情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 ][『月』 エーリク[ 能動的に動いていたわけではなく、 ただそこに在り、見ていただけの月 在ることに、意味があったといえば そうなのだろう。 では――何を思い、何を成し、最後になんと 言ったのか。 それを知るものは、居るのだろうか。 ] (247) 2022/12/17(Sat) 4:50:22 |
【人】 ][『月』 エーリク―― 玄関ホール・シトラと ―― [ 自分の言葉を辿るように、シトラがそれ>>110を繰り返す。 一つ一つに、頷いた。比較的優しい声色を伴って。 話される言葉の響きには、疑問や否定よりも 肯定や同調の色が強かったとしたら、 殊更に優しく。 ] そう……。 僕が何かを考えると、 僕ではない誰かの声が、強くそれを 否定する 違うでしょう?本当はどう思っている?と。 そのうち、本当がどれなのか 僕自身どう思っているのか わからなくなってきて。 [ どうやらシトラも似た感覚に囚われて いるらしい>>111 互い手を取り合って、 不安と不安が寄り添ったところで生まれるものは ないのかもしれないが、それでも ひとりじゃないことが、心地よく この手を離すのが、どこかへ行ってしまうのが 心細く、惜しく思えた。 ] (248) 2022/12/17(Sat) 4:50:40 |
【人】 ][『月』 エーリク[ 彼女にも取りたい手や、 話を聞きたい口や、話を聞いて欲しい耳が 他にもあるだろうに。 流した涙>>112を拭うことも出来ないこの手より 寄り添い涙を拭いてくれる手のほうが 余程欲しているだろうに ああ、ごめんね もう少しだけ。 ] (249) 2022/12/17(Sat) 4:50:59 |
【人】 ][『月』 エーリク[ 涙に濡れた二人、ぼんやりと視界を歪ませて いると唐突に、昨日の話を彼女がし始めた>>113 昨晩、アリスの誕生日会の話。 全員で歌いたいとヒナギクが言い>>0:377 面倒見の良いアリアの口添え>>1:405もあり 以前は二人抜け出した事もあったが>>129 自らの意思を持って、参加を決めた。 稽古は碌に参加しなかったかもしれない。 合唱団の一番後方、なんなら背の高い誰かの 後ろに隠れ、いるかいないか分からない位置を 陣取って。 それでも主役が喜んでくれるようなら 嬉しいと思ったし、ささやかながら贈り物も した。――その時、アリスはどんな表情をしていたかな。 他の皆が贈る時と同様、喜んでくれていたなら 良かったのだが。 シトラは嬉しかったと言う。 自分とも一緒に歌えて、嬉しかったと言った。 ] (250) 2022/12/17(Sat) 4:51:28 |
【人】 ][『月』 エーリク[ 耳障りの良い言葉を言うべきだろうか。 だとしたらどう返すのが正解だっただろう。 他人事のようによかったね、と言うべきだったのかもしれない。 そう気づいたのは言葉を放った後のこと ] うん、アリスうれしそうで 楽しい? ……うん、多分そうだったと思う。 [ 掬い取られた手がほんの少し 僕を喋り上手にしたのかもしれない。 ] 昔、……祝われたときのことを少し思い出して 皆楽しそうで、 ああ、そういえばこういうのを楽しいって 言うんだなって、 (251) 2022/12/17(Sat) 4:51:50 |
【人】 ][『月』 エーリク[ 思い出したような気持ちになった。 シトラは続けて、皆仲良くは難しいと分かっている とそう口にした>>114 あげればキリがないが、たとえば わかりやすいところでは。 僕とチェレスタ。君とクロ。 悪魔とユグ。 その他にも微妙、や複雑、な関係は多々あることだろう。 悲しみの少ない方にと君が言う>>115 大きな、大きなため息を付いた。 ] (252) 2022/12/17(Sat) 4:52:14 |
