175 【ペアソロRP】爽秋の候 【R18G】
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[ 同時に、兄さんの優しさを改めて思い知る。
兄さんは昔からずっと優しい。
あまり感情を出す方では無いから
誤解されることもあったかもしれないけど
実際は内に豊かな感情、とりわけ優しい心を持っている。
それは、生まれてからずっと一緒にいた俺が
一番よく知っている。]
[ あの時、ヘンリの腕を疑っている訳でも無いのに
「危険に遭わせたく無い」と、兄さんの真剣な態度で
兄さんは、ヘンリに仲間、幼馴染、妹分以上の感情を
抱いているんじゃないか、と薄ら感付いた。
兄さんとヘンリが恋人同士になったら似合うだろう。
絵になる美男美女同士で、腕も立つ。
むしろ、是非結ばれて欲しいとまで思っていた。
その場合、俺にとってヘンリは
兄嫁だから義姉さんになるのか。
俺の方が誕生日が早いから、義妹になるのか。
ぼんやりと来るかもしれない未来を考えていたのだ。
兄さんにも、ヘンリにも、幸せになって欲しい。
きっと幸せになれるだろう、と信じていた。]
[ 俺は既に、ある人に心を奪われていた。
絵に描いたように美しく清らかで、淑やかな女性。
見た目は勿論、心も同等、もしくはそれ以上に美しい。
かといって芯は強く、王族としての強さも持ち合わせている。
俺のような田舎者が、彼女に釣り合うとは思っていない。
でも俺が勇者として魔王を倒し、世界を平和に導けたなら
彼女の横に並ぶ資格を得るだろう。
いつか来る、その時の為。
──否、その時を自ら掴む為に。
俺は今までより、もっともっと強くなる。*]
| [ 私がアス、エドゥと再会し、セシリーと会ってから 毎日が楽しかった。 共に戦う日々は、幼い頃のチャンバラごっこを思い出し 過去、約束した時の言葉を思い出す。 兄弟のお父さんは、魔物に殺されてしまい >>1:4>>1:5 アスベルは、勇者を目指すことになったと >>0:49 あの時のエドゥの必死の形相は、今もしっかり覚えている。 あの時の緊迫さ、真剣さに 「なら私も、一緒にお手伝いしたい」 と告げた。 >>0:26>>1:7 引っ越してからも、その言葉は忘れたことは無く いつの日かその願いを叶える為、自らの腕を磨き続けていた。 約束を果たす為、二人にもう一度会う為。] (6) 2022/09/18(Sun) 19:29:08 |
| ─回想:再会、決戦前夜─ やっぱり! 何年振り……かしら? 二人とも立派になっちゃって……。背も伸びて 久しぶり……。 [ エドゥの反応に、喜んで近寄っていく。 >>1:11 声も背丈も、私の記憶に存在する 少年時代のものとは違うけど、それも成長の証。 近付き顔をよく見みると、間違いなく私の知る顔だった。] 渡りに船ってところね。 ええ、任せて。私もあれから頑張ったのだから。 ……ねえ、あの時の約束、覚えてる? [ 「大きくなったら皆で魔王をやっつけよう」 >>0:26 親の仇の彼らなら、きっと忘れていないはず。 にっと微笑み、エドゥと拳を突き合わせた。 幼馴染の、お兄ちゃん的存在の仲間に。 (7) 2022/09/18(Sun) 19:31:31 |
| [ そして決戦前夜。 寝付きは良い方だけど、流石にこの状況では のんびり寝られずにいたので 適当に体を動かそう、と散歩していると 武器の整備をしていたエドゥの姿があった >>1:18] あ、エドゥ。 うん、なんだか寝られなくて。 柄にも無く緊張しているみたいで。 エドゥも寝られないの? ちゃんと寝なきゃだめよ。 [ 自分のことを棚に上げて気遣う。 表向きのリーダーは勇者のアスだけど 真のリーダーは、最年長のエドゥとといっても良い。 実際、彼は私より、皆より。 何倍も、何十倍も苦労しているだろう。] (8) 2022/09/18(Sun) 19:32:47 |
