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![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹どう、かな。 変じゃない……? [試着室からおずおずと抜け出て、ゆらりと足を揺らしてみせる。 すとんと落ちるシンプルなシルエットだけど足さばきと風でふわりと揺れて、でもあまり甘ったるい感じもなくて。 チャコールグレーのそれは、今日着ているVネックのカットソーにも違和感なく合いそうで、このくらいなら抵抗なく着て歩けるかなあ、と。 お客様のようなスレンダーな方にこそ着ていただきたいアイテムですとか本当にお似合いですとか、世辞を山ほど貰ってしまい。 そして更にはそのセレクトショップで、このスカートなら絶対絶対このブーツがお似合いですとすごい勢いで推されたブーツも買うことになり。 元々着てきたジーンズとスニーカーをショッパーに入れてもらって、津崎との待ち合わせ場所に向かうことになったのだった。 私は武藤より1cm身長が低いのだけど、このブーツは3cmヒール。 武藤より2cmオーバーしてしまうけれど、武藤はきっと、全然気にしないんだろうなと思う。*] (233) 2022/09/18(Sun) 22:56:54 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹―― 約束のパフェ ―― ……久しぶり。 …………女子力、上げてきました、が…………。 [どうかなあ、と問う声は自信なさげに萎んでいく。 あまりにも久しぶりなスカートは素足が空気に触れてすうすうと心許ない(下にスパッツ履いてくれば良かったと心から思った)し、なんだか、津崎とは微妙に気不味いままで。 あの美術館で、ろくに詳細も知らぬまま朝霞さんとの事に首つっこんで返り討ちにあったり、美術品を壊しまくって自棄になっていた彼を止めたい一心で、結局、津崎を傷つけるような言葉しかかけられなかったり。 しまいには、病院での一件 >>41 でも、心配させてしまったし。] (265) 2022/09/19(Mon) 5:56:05 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹[せっかくだから、果物専門店のお高いパフェ。 もちろん、武藤も好みそうな"チョコレート"の文字もメニューのそこそこに見える。] 津崎は、シャインマスカット、なんでしょう? ["シャインマスカットは俺のモン"と言っていた >>4:292 くらいだから、初志貫徹するのだろうし。] ……なら、別のにする。 マスカット、少しちょうだい。 [ピオーネかなあ、黒い葡萄も美味しいよね。でも私、いちじくも好きなんだ……と悩んだ末に私は、マロンといちじくのパフェにして。 武藤はきっと(絶対)チョコ系だよね。知ってた。 私の気不味さとはまた違う方向で、津崎が"前と同じ距離は、どう考えても難しい" >>-535 なんて及び腰になっていたなんて、私は知らない。 武藤は恋人だけどそれ以前に友人でもあって。 友人としての思い入れなら、私にとっては武藤も津崎も全く同じ感じなのだけど、それは口で伝えても伝わるものか、言葉を尽くしても理解して貰えるかどうかは、そこはちくちくとした不安がある。] (267) 2022/09/19(Mon) 5:58:29 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹[でも、言葉が伝わらないからって、諦めたくない。 津崎の事、大好きなんだよ。 結局、私に似合う歌っていうのを聞かせて貰えてないのは未だに残念だけれど、いつか聞かせてもらえる機会は訪れると思っていたい。 イギリスに行ってる間、動画配信の未編集データが日本に置きっぱなしと言うなら、それ整理しに行く(津崎の代わりにアップロードする)くらいのことは喜んでするつもりだし。 だから、ここで少しだけ憮然とした顔になってしまうくらいは、許して欲しい。] ……え?松本さんと暮らしてるの?津崎の家で? ────早く教えてよ……。 [松本さんの事、私がすごく心配していた事は知ってたでしょうに。 ほんと、津崎は、言葉が足りない。*] (268) 2022/09/19(Mon) 6:01:57 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹[優しい武藤には、酷なことを頼んじゃったな、と思う。 泣いている相手に、もっと酷くしろって言ってるようなものだったし。 でも、欲しかったんだもの。 武藤の全部、私にちょうだい、って伝えたかった。 私の全部も、武藤にあげるからさ。] …………とら。 [苦しそうに名を呼んでくる武藤 >>228 に、大丈夫だから、って笑おうとしたけど、やっぱり見上げた顔は、水膜の向こうに滲んで見えた。 