人狼物語 三日月国


47 【半再演RP】Give my regards to Jack-o'-Lantern【R18】

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魔王軍幹部 フォルクスは、メモを貼った。
(a0) 2020/10/21(Wed) 10:11:40

魔王軍幹部 フォルクスは、メモを貼った。
(a1) 2020/10/21(Wed) 10:12:42

【人】 魔王軍幹部 フォルクス



────ツ!!

[ 滴る汗、声にならない悲鳴。引きつるような音。 ]
(48) 2020/10/21(Wed) 23:21:42

【人】 魔王軍幹部 フォルクス




[ 見上げるのは白い天井、視界の端にも同色の壁。
 狭い寝台に横たえられている身体の脇の腕を、繋ぐもの。
 天を突く如く伸びる鉄や硝子の箱。

 考える前に身体が動いた。
 拘束から逃れ、この部屋から早く────]
(49) 2020/10/21(Wed) 23:22:09

【人】 魔王軍幹部 フォルクス



 「おい、やめろ暴れんな!
  フォークこの野郎また寝ぼけてやがるのか、
  いい加減にしねーと担当降りるぞ!」

[ ややくぐもって届く罵声、慌てて駆け寄ってきた不可思議な姿。
 長方形に海を切り取り持ってきたように、不自然に水が独立している。
 その中に泳ぐ様々な種の魚たちの向こう側、見える痩せた男。

 冷え切った両腕が伸びて、肩を掴み揺さぶった。
 冷たすぎて痛い程で、気泡より細かく早く投げつけられる罵詈雑言が
 これが現実であることを何よりも示す。 ]
(50) 2020/10/21(Wed) 23:22:23

【人】 魔王軍幹部 フォルクス



すまん、すまんオルフェウス、申し訳無い許してくれ。
大丈夫だから本当に悪かったからやめてくれ、酔う……っ。

[ オルフェウスは城に勤める水人族出身の研究員、
 陸上で生活する為に自身の周囲を水で覆っている。

 エルフ族同様の、竜族に次ぐ高知性高魔力の長命種族。
 しかし代償の如く非力で、歴史上人類に狩られた記録は少なくない。
 彼らは水人を人魚と呼び、その肉を喰らえば不死になると思い込んだ。

 とはいえ寝起きの相手の視界を存分に乱す程度の腕力はある。
 初めて会った時も暴れに暴れてぶん殴られた。 ]
(51) 2020/10/21(Wed) 23:22:45

【人】 魔王軍幹部 フォルクス



[ 丈の長いシャツのような白い装束を
 質素な服装の上に釦を留めずに羽織るこいつの姿が、

 教会の使徒達の聖衣とよく似ていたから。 ]
(52) 2020/10/21(Wed) 23:23:08

【人】 魔王軍幹部 フォルクス

──魔王城・地下研究施設──


[ 手首から伸びる透明な管と、その先に繋がり吊るされた袋を眺めた。
 描かれている魔法陣が仄かに光るのは中の液体の鮮度を保つ為、
 これは血だ。人類のものと比べ、やけに明るい赤色をしているが。

 ────拘束だなどととんでもない寝惚け方をしたものだ。
 これは、自分が自分であり続ける為に必要な行為だというのに。

 病んだ血液を排出する、瀉血と呼ばれる医療行為は存在したが
 専門職ではなく刃物に長ける散髪屋がする仕事であり、
 殆どの場合聖魔法や薬草を用いたのがあの頃の人類。

 女神が与えた器の血を、他の器に移し替える行為は冒涜である。
 試みて背信者として追われた者も、結局は患者を死なせたという。

 その程度の知識と道具しか、ありはしなかった。
 これは教会に意図された世界文明の停滞の一つ。** ]
(53) 2020/10/21(Wed) 23:23:28

【人】 ヤドリギの勇者 フォルクス

──終わりに至る始まりの先──


[ 神託を受けた始まりの勇者は、世界に光を取り戻した。
 しかし魔の根絶に至らず、生き残った邪悪なる者達は
 氷雪に閉ざされし不毛の地へと逃げ延びたという。

 志を果たせず倒れた勇者、しかしその死は無駄ではなかった。
 女神の降臨と共に彼の身に浮かんだものと同じ痣のような紋様が、
 喪われた友の命に嘆く青年に宿ったのだ。

