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【人】 医療用 ユー「おはようございます。 より善い一日を送りましょう、その為に…」 医療用グレイとしてのお決まりじみた朝の挨拶。 その途中で、ふとした違和感を覚えた。 「……監察官様?」 そうだ、あの人の姿が見えない。 幾ら自分達にあまり干渉しないとは言っても、 それでもこれまでは確かに皆の集まる場には在席していた。 そんなあの人が、今この朝食の場に居ないのは。 漠然と嫌な予感がして、来た道を引き返して行った。 単なる自分の思い過ごしであればいいと、そう思いながら。 (0) 2021/10/03(Sun) 10:36:22 |
【人】 医療用 ユー暫くして、医療用グレイは食堂へと戻って来た。 「監察官様は…今はいらっしゃらないようです。 もしかすると、一度現状を報告する為に 一時的にログアウトされているのかもしれません」 それならそうと仰って頂ければいいのに、なんて 不安や動揺した様子を見せる事は無く、 ただ、少しだけ困ったようにそう零して。 それはそれとして。 朝食を食べ損ねるのは、とてもよくない、ので。 パンにサラダ、お味噌汁をよそって席について 遅めの朝食をいただきます。 (14) 2021/10/03(Sun) 15:21:02 |
【人】 医療用 ユー「…いえ。ありがとうございます、ルツ」 宣教用からの労いの言葉にそう返して、 同じように遅めの朝食に取り掛かる。 食事を摂る際、手を付けるのはいつだってサラダから。 お手本のようにきっちりとした順番厳守。 「私は…今日は自由にしていて良い、のでしたか ううん…どうにも落ち着きませんが、仕方ありませんね」 提示された仕事をこなしたり割り振る事はできるけど 用途外の事となるとなかなか不器用のがグレイというもの。 この医療用グレイが顕著なだけかもしれないけれど。 (18) 2021/10/03(Sun) 15:55:44 |
【人】 医療用 ユー「監察官様も、きっとお忙しいのでしょう。 何よりも、ブラックが問題無い、と言うのであれば 私達は指示通り過ごし、帰りを待つ事にしましょう」 指示通り、つまりは好きなように。 勿論、割り振られた家事を放棄しない程度に。 何も無ければそれが一番だ。 「何か手が足りない所があれば、気軽にお声掛けください。 探索でも構いませんが…ああ、そうでした 勝手ながら昨日、使われていない一室を 簡易的な医務室に改装させて頂きました。 お怪我の際はご自由にご利用ください。」 監察官が居なくとも、朝の時間は滞りなく進んで行く。 空になった食器を纏めて、ごちそうさまでした。 (25) 2021/10/03(Sun) 16:59:37 |
【人】 医療用 ユー「味気ない……味気ない、とは…?」 手当てに味気ないも何もあるのだろうか。 探偵用グレイの言葉に一人小首を傾げていた。 喜ばれているようだからまあいいのかな。 この場は一先ずそう結論付ける事にして。 「怪我に限らず、体調不良や健康面でのご相談等 『ユー』が必要な時はいつでもお越しくださいね。 ここで過ごす間はせめて、身体にはどうかお気を付けて。」 (30) 2021/10/03(Sun) 17:29:51 |
【人】 医療用 ユー「定期メンテナンス…」 自身の行うものとは違う、根本的なAIへの"治療"。 ここに呼ばれたという事の意味を思えば、それを今行うのは 少しばかり時期尚早に過ぎないだろうか、なんて。 「メンテナンスを受けずとも、 この場所で過ごす事が適切な薬となるのであれば きっと、それが一番なのでしょうね」 (40) 2021/10/03(Sun) 17:57:32 |
【人】 医療用 ユー「…直前までであれば、 きっと付き添いも咎められる事ではないはずです」 メンテナンス中まで付き添えるかは、さてどうだろう。 『ユー』は"医療用"を目的として作られたグレイだけれど、 AIへのメンテナンスに関しては無力、かもしれない。 結局は監察官が居ない以上、可否はブラックに聞くしかないか。 「受けずに済むのであれば、それが何よりですが それでもメンテナンスに呼ばれるという事は、 治療が必要だと判断されたという事です。 必要な時に、適切な治療を受けられないのは …きっと今より苦しい事ですから」 (51) 2021/10/03(Sun) 19:10:35 |