| [ 寒さのことに気遣われれば、大丈夫と返し でもその外套暖かそうね、と 布の先を少し借りて使わせてもらったり。 穏やかな時が過ぎていった。] ふふ……募る話も出て来るものね。 話が弾んで寝られなかったら本末転倒だから そろそろ寝床に戻ることにするわ。 ありがとう。少し心も落ち着いた気がするわ。 エドゥも早く寝ないと……。 ………… え、っ。 [ 小さく呟かれた名に、言葉が詰まる。] (9) 2022/09/18(Sun) 19:34:17 |
| [ ──エドゥの大事な弟を見る視線が違っていたことに いつのまにか気付かれていたらしい。
どう答えれば良いのか分からず、暫く沈黙とあ、う、等の 言葉にならない言葉で繋ぎ、数秒。] [ 動揺はバレバレ。誰が見ても特別な感情を抱いている、と 分かる反応を見せてしまった。 否定することも考えたけど、 エドゥには隠し通せないと観念し、 必死に、でも小声でお礼の言葉を絞り出す。] お、おやすみ、明日頑張りましょうね! [ 最後には、振り返ることもせず 逃げるように去ってしまった。 結局、この日はほぼ寝ることも出来ず 長い夜を過ごしてしまった。] (10) 2022/09/18(Sun) 19:36:56 |
[ ずっと前から決めていた。
今伝えると、私の、彼の心を乱してしまうから
全てが終わった後に。
私の想いを、伝える────と。]
[ でも、私は色恋沙汰の機敏なんて何も分からなかった。
エドゥが、アスが。それぞれ淡い想いを秘めていることも。
セシリーとは、恋バナをすることも少なくなかったけど
誰かを想っているらしい様子は、察することが出来た。
相手までは分からなかったけど。
何も知らない間が一番幸せとは言うけど。
その理論なら、私の幸せは明日以降訪れることになる。
その後どうなるかは、私達全員が誰も知らない。]
[ ────でも、もしかしたら。
聡く、仲間をよく見ている彼なら
なんとなく予想出来ていたのかもしれない。**]
| ─少し前〜現在─ ? 何がすごいの? [ 私とセシリーが兄弟と合流した直後。 普段クールなエドゥの言葉がどこか違って聞こえて 何がすごいのかわからず >>1:32 きょとんとエドゥの方を見る。 視線は勿論感じるけれど、超一流の衣装にメイクなので 寧ろ見て欲しいと思っていた。 故に、視線はあまり気になることも無かったので すごいの意味を知ることは、無さそうな気もする。>$0 ] (11) 2022/09/19(Mon) 2:35:52 |
| 王室のドレスとプロのスタイリストに掛かれば こんなに変わるものなのね。 今なら、女優にも顔負けしないかも、と 思ってしまったりするもの。 [ 喜んでひらりと一回転したり その際、深いスリットから伸びた脚が ぎりぎり限界近くまで見えたりしたけれど。 エドゥだけでなく、アスベルにも褒められたので >>1:33 気分はますます上々。 ──この姿で告白とかしたら、どうなるかしら。 正装のアスへ、再び遠くから視線を投げた。] (12) 2022/09/19(Mon) 2:37:07 |
| [ 間も無く二人きりになり エドゥとグラスを交わし、飲んでいる間 他愛のない会話が続いていた。 >>1:34] こんな王家のお城のパーティーだもの。 緊張するなって言う方が無理だから平気。 ? 別に追い抜かれてないと思うわよ。 背だってほとんど変わらないし。 見た目だってすごくかっこいいから。 ありがと。 エドゥだって頼りになるお兄さんだから。 ずっと頼りにしてたのよ。 セシリーは抜けてるところも可愛いのよね。 そこが余計に愛されるというか。 ほんと、羨ましいわ。 [ ふふ、と笑いながら高級な料理も堪能する。 時折料理を皿に取り「これ食べる?」とエドゥに渡し 主役の登場を見守っていた。] (13) 2022/09/19(Mon) 2:38:19 |
