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【人】 羽井 有徒[あれは敗北者だ。 志半ばで道から足を踏み外した。 俺はそうはならないと、ひたすらに、ただ必死に成功者になるために走り続けた。 そうして今の自分がいる。 今もあの街で、だけど使われる側から使う側に回って。それから表舞台にも手を伸ばし始めた。 ─── あいつは如月町にいる。 フジからそう聞かされた時、すぐには会いに行かなかった。会う意味がなかった。 だが、機会が訪れた。 スタッフたちが用意した休暇のプラン。 その街が、ここ如月町だった。] (234) 2020/07/30(Thu) 13:11:23 |
【人】 羽井 有徒[だから、会いに行った。 10年近く経って、あいつはこの街で小さな店を開いていた。あの頃、デカくなることばかりを夢見ていた男が、こんな街のこんなに小さな店にいる。 俺は落伍者を見に行ったのだ。 落ちぶれ、輝きを失ったあいつを、今のあいつを嘲笑ってやるつもりで。 でも。 できなかった。 輝きは確かに失っていた。 かつてあれほどギラギラとしていた男はそこには居なくて、そのかわり穏やかな日常に溶け込んで、ただ、幸せそうにしている男がそこにいた。] (235) 2020/07/30(Thu) 13:11:51 |
【人】 羽井 有徒[胸にチリと小さな痛みがあった。 ─── なぜ、お前がそんな顔をしている。 あの頃の何もかもを失って落ちていったお前が、そんなにも幸せそうに穏やかな顔をしているのに。 あの頃の夢を掴んだ自分が、なぜこんなにも ────] (236) 2020/07/30(Thu) 13:12:14 |
【人】 羽井 有徒[負けたのは自分の方なのか。 走り続けてここまで漸く辿り着いて。 俺が、俺こそが成功者としての地位を得たのに。 どうして、こうも妬ましいのか。 手に掴んだはずのものはただの砂なのか。 敗れ逃げ出したお前が宝石を掴んで、俺の掌にあるのはただの砂だというのか。 そこに嫌悪はなかった、憎悪も。 ただ虚無感と嫉妬心、焦燥だけが残っていた。] (237) 2020/07/30(Thu) 13:12:43 |
【人】 羽井 有徒[お前を、今のお前を。 お前を支える者も、お前の周りの者たちも。 お前の店も、そしてお前をそんな風にしたこの街も。 全てを否定してやる。 その全てを─── 壊してやる。] (239) 2020/07/30(Thu) 13:13:45 |
【人】 羽井 有徒── ホテル:自室 ── [カランと筆を転がした。] 俺に、こっちの才能はないな……っと。 [適当に書き殴った原稿をくしゃくしゃに丸めて、部屋の隅にあるゴミ箱へシュート。 知り合いの小説家に触発されて書き殴ってはみたものの、盛りに盛った話も全然面白くなくて、むしろ盛りすぎなのだろうかと思案してみるものの。そもそも、どうにもこうにも文才というやつは自分には備わっていないらしいと結論付けた。] 腹が減ったな。 [いつものようにルームサービスで済ませようと思ったのだが。] …………… [何を気するものか、腹が減ったから飯を食いにいく、ただそれだけのこと。 そうして、スマホと財布を手にすると部屋の外へと出た。]* (240) 2020/07/30(Thu) 13:17:05 |
【独】 羽井 有徒 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ o というお話 ゜ だったのサ /⌒\ /ノ\ヾヽ ____ _(('∀'ヽ | L|_|_|_/ノへ>ノ~ )ヘ L_|_|_|\'-') / 丿/ L| \_ ̄ ⊂Lノ/ L| 从从 /\__/ ‖ L|//ヘヾ/ _ノ‖ ―――(^(⌒ヽノL/  ̄  ̄ = 完 = (-160) 2020/07/30(Thu) 13:18:51 |
【人】 羽井 有徒── 回想、再会 ── [グラスよ麦茶を空にすると硬いソファに背を預けた。] お前が俺に借りたのはこの金だけか? “金を借りた”と思ってるなら、 その利子は当然お金で払うべきだろうな。 [ここの給料がそんなに高くはないことはよくわかってる。ここの所長が強欲というわけでなく、商売っ気がなさすぎるからだ。] そうじゃないなら、 それを金で払おうっていうのはどうなんだ? [お世話になりました、はいお金で借りを返します。 つまり、この小娘がやろうとしているのはそういうことなのだ。] (243) 2020/07/30(Thu) 15:10:08 |
【人】 羽井 有徒ま、こっちは貸しだなんて思ってないから、 何で返しても返さなくてもいいけど。 [JKに向けて惚けた笑顔を向けた。 ただ果たして、色硝子の奥、その双眸まで笑っていたか、成瀬 瑛にはどう見えていただろうか。]* (244) 2020/07/30(Thu) 15:10:42 |