 ────人類は既に諦観を忘れた。
 女神に見捨てられてなどいないことを、新たな勇者が知らしめた。

 これが、女神暦1年の出来事であると、
 聖木を守り勇者を育むことこそが我々の役割であると、教会は語る。 ]
(129) 2020/10/22(Thu) 23:20:45

【人】 ヤドリギの勇者 フォルクス

[ しかし、希望の訪れから永い時が経っても
 人魔の争いに決着はつかず、数え切れない勇者達が死んでいった。

 闇より出る不浄の化身達は、牢獄の如く極寒に追いやられて尚
 絶望的な程に強力な異能を持ち合わせていたのだ。

 苦しい戦いを強いられた人類を、女神は見ていたのだろう。
 遥かなる大樹が世界の中心より根を伸ばし、力を与えるようになった。

 勇者は聖都から旅立った後代々、
 各地で地表から露出する十三の聖木の根を巡ることも務めだ。

 しかし根を孕む土地は、勇者を阻む為か強力な魔物が多く
 時には魔族が現われることすらある大変危険な環境だ。

 故に周辺の教会は、魔法の素質を持つ人材や、優秀な騎士を育て
 最も優れた者を“勇者の仲間”として引き合わせるのが義務とされる。 ]
(130) 2020/10/22(Thu) 23:21:04

【人】 ヤドリギの勇者 フォルクス


[ 神託を受け、聖木の根から力を授かる勇者達は
 代を重ねる毎に強くなり、魔族の土地に────魔王の首に近づく。

 それは死した勇者の器が地に還り、再び聖木に戻るから。

 お前は彼らの未練と力を受け取るのだ。
 そして例え念願叶わずとも、お前の想いも次代に受け継がれる。

 誇りに思うべきだと、変わらない優しげな微笑で使徒は言った。 ]
(131) 2020/10/22(Thu) 23:21:24

【人】 ヤドリギの勇者 フォルクス

[ 田舎者でも知っているようなこの世界の理、
 勇者となった身にはこれからの試練と未来を示す内容。

 旅立ちを前に、改めて聞かされながら。
 歪に作られた人形みたいに、ただ何度も何度も頭を垂れた。
 頷くというにはきっと、酷く不格好な仕草だった。

 聞いているのかいないのか、自分でも分からないその時間に
 教会前で家族と語らい、抱いた決意を思い返していた。
 他のことを考えないように、したかったのだと今は思う。

 ────神託の後、顔を合わせた者達は
 皆嬉しそうにしていて、時には感動を身体で示す如く抱きしめられて。

 あの部屋で起きたことについて口にする機会は、一度も無かった。** ]
(132) 2020/10/22(Thu) 23:21:45

【赤】 魔王軍幹部 フォルクス

 

[ 神託の実は、伝説通りに赤色をしていた。

 ────粘液に塗れた拳大の、脈打つ塊。

 恐ろしい程に美しく鮮やかに、赤く、
赤く

 管を通して流し込まれる魔族の血液に
            丁度よく似た色彩の。** ]
(*0) 2020/10/22(Thu) 23:33:04

【人】 ヤドリギの勇者 フォルクス



[ あの時間が嘘だったかのように、旅は順調だった。
 当然のように戦いばかりの日々であっても、自分には“神託の力”があり
 仲間を引き入れながら一つ一つ、着実に聖木の根を巡った。

 高度な擬態で人里に紛れ、夜な夜な人間を襲う獣人を
 狙われそうな村人の家を監視することで発見し、倒して。

 砂漠の国では野垂れ死にそうなところを助けられ、
 お礼に無償で魔族に拐われた姫を助け出し。

 魔物退治は一行にとって日課であり、結果的に多くの人々を救った。
 海の国に至る頃には“刃の勇者”の異名だけが既に到着していたらしく。
 立派な船を譲渡してもらうことが出来たのだ。 ]
(144) 2020/10/23(Fri) 9:44:21

