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![]() | 【人】 宮崎暁[ 積み上げた物が壊れされ それでも諦められなくて また積上げては、壊され。 いつしか大切に積み上げるほどに 壊れた時の痛みが大きくなると知って。 積み上げることさえもやめてしまう。 ああ何の話かって? 両親の仕事柄、転校ばっかりで 子供の僕は全然友達が作れないんだって ただそれだけのことだ。 ] (1) 西 2024/06/08(Sat) 23:07:18 |
![]() | 【人】 宮崎暁[ 友達と言っても程度があるだろう。 浅いぐらいの友達もいれば親友もいる。 僕はその浅瀬で貝のように漂うだけの存在。 浅く付き合うことはあってもそれ以上はない。 砂の城は天災の波に飲まれて消えていく。 何も無くなった浜辺には僕が独りいるだけ。 長くて二年も続かない人との関わりは 僕の性格に希薄という後遺症を遺した。 ] (2) 西 2024/06/08(Sat) 23:10:29 |
![]() | 【人】 宮崎暁[ 自惚れるつもりはないけど、 僕のことが嫌いだという人は少ないと思う。 でもその分、僕を特別と思う人も少ないはずだ。 アルバムを見て僕を思い出す人はいても 僕に連絡をしてくれるような人はいない。 それが僕という人間を決定づけて 転勤族で友達を作ることを諦めた子供の 象徴になっているのだと自分でも分かっていた。 ] (3) 西 2024/06/08(Sat) 23:11:07 |
![]() | 【人】 宮崎暁[ こんなんだから青い春が降りてきたこともないし、 甘酸っぱい思い出も出来たことなんてなかった。 でもそんな僕にも春はやってきた。 初めてできた彼女は同じ学校に通う女の子。 ] おはよ!幸阪! [ 毎朝、僕は彼女の顔を見るだけで元気になれる。 僕に見えていない何かが見えているみたいな そんな不思議なオーラを持つ、 冬の空に咲く一輪の花のような、素敵な女の子だ。] (4) 西 2024/06/08(Sat) 23:13:06 |
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![]() | 【人】 宮崎暁[ 皆が帰って静まり返った真冬。 誰の邪魔も入らないその場所で 僕が言い放った最低な告白。 幸阪結月と僕の肌寒い青い春は 僕の傲慢から全てが始まったんだ。 ] (6) 西 2024/06/08(Sat) 23:15:26 |
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![]() | 【人】 宮崎暁[ 次の転校はいつになるだろう。 それは僕にも分からない。 両親でさえ分からないのに、分かるはずない。 いつか爆発する爆弾を抱えたまま歩む青春は ある時は無機質で、ある時は刺激的で、 だけどそんな酔狂な遊びに身を投じるなんて 並大抵の精神じゃ出来っこない。 いてもいなくても変わらない 僕の人生ゲームでの役割は続いていく。 ] (22) 西 2024/06/09(Sun) 3:05:39 |
![]() | 【人】 宮崎暁[ いつか、さよならを言い合う時 不幸だと何かを責め立てたりしないように それが思い出として残せるように 彼女ならそれが出来ると思ったんだ。 だから僕は、彼女を、利用してしまっている。 僕と一緒で、寂しい目をしている彼女が… こうして手を繋いでいないと消えてしまいそうで そんな彼女の儚さが、僕の目を引いたんだ。 ] (24) 西 2024/06/09(Sun) 3:09:00 |
![]() | 【人】 宮崎暁[ 僕は絶対に周りには隠さない。 いつか僕の居なくなった世界で 幸阪の名前に傷がつかないように 転校が決まっていた僕に都合よく遊ばれた 可哀想な女の子じゃなくて 僕の転校に仕方なく巻き込まれただけだって。 こんなこと彼女には、絶対言えないけど。 ]* (25) 西 2024/06/09(Sun) 3:10:04 |
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![]() | 【人】 宮崎暁[ 烏が鳴き始める夕暮れ 僕は体育館へとやってくると ちょっと重い鉄の引き戸を開けた。 音の鳴る方へ 誰かが…いる方へ。 そうして、扉の向こうで 一人バスケに浸る姿に 勝手に自分の背を重ねてしまう。] (27) 西 2024/06/09(Sun) 3:15:50 |
![]() | 【人】 宮崎暁あ、ううん、忘れ物とかじゃないんだ。 こんな時間に体育館に誰かいるの 珍しいなって思って。 図書室で勉強してたら音が聞こえたんだ。 [ 邪魔しちゃったかな、そりゃそうだよなぁと、 慌てた様子で手を振りながら 僕は体育館の中へ歩を進める。 ここにいるのがたまたまなんじゃなくて 始めっから居るのが分かってて来たんだって。 初めましての彼女に、僕は笑みながら尋ねたんだ。] (28) 西 2024/06/09(Sun) 3:16:24 |
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![]() | 【人】 宮崎暁[ 相手の名前もクラスも知らない 僕はまだ名前すら名乗っていない。 それなのに 開口一番に出た言葉は 君の世界に僕を入れてという 立場を弁えない勝手なお願いごとだった。 ] (30) 西 2024/06/09(Sun) 3:19:09 |
