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【墓】 瑞野 那岐[彼を受け入れると決めたこと。 それは、努力という言葉で表すのは少し違った。 男が求められる側になることに対して、 いざなってみれば、抵抗はなかったけれど。 自身が"そういう側"になることは、 今まで考えていなかったのは確かで、知識の浅さや、 経験の無さを、どう補おうかと思ったことはあるけれど。 異性同士でも同性同士でも。 愛を伝え合うことに変わりはないと思ったら、 以外とすんなり受け入れることが出来たから。 寧ろ、受け入れる側より。 俺で勃つのか、ということの方が気にかかったけれど。 初めて夜を迎えた日に、彼のものを見た時。 それは、杞憂に変わった。 受け入れる身体には、まだ、なってはいなかったけれど。] (+5) 2023/03/29(Wed) 2:26:38 |
【墓】 瑞野 那岐[彼の方は彼の方で、細やかな意識を、 俺に向けていたことは、時折、気づいていた。 爪切りを使わずに爪研ぎを使うようになったこととか。 今日みたいによっぽどの余裕がない日以外には、 ゆっくりと時間を掛けて、身体を解してくれる。 これ以上ないぐらい、愛されているな、と。 感じて、照れてしまうぐらいには。少し。 自覚は、あるのだけれど。 それを言葉にするには俺にはまだ出来ない。 だから理性の皮を被って、普段どおりに接して。 何てことはない会話に笑うふりをして。 波打つ心を抑えたりする時も、時々。] ああ、朝風呂もいいですね。 夜と違って、また空気が美味いだろうな。 [アルコールの代わりに、頬を染めるのはお湯の熱さ。 出すものを出したこともあって。 少しすっきりとした頭で、髪から滴る水気を払う。] (+6) 2023/03/29(Wed) 2:28:31 |
【墓】 瑞野 那岐[彼が訪れたことがあるのなら、彼に任せて。 彼が訪れたことがないなら、二人で一緒に。 俺が知っている場所なら、俺が先に立って。 二人で過ごす場所を増やせていければいい。 写真に収められないぐらいの場所と思い出を作って。 どこに居ても彼を思い出せるぐらい一緒に。 約束を交わさなくても、自然と傍にあれるように。 この時、二人で暮らすことを考えるのは、 まだ随分と先の話だったけれど。 旅行かばんの中には、彼からもらった うさぎの形をした合鍵は、今日も一緒に連れてきている。 彼が感じた後悔を、喜びで埋められるぐらい。 時間を費やして、増やして。共に、過ごしていけたら。] (+7) 2023/03/29(Wed) 2:29:01 |
【墓】 瑞野 那岐[少し先の未来は、そんな時間を共有する証。 街から離れ、山間に建つこの宿は。 周囲の明かりが少なく数多の星と、月が空に浮かぶ。 衝立で仕切られている露天風呂のスペースの隣から、 声は聞こえない。隣が居ないのか。 それとも、今入っていないだけなのか。 風呂場ですらないのか、確認することは出来ないけれど。 湯船の中でもしっかりと感覚を与える掌に、 目を伏せれば、前髪に水滴が溜まる。] ……痛くは、ないです。 [掌の形が分かる程、痕は残っているけれど。 そこに痛みは全くと言っていいほど感じなくて。 寧ろ、それよりも。] (+8) 2023/03/29(Wed) 2:29:19 |
【墓】 瑞野 那岐[重ねた手に、少しだけ力を込める。 俯いたままの前髪から、ぽたりと水滴が落ちて。 湯船に、一滴、波紋が落ちて。] 景斗さんのものに、 ……なれたみたいで、いい。 [はにかむように、微笑んで。 彼の掌の上から、愛しむように脇の痕をなぞる。 愛おしい痕。 彼に付けられるものは何一つ嫌じゃなかった。 身体中に付けられるキスマークも。 身体の奥に残される仄かな熱も、 彼が引き抜いた時に僅かに感じる空白も、全て。 彼が其処に居たと実感できるから。] (+9) 2023/03/29(Wed) 2:29:45 |
