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188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】
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……………一瞬の意識剥離の後
『女帝』は、地に伏せていた
彼女とその周辺は濡れ
水瓶らしき破片が散乱し
頭部周辺の水は段々と
赤
に染まり
僕の手には……砕けた水瓶の取手があった
覚えはない、だがどう見たって
僕が、『女帝』を殺した
それ以外に考えようもない状況だった
そこまでするつもりなんてなかった
感情が振り切れて招いてしまった結果なのだと…思う
だが、こうなった後悔も正直なかった
僕の願う希望に、彼女は必要ではない
それに、混乱広がるこんな状況だ
ああなってしまうようでは
生き続けるより良かったのではないか
……そう、思う事にして
地に伏せる『女帝』を残し、立ち去った
後悔は、本当にないけど
『塔』がこれを知ったらどう思うか
色々と考え始めてしまいそうで
その場から早々に離れたかった
そうして僕は
犯した罪と『女帝』に向き合わなかった
"『塔』に不穏分子の疑いあり"
そんな話が聞こえ始めたのは
きっと、『女帝』亡き後の事だった
何故そんな話が広まっているのか
それがまるで分からなかった
だが、僕は彼の無実を訴え続けた
『塔』という人となりはよく知っている
何故抵抗もせず疑いを向けられるがままなのか
自分はやっていない、とすら言いもしないのか
真に深い理由までは悟れずでも
何かしらを想っての事かと予想は出来た
だから僕は、彼が無実だと信じ続けた
僕には『塔』だけが友で、希望だったから
何を持って不穏分子とされているか分からないが
相打ちをした者がいて、人を殺めた者もいる
そんな箱庭の状況下なのだから
不穏分子なぞそこら中にいるじゃないか
『塔』がそのような行いをしたのか?
いいや、彼に限ってそんな事はないはず
疑いに対し、僕に出来うる限りの訴えを
訴える以外の手段がなかったから
いよいよ処刑が決定してしまっても
僕は彼の無実を訴え続けるつもりでいた
なんなら、『女帝』殺しを告白してでも
それで僕が処刑の対象と成り代わったとしても
『塔』は罪はないのだと主張を続けるつもりだった
神だって、彼の無実を判っているはずなのに
この事態を終息させに現れてくれないから
だからそうするつもり、だったのに
わたしの"望んだ結末"を否定しないで
『塔』から告げられた言葉を聞いて
僕は頭が真っ白になってしまった
望んだ?本当に?
僕がずっと君の無実を訴え続けるから
僕がそれで疲弊してるとでも考えて
もういいと止めてくれようとしているだけだろう?
そうなんだろう?そうだと言ってくれよ
言いたい事は沢山あった
だって彼は、彼しか僕にはいないんだ
他に希望なんてなかったんだ
だからその言葉が真実だと思いたくなかった、でも
"これでやっとらくになれる"
その言葉だけは、やけに本音めいて聞こえて
……僕から反抗を考える心を削ぐには充分すぎた
その意志を無碍にするまでの勇気は、なかったんだ
『それが君の意志ならば
僕も、抗うのはやめよう
だが僕は、君の無実を信じ続けよう
生まれ変わる未来があるとするならば
僕は君を探し、また友になろう
だからその時まで
希望ある未来が来るまで
祝福はお預けとさせてほしい
………ごめんよ』
『塔』の死を祝福と思うのは
希望の喪失を祝うなど、とても出来そうになくて
これが彼への敬意と、僕なりの精一杯の妥協
『塔』の処刑執行
最早それを止める事は心持ちの面で叶わず
これは罪に向き合わなかった僕への
罰
なのだと
『塔』の最期は見届けるべく、その場には立ち会った
『生きて共にいてくれたら
それだけで、僕は良かったのに』
呟き漏れた僕の唯一の願いは
きっと、誰にも聞かれる事もない
彼を救ってはくれなかった箱庭の世界と、その神
そして、この結末を変えられなかった己自身
『塔』の命が絶たれると同時に
僕はただ、それらに失望し
希望なき崩壊していく箱庭なぞに執着もなく
希望ある次なる未来や世界の可能性
次があるなら、その時こそ友を救う意地同然の意志
それらを胸に抱き
その後の記憶は────欠片も、ない*
[ 『恋人』は『魔術師』が気に入りませんでした。
わたしたちの外に未完成な世界があるなら、
それはそれで構いません。
けれど「わたしたち」の完璧を否定するように見る。
そんな智慧者の目が嫌いでした。 ]
[ それは小さな切欠。
