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【秘】 エウロパ → ユスティ問いかけに返事は返ってこない。 思い返せば、ユスティが推薦を手にしたと 一言も聞いてないのに、手にしたのだとばかり あの時は信じ込んでいた。 それが、どれほど残酷なことだったのか 私には想像することしかできない。 痛みを真に知っているのはユスティだけ。 (-104) 2023/09/27(Wed) 12:49:31 |
【秘】 エウロパ → ユスティ 次の日、いつもの場所に行っても 大好きな人の姿はなく。 嫌われてしまったんだ、と思った。 手に握られたスターチス。 君に渡したいと思ったのに 君が選んだのは拒絶だったから。 渡すことも出来ないまま。 (-105) 2023/09/27(Wed) 12:50:42 |
【秘】 エウロパ → ユスティ うずくまって泣きじゃくる少女の心に 反応するかのように周りの温度が下がっていく。 天まで悲しみに共鳴するかのように 雨が降り注いで、服が濡れる。 いつしか心地よい川のせせらぎは聞こえなくなり 冬でもないのに流れる水はすっかり凍り付き 降っていた雨は雪へと変わる。 涙さえ凍り付き、寒さに少女が倒れてしまっても 魔力が尽きるまで季節外れの雪は降り続ける。 (-107) 2023/09/27(Wed) 12:51:56 |
【秘】 エウロパ → ユスティ異常な魔力を感知した誰かが 少女を見つけたときには、 雪こそ降りやんでいたものの あたりは真冬のように寒いまま。 少女は寒さで死ぬ寸前だった。 手に握られたままのスターチスは 寒さにしおれ、凍り付いてしまっていた。 (-108) 2023/09/27(Wed) 12:52:39 |
【秘】 エウロパ → ユスティ 辛うじて助かった少女は どうしてあんな場所にいたのか、 どうしてあんな魔法を使ったのか 聞かれても答えることが出来ない。 「…………おぼえて、ない。」 大切な人に、何を言われたんだっけ。 なんとなく、悲しかった気がする。 記憶を塗りつぶして心を守ろうとした結果。 原因不明の魔力暴走だけが、残ってしまった。 (-109) 2023/09/27(Wed) 12:53:23 |
【秘】 エウロパ → ユスティ 魔法が成功した、って伝えたかっただけなのに その成功体験は、大切な人を傷つけてしまった。 初めての成功が大失敗に変わったから、 魔力制御が上手くいかない。 成功が失敗に変わることを 無意識にずっと恐れている。 成功すればするほど好きな人から遠ざかるなら 成功なんて要らない、その気持ちが。 (-110) 2023/09/27(Wed) 12:54:27 |
【秘】 エウロパ → ユスティ 私の身を危険にさらし続けているのだと。 私自身が知ることはできない。 拒絶されたあの日の記憶を 塗りつぶしてしまったから。** (-111) 2023/09/27(Wed) 12:55:37 |
【秘】 エウロパ → ユスティ 自分自身が危険なだけなら 魔力制御なんて簡単に覚えないだろうけれど 君にまで危険が及ぶのだと、 そこまで考えを回すことが出来たなら 話は違ってくるのに。 君がそこで躊躇わないから。 当たり前のように危険を冒すから 大丈夫なのだと思ってしまう。 (-113) 2023/09/27(Wed) 16:53:48 |
【秘】 エウロパ → ユスティ だから、君の行動に甘えてしまうんだ。 こんな時じゃなくても触れていたいのに こんな時じゃなければ触れられない。 求めるように抱きついても 気づかないふりをされてしまうのが寂しい。 ただの応急処置、でしかないのかな? 君の心はやっぱり分からないまま。 (-114) 2023/09/27(Wed) 16:55:11 |
【秘】 エウロパ → ユスティ 私の心は今も変わらない。 君は大切な人なの。 君にとっての私も同じであってほしい、 それがわがままだとしても。 私の気持ちすら否定されてしまうのは……。 返ってこない言葉が否定に感じられて。 (-115) 2023/09/27(Wed) 16:55:46 |
【秘】 エウロパ → ユスティ「…………それがわかってないから 倒れそうになる人だっているのに どうして自分を下げるようなことを言うの? 君だから、分かるんじゃないのかな。」 (-116) 2023/09/27(Wed) 16:56:06 |