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![]() | 【人】 宮崎暁[ 好きでもない人と付き合うなんて普通じゃない。 普通でありたいと思っていなくとも 上手く学校生活を乗り切るためには 普通に擬態することも必要だ。 と言っても僕の幸阪への好感度は 決して低くない。>>33 それが恋愛的かどうかはともかく、 彼女のことを魅力的と思ってるのも本当だ。 ] そうなんだろうけどさぁ なんか嵌められた気分… 幸阪はテスト大丈夫そうなの? [ 僕とは対照的に幸阪は落ち着いている。 まさかこうなることも予想してたのかなって 疑ってしまいたくなるくらい。>>33 僕が考えすぎなのかもしれないから ついつい幸阪にそう尋ねてしまった。 ] (43) 西 2024/06/09(Sun) 20:32:55 |
![]() | 【人】 宮崎暁[ 二人で手を繋ぐその姿も こうして他愛のない話で盛り上がる姿も 幸阪はこの学校誰よりも幸せなんだって 僕は周りに証明したかっただけ。 ] (44) 西 2024/06/09(Sun) 20:33:23 |
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![]() | 【人】 宮崎暁[ 教室に入ると手を離して、 僕は幸阪の予定を尋ねる。 流行りのお店も、デートスポットも いつだって調査は欠かさない。 幸阪を誘う理由作りは 常に五つはストックするようにしているんだ。 幸阪の予定があると事前に知った日以外は ほぼ毎日こうやって誘っていたはず。 僕はそれだけ幸阪との時間が欲しくて 幸阪にだけはわがままになっていたのだと思う。 ]* (46) 西 2024/06/09(Sun) 20:36:35 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 女の子との交際なんて幸阪が初めてだったから。 初めてデートに誘った時は迷惑をかけたかも。 なんせ人目につく場所で 「幸阪の時間を僕にちょうだい。 絶対幸せって、言わせてみせるから。」 なんて甘ったるい言葉を吐いてしまったのだから。 当の僕は至って真面目だったけど 周りの男子達はあまりの直球ぶりに言葉を失って、 女子は女子で羨ましそうに見てたり、 あまりの青臭さに顔を赤くしてたり、 幸阪を少しだけ有名人にしてしまったかもしれない。 今にして思えば たかだかデートの誘いなのに 勢いはまるで結婚のプロポーズだ。 幸阪には今でも悪い事をしたなって思っている。 ] (-5) 西 2024/06/09(Sun) 20:47:50 |
![]() | 【人】 宮崎暁[ そう言って僕は上着を脱ぎ捨てて腕まくりすると 意気揚々とバスケットボールを手に取り 彼女の世界に一歩、足を踏み入れていった。 勝敗はどうだったかと言われれば… 僕がエアボールをやりまくって 悔しさで床を転げ回ったことはあったかも。 僕の渾身の 「うわぁぁぁ!!クソエイム!!」 聞けるのは僕が彼女に負けた時、だったかな。 (49) 西 2024/06/09(Sun) 20:55:08 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 幸阪が誘いに応じてくれた時、 僕だけじゃなくて他の人の予定を優先してもいい、 幸阪の友達との縁を悪くさせたくない。 そんな忠告をしなくなったのは こうして何回も幸阪を誘うようになってから。 その気遣いは邪魔だったんだって。 僕が学んだからだ。 それにどこかそれを喜んでしまう僕もいて 思い悩んだことも何度もあった。 ] (-10) 西 2024/06/10(Mon) 1:51:23 |
![]() | 【人】 宮崎暁うん、どういたしまして。 これ、は……ありがとう! 後で大切に食べるね! [ 幸阪にお礼を伝えたことだろう。 彼女との付き合いはただの思い出作り。 ]**シミュレーションゲームと同じだって。 頭の中では理解していても 彼女からの贈り物にはいつだって心が弾むんだ。 (62) 西 2024/06/10(Mon) 1:53:40 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 初めてデートに誘った日、 きっと僕の言っていることを 本当の意味で理解出来たのは 君だけ…なんだろうね。 ] (-12) 西 2024/06/10(Mon) 1:54:39 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 今、傍にいてくれる人は当たり前じゃない。 何かの拍子に居なくなってしまうかもしれないし 大切にしなければ相手を傷つけてしまって 傍を離れさせてしまうかもしれない。 誰よりもその痛みと恐怖を知る僕は 幸阪が傍にいてくれるのが当たり前じゃないと 知ってるから。 自信満々に言うんだ。 ] (-13) 西 2024/06/10(Mon) 1:56:06 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ もしかしたら満点のデートは難しいかもしれない。 幸阪を完璧に楽しませられないかもしれない。 それでも僕は 君のために何度でも傍に行くよ、って。 それだけはどうしても伝えたかったんだ。 ] (-15) 西 2024/06/10(Mon) 1:57:43 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ まぁそんな性格が善いか悪いか、 サプライズなんてことはしたくなくて。 幸阪の好きな食べ物や興味のあることなど 幸阪のことを知りたい一心で LINEでも直接でも、沢山聞いてしまったけど。 ]* (-16) 西 2024/06/10(Mon) 1:58:29 |