【人】 ヤドリギの勇者 フォルクス



[ ある時、比較的弱い魔物しかいない筈の村で
 民が恐怖し家に閉じ籠もる程の脅威であり、
 村長が必死に討伐を頼み込んできた巨大な魔物だけが ]

嘘だろ……俺の、見間違えか?
        あれは、どう見ても

[ 描かれた筋書きのイレギュラーだったに違いはない。 ]
(145) 2020/10/23(Fri) 9:44:40

【赤】 ヤドリギの勇者 フォルクス

[ まるで頭髪のようだと思った。
 滑らかな銀の毛なみが、頭頂部の長角の間だけ色が変わっていた。

 見間違えだと信じたかった。
 その部分が乱れると、額に刻まれた紋様が垣間見えた。

 黒い痣のような、複雑に描かれた──── ]

違う、魔物に御印があるわけがない……!

[ そんな否定は言葉ばかりだった。
 生まれたのは、信仰で抑えきれない疑念。

 胸の中央、その奥の奥で
 今も神託の実が、あの赤い姿で脈を打つ。

 魔物の血と人々の称賛を浴びている日々では、
 意識から遠ざかっていたその感覚が蘇る。
 まだ消えてはいない傷跡が、痛覚を刺激し主張する。 ]
(*1) 2020/10/23(Fri) 9:45:01

【人】 ヤドリギの勇者 フォルクス




   「ねえフォーク、まだ本は読み終わらないの?
    久しぶりの街なのにつまらないわ、わたし。」

[ ────その出来事から習慣が増えた。

 人里に立ち寄る度、貴族や長老の家に足を運んで
 歴史、勇者、それに教会が関わる本を読ませてもらう。

 世界を背負う勇者様のお願いだ、
 先人から学び、自身が魔王を倒したいと語る若者だ。
 誰もが快く受け入れ、自ら棚を漁り望んだ本を見つけてくれたけれど
 仲間達にとっては退屈だったのだろう、いつも不満を漏らしていた。 ]
(146) 2020/10/23(Fri) 9:45:15

【人】 ヤドリギの勇者 フォルクス


[ 女神に選ばれし者は本来、勇者もしくはヤドリギの勇者と呼ばれるが
 危険な旅路に生きる彼らの命は非常に儚く、
 民一人の一生の中で何度も代替わりが行われる。
 故に神託により身に宿った異能を元にした名を、
 人々は生まれ散ってゆく勇者達の識別名のように使う。

 フォルクスと語感が似ているから、
 フォークを床に落とした時に初めて力が表に出たから。
 仲間達に付けられた愛称のほうが自分にとっては身近だったけれど。

 食器の名前で呼ばれるのはあまり良いことじゃないと思う。
 実際、嫌がってみせたことはあった筈だ。

 でも、楽しそうに笑っているから
 勇者ではなく自分自身への呼び名だから、やめさせなかった。 ]
(147) 2020/10/23(Fri) 9:45:43

【人】 ヤドリギの勇者 フォルクス


[ 仲間達も決して、楽な立場ではない。
 十三の根、十三の教会。
 それぞれで仲間を得れば大所帯になる筈の一行は、
 多くて七人、少なくて三人。殆どは四人か五人程度。

 ……多くが旅路の途中で倒れ、或いは心が折れ故郷へ戻り
 時に立ち寄った土地で出会った民をそこに留まり守ることを、
 決断する者も中にはいたのだ。

 勇者を騙ったり、自らが取って代わろうとする者が現れないのは
 教会の管理が徹底されていることや背信行為である部分よりも、
 どれ程鍛錬しても神託の異能には届かない事実が大きい。 ]
(148) 2020/10/23(Fri) 9:46:00

【人】 ヤドリギの勇者 フォルクス


[ 始まりの勇者は、そんな勇者達の殆どより強かった筈だ。
 世界に光を取り戻し、根絶に至らずとも生き残った魔族を追いやり
 絶滅寸前の人類を現在の繁栄に導いたのだから。]

なのに、何故……

    「ねえフォークってば、フォークー!」

[ 何故、彼がどのような人物だったのか記録されていない?
 生い立ちは、性格は、容姿は、勇者になる以前の職業は?
 
