42 【突発完全RP村】実になりてこそ、恋ひまさりけれ【誰歓】R18
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―― むかしむかしのおもいで ――
[お菊、お菊、可愛い私の巫女。
遠く昔、まだ私の神の力がもっと強かった頃。
この里に私の神社があった頃。
お前は甲斐甲斐しく私に尽くしてくれたね。
時に星を詠み、時に雨を乞い、時に美しい祝詞を捧ぐ。
でも、そんなお前とも最期の時だ。
人間の生というのはなんと短いものだろうね。
最期だというのに――、
ああ、とても幸せそうな顔でお前は笑う]
大丈夫だよ、お菊。私の可愛い子。
眠りにつくまでそばにいよう。
[最期のその身に寄り添い頭を撫でよう。
お菊の霊力なら私の姿もよく見えように]
……――――、うん……?
今、なんと言ったかな?
[今わの際のお菊が何か言った気がしたが。
よく聞こえずに首を傾げる。
もう口を動かす事すらままならぬのだろう。
せめてその動かぬ指先に手を触れよう。
薄っすらと開く瞳に己の姿を映そう。
そうして、次の言葉は聞き洩らす事がないように]
……ふふっ、お菊は心配性だな。
[よりにもよって、己ではなく神の心配とは!
本当に面白い娘だと思った。
だからこその、神に仕える巫女なのだとも]
[だからこそ、
だからこそ、
愛おしく、別れが惜しいと強く思った。
他の人間への普遍の庇護と慈愛とはまた違う。
”それ”がなんの想いか、よく分からなかったが]
[花を咲かせましょうと、お菊は言った。
黄色くて愛らしい花を。
自分の名前と同じ可憐な花を。
私の周りに咲かせてくれるのだと言うのだ。
きゅっとお菊の手を握り、最期の別れを]
ありがとう、お菊。お前の事は忘れないよ。
輪廻が巡ればまた会う日も来るかもしれない。
姿形が変わろうと、
私はお前の魂の輝きを覚えているよ。
そうしてお前をきっと見守り続けていよう。
[いつか巡り合うその時まで、しばしの別れ。
私は変わらずここにいよう。
お前が咲かせた野菊と共に――。*]
| [アルバイトが顔を上げたのは 目覚めた青年の小さな声を聞き止めたから >>16] おう、起きたッスか! はよざいやーす。 [カウンター越しに尻尾をふりふり 片っぽの唇だけ上げてみせる。 そのまま起きなかったら……とか 救急車呼ばなきゃならないかな……とか 正直気が気じゃなかったのは内緒なのだ。] (25) 2020/09/12(Sat) 18:25:44 |
| 腹減ったなら何か作りましょーか。 ……っつっても、軽食くらいッスかね ここにある材料だと。 [頭をボリボリ掻きながら 口をへの字に曲げて思案顔。 この青年が、訳ありそうなのはともかく 一見普通の人間だと思っている。 万が一にも生き血のリクエストがあったなら 流石に度肝を抜くだろうが。 スキュラ、オイシクナイ、オイシクナイヨ…… ] (26) 2020/09/12(Sat) 18:26:53 |
| [リクエストがあったかどうか。 無くても「そうスかー」なんてキッチンに入って 賄いを作りに掛かるだろう。
鍋でパスタを茹でている間に 半端に残ったピーマン、玉ねぎ、アスパラガスを 適当な大きさに刻んでいく。 パスタが茹で上がったら、切った野菜を にんにくチューブと一緒に炒めてしまえ。
ケチャップと胡椒で味付けする頃には 辺りにふんわり、いい匂いが漂ってくるだろう。 本日の賄い飯「ナポリタン」の出来上がり。] (27) 2020/09/12(Sat) 18:32:27 |
| [リクエストがあったなら その料理を青年の元へ運んだろうし 何も言われなかったら、ナポリタンを皿に盛って 束の間の休憩に羽根を伸ばすだろう。
……ちょっと作りすぎたんで 分けてあげてもいいんスけどね!なんて 内心思いながら。]* (28) 2020/09/12(Sat) 18:36:36 |
[大の男がボクの目の前で膝を折り
旋毛を見せる。
光景だけでゾクゾクと背筋が震えてしまう。]
……ンッ、……クク、……良いぞ……
[温かくヌルヌルした擬似的な粘膜が
指の一本一本に這わされれば
創造主は恍惚と目を細め、被造物を褒める。]
そう……はぁ、指と指の間も、丁寧にだ……
ああ、あぁ、良い子……ん、は、ぁぅ……
[こうされるのは、存外、善いものだと知った。]
クハハ、ボクも可愛がってやろう……そら、
[新たな発見をしながら――、
甘く漏れてしまう吐息や
独りでに踊ってしまう指先を誤魔化すように
彼の口腔の中で指を動かし、舌に擦り付けた。
彼はボディにも学習機能がついている。
快楽として処理されるようになるまで
どれ程かかるかわからぬものだが]
ハァ……どうだ、嬉しいか?
[小さな足先全てを捻じ込んで仕舞えば
足趾をバラバラと動かし
思うがままに彼の口を犯した。
返事ができぬと知りながらの質問は
我ながら意地が悪い。]
[無理やりに動かすから
上下の硬い歯列に指が触れる。
ボクの骨など軽く砕けてしまう
エナメル以上の硬度の歯たち。
けれど牙を剥かれることはない。
少なくとも、自我の芽生えたての今は。
一層、ゾクゾクと震えが走って]
[…………いや、言えたら良かったんだけどさ。
笑われたら、すごい凹むじゃん。
]
もっと、近くに感じたら……安心出来る?