抱き締めて抱き締められた勢い、またずくりと胎内に熱いものがねじ込まれた感覚が走ったけれど、それでいいよと、震える舌を武藤の元へと差し出した。] (269) 2022/09/19(Mon) 6:44:28 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹 …………? は、い…………った……? [多分、そこそこの時間は経っていたのだと思う。 背や腹が強張るくらいの緊張状態はそう長く続くものでもなかったようで、中途半端に浮いていた足も、力無げにゆらりと揺れて。 頭に靄がかかったみたいになっていた中、鸚鵡返しにして緩慢にぱちぱちと瞬いたら、宥めるような唇が眦にも落とされた。 正直、まだ、痛くないと言えば嘘になる。 ずきずきと脈打ってるのが、自分の裡なのか、武藤のものなのか、それすら判然としないけれど。 でももう、自分の身体は、武藤を追い出そういう方向には働かなくなっていた。] (270) 2022/09/19(Mon) 6:45:15 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹い、いよ…………? [武藤、ずっと待っていてくれたんだろうなと思う。 "これ"で終わらないことくらいは、さすがの私も、知ってるし。 この、待つという行為も、少なからず苦しいものだったのだろうし。] 動いて、いいよ。 …………ちょうだい……? [囁いたら、したいこと、してくれるかな。 多少乱暴に扱われたって、私はそのへんの女の子よりは余程に頑丈なんだから構いやしないのに、どこまでも武藤は優しいから。 身体の奥の奥、熱く脈打つものは、かけてくれる言葉以上に"柚樹が欲しい"って言ってくれている風で。 私は小さく微笑みながら、武藤をぎゅうと抱き締めたのだった。*] (271) 2022/09/19(Mon) 6:46:17 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹―― 王子様デートしたっていいじゃない ―― [高校生の頃は、選択肢が限られていたし、その選択肢が、そも自分に合うものではなかったんだなと、つくづく思う。 お化粧覚えて年相応の服を自分で買えるようになれば、悩んでいたことが馬鹿らしくなるくらいにはあっけなく、私は"女の子"になることができた。 すれ違い様、「でけー」なんて言われることは時々あるも、でも同時に「あの人、モデルかな」なんて声も聞こえてくる。そして「女装」と言われることはもう無くなっていた。 ……となると、一周回って、してみたいことが出てくるもので。] (273) 2022/09/19(Mon) 7:57:57 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹……ねえ武藤、服貸して。 "男装"するからデートしよう。 いや、デートじゃないか。普通に、遊びに。 [どうせならユニセックスものとかじゃなくてごりごりに男の格好したらどうなるか試してみたい、なんて。 こういう時、背丈がほぼ同じというのはとても便利で、こうでもないああでもないと武藤と2人、2人分のコーディネートを考えた。1人の持ち服なのだから、当然、似た感じになったわけだけど。 そのつんつん髪ってどうやってるの?と、髪は武藤にやってもらって。 化粧も落とせば、うん、充分男に見えるんじゃないかな。] (274) 2022/09/19(Mon) 7:58:30 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹ふふ、はは、あの声かけって、水商売の、だったんだ。 知らなかった。 [今日の目的地であるところの映画館を目指し歩く道すがら。 通りのすぐ向こうには猥雑な空気の歓楽街が広がっている。 私と武藤はホストクラブのキャッチにやたら絡まれた。2人セットで、ホストになりませんか、って。 なるほど、女の格好で歩いている時の"うちの店で働きませんか"はつまりホステス的な(更にはもっといかがわしいもの的な)仕事の斡旋だったんだなあと今更気付いてくすくす笑う。 どっちが多く声をかけられるか競争する?なんて言いかけたけど、10中10、2人セットでスカウトされるから、その競争は全く意味がないと気付く事になった。 常よりはいくらか"チャラ男"度が増して見える武藤は、でもいつも通りに精悍だし、こっちに向ける笑顔はどこまでも優しいし、かっこいいな畜生、って思ったな。それはもう、何度も。] (275) 2022/09/19(Mon) 7:59:49 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹[────まあ、かっこよかったのは、お互い、ここまでで。] ……………………。 [ねえ、泣いてる?と繋いだ指で会話するように軽く力を入れると、直後、握り返される。 それは肯定なのかな。否定なのかな。 ちらりと傍らに視線を送っても、その真偽まではわからない。 