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【人】 XIV『節制』 シトラ── 玄関ホール・エーリクさんと [ 放たれた手のひらは、瞬く間に血色を失っていった。 それでも僅かに、確かに残る温かさが わたしはひとりじゃないんだって教えてくれていた。 少なくとも嫌われてはいないのでしょう。>>1:451 薄紫の瞳に視線を合わせて 言葉を紡ぎながらそう思った。 わたしの声が途切れる頃に 彼の視線が床の方へと逸らされても>>1:452、 わたしは、彼の方を見つめたまま耳を傾ける。] 知らない、ところに 飛んでいって……しまっている、みたい すり寄り、たくて 不愉快でも、ある…… [ エーリクさんの言葉を小さく復唱したのは>>1:453 似通った感情を、わたし自身 神様の声を聴いたときに感じていたから。] (110) 2022/12/16(Fri) 17:21:19 |
【人】 XIV『節制』 シトラ……まるで、自分の……中に 自分じゃない、誰かが居て そのひとが、自分を…… 突き動かそうと、している……ような 相反する、感情が 勝手に湧き上がって 自分がわからなく……なってしまう、ような …………そういう、感覚 でしょうか [ 己の身に沸き起こった感情を共有しつつ 整理したい意味合いで、声に出す。 証持つ皆が皆そう感じているのか、彼だからなのかは わたしにはまだわからなかった。 今彼と話そうとしているわたしは、 ちゃんとわたしで居られている? ] わたしも、……考えなければいけない、ことも あまり時間が、ない……ことも わかっては、いる……ん、です、が (111) 2022/12/16(Fri) 17:21:32 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ わからなくなって わたしの視線も、一粒の涙と一緒に床へ落ちた。 焦りと不安に怯えながら 神様への抵抗を示そうとするわたしの裏側に、 囁きかけてくる誰かがいる。] (112) 2022/12/16(Fri) 17:22:05 |
【人】 XIV『節制』 シトラ…………昨日、 [ 沈黙を破って切り出した単語は 些か唐突に思えたかもしれない。 離れていた手を、わたしの方から掬い取る。 こういった行いは、 アリアちゃん以外には滅多にしない ] 昨日の、アリスさんを、お祝いする……歌 エーリクさんとも、一緒に歌えて………… ……わたし、嬉しかった エーリクさんは、……どうでしたか 楽しかった……ですか? [ カルクさんが、伴奏をしてくれて チェレスタさんが、歌をリードしてくれて。 足が竦みそうになったときには アリアちゃんとの練習の日々を信じて、 歌詞を忘れてしまいそうになったときには ヒナギクさんの言葉を思い出した。>>0:628。] (113) 2022/12/16(Fri) 17:25:02 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ ユグさんが人を集めてくれて より合唱団らしくなった合唱団の 発表本番はとてもドキドキして、 わたしの中で大切な想い出の一ページに刻まれていた。 新しいことができるようになれば またこんな風に 楽しい想い出を増やすことができるのかな、って そう思っていた、のに。] …………、 みんな、仲良く……は きっとむずかしい、って ……わかってます [ 一方の希望を叶えるために一方への無理強いが必要なら どうしたって皆で幸せにはなれない。 意見が分かれる限り、流れが澱み続けることは 幼い頃から痛いほどに思い知らされてきた。 わたし自身、クロさんとはまだぎこちないままだし わたしを好ましくは思っていなさそうなひととも>>1:172 生理的現象が働いてしまってうまく話せない ] (114) 2022/12/16(Fri) 17:27:00 |
【人】 XIV『節制』 シトラでも、………… ……すこしでも 悲しみの少ない方に……、って そう……思って、います ……わたしは。 [ その為にはみんなで 納得がゆくまで話し合う必要があることも 頭では判っている。判っているのに、 この心は未だ臆病なままだ。 ]* (115) 2022/12/16(Fri) 17:27:37 |