【墓】 瑞野 那岐[――ただ、今は。 そんな邪な考えは一切なかった。はず、なんだけど。 名前を口にしたのは、腹に当てられた手が 思いの外大きくて、温かくて。 首を竦めたら追いかけるみたいに、唇が。 薄い肌に吸い付くから、ン、とまた声が溢れる。 優しくはされている。確かに。 殻に覆われた卵を扱うみたいに、優しく。 手を持ち上げられて、指先に落ちるキス。 それが、指先では収まらずに、 付け根を辿り、上がっていくみたいに。 掌と、手の甲に滑って、手首まで。] ……っ、 ……けいと、さんッ…… [戯れのはず。たったそれだけなのに。 手首に落とされた唇に、ぴくん、と反応してしまう。] (+10) 2023/03/29(Wed) 2:30:03 |
【墓】 瑞野 那岐[そんな浅ましい自分を、彼のせいにするみたいに。 焦ったように名前を呼んで。 は、と少し湯で火照っただけじゃない熱を零して。 少し、距離を取るように。 彼が湯船から身体を上げたことに、心なしホッとした。 のも、つかの間。 風呂から上がったせいで余計見えるようになった、 彼の裸体は、もう見慣れたはずなのに。 湯に浸かったせいで、いつもより色づいた瑕が 妙に目に毒に思えて、思わず視線を逸らしてしまう。 手は、まだ彼に取られたまま。] ……それ以上、されたら……、 また、……シたく、なる、から、 [取られたままの手をきゅ、と丸く丸めて。 顔を背けた分、耳朶が赤いのが伝わってしまう。 先に火を付けたのは、あなたのほう。 だから、どうか。笑わないでほしい。**] (+11) 2023/03/29(Wed) 2:30:54 |
【墓】 瑞野 那岐[早朝の誘いにはふたつ返事で頷いた。 せっかくの部屋付きの露天風呂を、 一度だけで済ませるには勿体ない。 夜の食事が豪勢だったからきっと朝食も期待できる。 旅館の朝に出てくる海苔が美味しいのは、 どこの旅館も共通している。 ほかほかの白米に乗せて、しなっていくのを想像したり。 かけ流しの湯から溢れ出てくる湯を見つめたり。 そうして見上げた夜空は、澄んでいてとても美しい。] (+17) 2023/03/29(Wed) 17:38:38 |
【墓】 瑞野 那岐[印が欲しい。 その言葉に言葉に詰まって、水面に視線を落とした。 彼からは確かに見えないかもしれない。 脇腹ほどはっきりはしてないけれど。 そちらこそ痛みがしそうなものなのに。] ……印なら、ついてます。 背中に。 ……俺の、爪の痕。 [頬を染めながら、チラと彼の方へと視線を投げて。 トン、と空いた手で自身の背中を指すように示す。 もしかして知ってて言わせてるのだろうか? それとも、爪の痕以外にも 残して欲しいものがあるのだろうか?] (+18) 2023/03/29(Wed) 17:39:10 |
【墓】 瑞野 那岐[ぱしゃん、とまた湯を散らして腕を下ろす。 片手は彼と重なり合ったまま、どちらとも離そうとはせずに。] それとも、きすまーく? [そう具体的に痕の話を挙げてみる。 そういえば、俺からはつけたことがないかもしれない。 彼が、"視られる"仕事だからというのが水面下にある。 付けられる分には一向に構わないのだけど。 元々独占欲も所有欲なども持ち合わせない質だったから、 人に痕すら残したことはないから、余計に。 付けて欲しい、と言われたら。 それはそれで、少し、心臓が跳ねそうな。] (+19) 2023/03/29(Wed) 17:39:29 |
【墓】 瑞野 那岐[湯船の中で、ドッドッと心臓の脈が聞こえそうな程。 熱くなってきているような気がする。 反応を伺うみたいにこちらを見上げながら、 持ち上げられた手に舌を這わされて、 指の合間の柔らかい部分をなぞられる。 ぞく、とまた微かに身を震わせて、指を折り曲げ。 前に、と促されたら言われるままに尻で移動して。 空いたスペースに彼が身を滑り込ませる。 まるで後ろから抱き込まれるみたいな状態になって、 こちらから見えるのは、彼の足と前に回された手だけ。 ただ、後ろからいつもよりも近くに体温を感じる。 捕まえられた両手が彼によって捉えられ。 少し、自由を奪われる。 温泉で赤らんだ背筋もきっと彼の眼に晒されていて。 首筋に、唇を落とされて。] …… ンっ、 [期待に震えるみたいに、顎を逸らしてしまう。] (+20) 2023/03/29(Wed) 17:39:48 |
