100 【身内RP】待宵館で月を待つ2【R18G】
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リーパーは、館の協力者の役目を終えた。
誰かを襲う画策をすることもない。
館の魔力によるこの声も、もう届くことはない。
それにリーパーはべつに、キエのことを
特別だともなんとも思っちゃいない。
これは、刹那の繋がりだ。
だから、別れを告げなければ。 ⇒
「ようキエ! まだこれ、聞こえてるか?
いやあ、オマエには世話になったな。
オマエが居なければ、あんな謎は作れなかった」
⇒
「それに何より、オマエには恩が有る。
あの時は、オレが”下”だったんだ。
オレは副人格だった。
棄てられて、なかったことにされて。
認識すらされなくて」
「……だからひとときでも
あいつの躰を奪ってやれたのはスカっとしたぜ!
それに、あのお陰で今みたいに対等になったんだし。
何より、ゲイザーのあの顔! あの悲鳴!
」
「でもオマエやっぱムカつくわ」
「いつだって人を食ったようなツラしてさ。
オレは誰のいいなりにだってなりたくない!」
「そういやオマエ、最初は探偵だって名乗ってたよな。笑える!」
「……じゃあ、待宵館殺人事件はこれでおしまい。
オチは探偵と犯人の結託による完全犯罪だ。
陳腐で、趣味の悪い、最高のミステリー!」
「でも、それは今回だけのこと」
「次回は敵になるな?」
「捕まえてみろよ、インチキ探偵!」
さよならなんて素直な言葉、言ってやらない。
リーパーはリーパーらしく。
最後に行ってやるのは捨て台詞。
もう殺人なんてする気はないのだけれど。
統べる者に歯向かうのが愚かな殺人鬼の最後の矜持だ。
……さて、気に入ってくれただろうか、あなたは。
さあ、ご感想は?
| (a18) 2021/10/28(Thu) 17:07:35 |
| >>121 >>122 >>123 ユピテル 柔らかな感触が唇に齎される。心を締め上げていた寂しさや歯痒さが溶けだして、息苦しさがなくなった拍子には、と一つ小さな吐息がこぼれた。 弱々しげな視線を投げたまま貴方の言葉を拾い上げて、思案する。 これがもし逆の立場だったならどうだろう?嫌なことを我慢させてまで好きにさせたいと言われて嬉しいだろうか? …………そんな筈はない! 「…………ユピテル」 愛しい人の名前を呼ぶ。少しだけ声が震えたような気もするけれど、自分のことなど気にかけていられなかった。 ▽ (129) 2021/10/28(Thu) 17:08:38 |
| >>121 >>122 >>123 ユピテル 瞼をそっと下ろして頭を撫でてくれる貴方の手の感触をしっかり享受しながら、ぽつりぽつりとこぼしていく。 「………………好きな人が、愛するお前が、誰かと恋人のように戯れるなんて嫌だ。息が詰まりそうになる。胸が痛くなる。 きっとこれは嫉妬なのかもしれない。醜いかもしれないが、誤魔化しが利かないんだ」 かもしれない、とはっきりしないのは今まで特別な人を作ったことがないからだ。 今まで逃げる為に女の温もりを求めていただけの男は、ようやく嫉妬という感情を手にした。 ようやく男は瞼を持ち上げる。 手を伸ばして、貴方の左手を取る。 そのまま、唇を薬指へ。 宝物に触れるようにそっと口付けを落として、声を、想いを紡ぐ。 ▽ (130) 2021/10/28(Thu) 17:11:01 |
| 「ユピテル。 …………どうかずっと、僕のそばにいて」 (131) 2021/10/28(Thu) 17:11:52 |
キエは人を夢で判断する。どんな夢が実るか、実りそうな場所か。その尺度しか持っていない。
……矢張りキエも、リーパーの事を何ら特別視していない。尤も其れは貴方に限った事ではなく、人間全てに対してだが。
「君達の刻も動き出した様で何よりさ。其れを僕のお陰だと気付けたのも有難いねェ。
此れで君達を食えていれば、文句無しのハッピーエンドだったんだけどなァ?」
乾いた笑みがありありと思い浮かぶ様な声色が届く。
キエの言葉が真意である事は、刹那といえど共犯者と成った貴方なら判る筈だ。
「しかし、だが────次回は敵にも味方にもなってやらないさ。僕ァ舞台をスポットライトの上から見下ろすのが好きなんでね。
もし君が再び舞台に立つ事があれば、僕は何処まででも照らし続けてあげよう」
さよならなんて人間じみた言葉は、考えもしていない。
死が夢を別つまで、キエは人の中に在り続ける。
人が夢に向かって歩き続ける限り、“キエ”で在り続ける事ができる。
「其の時は、きっと
また
」
「陳腐で、趣味の悪い、最高の
ミステリーを見せておくれよ」
「
そう思っていることに、変わりはないんだよな
」
テラは今此処に存在しているつもりでも、
それは“つもり”なだけで、テラの実在は不確定だった。
不透明な君達は、疑いようもなく当然存在しているもので。
影響を及ぼそうと思えば及ぼせるけど、
及ぼそうと思わなかったら及ぼせない。
「
テラは本当に存在しているの?、なんて思うのはおかしくないだろ?
」
こんなに、テラにとって都合の良い、夢みたいなことなんて
何かの奇跡だとかそういったものの類で。
今のこの、見てもらえた聞いてもらえたっていうのが
夜が明けた後もずっと続くだなんて保障はなくって。
この待宵館に、月がこうしてのぼるから。
それは、テラなんかよりもずっと強大な力を持っているものだから。
だからテラも、夢じゃないけど夢を見られていたのさ。
そう思った方が、望む通りにいかなった時の落胆は少なくて済むだろう?
「
テラはそう言うから、テラにとってはそれが事実さ
」
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