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。 (a29) 2022/12/16(Fri) 17:50:58 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ 羊飼いとして放牧をして 刈り取った毛で編んだ毛織物で 生計を立てていたらしい両親の寝室には、 今思えば辺境の地の酪農家には似つかわしくない 数えきれないほどの書物が並んでいた。 すべてに目を通していたのか、というと 決してそうではなかったようだった。 各地に伝わる箱庭の伝承や聖書を搔き集めて どちらかというとお守りのように位置付けていたのだ。 故郷で暮らしていた頃 両親は、わたしに文字を教えなかった。 本気で必要がないと思っていたのかもしれないし 読めない方が良いと思っていたのかもしれない。 生も死も善悪も何もわからなかった幼い子に 苦しみを負わせまいとしてくれていたのかもしれない。 洋館に来て、文字を教わるようになって 初めて教典の内容を知ったとき、 得体の知れなかった罪悪感がはっきりと形を成して わたしはその場に泣き崩れてしまったから。 ……そういえば、クロさんが洋館にやってきたのは わたしが教典を読める程度の識字力を得て 間もない頃だった。] (148) 2022/12/16(Fri) 20:02:43 |
【人】 XIV『節制』 シトラ──回想・白と黒 …………っ、 ご……ごめん、なさ…… [ 『あんまり泣かないでよね』>>1:322 その一言でまたじわりと視界を滲ませてしまったわたしを、 あの時、彼はどう思ったんだろう。 別に何も思わなかったかもしれないし、 純粋に慰めようとしてくれただけだったのかもしれないし これ見よがしに泣くな、って意味だったなら 呆れられてしまったかもしれない。 改めて尋ねるような勇気は持ち合わせていなかったから 真相はクロさん本人にしかわからない。 ひとつ歳を重ねて、歳ばかり大人へと近付いて ……元々クロさんよりも年上らしいのに みっともない、って思われたかな。 クロさんにも、泣きたい時はあっただろうな。 寿ぎの言葉を一言残して そそくさと去ってしまったクロさんの背中を見送った後。 夜眠る前、一日を振り返る日記に新しい一年の目標として 「あんまり泣かない」を書き加えた。] (149) 2022/12/16(Fri) 20:03:16 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ ──にも関わらず その翌日には何事かでわたしは泣いたし、 ご存知の通り今も泣き癖は治っていない。 けれど、あの日以来 それまでと比較すれば、泣く回数は減ったように思う。 気付くとすれば一番傍に居てくれた アリアちゃんくらいであろう、 ほんの些細な変化でしかなかったかもしれない。 それでも、わたしにとっては革命だった。 わたしの涙を吸い尽くしてくたくたになった白い犬よりも 格段に吸水力の高いもふもふの白ひつじは わたしを見張ると同時に慰めてもくれている気がしたし、 少なくとも彼が同じ場所に居合わせるときには、 可能な限り堪えるようになったのだから。]* (150) 2022/12/16(Fri) 20:04:55 |
【人】 XIV『節制』 シトラ── 回想・もうひとつの居場所 あ、ぅ………… あの、その………… [ 『可愛い』なんて 誰かに言われたのは>>132、 その時が人生初だったんじゃないかな。 村では聴き馴染みのない形容詞だったその言葉が なんだかとても気恥ずかしく感じられたことと、 カルクさんが優しい人で本当に良かった、と 心の底から安堵したのを昨日のことのように憶えている。] ご、ごめん……なさい、本当に では……カルク、さん…………、と。 [ い、言えた……! ……って、顔に出てしまっていたかもしれない。 差し出した掌にカルクさんが乗せてくれた飴玉は、 とびきりあまいとろける林檎の味がした。>>132 その美味しさと、気遣いの言葉と>>133 静謐だけれど温かい祈祷室の空気に それまで堪えていたものが両眼から溢れ出てしまって、 そんなわたしのこともカルクさんは見守ってくれた。] (166) 2022/12/16(Fri) 21:55:23 |