【人】 羽井 有徒── 回想、再会 ── [ハァと大きく、これみよがしにため息をついた。 別に返して貰うものは何もないし、欲しいものは自分で手に入れる。この少女から貰うものなんか何もない。] 何もないな。 差し出せるものなんか無いだろ? お前が俺を助ける? 今のお前に何ができる。 [金もない、コネもない。 だからこそ得体も知れないのに縋ったのだろうから。: それとも身体でも差し出すか? [何も持たない女が差し出せる物なんて知れた物。]* (257) 2020/07/30(Thu) 17:45:35 |
【独】 羽井 有徒/* あ、予防線を張ったわけじゃないよ ダメならダメでそこでフェードアウトではなく、それはそれで続いていくためのあれそれ。 (-164) 2020/07/30(Thu) 18:53:12 |
【人】 羽井 有徒── 回想、再会 ── [楽しいかと言われれば、わざといやらしく視線を瑛の体に走らせて、わかりやすくふぅーーーと大きく息を吐いた。] 楽しくないな。 [さらに追撃でハッキリと断言した。] (273) 2020/07/30(Thu) 19:04:25 |
【人】 羽井 有徒そうだな。 [今は無くても明日はわからない。 自分だってその歳の頃は何も持っていなかった。] その時までに、 俺の役に立てるぐらいになれ。 もしくは俺が、 土下座して頼みたくなるぐらいのいい女になれ。 [ただの家出少女に暇つぶし以上の用はない。] (274) 2020/07/30(Thu) 19:05:06 |
【人】 羽井 有徒[ソファから立ち上がって、それから瑛の頭に手をポンと置いた。] それじゃ、帰るわ。 病人は大人しく寝てろよ。 麦茶ごちそうさま。 [それで友人の事務所を後にした。]* (275) 2020/07/30(Thu) 19:05:26 |
【人】 羽井 有徒── 遊技室 ── [18時よりもずっと早い時間。 一人、ビリヤードに興じていた。 小気味よく響く打音。 ボールとボールが打ち合い甲高い音を上げる。 ─── ブレイクランアウト。] よしっ…! [珍しく声が上がる。 こういう時ほど調子がよく、勝負を賭けたときほど結果を出すのが自分の強さだった。] (315) 2020/07/30(Thu) 22:18:25 |
【人】 羽井 有徒── 遊技室 ── [絶好調だった。 ここまで6戦して負けなし、肩の痛みも気にならない。 そんなとき彼女だ、現れたのは。] よ、やりにきたのか? [首元の空いたシャツ、袖を巻くって、手にはキュー。 折り目の綺麗なスラックスのポケットには対戦相手から巻き上げた何枚かの紙幣が入っていた。] 調子がいいんだよ。 [愉しそう嗤う、不敵に自信の満ちた顔で。]* (335) 2020/07/30(Thu) 23:20:15 |
【人】 羽井 有徒── 遊技室 ── お礼? [ラックには15個の球。それを三角形に組んで所定のポジションにセットする。] そんなこと言われるようなことあったか? [あったといえば一夜共にしたことぐらいで。 それだって彼女からお礼を言われるような物じゃない。]* (345) 2020/07/30(Thu) 23:44:59 |
【人】 羽井 有徒── 遊技室 ── そう、……それならよかった。 [本当は酔いつぶして寝かせてしまうつもりだった。でも、綺麗なその目を曇らせて嗤ったあのとき、どうしても彼女を放っておくことができなかった。] 良い人、見つかったんだろ? [ホテルで幾度か目撃した背の高い、落ち着いた優しそうな男。] ……お前にとっても、この街は特別だったようだな。 [それは小さな呟きだった。 白球が綺麗に整理された15の球をバラバラに弾いた。 一つ、二つ、三つとボールがポケットに吸い込まれていく。] キューを体の真下に。 それから力を抜いて肘が楽に動くように持つといい。 それと、誕生日おめでとう……一日遅れたけどな。 [目を細めてどこか眩しそうに詩桜へと微笑んだ。]* (353) 2020/07/31(Fri) 0:15:01 |
【人】 羽井 有徒[時計に目を針がもうすぐ縦に一直線になろうとしていた。 約束通りならそろそろあいつが来る頃。] さて、どうしたものか。 [まともにやり合えば負けるはずがない。 それでは”勝負”とは言えない。 ハンデをつけるのが簡単なのだけど。] ………… [思い出す、さっきの光景を。 ざわつく胸に特別な想いを抱いていることに気づく。 それは嫉妬だろうか、それとも─── 憧れか。]* (356) 2020/07/31(Fri) 0:32:53 |
【人】 羽井 有徒── 遊技室 ── [立ち去る詩桜の背中、軽やかな足取り。 たしかにあのときの彼女とは雰囲気がかなり変わっている。] 良かったな……。 [本心からそう思う。 彼女のこの先幸多かれと、祈るように願うように撞いた一球は見事に最後のボールをポケットに叩き込んだ。]* (366) 2020/07/31(Fri) 1:13:14 |
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