【墓】 瑞野 那岐[天を仰ぐみたいに上向けば、目に映るのは外の景色。 視界を遮るのは、木造で出来ている衝立のみ。 背徳感と羞恥で、心臓が騒ぐ。 ワルイコトをするみたいに 少し悪戯の音が乗った声音で、誘われて。] ……逃げ、ない [ふる、と小さく首を振って。 囚われた手を彼の掌に重ねて、指を絡め。 恋人だけの繋ぎ方をして、彼の胸元に背を凭せ掛けた。*] (+21) 2023/03/29(Wed) 17:40:15 |
【墓】 瑞野 那岐[爪痕のことは意識から抜け落ちていたのか、 指摘してみて、一瞬呆けたような顔。 自ら痕をつけました、なんて。 口にさせるのは止めて欲しい。 それが、堪らずに縋ってしまった痕だから。 はにかむようにされたら、居た堪れなくなって。 湯を掬って、ぱしゃんとそちらの方に向かって、 訴えるみたいに、肌にかけて顔を背けた。 彼の背中を見るのは、自身の身体にしっかりと 残された彼の刻印を見るよりも恥ずかしいから。 これ以上は突っ込まないでほしい。 と、暗に示すつもりの水掛け。] (+28) 2023/03/29(Wed) 21:00:04 |
【墓】 瑞野 那岐[けれど、キスマークなら話は別。 興味を示す彼に、笑って。 にぎにぎと繋ぎ合わせた手を、握って離して。 弄ぶように、指同士遊びながら。] 俺も、付けたことないですね。 [初めて同士の挨拶を向けて、ふ、と笑みを深める。 まるで付けてほしいみたいな口振りが可笑しくて。 だけど、こちらから付けましょうか、とは言わない。 求められれば別の話だけれど、 望まれなければ特に肌に痕を残すことはしない。 爪痕は意図的に付けたわけじゃないからカウントしない。 身体を資本とする彼に、あまり。 そういった縛りを付けたくない思いがあるから。] (+29) 2023/03/29(Wed) 21:00:19 |
【墓】 瑞野 那岐[どちらが誘ったのか、これじゃあもう分からない。 首筋から腕を下ろして、もう一度手を握り合って。 お湯の温度と同じくらい馴染んだ彼の掌に包まれる。 逃げるつもりなど毛頭ない。 もとより、逃がす気がないことも知っている。 そこで逃がすような彼だったなら、 今、こうして一緒に過ごしてはいないだろう。 耳朶に近づいた声が甘く、誘う。 湯を割って腹部に腕が回って身体を引き寄せられ。] …… ッ、…… は [ここがどこか分からせるみたいな台詞に、 薄く唇を噛んで、零れそうになった声を殺して。] (+30) 2023/03/29(Wed) 21:01:25 |
【墓】 瑞野 那岐[抱き寄せられた腰の下、臀部の辺りに。 膨らみ始めた彼のものが、つん、と当たる。] ……ん、 当た、ってる 、…… [囁き合って、手を絡めただけ。 直接的な刺激はまだ、互いに与えあってもいないのに。 自身の身体で、また反応を示してくれているのかと思えば、 背徳感に、ぞくぞくと震えが走る。 ぽたり、とまた雫が落ちる。 それが、きっかけだったみたいに。 振り向かせるようとする声に、 おず、と俯きがちに首を傾けていった。] (+31) 2023/03/29(Wed) 21:01:42 |
【墓】 瑞野 那岐[伏せた眼で覗き込むみたいに、見上げたら。 それを待ち望んでいたみたいに細められて、 瞼が降りていくのに、自然。 こちらも、再び眼が伏せられていく。] ……、 は、 ン、ぅ ……[ちゅ、と啄むだけのキスを何度か交わして。 じわりと熱を高めていくみたい。 そのうち、触れ合わせるだけじゃ足りなくなって、 薄っすらと眼を開き、唇を開いて、舌を差し出して。*] (+32) 2023/03/29(Wed) 21:01:56 |
【墓】 瑞野 那岐[つけて、と望まれたなら、数度瞬いて。 彼と眼を見合わせた。 本当に付けてほしいらしい。 ぷ、と噴き出してくすくすと肩を揺らして笑い。] いいですよ、上手くつけられるか、 分からないですけど。 [付け方なら知識としては知っているけれど。 本当に付けたことはないから、本番勝負になる。 痣のように広がった場所では目立たないだろうから、 付けるなら上半身だろうか。 細めた眼で少し、伺うように彼の肢体を眺めて、 意地悪く笑うのは、少し垣間見えた俺の男の性というもの。] (+39) 2023/03/29(Wed) 22:49:23 |