![]() | 【人】 宮崎暁[ 意気揚々と臨んだバスケ勝負の結果は惨敗。>>55 最初こそお互い外して泥試合だったのに、 彼女は途中からだんだんフォーカスを合わせて、 僕は相変わらずのクソエイム。 最後の方はそれはもう悲惨な光景だった。>>56 ] ぐぅぅ…次はリベンジしてやる…>>57 [ 今でこその彼女と得意気に笑った顔も好きだけど 当時は悔しさの方が勝って しれっと再戦の機会を求めてしまって。 付き合ってくれるなら もう一度同じルールで勝負してもらったりして でもきっと負けるのは僕で。 なんにしても楽しい時間はあっという間。>>58 だけどそれだけじゃない。 どうしてかな、僕は君と一緒に 自販機に飲み物を買いに行こうとしながら。 ] (63) 西 2024/06/10(Mon) 2:00:22 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 場所はどこだっていい。 彼女が希望する場所でも、 希望が無ければ体育館横のベンチで。 僕は彼女の世界に もう少しだけ居させて欲しいと、頼んだんだ。 もしそれが叶ったのなら。 偶然かはたまた必然か 僕が抱えていた孤独の話を 彼女に打ち明けることになるなんて この時の僕は知りもしなかったけど。]* (-18) 西 2024/06/10(Mon) 2:04:23 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月君はなんで体育館いたのかなって。 ずっと、聞いてみたくてさ。 ほら、今ってテスト期間だし 友達と待ち合わせってこともなさそうだし。 [ ベンチに座って カフェラテの缶を開けながら 僕は少し思い切った疑問をぶつけてみる。 そうしてるうちに 彼女の言葉にハッと気付かされた。 僕、まだ自己紹介してなかったんだっけ。 ] (-31) 西 2024/06/10(Mon) 22:12:41 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月うん、僕は宮崎暁、A組だよ。 アカツキって書いて、さとるって読むんだ。 今年の夏に転校してきたんだ。 よろしくね。 [ きっと彼女が一年生だったなら 僕たちが同じ学年でクラスだけ違うって お互いに気づけたかもしれない。 彼女は僕話す時間をくれて。 きっとクラスの人よりも 関わりが薄いからこそ、かな。 話してもいいかなって、思ったんだ。 ] (-32) 西 2024/06/10(Mon) 22:13:12 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月そうだったんだ… 僕…昔から転校が多いからさ 友達とか全然いないんだよね。 この学校も、いつまで居るのか、分かんないし。 [ いるにはいるけど、 こんな風に遊んだりはしないから。 さっきあったばっかりの彼女に もう既に負けてしまうくらいの相手しかいない。 ] (-33) 西 2024/06/10(Mon) 22:14:22 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月そしたら体育館で 君がいる音が聞こえたから。 もしたかしたら、ってね。 [ 友達が欲しかったとか 遊んでみたかったとか 濁した言葉の続きは色々あるけれど 一人の寂しさを埋めようとして 僕は体育館に来たんだってことを 彼女には話すことになったのだった。 ] (-34) 西 2024/06/10(Mon) 22:14:50 |
![]() | 【人】 宮崎暁大切に食べるよ。 だって幸阪が作ってくれたんだから。 [ 食後のデザートにしようかな それともおやつにしようかな。 考えているだけで楽しくなって。 僕は満足気な表情で、彼女と別れたんだ。 ] (75) 西 2024/06/10(Mon) 22:44:46 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 僕らの関係は終わりが決まっている。 だからこそ距離を間違えてはいけない。 間違って距離を詰めた分だけ それは刃渡りに変わって跳ね返ってくるから。 僕達は恋人同士、 でもそれ以上でもそれ以下でもない。 貰ったお菓子も いつもくれる些細な心遣いも 僕が始めた物語なんだから 間違っても勘違いしたらいけない。] (-35) 西 2024/06/10(Mon) 22:45:38 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ お互いをよく知ってから付き合うものだと 過去にはそう思っていたけれど、 付き合い始めた後に相手をよく知ることもある。 