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【人】 修理屋 一二三[工房の戸が開いたのは、>>0 陽も沈みきって宵闇が闇夜になった頃だった。 昨日は昨日で雨の中ふらりとやって来て。 時間も遅いから泊っていくかと聞けば、 「明日使う小豆の様子が気になるから」って理由で いそいそと傘をさして戻って行きやがった。 雨は例年通り明け方には止んでいた。 元々この時期の長雨を考慮して数百年前に建築された 榛名はまめな放水の甲斐もあってか、 昼過ぎには目立った水溜まりもなくなっていた。] ――― ん? あぁ…、どうした。 続けて来るなんて珍しいな。 [若い時分に互いの家や師匠の工房を行き来しつつ、 やれこの駆動部はどうだ、 やれあそこの細工は細かい分強度が落ちるだと。 互いが作った物を見せあったり、 他所の品を螺子の一本までバラしながら明け方まで 語り合っていた頃ならいざ知らず。] (4) 2022/10/01(Sat) 14:44:07 |
【人】 修理屋 一二三[物造りを辞めて古物商に鞍替えした九朗が 約束もなく二日続けて工房を訪ねて来るのは 随分と久方ぶりのように感じて。 俺の方も仕事の方も区切りがついたとこで 多少なりと気が緩んでたんだろう。 思ったことをそのまま口に出せば、 急に涼しくなった秋風を連れた九朗が 「食べに行くなら一緒に行こうと思いまして」 なんて、 しおらしい口ぶりで随分なことを言いだした。] 食べに行くのはそうだが。 お前本当に姪っ子に袖にされたのか。 [もう飯屋に行く気でいる九朗に、 俺は早々仕事を諦めて片付けを始めた。] (5) 2022/10/01(Sat) 14:44:38 |
【人】 修理屋 一二三「えぇ、それはもう見事に。 作った団子も友達へのお土産だそうですよ。」 てい良く利用されたな。 [昨日のアレが試作品なら、 今日姪っ子と作った団子の出来も上々だろう。 祭り、縁日、月見、非日常を詰め込んだような夜に 七つかそこらの姪っ子やその友達が どれだけ団子の美味さを覚えているかはさておき。 片付けを終わらせて財布を懐に入れた俺は 代わりに店の戸締りを済ませていた九朗と並んで 杖を片手に街の方へ繰り出した。*] (6) 2022/10/01(Sat) 14:46:29 |
(a4) 2022/10/02(Sun) 16:13:00 |
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