:37:29

【独】 火澄 七瀬

/*
令和の世でお前たちが俺の翼だ!!!
が見れるとは、感慨深いのじゃ
(-0) 希 2023/05/12(Fri) 11:39:41

【人】 火澄 瀬名

 
 

 「 …………… 七瀬? 」



 もしも、やり直せるのなら
  どうか今度は間違えないように=@>>32



              どういう、意味?



 「 なな ………… 」

 
 
(58) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:29

【人】 火澄 瀬名

  

 
 懐から取り出された刃の先が、
 薄暗い湿った部屋で、歪に光を反射しました。

 時間が止まったかのように全身が固まって、
 後から冷たい汗が背中を伝って。

 永遠のように長く感じた一瞬のうち、
 禎光の声が響くと、その刃先を掴みました。
 
  

 「 っ ……… 」


 
(59) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:32

【人】 火澄 瀬名

  


 その手のひらから零れ落ちる紅に目を背けたくなり、
 それと同時に、
 決して背けてはならないと、
 誰かの笑い声が聞こえたような気がしました。


 
(60) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:34

【人】 火澄 瀬名

 
  

 違う?>>44 間違ってしまった?>>51

 ほら今だって、私には何も分からない。


  
(61) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:38

【人】 火澄 瀬名

 


 「 七瀬っ …… 禎光っ ……
 
   ……っ……ふたりとも、だめだよ……

   ナイフそれ、離して……ょ…… 」


 
 震えるような私の声が
 ふたりの耳に届いても届かなくても
 その刃は七瀬の喉に突き刺さったのでしょう。

 止まった時計の針が動き出したかのように
 感覚のない足に伝達をしてふたりのもとへと駆け寄り、
 七瀬のことを抱き抱えるように座りました。

 
   
(62) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:41

【人】 火澄 瀬名

 
 
 
 「 なな …… ななっ、 せ ……

   ごめ …… ご っ… めんなさい …… 」
 
 

 吹き出す生温い朱を纏って、
 取り返しのつかないことだと知りました。

  
(63) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:44

【人】 火澄 瀬名

   
 


 七瀬のことが、分からなくなった。



 
(64) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:46

【人】 火澄 瀬名

 
 

 そもそもそれが、間違っていたおかしかったのです。

 私は……私たちは双子で、
 互いのことは手に取るように分かっていたのに。



 「 どこで …… 間違見失っちゃった、の かな… 」
 


  
(65) papico 2023/05/12(Fri) 23:36:50

【人】 火澄 瀬名

  
 
 
 ごめんなさい。 分からなくて。
 
 私が、気が付いてあげられなくて。

 私が苦しめていたのでしょう?
 
 全て、独りで背負っていたのでしょう?

 ごめんなさい。ごめんなさい。
  
 ごめんなさい。ごめんなさい。

 ごめんなさい。ごめんなさい。

 
 七瀬はしっかり者のお姉ちゃんで、
 私はきっと、頼りのない妹で、

 
 ほら ……… 今だって結局、

 
(66) papico 2023/05/12(Fri) 23:37:07

【人】 火澄 瀬名





      ………… 何も分からないのです。
  


(67) papico 2023/05/12(Fri) 23:37:12

【人】 火澄 瀬名

  
 
 
 そんな私にできる、最後のひとつ


  
(68) papico 2023/05/12(Fri) 23:37:15

【人】 火澄 瀬名

    


 「 ごめ …… んね ……

   もう、……


   苦しまなくて、いいよ …… 七瀬 ……」
 

  
(69) papico 2023/05/12(Fri) 23:37:31

【人】 火澄 瀬名

  

 
 そう声を振り絞ると、
 七瀬の喉元からナイフを抜き取り、
 彼女の心の臓へと、
 力いっぱいナイフを突立てました。

 苦しむことなく、ひと思いにと言わんばかりに。 **
 
  
   
(70) papico 2023/05/12(Fri) 23:38:32