眼前のスクリーンには大ヒット中の新作映画が流れていた。 "めちゃめちゃ泣ける"と評判のもの。 泣かずに耐えられるか競争ね、なんて気安く観に来たのだけど、上映開始30分にして涙腺が崩壊しかけた。 恋人が死に別れる未来が確定している悲恋ものなんて、どうしたって、感情移入しないわけがないわけで。 誰だよ見に行こうって言ったの。私だな。 ああ。生きてて、良かった。 武藤とまた会えて、良かった。 そう思ってしまったらますます泣けてきて。 私の側が降参で良いですとばかり、湿った音で鼻を小さくすすり上げたのだった。*] (276) 2022/09/19(Mon) 8:01:39 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹―― ペットシッター ―― [心底死にたいと思っていた人に、首に縄つけて見張っておきたい >>5:198 とか、首輪つけておきたい >>6:+59 とか、本気で思っていた私は、多分優しくもなんともなくて、自分の正義を押しつけたいだけの子供だったのだと思う。 もしも津崎がこの世を去っていたら本当にそれを実行するつもりだったのだけど、その未来は来なかった。 逆に、想像だにしていなかった、"渡英中の津崎のマンションで松本さんが一人留守番をする"なんて状況になっていて、初めて聞いた私は「……は?」と暫く固まっていた記憶がある。 同居、いや、同棲しているというところまでは聞いていたけど、そこまで、何というか……情熱的な?親密な?関係に至っていたのか。と。 なので、元々予定していた"ペットシッター"の見守り行動の行き先は、主不在の津崎の家になった。] (282) 2022/09/19(Mon) 9:10:41 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹[月に1度……いや、最初はもう少し頻度が高かったかな。 松本さんは料理をしない人だったから、ちゃんと食べているのか心配になって、実家のおかずを多めに作ってそれを届けに行ったりしていた。 愛の力とは偉大なもので、定食屋でのアルバイト >>255 を始めていた松本さんは、自らもぽつぽつと料理をするようになっていて。 そこにはもう全然、"死にたがり"の影なんて見えなくなっていたから、"見守る"意味も既に無くなってはいたのだけれど。 でもきっと、"自分のための料理"には腰が重いに違いないと踏んで、何かと理由をつけて、"ハッピーセット"でお邪魔していた。] (283) 2022/09/19(Mon) 9:12:15 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹唐揚げ、作ってきました。 津崎、この家で揚げ物するの嫌がるかなと思って。 あ、あと、野菜も色々。 [松本さんと一緒にこの家で夕食作って食べてもいい?と津崎に問い合わせたら、返事の冒頭がまず"焼肉厳禁"だったから、これは私が思う以上に津崎は潔癖……というか綺麗好き?なんだなと察して。 松本さんが覚えた料理、私が普段作っている料理、あれこれ持ち寄って、武藤と3人で宴会するのがなんとなくの定例会になっていた。 ついでに皆の顔と料理とを自撮りして津崎に送りつけるまでがセットになっていて。] 『今日は焼売!』 『私のは海老入り、松本さんのは干し貝柱入り!』 『あ、唐揚げはここで揚げてないよ、』 [そんなメッセージつきで、ビール缶掲げてウェーイな私たちの写真を見た津崎がどんな顔してたのかは、知らないけど。*] (284) 2022/09/19(Mon) 9:14:30 |
3年生 黒崎 柚樹は、メモを貼った。 ![]() (a35) 2022/09/19(Mon) 9:23:09 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹ぇ、あ……っ!……んぁ……ッ! [ずるりと裡から怒張が抜け出ていって、戸惑うより前に奥深くを貫かれた。 ひゅ、と喉が鳴ると共に、両足がびくりと跳ねる。 押し出されるように、一度は止まっていた涙がまた目縁を伝っていく感覚があった。 泣くほどの痛みではなかったはず。 なのに、押し出されていくかのように、突き上げに呼応するように水滴が散っていく。 これまでとは比較にならない、全身がばらばらになりそうな感覚だった。なんだろう、内臓、かき回されて、武藤と1つ混ざろうとしている、みたいな。 尖痛だった痛みはじわ、とずっと低層音になったみたいに続いていて、まだ、気持ち良いとまで思えるものではなかったけれど。] (298) 2022/09/19(Mon) 9:55:14 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹む、とぅ…………ぅ、 ……っ…………と、ら。 [ああ。これが欲しかったんだ。 武藤の初めて見る顔。 お前が欲しいって、笑顔じゃなく、どこか必死な顔で、でも、とても綺麗だと思った。 