例えば、幸阪は律儀でいい子だ、とか。 だって幸阪が僕を一番に考えてるかどうかなんて 言われなきゃ分かりっこないのに。 それでも教えてくれたのは それも誠実さなんじゃないかなって思うから。 ] (-38) 西 2024/06/10(Mon) 23:00:18 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 残念だけど照れ隠しは伝わらなくて。 でも任せて欲しいと自分の胸をトンと叩く。 僕は本気なんだ。 君の恋人っていう役に。 だから楽しみって言ってもらえて 僕のやる気は有頂天に昇ったのも 僕だけを見てくれた君になら きっと届くと僕は信じて疑わない。 ] (-40) 西 2024/06/10(Mon) 23:02:06 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 返ってきたLINEのやり取りを見て。 幸阪が喜んでくれる姿を想像しながら デートプランを必死に考える。 「フラペチーノ僕も好きなんだよね。」とか 「幸阪はどのフレーバーが好きだった?」とか LINEを返しながら予定を立てていくのは 想像よりもずっと楽しい時間だった。 ご飯派だけどコーヒーとパンはセットがいいとか オランジェットが美味しくて好きだとか。 最近行きたいところは思いつかなかったけど 科学館や博物館が好きなんだとか。 帰ってきた質問に嬉々として答えながら。 ] (-41) 西 2024/06/10(Mon) 23:03:40 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ そうして、フラペチーノの新作が出る その日の一日前の日程を狙って。 僕は幸阪を初デートに誘ったんだ。 ]* (-43) 西 2024/06/10(Mon) 23:05:36 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月……………………… [ きっと、そんな事ないよ、とか。 変だね、とか。 そうやって返してあげるべきなのに 僕は彼女の言葉に息を飲んだ。 その気持ちがよく分かるって。 普通なら信じてもらえないだろうけど、 僕も似たようなことを思っていたから。 ] (-48) 西 2024/06/11(Tue) 23:06:13 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月え、そんな噂になったの…!? かっこいいんだ、僕って…。 [ まさか他のクラスでも話題に上がるなんて。 あんな時期に転校してくるなんて珍しいだろうし 他にそんな話は聞いたことがないから。 彼女の言う転校生はきっと僕のことだ。 ] (-49) 西 2024/06/11(Tue) 23:07:13 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月浸れる場所にいようとしても 独りになるのに耐えられないのが、僕だよ。 [ 他に選択肢がなければ適応するしかない。 でも適応なんてできっこなくて、 これも巡り合わせなのか、 それを聞かせてもらえたから、 僕は自分の話をしようって決めたんだ。 奇しくも君と同じようなことを ]僕は君に思ってしまったというわけだ。 (-50) 西 2024/06/11(Tue) 23:07:52 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月何回崩れても、慣れないよこればかりは。 どうせまた転校になるから この学校にもいつまで居れるか分かんないし。 うん、どういたしまして。 僕も、君に会えてよかった。 [ 完璧に分かろうとしなくたっていい。 月並みでありきたりだろうとも その言葉に血が通っているだけで 独りの僕は救われる。 それにきっと君は僕の仲間なんだって 僕はそう感じていたから。 素直に受け止めて、信じられたんだ。 (-51) 西 2024/06/11(Tue) 23:08:26 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 彼女に出会って、 僕が何を欲していたのか、 ようやくわかった気がする。 でもいくら欲したものが仲間だって分かっても、 いつか壊れてしまうと分かりきってしまえば 足がすくんでしまう。 それが相手を傷つけてしまう刃であることも 自分さえ巻き込んで不幸にしてしまうことも。 ] (-52) 西 2024/06/11(Tue) 23:09:21 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 独りしかいない気分に浸れる場所へ。 それは本意では無いかもしれないし はたまた本意かもしれない。 けれどこの世界に、 望んで独りになる人なんていないと 僕はそう思っているから。 僕は彼女の言葉を、利用してしまう。 ] (-53) 西 2024/06/11(Tue) 23:09:46 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ そしてなにより。 ここで別れてしまったらもう 次はないのではないかと そんな予感がしてしまったから。 ] (-54) 西 2024/06/11(Tue) 23:10:36 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月 (-56) 西 2024/06/11(Tue) 23:11:31 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月 (-59) 西 2024/06/11(Tue) 23:13:24 |