【人】 XIV『節制』 シトラあ……、 ……ありがとう……ござい、ます お世話に、なります………… [ もし何か辛いことがあっても、 悲しいことがあっても、 敢えて口に出すつもりは最初はなかった。 涙は止められなくても、弱音を吐く資格は わたしにはないと思っていたから。 話すのは得意じゃなかったから 無理に話さなくてもいい、の一言が 祈祷室の敷居を跨ぐ難易度を下げてくれた。 わたしが悲しい顔をすることで 本当にみんなを悲しませてしまうのなら、 それはとても申し訳ないと思った。 だからといって、 喜怒哀楽すべてが涙に直結してしまう性格は そう簡単に治るものでもなかった。] (167) 2022/12/16(Fri) 21:55:37 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ いつから、だっただろう。 アリアちゃんのお土産をお使いしながら お土産話も一緒にするようになったのは。 沈んでいる日には決まって面白いお話をしてくれた。 そうして話してもらったお話は、 次にやってみたいことを決めるきっかけにもなった。 悪夢に魘された夜は、 落ち着いたら部屋に戻ろうと思っていたのに。 柔らかなお香の香りと、 頭や背中を撫でてくれる大きな手の温もりは 元々睡眠の不足していた身にそれはもうよく効いた。 ふっと気付けば窓から陽の光が射していて心底驚く、 そういうことが、一度や二度じゃなかった。 初めて悪戦苦闘しながら淹れた紅茶は>>134、 初めてにしては概ね上手く淹れられていたと思う。 というのもカルク先生が横に立っていてくれて、 危なっかしい場面はすべて回避できたからだ。 食堂で一人で復習を試みてみれば 熱湯をポットから溢れさせて ちょっとした騒ぎになってしまったり、 まともにお湯を沸かせるようになっても今度は 何かが物足りない味わいに仕上がってしまったり、と 満足のいく、美味しい紅茶への道程は長かった。] (168) 2022/12/16(Fri) 21:55:48 |
【人】 XIV『節制』 シトラあっ、あの……今日は わたしが、紅茶を……淹れて、みても いいですか…………? [ そんな申し出を思いきってしてみたのは 陽が高くなるまで祈祷室で眠り込んでしまった、 ある昼下がりのこと。 ティーセットを借りて、練習通りに紅茶を淹れて 仕上げに、メルロンをカップの上に乗せた。 その下には、輪切りにしたシトラスと 薬草園で摘ませてもらったローズマリー ] (169) 2022/12/16(Fri) 21:56:55 |
【人】 XIV『節制』 シトラ……ど………… どう、ですか…………? [ 組み合わせは、本を読んで学んだものをベースに アリアちゃんの薬草園を眺めて思い付いたものだ。 つい一週間前に開かれたチェレスタさんを囲むお茶会で 紅茶を淹れる役をしたい、と思えたのは この時の経験が少なからず自信に繋がっていたからだった。]* (170) 2022/12/16(Fri) 21:57:27 |
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。 (a38) 2022/12/16(Fri) 22:04:42 |
【人】 XIV『節制』 シトラ──現在・玄関ホール ありがとう、ございました エーリクさん わたしと、お話……してくれて おかげで、すこし 気持ち……落ち着け、られました ……わたし、 [ 期限は刻々と迫り来る。 エーリクさんも、話しておきたいひとが居るはずだ。 お話がひと段落ついたところで、そっと手を離した。 顔を上げれば、視界が広がる。 常と何ひとつ変わらない笑顔のシンさんが>>1:436 カルクさんの手を取っているのが目に入る。>>139 いつか眠れなかったわたしを 優しく撫でてくれたそのひとが、 今は何故だか小さく見えた。 その柔和な笑みの底にどんな想いを秘めていたか まだ何も知らないわたしは、 世界の醜さも美しさも まだそのすべては知らない、わたしは。] (203) 2022/12/16(Fri) 23:24:08 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ 俄かに、先程より館内が騒々しくなったのを感じた。 お世話になってきた職員さんたちが 険しい表情で洋館内を駆け回っている。 何でも、火急の報せが入った、とか。] …………それ、って、 [ とてつもなく悪い予感がして 思いきり床を蹴って真っすぐに駆け出した。 広間の方へと向かう途中、 ヒナギクさんとはすれ違えただろうか。>>202 向かう先は薬草園、あの子の、アリアちゃんの元へ ]** (205) 2022/12/16(Fri) 23:24:28 |
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。 (a44) 2022/12/16(Fri) 23:28:04 |
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。 (a61) 2022/12/17(Sat) 5:56:51 |
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