[親指の腹でそっと由人の唇をなぞりながら
アタシはまた質問を重ねる。
恋人でもない人とキスするのは嫌って人
結構多いから、そのつもりで。
唇を重ねてもいいなら
孤独を分かつ者同士、おっかなびっくり
触れるだけのキスをするの。
唇の形が分かったなら、もう少し深く。
温もりを確かめるように
舌先同士を擦り合わせて。
ダメ、と言われたならそれはそれ。
いつも通りハグをしながら
狭いベッドで眠りにつくでしょう。]
[ 続けられた問いかけに揺れる。
いつだって触れられるのは、
体と髪だけだったのに。
親指が唇をなぞる。
ぞく、として、どくん、と打って。
そんな雰囲気になったことは
今までなかったし、彼がどっちなのか、
そんなことすら知らないのだとわかる。
その熱を識りたいと思う自分と
識るのが怖いと思う自分がいて
ただ、おずおずと重なった唇の
柔らかさは、とても好きだった。
絡んだ舌先の甘さも、同じ。
微かに歯磨き粉のミントが抜ける。]
…ま、さ はる───、
[ 知ってはいたけれど、一度も
口にしたことのなかった本名を
その震える声に乗せる。
見上げた瞳に、灯るのは何色なのだろう。]
[ 共に星を詠み、雨を乞い
あなた様の祝詞を皆へと伝え。
命尽きた後はこの地を護る人柱として。
わたくしは正しくあなた様の巫女でした。
強すぎた霊力は人には手に余るもの。
神のものは神へ返さなくてはなりません。
わたくしの命は 神のために。
この日がやってくることは
ずっと前から決まっていました。
だから何も怖くはありません。
霊薬を含み、生命が還ることを感じながら
わたくしは幸せを告げるのです。 ]
―私は、知ってしまったのです。
髪に触れる手が、指先の優しさを。
私の名を紡ぐ音に焦がれる心を。
瞳に映るその姿に、揺さぶられる思いを。
ひとの身でありながら、
あなた様の巫女でありながら
わたくしは
私という女は
あなた様と離れることを拒み、
叫び、悲しんでいるこころを
―わたくしは、知ってしまったのです。 ]
[ ―ぽつ、と。
暗闇の中に咲くのは 黄色の野菊 ]
『 もしも里が 滅びてしまうような日がきて
この地がなくなってしまっても
誰もあなた様を 護れなくなることがないように
あなた様を 忘れないように 』
[そして私も、お前を忘れる事がないように。
例えこの地がなくなろうとも、私はここに。
お前の最期の祝いが欲しい。
お前の最期の呪いが欲しい。
私をこの地に留める……、愛が欲しい*]
お菊
―私という魂が、たとえ在り方を無くしたとしても。
たとえ全てを失って、何もかもが消えてしまっても。
――それでも、
いつかの私が、またあなたの元へ辿りつけるように。
『 ここに 野菊の花を咲かせましょう
あなたが ここにいると わかるように 』
[ ―私が永遠に、あなたの側にいられますように。
祝いを。
呪いを。
祈りを。 ]
| [肉が欲しい、なんて不思議なリクエストだったけど 望み通りにソーセージをたっぷり入れた ナポリタンにしてやろう、と 長い尾をしゅるり、と引きずりながら 奥へと引っ込んでいくのだった。 下半身が蛇であること、別に隠しちゃいない。 たまに失礼な輩から「異形」と言われるけれど 此方からすればこれが通常なわけで。 そうして湯気の立つひと皿を 青年の前に持ってきて───── 無邪気な笑みを見たならば >>36] きしし……ごゆっくり。 [そう、また尾を揺らすのだ。] (74) 2020/09/13(Sun) 8:47:18 |
| [けれども、それからしばらくの後 フォークが床を叩く音に顔を上げれば そこにいたのは無邪気な青年じゃなく さっきよりグロッキーな顔した男 >>48] 個室使うのは大丈夫スけど…… アンタ、本当に大丈夫ッスか? 顔色、すげえ悪いけど……。 [調子悪いならちゃんと言うんスよ、と きちんと言い含めた上で 個室に消える青年の背中を見守るだろう。 何度も読み返した万葉集も 一句一句、頭の中を滑っていく。] (75) 2020/09/13(Sun) 8:47:54 |
| [まあ、ここは漫画を読むために オーナーが作った空間ではあるけれど、 休みたい人は休むだろうし ただ友達と語らいたいだけの人もいる。 何処でどう過ごそうと、自由な空間。
─────ああ、だけど、ご覧! ここにある一冊一冊は、 君を決して孤独にしない!
アルバイトがかつて「客」として この店を訪れた時に出逢った本のことは 今でも鮮明に覚えている。
ろくな娯楽もない世界でただ真面目に 与えられた課題をこなすだけだった男の前に ある日突然この店は姿を現して たくさんの本で男を魅了したのだ。] (76) 2020/09/13(Sun) 8:48:19 |
| [これだけある中の一つくらい、 俺だけのものにしたっていいだろ?
─────そう思って、漫画を一冊、 ジャケットの内側へと忍ばせた。
あの日から男はずっとここに居る。] (77) 2020/09/13(Sun) 8:50:44 |
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