 そもそも女神歴に至る前の歴史は何処だ、
 闇に奪われる前の世界はどんなものだったのか?

 仲間達はこの疑問を理解しなかった。
 殆ど魔に支配されていたのなら、過去の記録が失われても仕方ない。
 自分達のするべきことは歴史の研究なんかじゃない────

 正論ではあった。
 それで納得するには、教会の存在がネックだった。 ]
(149) 2020/10/23(Fri) 9:46:22

【人】 ヤドリギの勇者 フォルクス

 

[ 女神歴の歩みと共に在り続け、遥かなる伝説を語り継ぎ
 聖木と勇者を管理し続けたというのに。
 そんな連中が始まりの勇者のことすら記録出来ていなかった?
 彼亡き後教会を立ち上げたのは一体誰だというのか。

 勇者、勇者、勇者。どいつも同じことばかり口にする癖に。

 民は誰も神託がどんなものかすら知らない、
 どのような原理で全員の能力が違うのか、誰も説明出来ない。
 ただ口を開けて潰えては芽生える様を眺めている。 ]
(150) 2020/10/23(Fri) 9:46:37

【赤】 ヤドリギの勇者 フォルクス




  「もうやめておけ、余計なことを考えるから
      そうやって身体までおかしくなるんだろうが。」

[ 何も仲間達は不理解だけで否定しているわけではなかった。

 痣の発熱と体調不良が始まったのも、実らぬ調べ物を始めた頃から
 ただでさえ発動に激痛を伴う力、無駄に体力を奪われるのは辛かった。

 心配してくれていた。俺達はきっと、本当に仲間だったと思う。
 それくらいは信じないと、あの日々に救いが見えない。 ]
(*2) 2020/10/23(Fri) 9:48:04

【人】 ヤドリギの勇者 フォルクス


[ 俺達は世界中を巡った、
 いつしか身体は随分逞しくなり幾つも年を重ねていた。

 望んだ情報は、その何処にもありはしなかった。

 全てを知ることになったのは、魔王領に踏み入りついに城に辿り着き

 ────魔王と刃を交えた後のことだった。 ]
(151) 2020/10/23(Fri) 9:48:36

【人】 ヤドリギの勇者 フォルクス


  
ヤドリギ

[ 寄生木の勇者とは、

 月を引きずり落とさんと高く伸びてゆく塔であり、
 夥しき屍で構成された無銘の墓標であり、
 結果に至る為に存在する無意味な途中経過であり、
 魔樹を育む生贄たる宿主である────**      ]
(152) 2020/10/23(Fri) 9:49:02

【人】 魔王軍幹部 フォルクス

──現在・地下研究施設──


[ 俺は減ってゆく赤色を眺めて、オルフェウスは背を向け作業をし
 落ち着いた後には沈黙の時間が幾分か流れていた。

 何もあれは他人を罵る為に陸にいるわけではなく、
 こちらも騒ぎにこんな場所に来たりはしない。
 ただ、ここ最近は輸血処置の最中眠ってしまうことが増えていて、
 時折魘されては迷惑を掛けてしまう。 ]

……なあ、俺は後どれくらい生きられるんだ?

[ そうすると、意識させられるのだ。
 見えない死、誰も知らないその寿命を。 ]
(178) 2020/10/24(Sat) 1:27:11

【人】 魔王軍幹部 フォルクス



  「お前それ何回聞くつもりだ?
   50年前にも75年前にも120年前にも202年前にも聞いてきたぞ
   ジジイかよ、本当うんざりするぜ。」

[ そっちこそ何で全部覚えてるんだよ、十分に間空けてるだろ。
 言葉は呑み込み、悪態の投げつけ合いは避けることにする。

 陛下もそうだが長命種族は時間の感覚が一般とは違いすぎるし、
 記憶してくれているのにはそれなりの理由がある。
 この身体を誰より知っていて、王に仕える者の一人なのだから。 ]