【秘】 エウロパ → ユスティ「……アドバイス、ありがとう。 言いたいことは分かるよ。」 でも、解決方法が分からない。 特に、魔力を練って洗練させる方法が。 ……その方法はきっと自分で考えないといけない。 だから、口を噤んでお礼を言うにとどめて。 (-118) 2023/09/27(Wed) 16:56:48 |
【人】 ユスティユスティが言葉を失ったのは想像に難くない。 自分のルーツくらい知っておこうとは思わないのか ありのまま我が道を生きる天才の感性は 自らの常識ではやはり語れない。 天才とは極端に興味の矛先が偏るものだと 誰かが言っていたのだが エウロパにもその片鱗が見えた瞬間だった。 思わず眉間を指で押えながら 魔法でエウロパの持つ参考書のページを捲る。 ページは木星群にある衛星の内容が書かれた 場所でぴたりと止まりユスティは解説を挟む。 (129) 2023/09/27(Wed) 20:25:48 |
【人】 ユスティ「エウロパという衛星は表面が氷になっていて その奥にはたくさんの水があるとされるけど 最近では生命が生き残れるだけの 環境があるとも言われているんだ。 遠い将来エウロパに人が移住する そんなことも有り得るかもしれないね。」 (130) 2023/09/27(Wed) 20:26:44 |
【人】 ユスティ「そもそも、人に頼らずして 成し遂げるからこその成功でしょ。 日頃やろうとしていることなのに キミに手伝われてたら意味が無いんだよ。」 (133) 2023/09/27(Wed) 20:29:24 |
【人】 ユスティ何もおかしなことは言っていないはず。 だがそれで彼女を納得させられた、 というわけでもなさそうだ。 むしろ行くなと前に立ち塞がれるように 物理的な逃げ場まで塞がれてしまう。 (134) 2023/09/27(Wed) 20:30:44 |
【人】 ユスティ「相変わらず燃費が悪いね。 何か食べていったらいいんじゃない?」 そこは魔力との関係も否定できないから だらしないなどと言う気もなく。 ため息をつくエウロパは流石に不憫で ついつい買い食いの提案をしてしまう。 後は自分だけそそくさと帰ろうと思うのだが それを果たしてエウロパが許してくれるかどうか。* (137) 2023/09/27(Wed) 20:34:28 |
【秘】 エウロパ → ユスティ*** 私が学園トカリスに入学してすぐの頃。 まだルームメイトとも仲良くなってなくて 頼れる友達が一人もいなかった頃の話。 その日はグラスに水を満たす授業があって。 上手くできなかった私は放課後に 空き教室でグラスのふちを叩いては 水を出そうとしていた。 (-119) 2023/09/28(Thu) 23:15:15 |
【秘】 エウロパ → ユスティ「みんなどうやってるのーーーー。」 授業では水を出そうとするたびに グラスが粉々に割れてしまって上手くいかなかった。 出来なかった人は自分で練習するように、と 言われたから、ため息をつきながら練習していた。 ……でも、一向に上手くいかない。 (-120) 2023/09/28(Thu) 23:15:37 |
【秘】 エウロパ → ユスティW魔法のコツは想像力なんだ。W 幼い頃に聞いた言葉を思い出して 杖に意識を向けながら水を思い浮かべる。 ユスティと一緒に練習していた時は 川のせせらぎが聞こえて来たっけ。 ……なんて、考えてしまったせいなのか。 (-121) 2023/09/28(Thu) 23:16:05 |
【秘】 エウロパ → ユスティいつの間にかグラスから特区に溢れた水は 机を濡らし、足元まで水がしたたり落ちる。 「え、出来てる……?? でもこれどうやって止めるんだっけ?! 」止めないと、そう思っても 焦ってるからなのか、止まらなくて。 むしろ水の勢いはどんどん増していく。 (-122) 2023/09/28(Thu) 23:16:54 |
【秘】 エウロパ → ユスティ服どころか教室の床まで水浸しにして それでも私は魔法を止めることが出来ず。 「だれかー!!これとめてーー!」 もう誰でもいいから止めて欲しい。 そんな気持ちで叫んでた時かな。 君が来てくれたのは。* (-123) 2023/09/28(Thu) 23:17:32 |
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