![]() | 【人】 宮崎暁お待たせ幸阪。 あ、見てくれたんだ! メロンパンにも色んな種類あるみたいだよ! [ 関係の始まりが本来在るべき形とは違うせいで 幸阪が乗り気じゃないのに 無理をさせてしまうのではないかと。 そんな不安はいつとつきまとってくるから。 幸阪の何気ない仕草に心が救われることも 実はかなりあったりする。 すっかり顔なじみになったB組の女子から 「お姫様のお迎えかな?」って言われた時には 「そう!十二時になるまで、 やりたいことが沢山あるんだ!」って。 その女子が赤面するレベルの 青臭いセリフを吐いて、 幸阪の手を引いて教室を出ていったんだ。 ] (76) 西 2024/06/11(Tue) 23:42:36 |
![]() | 【人】 宮崎暁[ 思い返してみれば 幸阪と付き合い始めてから 周りの色恋に巻き込まれることが減った。 思い切って聞いてみたら 「二人の仲に割って入ったら罰当たりそう。」って。 きっとこれは応援してくれてるんだよね? 新聞部が定期開催するアンケートの 校内で応援したいカップルランキングで 連続不動の一位を獲得したこともあるし。 僕達のことを皆が受け入れ始めた、証拠なのかも。] (77) 西 2024/06/11(Tue) 23:44:25 |
![]() | 【人】 宮崎暁[ 学校を出ればもう自由な時間だ。 幸阪の手を引きながら 何気ない会話を重ねて。 なんの身になるか分からない この他愛のない会話の時間が 僕はたまらなく好きだった。 今日も僕は幸せだな、なんて。 噛み締めるように頬を緩ませていると、 幸阪が何かを見つけたみたいで、 指さしていた方を向いたのだけれど。 ] (78) 西 2024/06/11(Tue) 23:44:50 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 僕の頬に柔らかな感触と 揺れた髪が運ぶ君の匂い。 あの日の過ちからというものの 君の何気ない仕草が、言葉が、イタズラが、 僕の心を揺さぶって掻き乱してくるから。 ] (-61) 西 2024/06/11(Tue) 23:45:51 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 付き合い始めてから半年くらい経った 気が狂いそうなくらい暑かった夏の日。 夏休みのある日、午前だけ補習があった日 僕は幸阪を自分の家に呼んだ。 幸い学校からあまり遠くはなかったし 僕は自転車だったから もし良かったら後ろに乗ってく?なんて聞いて。 途中寄り道してアイスを買おうって提案したり またいつもの通り、 楽しい楽しい、いつもの恋人のつもりだった。 ] (-77) 西 2024/06/12(Wed) 21:30:31 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 人の目につかないところで二人きり そういう空間はいつだって魔性だ。 転勤に振り回されて 最低限の家具だけ置かれた自室に 彼女を招き入れて。 幸阪が受け入れてくれるなら、 エアコンが効いた狭い洋室で二人隣同士、 暑いなんて言ってるくせして 肩を寄せ合うこともあったかもしれない。 ] (-78) 西 2024/06/12(Wed) 21:32:46 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 僕にとって幸阪は大切な存在だ。 だからこそ僕達の距離感は これくらいがいいんだって 心の底からそう思っていた、はずなんだ。 これだけ近い距離で ]*君と目を合わせさえ、しなければ。 (-79) 西 2024/06/12(Wed) 21:33:58 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 戒めるべきあの日のことを 唐突に思い出し始めてしまったのは 君の愛くるしいイタズラのせい。 君の柔らかな温もりのせい。 心地よい君の匂いのせい。 ] (-82) 西 2024/06/12(Wed) 21:36:33 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 幸阪を腕の中から解放すると 僕はまたいつものように手を繋いで。 いつものようにデートに戻ろう。 僕達が戻れなくなってしまう前に。 ]** (-86) 西 2024/06/12(Wed) 21:40:36 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 折角なら、って、 そこに楽しさや幸せを求めた時に その主語が自分じゃなくて相手になる。 