| どうしたの? エドゥちょっと変じゃない? もしかして既に潰れる寸前? かわ? ……あ、もしかして可愛い、って 思ってくれてるのかしら? [ お酒が回ってきたのか、重い荷が降りたからなのか。 エドゥの様子が普段と違うように見えたけれど、 前者のような気がした。 >>1:35>>1:36 とはいえ、かわいいと言われて嬉しくないはずが無いので 嬉しさを隠すこともなく、ぱぁっ表情が明るくなる。] ありがと、そう言ってもらえると嬉しいわ。 エドゥだってかっこいいわよ。 ……あ、来たわよ! [ 思えばエドゥはお酒にはあまり強くなかったはず。 二人の晴れ姿見るまでは頑張って、と 水を差し出したところで、主役の姿が目に入った。] (14) 2022/09/19(Mon) 2:40:45 |
| (19) 2022/09/19(Mon) 2:47:17 |
| [ 周囲が一斉に沸いた気がしたが、 その声も、何も聞こえない。 数秒前まで保護者面して温かく見守っていたはずなのに 笑顔は水を引くように真顔になり 心臓を鈍器で殴られたような衝撃が襲い掛かった。 ……言葉が出ない。 ほんの数秒前まで浮かんでいた満面の笑顔は 既に、跡形もなく消え去っていた。*] (20) 2022/09/19(Mon) 2:49:09 |
[弟は近くにいるのに遠い存在だった。
才能に恵まれてて
人を惹きつける不思議な力がある。
その上とんでもなく良いやつ。
俺と全然違うタイプの人間だ。
おしめを変えたこともあって
理解者ヅラで誰より長くそばにいる癖に
俺の方は弟のこと全然解っちゃなかった。]
[旅の中でアスベルは益々成長して
血の繋がった家族とはまた別に
大切な人ができたことは
雰囲気や会話の中で気づけたかも……?
でもそんな人がもし居るならその相手は
ヘンリエッタだろうと思い込んでた。
こんなに魅力的な子を
好きにならない訳がねぇだろう!!
……と、強火で視野が狭まってたんだ。
恋は盲目ってやつ。]
―――回想:飛鳥井村にて1―――
[ 小さな頃のことは、実をいうとあまり思い出したくない。 ]
[ わたしの故郷は、『飛鳥井村』という
この街から遠く、それこそ県を幾つも跨いだ先の、
とある山奥に嘗て存在した小さな村。
今はもうないその村に、わたしたち渡守の一族は
ひっそりと隠れるようにして暮らしていた。
厳密に言えば、渡守の一族のなかでも特に結界術と
戦う術に長けていた一部の者たちが、だけど。
『本家』と呼ばれる人たちがいることは
わたしも知っているけれど、彼等に会ったことは
これまで一度もない。
…たぶん、だけど。
これからも、彼らと会う機会はないんじゃないかな。
本家の人たちは、彼を…あの子のことを忌み嫌ってると
そう、先生から聞いているから。 ]
[ ―――あの村で、わたしたちの一族が何をしていたのか
まだ小さかったわたしには、よくわからなかった。
わたしの記憶の中の飛鳥井村の景色は、
それこそ他の人が思い浮かべるような、
穏やかな田園風景そのもの。
―――四方を、山に囲まれていた。
夏には深く緑を茂らせる山に囲まれていた。
―――田んぼや畑があった。
春には道端に蓮華の花、夏には向日葵や蒼い緑の田圃の景色。
秋は黄金色の野原のよう、冬は薄墨の空から降る牡丹雪。
―――家々は、古い家ばかりではなかったと思う。
紺や朱色の屋根をした古くて大きな母屋や、
庭に建てられた蔵の白い壁。
庭に植えられた樹々や草花の彩。
思い出そうと思えば、今も鮮やかに浮かぶその記憶は
―――今はもう、この世界の何処にも存在しない景色。 ]
[ 小さい頃、父や母や祖父母、周りの大人たちが
わたしを見る目は、決して善いモノではなかった。
わたしには兄が三人いたけれど、皆それぞれに優秀で