私は泣いてばっかりで全然かっこよくもかわいくもないなあ、これ……なんて思いながら、重なり軽く噛まれる唇には、こちらから舌を差し出して。 武藤、きもちいい、かな。 いいと良いな。 そう思いを馳せた時、胎内を抉ってきた一ヶ所が、びり、と。] ……ん、……ぁ、ん……ッッ!? [苦痛とも快楽ともつかない不思議な感覚を残していって、背中を大きく震わせたのだった。] (300) 2022/09/19(Mon) 9:55:58 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹―― 約束のパフェ ―― […………ん?] え、待って。 "前よか今のほうが"って、 >>296 津崎、私のこと、可愛いと思ってた……の? [いやいやいや、それは無いでしょう、と、思わずこっちも負けじと津崎の顔を見つめ返してしまう。 武藤は──今から思い返せば──割と早い段階から私のことを可愛い可愛い言い始めていて、私は結果的にはそれをガン無視していたわけだけど、津崎は全然、そんなこと欠片も無かったし。 ああ、今日は知ってる津崎の顔だ。 サラツヤピカーの髪に、今ならわかる、あれこれ"盛っている"美容男子の顔。 病院での痛々しい姿も記憶に遠くなかったから、それには素直に安堵した。 眉毛抜くのはね。相変わらず難易度高いんですけれども。 でも、やってるよ。涙目になりながら。 ────で。] (303) 2022/09/19(Mon) 10:20:59 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹もて……もて。 [ソウデスネー、と苦笑い。 いや、実際、武藤も津崎もやたら目立つ。 若干圧はあるものの、基本的にはイケメンなのだし。 ましてはここは妙齢の女子含有率8割強な空間なのだし。 目立つ彼らとタメ語で話し、躊躇なくパフェグラスにスプーン突っ込むでかい女も、彼らほどではないにせよ、目立ってはいたのだろうと思う。 あえて今日は重い話をぐだぐだと持ち出すことはしなかった。 "桃園の誓い"の場だし? >>278 こんな場でやいやい話し合いしたら、余計な口は挟むまいなんて気遣ってくれている武藤 >>278 の心労が増してしまいそうだし。] (304) 2022/09/19(Mon) 10:21:46 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹……うん。 今日教えてくれたから、いい。 別に怒ってはいないよ?ほんとに。 [この日にと、ちゃんと報告してくれた津崎には素直にありがとうと言って、] 良かったね、津崎。 [そう言ったところで、"何が?"不思議そうな顔をされてしまうかもしれないけれど。*]s (305) 2022/09/19(Mon) 10:22:03 |
3年生 黒崎 柚樹は、メモを貼った。 ![]() (a37) 2022/09/19(Mon) 10:24:13 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹な、ん…………っこ…れ、…ぁ [脳がその感覚を拾うより早く、背と足がびくりと跳ねて、直後、無意識に武藤をぎゅうと締め付けてしまった。 滲む視界、間近に見える武藤の顔 >>322 も少し苦しそうに歪んで見えて。 ごめんね、痛かった……?なんて思ったのだけど、むしろ、逆だったみたい? 身体の奥に埋まる熱が、強く脈打つような感覚が走った。] ぁ、ゃ……これ、おか、し…………ぅあ! [快感とは、違うと思う。 それは温かで、穏やかで、安らぎを覚えるものだと思っているのに、今、電流でも走るみたいに身体をひくつかせてくるのは、意識も理性も全部攫っていくみたいな、暴力の波のようなもの。 知らない感覚に困惑しながら、それから逃げるように頭を何度か緩慢に振ったのだけど、顔を少し歪めた武藤が"きもちいい"と言ってくれたから、その困惑もいくらかは薄らいでいった。] (329) 2022/09/19(Mon) 15:49:38 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹…………ふ、ぅ……っ……っ [いよいよ喉からはとんでもない声が出てきそうだし、意識が白く焼き切れていくよう。 手の甲でおかしく跳ねそうになる吐息を殺していたのだけど、最後は、私の名を呼ぶ声に応えるように、武藤にしがみついていた。 その頃には、身体が勝手に浮かんでしまいそうな不思議な浮遊感と焦燥感ばかりが身体を満たしていて、もう痛みは遠いものに感じられて。] ……ッ………………ぁ、 [首筋にごく微かに走る痛みと、熱と、それよりももっと熱いものが胎内で弾ける感覚と。 最後の最後は、忙しない呼吸が武藤のものか私のものかも、判然としなかった。] (330) 2022/09/19(Mon) 15:50:35 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹む、と…………? [私もなかなか酷い顔になっている気がするけど、武藤の髪も、くしゃりと水を刷いたみたいになっていて。 