【人】 ][『月』 エーリク[ 君は、眩しい。 同じ迷っている、でも。 悲しみの少ないように、 誰かが悲しむことのないように、 選択をしようとする姿に、目が眩むほど。 比べて僕は――自分のことばっかりだ。 そんなことを願ってはいけない、も、 苦しみから解き放たれるなら、破滅でもなんでも どうでもいい、も 自分のためだ。 そして、君がそう願うなら、 それもいいかもしれないと揺れることもまた 自分のため。 きっと「月」もそうだったのではないだろうか。 ] (253) 2022/12/17(Sat) 4:52:35 |
【人】 ][『月』 エーリク[ それから少し、どうしようと不安になったり 不安になっては昨日の話をしたり、 もしかしたら出会った時の話もしたかもしれない ] 愛想のないやつだと思ったでしょう そうなの、愛想のないやつなの でもここにいる皆のこと、君のこと ありがたいと思っているし、きらいじゃないよ [ という具合に。やがて彼女から感謝の言葉を 告げられて ] あ、………うん こちらこそ [ たまたま近くに居たからと袖を引いてしまったことで 時間を浪費させたことに気づいたが、 謝罪するより早く、彼女は決心を口に出し>>204 駆け出していただろうか。 ] ――シトラ、 [ その背中にすらまた僕は、ありがとうすら 言えなかったのだろう。* ] (254) 2022/12/17(Sat) 4:53:00 |
【人】 ][『月』 エーリク―― 回想・満ちていく ―― ………僕がいたら、雰囲気が悪くならない? [ 洋館で過ごして初めての行事のときに 僕はそう彼に問いかけた。 続けて ] 僕陰気だし、盛り上げることもできないし 存在が華やかでもないし [ そうぶちぶちと言った事もまた、彼への 甘えの一つだった。 試しているわけではなく、本当にそう思っていた だけの話だったのだが。 「僕が楽しめなくても、皆が楽しめれば いいんじゃないの」 いつだか、微妙な反応を返した際の、 彼からの答え>>129にそう返したところ その次の行事の際に、二人で遊びに行こうと 手を引かれたことには心底驚いた。 ] (255) 2022/12/17(Sat) 5:17:37 |
【人】 ][『月』 エーリク[ だってあなたは僕とは違って、 洋館内ではとても頼られて、信頼されている人で そのあなたが行事を欠席することも、 外へ抜け出すという範囲外のような行動を促すことも とてもするとは思えなかったもの。 ――昔生意気で手のかかる子だったことを 聞いたことも驚いたが。抜け出す手順や 手際を見たなら漸く納得に至っただろう。 ] ふふ、……今からすると 想像もできないな ね、あれは何をしているの? 細工?なんの? ね、あれほしいな 買ってもらえるかな? 飾るんだ、だって僕の部屋、殺風景なんだもの [ 露店街ではあれやこれやと興味を示し 小さな硝子のオルゴールなど、ねだったりもした。 目論見通りそれを手に入れたとしても、 それよりずっと、あなたと二人、洋館を抜け出し "わるいこと"をしたという高揚感のほうが ずっと僕を満たしてくれた。 自分の知らない貴方を知ることが嬉しかった。 その時ばかりは、年相応に声を上げて よく笑った。 ] (256) 2022/12/17(Sat) 5:18:25 |
【人】 ][『月』 エーリク[ 貴方の古い傷のことも、 貴方が僕を守らねばと心に決めたことも、 きっと僕は知らないし、知らないままで ただ貴方が存在していることに、甘えていた。 執着とは少し、違う。 思慕というような、形はしていない。 いうなれば依存やそれに近い形だった。 それがいずれ貴方を苦しめることになるかもしれないだとか 一人で生きていけなくなるだとか、 考えられるような年齢ではなかった。 それをいけないことだと咎めてくれるひとが いないまま、年と体だけは、大人相応に なってしまった。 それ故に、弟妹に邪魔されず両親の愛を受け取る 時間を兄姉が享受するように、 ときどき、彼が連れ出してくれることを無邪気に喜んだ。 ] (257) 2022/12/17(Sat) 5:19:02 |