退魔の術に長けていた。
よく、父や母が周りの大人たちに、
「本家の連中に引けを取らない」「自慢の息子たち」と
話していたのを覚えてる。
…同時に、わたしのことは「絞りカス」だと話していた。
どれだけしごいてもまともに退魔の術を身につけられない、
優秀な兄たちの後に生まれてきた出涸らしで搾りカスだって。
…傷つかないわけじゃないけど、でも
術師としてのわたしが出来の悪い子だっていうのは
それはどうしようもない事実だったから。
―――仕方ないって、諦めていたんだ。あの頃は。 ]
[ せめて、それ以外のことはできるようになろうって
勉強も、運動もがんばった。…そのつもり。
でも、それでも兄さんたちには敵わなくて。
父母やあの村の大人たちにとっても、
同じように術師の家系に生まれた同年代の子供たちにとっても。
――どこまでいっても、どれだけがんばったとしても。
わたしは皆の中でどうしようもなく落ちこぼれだった。 ]
[ あれは、ちょうど夏の終わり。
日に日に涼しくなり、秋の色合いへと移り変わってきた頃。
…切欠は、なんてことのないちょっとした喧嘩だった。
わたしが鈍臭いと怒りだした兄の一人が、
近くにあった湯呑を手に
わたしの顔へ投げつけてきた。
幸い、中身は入っていなかったし、
直接湯呑が顔にあたることはなかったけれど。
ガチャン!と、近くにあった棚に当たって砕けて。
その破片が、額を掠めた。
最初に感じたのは、痛みより熱さだった。
それが急に冷えたと思った途端。
つぅ、と
赤色
が額から鼻先へと伝った。]
[ その赤を見た途端急に痛みを感じて、
泣き出しそうになったわたしに、
物音を聞いて駆け付けた母は言った。]
「何をやってるの!
本当にどうしようもない子ね、お前が間抜けなせいで
兄さんが怪我をしたらどうするのよ!」
「……ああもう!
お前を見てると本当にいらいらするわ。
さっさと片付けなさい。
怪我を増やしたり、床を汚したら承知しませんからね」
[ 違うと、そう言いかけたわたしの言葉をぴしゃりと弾いて
母は兄を連れてその場を離れてしまった。 ]
[ ―――悲しかった。
もう、腹を立てる気もしなかった。
湯呑を投げた兄に対しても、此方の言い分も聞かず
一方的に悪者扱いした母も。
ただただ悲しくて、どうしようもなく胸が苦しくて。
……そうして気がついたとき、
わたしは割れた湯呑を片付けることもせず、
額から流れる血を拭うことも忘れて、
泣きながら家を飛び出していた。 ]
[ すでに陽は西に深く傾いていた。
頭上に広がる空は半分以上、濃藍色の闇に染まっている。
反対側、西の向こうに陽の光が薄らと、
茜の残照を残して消えかかっているのが見える、
そんな時間帯。
そんな黄昏時の田舎道を、ただひたすらに駆けていた。
それなりに長く道を走っていたはずだけど、
不思議と村の誰ともすれ違うことはなかった。
どこへ向かおうか、
あてなんてどこにもありはしなかった。
ただ、あの家にいることに小さなわたしは耐えられなかった。
つい数時間前まで通っていた小学校の前を駆け抜けて、
なにかあったとき村の人たちが集まる集会所を通り過ぎて
そうして、気がつけばわたしは山のほうへと向かっていた。]
[ 初詣や夏祭りでいったことのある山の上の神社ではなく、
その裏側の、殆ど人も通らないはずの森の中へ。
どうしてそこへ向かおうと思ったのか、
今でもよくわからない。
いつだったか、
「森の中に小屋があったからそこを秘密基地にした」と
同級生の男子たちが話していたのを
なんとなく、思い出していたからかもしれない。
知ったところでどうということはないし、
何より、今となっては確かめようもないことではあるけれど]
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