嫌いでも、「わたしたち」さえ完璧であればそれでいい。
あの日箱庭さえ崩れ始めなければ、
きっと“それだけ”の取るに足りない存在でした。 ]
![](./img/madparty/80b.png) | ―薬草園― [アリアのさらなる見解と、来てくれてありがとう、の礼を聞けば、にへらと笑った。 >>273シトラとの話は、まだ途中ではあったが、本格的に議論すると長々と時間を取らせそうだ。 >>175証持ち以外の人間として、職員たちのことはどちらかと言えば好きである。しかし、一番大切ではないし、彼らにとっても自分は一番足りえない、と思っている。 だから、選択について考える際、思考の外に置いた。けれど、彼女はそういった人たちのことも気にかけていた。自分が目を逸らした者たちのこともしっかりと考えていた。強いな、と思う。ので。 >>105] お話できて、良かったと思いまっす! [びし、と敬礼のポーズ。] (298) 2022/12/19(Mon) 6:19:08 |
![](./img/madparty/80.png) | [それから、ふと、思い出したようにシトラの方を向いて]
『節制』。
……これは、多分なんだけど。 最初の運命の輪、節制のことは苦手なようだし、怒ったり悔しがったりする気持ちはあるみたい……
……でもね、害してやりたい、って気持ちは湧いてこない。どうも、憎んではいなさそう、って思うよ。
泣いているとこ見ると、しゃきっとしろぉ!って、背中叩きたくはなるんだけど……
あ!でも!僕自身はシトラさんが泣いてたら撫でてあげたい!って思います!……えへへ。
そんだけです!
[年下のくせに、シトラのことを子供扱いして。それじゃあ、また明日!と去っていく。**] (299) 2022/12/19(Mon) 6:20:50 |
| (a68) 2022/12/19(Mon) 6:24:24 |
![](./img/madparty/80.png) | ―選択前日の夜― [クロは自室の窓から夜空を眺めていた。 相変わらず天気は悪く、星も月も見えない。 寒い中、エトと天体観測をしたことがある。 ホットミルクを飲みながら、星についてあれこれ教えてもらったものの、詠むとか意味とかはわからない。ただ、昔から変わらずきらきらと輝く星は、クロも好きな物の一つだった。世界が崩壊したら、空の星もなくなってしまうのだろうか。世界とはどこまでを指すのか、わからないから安心できない。 今日の話を頭の中でまとめてみる。 心は決まっていたが、一番の決め手は、フォルスのありがた〜いお言葉である。 >>2:347『俺は ここに残るよ』 「残りたい」ではない、完全に言い切る強い意思。たとえ崩壊するにしても、残るつもりなのではないだろうか。それならフォルスはきっと死んでしまう。もってのほかである。断固拒否である。] (312) 2022/12/19(Mon) 12:10:11 |
![](./img/madparty/80.png) | [ゼロとユグのこと。 「外」の世界がない狭い箱庭に、ゼロとユグが閉じ込められることを想像してみる。……どうしても、幸せな結果が想像できなかった。クリスタベルが居るなら大丈夫かもしれないが、それぞれ負担がかかりそうだ。 そして何気に、羊がいなかったらどうする?という質問が気になっている。神に望めば出してくれるかもしれない……出してくれないかもしれない。要らぬリスクである。 >>2:63かつて、羊を見たことがない人間が存在していたことに、クロはかなりの衝撃を受けた。シンは、未だに本物は見たことがないのだろうか。 >>2:2一番小さなアリスも、幽閉されていた為に羊を見たことがないという。それは……かなり損をしている、と言えよう。] 羊が一匹、羊が二匹…… [ベッドに転がっているうちに、寝た。] (313) 2022/12/19(Mon) 12:12:31 |
![](./img/madparty/80b.png) | ―翌朝・期限の日―
[自室のベッドに座り、足を揺らしていると。 「神さま」がやってきた。 昨日の答えを聞くために。
クロはにこにこと笑って。]
僕の答えは、「この世界を残してください」です! まあ嫌なこともあるけど、良いこともあるからね。
ねえ神さま、神さまもこの世界で暮らそうよ。 羊見ようよ、あの子らと遊ばないなんて勿体ないのさー。
[なんてことを言いながら、これこれ、と黒と白の羊のぬいぐるみを神に見せたのだった。**] (314) 2022/12/19(Mon) 12:14:15 |
( なんでアンタの方が泣きそうなの!?