【人】 医療用 ユー「医者を怖がる子ども……」 医療用、ちょっとだけ身に覚えがある。 殺されると言わんばかりに全力で泣き叫ぶ子どもを思い出して、 ちょっとだけへこんだ。ちょっとだけですからね。 「…いえ、まあ、良薬口に苦しと言いますからね メンテナンスに嫌な思い出がある、というわけでなくとも 苦手意識がある事は何もおかしな事ではないかと…」 (61) 2021/10/03(Sun) 19:58:16 |
【人】 医療用 ユー「…メンテナンス、向こうに移ってからは受けていないな」 ぽつり、きっと誰に届くでもない独り言を零して それから少し下向いていた視線を元の高さに戻した。 気付けばドゥーガルは何処かへ行ってしまったようだ。 「何はともあれ、付き添いだけであれば問題無いようですから 不安であれば、何方かに付き添って頂くだけでも 気持ちは随分楽になるかと思いますよ。」 勿論私で宜しければお付き合いします、とも続けて。 手術の前だって家族が付き添うものだ。 メンテナンスに付き添うのだって、そうおかしな事ではない。 (66) 2021/10/03(Sun) 20:21:16 |
【人】 医療用 ユー通信機から流れる"音"は聞こえていた。 歌声と、それから何かの肉を叩く、重く湿った音。 続くブラックの言葉でその正体を察する事になる。 あまり人の形をしたモノに危害を加える事に 慣れてしまうと、戻った時に不都合が無いだろうか。 つい先日誰かが言っていた事を思い出して 僅かに薄ら寒いような気持ちになった。 (73) 2021/10/03(Sun) 21:24:17 |
【人】 医療用 ユー「……というふうに、ブラックから引っ切り無しに お小言が飛んでくる事に耐えられるなら…でしょうね」 ずうっとここに居られるのだろうか、という問いに チープな警告音を発するサポートAIを見る。 恐らくは、この警告も無視し続ければその時は テストは強制的に中断される事になるのだろうな、なんて。 「…少し、配慮に欠けていた事を自覚しました。 もしかすると ゲームとはいえ、暴力的な行動を取る姿を あまり見られたくない方も…居るのかもしれませんね」 単独行動の真意は、わからないけれど。 その可能性もある、と思い至っただけのこと。 (81) 2021/10/03(Sun) 21:38:46 |
【人】 医療用 ユー「…激しい戦闘が予想される時に限らず、 極力戦闘を避け、探索に専念したい時は その時もまた、『ユー』にお任せ頂ければと思います」 取り出したのは拳銃、にしては少し変わった形のもの。 銃弾ではなく、薬液の充填された投薬器を射出する 所謂麻酔銃というもの。 「医療従事者としては、嘆かわしい事ですが… …『麻酔薬』、それがこの場所が私に与えた"武器"ですから」 (89) 2021/10/03(Sun) 22:00:41 |
医療用 ユーは、メモを貼った。 (a28) 2021/10/03(Sun) 22:04:40 |
【人】 医療用 ユー「……さあ、私は私の仕事をしなければ」 監察官の不在、定期メンテナンス、それから塔の攻略。 ほんの少しざわついていた空気が落ち着いた頃。 医療用グレイは、頃合いを見て一度席を立つ事にした。 「ルツ。 スオとリヤの姿が見えませんが、手伝いは必要ですか?」 最後に聞こえた話題はベッドメイキングがどうだとか。 であれば残るは洗濯物の取り込みと、 それから食事の後の洗い物くらいだろうか。 何れも手が必要になるのはもう少し後の用事だ。 二人はそれまでに戻って来るかもしれないな。 不要であればそれに越した事はない。 つまるところ、返答はあってもなくても問題無いのだ。 (92) 2021/10/03(Sun) 23:39:38 |
【人】 医療用 ユー「名札…後で作っておきましょうか」 ぽつり、呟いて席を立つ。 腕章とはまた話が別なのだ。 名札を作るなら、そこに書かれている名称は 『ユー』でなければならない。 ともあれ工作も医務室でやってしまう事にしよう。 働き者の誰かが、怪我をして帰って来たら大変だ。 (97) 2021/10/04(Mon) 0:34:41 |
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