【人】 ][『月』 エーリク[ 子供じゃないのだから そう咎められることなく、寄り添ってくれる存在がいる それだけで、洋館に来た意味は あると思う。 こっちへおいで。>>131 うん。 短い会話のあと、彼がちゃんとここにいる それを確かめてから眠りにつくと、 いつもよりは、長く安らかに眠ることが出来た。 悪夢をみたわけでもない、ただ漠然と 彼が居なくなってしまうという恐怖に囚われて 息苦しくなることがよくあったから。 ――今でもたまにあるのだが。 悲しいかな、僕は少しだけおとなになってしまった。 眠れない夜の過ごし方を、覚えてしまったものだから。* ] (258) 2022/12/17(Sat) 5:19:14 |
【人】 ][『月』 エーリク[ 満ちる、欠ける。 溶ける、削がれる。 形を変え、色を変え、まるく。 削り取られ、色を失い、新月になる。 月は移ろう 月はいつでも、同じあり方をしていない。 不安定とも、変えられる強さとも。 ] ……全員揃う…… [ そして今この『月』は根本を覆すような 物思いに囚われた。 選ばなければいけない、それは理解している。 ――だがもし、不慮の事故等で、 選択する前に、 月が欠けたら、22人が21人になったら。 それでも世界は崩壊を続けるのだろうか――。 ] (259) 2022/12/17(Sat) 5:47:59 |
【人】 ][『月』 エーリク[ もっとも、痛いのも熱いのも 苦しいのも、想像するだけで、御免被りたい と考えてしまうものだから、実行に移すつもりは 微塵もないのだが。 良くも悪くも、移ろいやすい安定しない 脆さを伴っている物思いは、 誰かの一声あれば、肯定し、 また誰かの一声あれば、否定し、と 定まらないまま、時だけが過ぎ去って いきそうな有様であった。 ] (260) 2022/12/17(Sat) 5:48:21 |
【人】 ][『月』 エーリク―― いつかどこかで ―― [ 呆然としていた彼女が、やがて口を開く。 叫び>>234を正面から浴びて、瞬きを数度。 ――暫しの間、瞠目しやがてこちらも 口を開いた。 ] ――別段、あなたを恨むようなことはないよ 恨まれるようなこと、僕にした? ……そうじゃないね ごめんね けれどごめん、それは僕にも分からない (261) 2022/12/17(Sat) 5:48:59 |
【人】 ][『月』 エーリク[ 僕は箱庭の「月」ではなく、 あなたは箱庭の「審判」ではない。 それらの証を身に刻まれて産まれてきただけの ただの人間。互いにそれはわかっているだろうに 先に拒絶を示したのは僕のほう。 けれど、一歩近づき、似つかわしくない笑い方で こちらを見る彼女>>235には、少し面食らった。 そうしてしまったのは、僕だったのかもしれない。 彼女はいつも、朗らかに笑っていた。 楽しげに歌を紡いでいた。遠くから見る限りは それが"僕がこの場にいるせいで"表情を 歪ませているのだとしたら、これほど痛ましいことはない。 その表情が別の意味で少し怖く思ったこともあるが ] (262) 2022/12/17(Sat) 5:49:54 |
【人】 ][『月』 エーリク ごめん チェレスタさん もう近づかないようにするから [ 長いこと見つめ合っていたものだから、 その言葉は貴方に届いたかどうか。 逃げ出す彼女の背を追うようなことはしない。 ただ、己のせいであんな顔をさせてしまったことを 申し訳なく、思った。* ] (263) 2022/12/17(Sat) 5:50:18 |
【人】 ][『月』 エーリク[ ――というようなことがあったものだから。 動きを追うような視線>>246にはいち早く 気づいた。 近づかないようにすると以前一方的に ではあるが約束した手前、去るべきか それとも勇気を振り絞って、 声をかけるべきか。いや、なんて?なんて声を? 迷い、一度は顔を上げ、彼女を見る。 それでも互い言葉が出ないようなら わけもなく一度頷き、自室の方へ向かうだろう。 受け取りようによっては、もしかしたら ふたりで。** ] (264) 2022/12/17(Sat) 5:50:44 |