【墓】 瑞野 那岐[その代わり彼にも、晒した肌に痕を望む。 首筋をなぞった指を辿るように、水滴が肌を滴り。 潜められた声に、温まった肌と同じくらい 頬を染めたなら、少し責めるような声に俯いて。 こくんと、喉を鳴らしてしまう。] ……つけて、 景斗さんの、しるし、 [乞われるままに、おねだりを口にして。 もじ、と腰を揺らす、微かに身体が揺れる度に。 ちゃぷんと、跳ねるお湯の音。 水滴がこんなにも卑猥に感じてしまう程。 高められているとは気づかない、まま。 ひとつ、服の下に隠れる場所に落とされたなら、 満たされたような吐息を、洩らしてしまう。] (+40) 2023/03/29(Wed) 22:49:49 |
【墓】 瑞野 那岐[少し身動いでも、腰周りには彼の足が両サイドにある。 笑う気配がする度に、耳を擽られて。 ぴくん、と身が跳ねてしまう度に、 そこが弱いのだと見せつけてしまう。 腰を引いたら、彼のものが存在を訴えて。 言葉でも教えられるから、また火を灯される。] ……俺で、感じてる…… ? [いつか、俺で感じて欲しいと言ったときみたいに。 自身の身体に反応する彼のもの。 分かっていても、何度でも確かめてしまう。 口にされる度に、必要とされていることを、 実感するみたいに。 悪い癖、だと思う。こんなこと。 でも、求められる程、自分の身体も熱くなって。 まだ反応していなかった、それが僅かに熱を持つ。] (+41) 2023/03/29(Wed) 22:50:04 |
【墓】 瑞野 那岐[キスは愛を確かめ合うために交わすもの。 たくさんの愛の形があるけれど、 彼と交わすのは、親愛でもあり、情愛でもあり。 言葉にできない程の、込められた愛も。 言葉にできない分、行動で伝わればいい。 伏せた睫毛が、震えて。 彼の笑う気配に、少し首を傾げる。] …… ッ 、 ン 、ぁ ……[突付かれた先で開いた唇の隙間から、 覗かせた舌先を、甘く吸い上げられたら、 ひくん、と震え、閉じかけた眼を薄く開いて。 もっと、と誘うように、視線を絡め。] (+42) 2023/03/29(Wed) 22:50:20 |
【墓】 瑞野 那岐[次第に深くなっていく口づけに、とろ、と瞼が落ちていく。 身体を預けるみたいに、力が抜けていって。 彼の肩口に寄りかかり、解けた手が肌をなぞって、 上に上がり、胸の頂きに優しく触れる。] んっ、 ンぅ……ッ ぁ……、 [ぞわ、と肌が粟立つみたいに毛羽立って。 指の腹が輪郭をなぞる間に、解放された唇から、 あまい、感じ入った声が溢れて。] ……は、 ……ンッ、 ………、? [声を隠すように自身の手の甲を口元に添える。 とん、とん、と背を叩く手は。 意図が察せず、染めた目尻で見上げ。首を傾げて。*] (+43) 2023/03/29(Wed) 22:50:40 |
【墓】 瑞野 那岐[くつくつと笑いながら、 いつもと少し毛色の違う約束を交わして。 それが叶えられるのは今日か、先の話か。 期限が決められていないのであれば、いつでもいいだろう。 期待に満ちた目を向けられるのを、 今はさらりと受け流す代わりに、 肌に新しく咲かせる花が、ちり、と淡い火を灯す。] ……、……ぁ、 [微かな痛みと共に彼の所有印を残されることに、 僅かな興奮を覚えて、甘いため息を漏らして。 愛おしげに撫でる手が心地良い。 首筋付近では自分で見ることは今は叶わないから。 撫でる指先に、彼と眼を見合わせて。 ついた?と問うて、返される頷きに。 ふわりと、満足げな笑みを零して贈り物を授かって。] (+49) 2023/03/30(Thu) 0:22:53 |
【墓】 瑞野 那岐[水滴を滴らせる肌に彼の唇が滑る。 撫でるような唇が、時折、舐め取る仕草に代わり。 ぞわ、と沸き起こる快感に打ち震え。 身じろぎしかできない彼の腕の中で、身悶える。 俺でしか。 感じられないのなら、それでいい。 そうなって欲しい。 熱を持ち硬さを示し始める下肢が押し付けられて、 その大きさを覚えている箇所が、きゅんと疼く。 先程も荒々しく暴かれた場所。 多少強引に暴かれたとしても、 その欲を向けられることが嬉しくて。 その言葉に、ふにゃりと蕩けるような顔を見せて、 擦り寄るように、濡れた髪を頬に寄せて、甘え。] (+50) 2023/03/30(Thu) 0:23:26 |