どう見ても泣きたいのは私でしょうよ!?
何死にそうな顔してんの!?
絶対私の方が怖いんですけど!?
ああ 腹立ってきた
せめて一発ひっぱたいてやりたい
ぐぎぎぎぎぎぎ
……だめだ、腕あがらないや
というか体冷たくなってきた
痛みも感じなく……
あーあ ……あーあ
……本当、絶望した顔してんじゃないわよ
嘲笑ってたら思いっ切り憎んで祟ってやったのに
素直に恨ませなさいよぉ…… )
[……死ぬまでの短い間に、運命の輪は色んなことを考えた。
わざとじゃないんでしょ、しけた面するな、と一喝してやりたかった。けれど、伝えるすべは一切なく。
だから、その最期の心の内は誰に知られることもなく、教典にも残ってはいない。**]
「貴方は真面目だねぇ、正義。
私は適当だから、足して割れば丁度いいのかな。
なんてね、ははは。
でも、その真っ直ぐさ、結構好き。
いいじゃない、一緒にいればバランス取れてるわ」
[運命の輪は幸運と不運を繰り返す存在です。
そして、それぞれを自分の意思で呼び込むことの出来る「贈り物」も持っていました。
生まれたばかりの頃の運命の輪は、幸運が訪れても、未来に訪れるであろう不幸に怯えていました。素直に幸せが喜べなかったのです。
なぜ幸運だけを与えてくれなかったのか、と運命の輪は神様を恨んだりしました。けれど、不幸の後に幸せが必ずあるとわかっていれば、希望も抱けました。
ある時、戯れに自らの身に運命の輪は不幸を呼び込んでみました。来るなら来い、とあらゆる対策をしておきました。しかし、その不運は対策を超えてやってきました。運命の輪は悔しくなりました。
それと同時……面白くも思いました。次こそはうまく交わしてみせる、と思いました。それは、幸運だけを貰っていたなら味わえない感覚だったことでしょう。]
[やがて、運命の輪は幸運も不運もどちらも楽しむようになりました。何度も繰り返すうち、心構えが出来、慣れてしまったのもあるでしょう。]
「こんなに素敵な力を貰えた私は、神様に一番愛されているに違いないわ」
[運命の輪は、勝ち気で強気で傲慢でクソ強メンタルでした。
不運でケガをしたとしても、けらけら笑って受け止めるようになりました。
自分に幸運を呼んでは訪れる不運を笑い、不運を呼び込んではその後の幸運に喜び、気に入らない者には少々不運をもたらしたりなど、贈り物の力を自分の為にフル活用して遊んでおりました。
正義に窘められる時があれば、多少自重もしましたが。]
[けれど、そんな運命の輪も、愚者が悪魔に殺された時には、自らの力を使うのは控えていたのです。本当は、皆に幸運を与え、守りたく思いました。しかし、それをすると後でどんな不運がやってくるのか、わかりません。ほんの些細な力がどんな影響を及ぼすか、その時の運命の輪は怖れておりました。
つまり、運命の輪が誤って節制に殺されたのは、本人の力とは関係のない偶然の「不運」だったのです。
普通の人間にとって「失敗作」である証持ちは、教典の中でより愚かに書いた方が教訓になったのでしょう。
もし、運命の輪を愚か者として教典に書いた者本人と出会えたならば、運命の輪は厳重に抗議し、最も強い言葉で断固として非難しつつ、蹴りの一つでも食らわせたことでしょう。]
「 大丈夫、大丈夫。
バランスはいつか取れるよ、不運も幸運も量は同じだもの。
ねえ正義、愚者は欠けてしまったけど。
ちょっとくらいズレていてもいいじゃない、ご愛敬ってやつだよ、私だってついているし……、 」
**
| (a80) 2022/12/19(Mon) 18:25:04 |
[怒れなかった。
苛立ちは人の輪をささくれ立たせるから。
悲しめなかった。
悲しむ人がいないようにと願っていたから。
だから笑っていた。
本当はずっと辛くて苦しかった。
]
『ねえ どうして どうしてなのでしょう』
『どうして何も 変えられなくて』
『ただ不自由なくいることができないのか』
[それが幸せだと思っていたのに。
漂う昏い空気、減りゆく人数。
嘆いても声を上げても、崩壊は止められなかった。
ああ、ねえ、いっそ、もしかして]
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