][『月』 エーリクは、メモを貼った。 (a60) 2022/12/17(Sat) 5:55:54 |
【人】 ][『月』 エーリク―― 自室へ至る ―― [ 一人か、もしくは後ろについてくるものが いたか。この部屋に誰かを招くことなど 数える程度しかなかったもので、もてなすための 道具に持ち合わせはない。唯一、珈琲カップだけが ないと不便だからと、二対揃えていた。 ――もしかしたら露店でねだって 買ってもらったものかもね。 ベッドチェストの上には硝子のオルゴール そして隣に、羊のぬいぐるみ。半年ほど前に 贈られたもの>>0:529だ。 余談では在るが彼"ら"は兄弟である。 最初の年に貰った後、もう一人ほしいと クロに言った。 僕には兄弟というものがいないけれど 一人は寂しいだろうからと、言ったのは表向き。 本当は、縋り癖を直そうと、一人で 耐えているときに、構いすぎたがため すこし、傷んでしまっていたから。 ] (349) 2022/12/17(Sat) 21:42:35 |
【人】 ][『月』 エーリク[ 殺風景と言っても差し支えない部屋に、 さて客は居たか、否か。 どちらにしても、珈琲マシンのスイッチを入れた。 やがて、張り詰めた空気を和らげる 香ばしい香りが漂うことだろう。 ] 選択、……正直、よくわからない どうでもいいと言い換えてもいい [ 例えば父母、――生きていれば良いとは思う あれから一度だって手紙すら寄越すことはないが 別れた日にわずかに膨らんでいた彼女の腹からは 弟だか、妹だかが産まれてもう自由に歩き、 簡単な言葉なら会話もできていることだろう。 ――それが正しい、兄が証持ちであるなど 知らないほうがきっと幸せだ。 だが、彼らだっていずれ死ぬ。 それが明日か、何十年か先かという話で。 どうせ死ぬ。 ] (350) 2022/12/17(Sat) 21:43:09 |
【人】 ][『月』 エーリク[ 幸せな最後を迎えさせてやるために、 走り回って説得してまわる"べきなのか" そう考えている時点で、口にした通り どうでもいいと思っているのかもしれない。 自分一人の選択で選び取れる未来が あるとしたら、どう答えていただろう。 僕と一緒に全て滅べばいい そんな大それたことを、言っていただろうか。 言っていたかもしれないな。 ――しかし、選択は全員に委ねられている そして今しがた、眩しくたっとい願いを聞いた。 好きにすれば?僕は崩壊を望む、 とはとても言えまい。 ] (351) 2022/12/17(Sat) 21:43:31 |
【人】 ][『月』 エーリク シトラが言ったんだ 悲しみの少ない方に、って どちらのほうが、悲しみが少ないのだろう [ 崩壊を止めた先に、 己が悲しまない未来はあるのだろうか。 言葉を放ったと同時に、珈琲マシンが動きを止めた。 望まざろうとも、もしも二人だとしたら あなたの分も、慣れた手付きで珈琲を注いだ。 ] (352) 2022/12/17(Sat) 21:44:04 |
【人】 ][『月』 エーリク[ 抜け出した先で身につけた小手先の技術を 披露しても良かったのだけど。 いくつかの行く先に、カフェもあった。 とは言え、ゆっくりと珈琲を楽しむ時間までは ありはしない。わかっている。 せめて考えるための共として、 からからに乾いた口を、喉を潤す手段として 張り詰めた空気を和らげることができたなら 良いのだけれど。* ] (353) 2022/12/17(Sat) 21:44:30 |
(a91) 2022/12/17(Sat) 23:20:58 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新