まして身勝手な告白をした相手に。 それだけのことが 実はとてもすごいことなんだって。 幸阪は知っていたりするんだろうか。 言葉にせずと態度や空気に出るもので それが僕が幸阪のことを 役割以上に大事したいと思ったきっかけの一つ。 ] (-110) 西 2024/06/12(Wed) 23:48:00 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ プラネタリウムを見に行こうと決めた当日、 受験の時以上に緊張していた僕はというと。 慣れないワックスで髪型をしっかりキメて、 ファッションも幸阪が恥ずかしくなく、 それでいて圧を感じないくらいに準備して、 その気合いの入りようは 両親に頭を打ったのかと疑われるレベルだった。 そんな紆余曲折を乗り越えて、 待ち合わせ場所で待つ僕は 彼女の目にはどう映っていたのだろう。 ]* (-111) 西 2024/06/12(Wed) 23:48:48 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 全然重くない、なんて微笑みながら 夏空を自転車で駆けていく。 コンビニ限定のアイスを買って。 幸阪が買うものと同じシリーズの 別の味を二人でシェアしようとか考える。 この時間だけでも、僕は幸せだった。 今の僕と彼女は役割でしかないけれど その役割としての最適解を 二人で導き出したんだっていう 二人で一緒の方角を見ている その達成感はとても言葉じゃ言い表せない。 ] (-118) 西 2024/06/13(Thu) 0:42:59 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 二人きりの空間は甘くて心地がいい。 各地を転々としたせいで ラーメン限定で舌が肥えたとか。 そんな他愛のない話をしながら ただ静かに彼女との時間を感じる。 こんな時間が、たまにあると嬉しくて 幸阪にはそんなことを伝えた。 今日は珍しく僕の両親は帰りが遅くて それを伝えたのはなんの他意はなく、 一緒にいれる時間が長いんだと そう言いたかっただけだった、はずなのに。] (-119) 西 2024/06/13(Thu) 0:43:27 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ 初めて会った時からそうだ。 楽しそうに、幸せそうに、悪戯に、 笑う君のそんな顔が 僕は……僕は……。 ] (-122) 西 2024/06/13(Thu) 0:46:02 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ お互いの吐息が感じられる距離、 怖がることさえせずに微笑んでくれる 幸阪のそんな姿を知っているのは きっと僕だけ。僕にだけ許された、特権。 僕を受け入れてもらえているのかなと 都合のいい身勝手な喜びばかり感じて。 ] (-123) 西 2024/06/13(Thu) 0:46:37 |
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![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ でも僕が格好つけることなんて出来なくて。 甘い空気に支配されたまま、 どれぐらい続いたかも分からない 口付けを止めるとすぐに正気を取り戻して。 ] ご、ごめん!幸阪! 僕、調子に乗っちゃって…!! [ 雰囲気に飲まれてやってしまったと 慌てた様子で幸阪から離れたのだったが…。 ]* (-126) 西 2024/06/13(Thu) 0:49:58 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月うん、そうだね。 [ 彼女の言葉に頷いて、 日常に戻ろうと手を引く。 君といればいるほど 君から離れられなくなるって 肌で感じてしまいながら。 ] (-127) 西 2024/06/13(Thu) 0:50:45 |
![]() | 【人】 宮崎暁[ たどり着いたパン屋のイートインで ついつい買いすぎてしまったパンを並べて 僕は君との時間を堪能する。 彼女が選んだクリーム入りのメロンパン 美味しそうだなと思っていたら あーんとしてくれるみたいで 口を開けたら幸阪がそのまま自分で食べてしまい 僕の間抜け面が見られてしまったり。 こういう時、幸阪に振り回されることが多くて なんだかそれも楽しいからと こそばゆくなる僕がいたわけだけれど。 やっぱり彼女といる時間は 僕にとってはかけがえのないもので 一緒にいればいるほど その想いは強くなっていくばかりだ。 ] (88) 西 2024/06/13(Thu) 0:51:42 |
![]() | 【秘】 宮崎暁 → 幸阪結月[ この身体と心は 幸阪結月のことをずっと覚えている。 今更肌で感じたなんて嘘だ。 ずっと、ずっと、分かっていたんだ。 とっくに戻れなくなってることくらい。] (-128) 西 2024/06/13(Thu) 0:52:51 |
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