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U『女教皇』 キュリアは、メモを貼った。 (a70) 2022/12/15(Thu) 23:47:57 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ[チェレスタの過去は確かに色々あったが、 かといって、己を不幸だと思っているわけではない。 なぜなら、歌があるからだ。 歌があれば痛みを消せる。 歌があれば新たなつながりを生み出せる、 それに歌がある限り生み出されたつながりは消えない。 神様がくれた贈り物なんかよりもよっぽど強い、存在証明の手段。 ―――それが歌だってことにしたかった。 だが、歌があってもどうやら世界は、 『箱庭の神』にとってはいらないものらしい。 身勝手な神様に対しては、『審判』の身勝手な怒りが内側で炸裂しているのだけれど、 それを除いたうえで、チェレスタの中にあるものといえば――] (445) 2022/12/15(Thu) 23:48:43 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ ほんの少し遡って、先程のこと。 私にそれを聞かせてくれたのは、 シンだったか、それともフォルだったか、他の誰かか。 誰ぞの話でしか聞いたことがなかった 『世界』の証持ちが現れた…らしい。 教義的には一大事に違いないな、と 只ならぬ様子の職員たちを目にしつつ 指示された通りに玄関ホールへと向かう。 ひとつ屋根の下に住んでいても全員が集う機会なんて、 直近こそ昨日だけれど、普段はなかなかない。 ある種壮観…と思った、その時はまだどこか俯瞰だった。 それが喋りだすまでは。>>6 ] (446) 2022/12/15(Thu) 23:49:19 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ ああ、もう、うんざりだ。 裡に湧いた感情が魂の叫びであることはわかった。>>7 彼 は―― そう、彼なのだと思う。 記録にはほぼ残っていないけれど、私はそう感じている。 『隠者』はどうやら、それを心底恨んでいたらしい。 愛したものを奪った不完全な世界。 誰のことも咎めることも出来ず、戒めることも出来ず、 作っておきながら管理もできずに崩壊させたカミサマ。 勝手なことばかり。…勝手なことばかりだ。 それを「愛」だとか宣うことが何より許し難い。 うん、そこについては「私」も同感するほかない (447) 2022/12/15(Thu) 23:50:44 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ ……瞳はまずシトラの姿を探した。当たり前に。 けれど――今ばかりは、その傍にいてはならないと そう思ってしまったからああなった。 私には帰る故郷も残してきた家族もありはしない。 世界がどうなったって、たぶんきっとどうでもいい。 けれど彼女は、そうじゃない。 私では、あの子の選択のためになることを言えない。 ] (448) 2022/12/15(Thu) 23:50:59 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ 私の思考と選択とは、別物だ。 何を思い、何を感じ、何を考えても 私の答えは決まりきっていて、 おそらく 変わらない。あの子の選んだ世界。あの子の選択と運命を共にする。 ただ、それだけなのだ ] (449) 2022/12/15(Thu) 23:51:36 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ それを話してしまうには早すぎると思った。 「シトラがしたいようにするのが一番」 「私は何があっても、そばにいるから」 そうやって、 全てを肯定することは本人のためにならない。 私は、本当は、それをわかっている。 ひとりぶんを余計に背負わせるには、 彼女の背中はまだ少し頼りなくて。 だから、どうか、叶うなら、 ここに来てから彼女が得たものの中に 彼女を導いてくれるものがあればと勝手に願った。 *] (450) 2022/12/15(Thu) 23:52:17 |
【人】 ][『月』 エーリク―― 玄関ホール・シトラと ―― [ 控えめなのか、卑屈なのか。 もっと近くで彼女のことを見ていたら どちらであるのか、判断することは出来たのだろうか。 ――これまで、彼女がまた他の住人たちが どういう扱いを受けてきただとか、それは 想像の範疇でしかないが、少なくとも 彼女の立ち振舞や仕草などから、察せる部分は 察していたと思う。 もっとも彼女に限らず、 聞かせてくれるなら聞いていたし、 知りたいと請われたらならかいつまんで 話していたこととは思う。 ゆっくりと、静かに喋るシトラのことは 自分なりには好ましく思っていた。 それがただしく、伝わっているとは思わないけど。 ] (451) 2022/12/15(Thu) 23:53:51 |
【人】 ][『月』 エーリク[ ただ、もう既に自分の意見が固まっているもの、 笑い出すもの、真剣そうに考えると口にするものが いるなかで、自分と表向きは同じように 呆然として言葉を失うシトラがいてくれたことで 芽生えたちっぽけで矮小な仲間意識というやつが このときばかりはありがたく、正常に発揮されていたと思う。 これまでもわざわざ君を探すことは なかったとしても、そこに君が居たなら 迷いながらも袖を引き、僅かな時間を 過ごすことはあった。 ふるりと首を横に振って>>378 彼女はやはり、静かに、ゆっくりと喋りだした。 じっとシトラ>>380の目を見つめていたが やがて視線は雨粒が落ちるように、 すとんと下へ落ちる。 ] (452) 2022/12/15(Thu) 23:54:32 |
【人】 ][『月』 エーリク 考える、とは別に 感じるものは、ある。あった。 心がどこか、僕の知らないところに 飛んでいってしまっているみたいに、 僕をおざなりにしたままで、 彼の膝下に、すり寄りたい、と思いながら 同時に、 不愉快でもある。 ……説明が難しいな。 考えなければいけないことは分かっている だけど、そうして出した答えが 本当に僕のこころなのか、 今は分からない。 [ そう、とも。ちがう、とも言わなかったけれど 紛れもない本音ではあったんだ。 ] (453) 2022/12/15(Thu) 23:54:59 |
【人】 ][『月』 エーリク[ どこか納得もしている。 どこかで反発もしている。 魂の記憶に振り回されるなんて 馬鹿げてると思いながらも、 泣き縋りたくなった理由も、 恐ろしくて近寄ることが出来ない理由も、 説明なんざ出来やしない。 友人の顔を出来るように成りたい それなら、少しは説明もつくというのに。 ] (454) 2022/12/15(Thu) 23:55:30 |
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