【墓】 瑞野 那岐[お湯が揺蕩う音とは違う水音が、耳を擽る。 耳元により近い、顔の先。 互いにこれ以上ないくらい顔を近づけて、 空中で舌を絡めあえば、卑猥な音を立てて糸が滴る。 キスの合間に告げられる告白に、 ふる、と身を小さく震わせて。] ……ぁ、ッ…… ふ、ぅ…… [溜息にも似た甘い吐息が溢れる。 言葉を送り込まれて、吹きかけられる息ごと飲み込んで。 次第に首が、後ろへと傾いていく。 飲み込みきれない唾液が、唇から溢れて頬を濡らす。 向けられる強い視線に眩しそうに目を閉じて、 あ、 と、思う頃には。] (+51) 2023/03/30(Thu) 0:23:58 |
【墓】 瑞野 那岐[ぞくぞく、と背筋から震えが込み上げてくる。 悦びにも満ちた、快感。 こんなの知らない。 赤く熟れた唇を解放されて、くてんと肩口に頭を預け。 胸を喘がせるようにキスで乱れた浅い呼吸を繰り返す。 甘い声を上げてしまった場所を、 彼が喜んで、指が同じ場所をくるくると描く。] ……ん、 ……ン、ゥッ …… [声が聞きたいと言いながら、 衝立の向こうを意識させるその口振りに、また身体が震え。 背を撫でる手すら、欲を煽って。 手の甲で唇を塞いだまま、弱く首を振る。] (+52) 2023/03/30(Thu) 0:24:55 |
【墓】 瑞野 那岐[は、と息を零す頃には、また目尻に水が溜まっていた。 羞恥を煽るのが上手い人。 でも、甘やかすのも上手くて、少し意地悪い。] ……ぁ、ぅッ…… ン、ッ…… [長い指が背の窪みを添っていくのを、 声を押し殺しながら背を反らして、快感を逃して。 そっと、腰を抱き寄せる手を両手で持ち上げる。 その手を、自身の赤い尖りに触れさせれば。 とくん、とくんと、高鳴る心臓の音も聞こえるだろうか。 周囲を撫でられただけで、ぴんと立ちあがった頂き。 そこに彼の掌を押し当てて。] (+53) 2023/03/30(Thu) 0:25:21 |
【墓】 瑞野 那岐[飲みきれなくて溢れさせた唾液も、舌先で掬われる。 頬を、口元を、なぞりあげるザラりとした舌を、 無意識に目が追いかけて、再び唇へ戻れば、 うっとりと細める目が満足そうに弧を描いて。 凭れかけさせた頭、濡れた髪が彼の肌に張り付く。 横から覗き込むような姿勢。 その横顔を何度見てきただろう。 手を伸ばして、近い頬とは反対側の彼の頬を抑え、 ちう、と吸い付くだけのキスを、強く唇を窄め、キツく。 そうすれば彼の頬の少し張り出した部分に薄く、紅い痕が残っただろうか。 酷く鬱血するほどでは無いけれど、確かに薄く残る痕。 こんな目立つ場所に、付けられるとはまさかの本人にも思っていなかっただろう。] (+60) 2023/03/30(Thu) 8:46:34 |
【墓】 瑞野 那岐あと、ついた、 [悪戯が成功したみたいに、目を細めて肩を揺らし、笑う。 さすがに顔は売り物だからと怒られるだろうか。 明日にはきっと同行者である神田や大咲にも見られるだろう。 最近のファンデーションはカバー力が強いというのは、 知恵に聞いたんだったか。 困ったら、メイクで隠してもらうことにして。 パウダーの下に、所有の印。 くすくすと今度は痕がつかないように、 触れるだけのものをもう一度顎先へと送って。] っ、……ぁ、…… [お返しにと腹部を撫でる手に擽られたなら、 漏れそうになる声をまた、噛み殺したりもして。] (+61) 2023/03/30(Thu) 8:47:18 |
【墓】 瑞野 那岐[導いた手の下で、心臓が脈を打つ。 俺の生きている音が、きっと伝わってる。 彼に触れられるだけでこんなにも鼓動が早くなること。 押し当てた手のひらの上から、手の甲を推し重ねれば、 既に弱い刺激で尖り始めていた頂きが手のひらに擦れ。] ……ぅ、ンっ、 …… [小さく息を飲んで、ぐっとまだ動いていない手を押し付けて。 自ら刺激を望むように、数度上下に擦らせる。 こんなに、淫らに刺激を求めるようになったのは、 触って、感じさせて、身体を作り替えた、あなたのせい。] (+62) 2023/03/30(Thu) 8:49:22 |
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