常には滅多に見せない眉間の皺も、今日は怒り顔ではない風のを沢山見た気がする。 今日はなんだか知らない武藤をたくさん見ているなあと、ちょっと笑えてきてしまった。] …………"ちゃんと"出来たね。 [よかった。うれしい。 私の初めてが武藤で良かったし、武藤の初めてが私なのも嬉しい。 武藤が離れていってしまう前に、そう囁いて、抱き締めた。*] (331) 2022/09/19(Mon) 15:52:41 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹―― 送らなかった、死者への手紙 ―― [朝霞さんからのグループLINE。 >>287 "手紙参り"なるものの誘いで、朝霞さんが代表してお焚き上げに行ってくれる、と。] …………うーん…。 [多分、朝霞さんのことだから、皆の分を集めたいとか思ってるんじゃないかな……と思ってしまう。] …………でも、私の貰った小泉さんからの遺言は、 手紙じゃなくてあの時の言葉 >>6:22 なんだよね。 [どう考えても、最後はその考えに辿り着いてしまう。 どこか他人行儀な、綺麗な言葉が並んでいたあの手紙。 それもきっと小泉さんの素顔の一面だったのだろうけど、美術館での最後の日に独り言のように落とされたあの言葉とあの表情の方が、私にとっては一番の真実だった。 ああいう風に返事をしてくれた、元の私の言葉も脈絡なくてぐちゃぐちゃで大概酷いものだったわけだけど、でもあの言葉もまた、あの時の私の一番の本音で。 あのやりとりとこの思いは、私が一人で抱えていけば良いことで、今更手紙という形で整えた文字にして小泉さんに送る意味も、無い気がした。] (336) 2022/09/19(Mon) 16:58:31 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹『朝霞さん』 『手紙送りの連絡ありがとう』 『黒崎は手紙は送りません ごめんね』 『何か手伝えることあったら言ってください』 [そう個別LINEに文字を打ち込んで送信アイコンをタップした。 きっとマメな武藤あたりはわざわざレターセット買ったりして手紙書いたりしてるんだろうなあと思いながら。*] (337) 2022/09/19(Mon) 16:58:50 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹[…………ああ、そ、っか。 武藤の体温が遠ざかっていくのは残念だったけど、そういう"後始末"的なものが必要なのはうっすら察し、男の人は大変だなあと思ったものの、私の今の姿勢も大概で。 はしたなく開いていた足をゆるりと閉じようとしたら、シーツに薄紅色が散っているのが見えてしまった。 季節はずれの桜の花びらにしては、生々しい、淫靡な色。] ごめん武藤、シーツ、よごし……、 [視線を上げてしまったものだから、その、うっかり、見て、しまった。 その、外したそれ、を、結んだ……り?ティッシュにくるんだ、り??] (341) 2022/09/19(Mon) 17:23:42 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹……………………っ。 [今までとは別の意味で顔を赤くしてしまいつつ、でも、まあ、見えてしまったものは仕方がないとばかりにそのままそこからの全工程、観察してしまった。ごめん、武藤。] …………男の人って、たいへんなんだね。 [戻ってきてくれた武藤を抱き締めながら、ついそう言ってしまったことに、特段の他意は無いし、ちゃんとお返事もしたよ。] めちゃくちゃというのと違うけど……、 気持ちいいなって思ったし、またしたい。 武藤となら、いっぱいしたい。 [って。*] (342) 2022/09/19(Mon) 17:24:11 |
![]() | 【人】 3年生 黒崎 柚樹―― 小泉さんのバイト先 ―― [恋人がコミュ強で本当に良かったと心から思いながら、つらつらと滑らかに口上を述べてくれている武藤の傍ら、私もぺこりとお辞儀をする。 小泉さんが長く働いていた、パン屋さん。 店内に漂う香りは、美術館のキッチンで嗅いだものとほぼ同じ。。 小麦の生地が焼ける匂い、クリームが炊ける甘い空気。 死にたいと思っていたらしい小泉さんの、ここは大切だっただろう場所。 同僚さんらに慕われ、店長さんからも"ここで働け"と言って貰えていたくらいであるらしいのに、それでも全てを捨てて"死にたい"と思っていた小泉さんの絶望はいかばかりのものだったのかなと、心の端の方がつきんと痛くなった気がした。] (348) 2022/09/19(Mon) 18:02:20 |
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