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【秘】 Niente ラウラ → 愚者 フィオレロこれはきっと、道の途中。 誰に出会うのが先か、後か。 そうしたことをこの世界で考えるのは野暮だ。 聞こえた声に真っ直ぐに視線を向ける。 それは、いつかのように。 「……フィオレロ、様」 問いかけには、何かを考えるように空を見上げる。 それから目を閉じて、口を開いた。 「………………はい。……きっと、見つかりました」 あれがきっと、欲なんだろう。 なんとなく、そう感じている。 いつかに想像した貴方の反応を思って、閉じた目を開いた。 (-22) 2022/08/24(Wed) 1:10:45 |
【秘】 Niente ラウラ → 愚者 フィオレロ貴方に向かう菫色は、揺れない。 ただ真っ直ぐに向かい、貴方の瞳を覗くように。 「はい。……後悔は、しません」 その表情は変化こそ見えづらいものの。 声色は柔らかく、ほんの少し笑っているようにも思える。 あの日に後悔などない。……なかった。 「………幸せに なりたかった」 それは組織の人間としてではなく。 たったひとりの、女の言葉だ。 この意味はきっと理解出来ない。これだけでは、きっと。 けれどその詳細を語ることは無いだろう。 ……その代わりに。 「誰かの何かが欲しい、というのは──立派な "欲望"でしょう」 もう一度空を見上げて、誰かを想う。 ほんの一欠片でもそれを願うことがきっと、欲の始まりだ。 生きていれば、その想いは大きくなり。 やがて、その全てを欲するようになっていたのかもしれない。 (-30) 2022/08/24(Wed) 7:05:37 |
【秘】 Niente ラウラ → 愚者 フィオレロ本物か、偽物か。本当のところは分からない。 ただきっと、分からないなりに考えたこの答えは。 ラウラという一人の人間を、己を救うだろう。 「……ずっと、過ぎたものだとは 思っていました。 ラウラは、役立つだけが価値だと 思っていました」 死ぬことに恐怖も後悔も抱かず。 終わり行くことだけが生きていく道だと。 けれど今は。……今は、貴方の言うように。 確かな"人間"として、答えが出せた。 「死は、望みません。 ラウラは──生きて、幸せを"知りたかった"のですから」 菫色に映る空は眩しくて、少し目を細め 息を吐き出した。 「…………フィオレロ様、話を聞いてくださり。 ありがとうございます ね」 (-68) 2022/08/24(Wed) 19:26:54 |
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