……本当にジジイかも知れないから聞いてるんだ。

[ ただ老いているだけなら、まだ良い方だけれど。

 互いに相手を見ないまま続く会話。
 厚く長い前髪で目元を隠し、更に水の中に魚まで飼っている男は
 とても愛想が悪く、後ろ姿ばかり印象に残る。

 だから本音を零しやすい相手だった。 ]
(179) 2020/10/24(Sat) 1:27:28

【人】 魔王軍幹部 フォルクス



  「言っておくが……」

[ “お前のような異端の正確な寿命が、分かる筈がない。”
 
 いつかも聞いた気がする前置きに何も返さずにいれば、
 舌打ちとため息の重ね打ちの後、やや間を置いて口は開かれた。

 面倒臭そうな声音で、丁寧に語られる現在の自分。
 とっくに止まっているだろう語り部の作業の手を思いながら、
 目を閉じてじっと聞いていた。 ]
(180) 2020/10/24(Sat) 1:27:45

【赤】 魔王軍幹部 フォルクス



[ オルフェウスの語った内容はこうだった。

 定期的な輸血という手段での安定した
魔素
の取り入れは、
 かつて異形になりかけていた俺の身を救った。
 それは陛下の成長を見守り、新しい時代を作り上げる補佐と働く為
 十分に作用し続けていた筈だ。

 しかし、
 以前問われた50年前からは勿論、ここ百年程度
 緩やかながら、あの頃に近い状態になりつつある。

 より高位の魔族、もしくは人間に出来る限り近い者。
 或いは俺の力に似通ったものを持つ存在。
 魔素の提供者の変更、鎮静効果のある術や血に施す魔除けなど
 様々な方法を試し続けているが、効果がない。 ]
(*3) 2020/10/24(Sat) 1:29:35

【赤】 魔王軍幹部 フォルクス



  「最期まで最善を尽くすが、……」

[ 果たせなければ、辿る先は他の勇者と同じだろう。
 戦いで倒れなかった代わり、力に呑み込まれ異形となった彼らと。
 
……そう、あの額に御印を持った魔物のように。


 そんな方法があるのかも分からないが、
 魔素そのものを取り除いたとしても、意味するのは死である、と。 ]
(*4) 2020/10/24(Sat) 1:30:38

【赤】 魔王軍幹部 フォルクス



[ ────「魔素」
 切り崩すことなど出来ないこの世界の構築物
 旧き時代の負の遺産そのもの。
 今尚明確な解析、対処は我々には出来ていない常識の先にあるモノ。

 魔族と魔物が生まれた原因であり、彼らの血液の中に存在する。
 それぞれの正式名称は、魔素種族、魔素生物。
 また魔王は魔素種族統一王と呼ぶのが正しい。

 人類から一部ながら魔法の素質を持つ者が誕生するのは、
 異形にはなり得なかったが魔素を取り入れてしまった者達を
 祖先とする人々が時折隔世遺伝を起こすから。

 其れは目に見えぬまま、いつでも傍に在る。
 聖木と呼ばれたかの木により、隅々にまで行き渡っているのだ。 ]
(*5) 2020/10/24(Sat) 1:30:55

【赤】 魔王軍幹部 フォルクス

[ 寄生木の実とは、魔素の濃縮物に等しい。
 故に人間に魔王を倒す可能性すらある強大な異能を授ける。

 聖木の根の周辺に強い魔物が多いのは、
 濃い魔素がそこから放出されているせいだ。

 実を授かり、根を巡る勇者は
 濃縮物された魔素に侵される身体を力の増幅と引き換えに、
 不安定なものへと変えてしまう。

 教会は全てを理解し、操っていた。
 遠き過去に自分達が生み出し迫害した、魔の者達を滅ぼす為。
 死体が見つかれば分かりやすい、消息不明でも大して変わらない。
 根は世界のあらゆる場所に張り巡らされている、
 どれかは与えた力を亡骸から取り戻すだろう。

 また都合の良い民を見つけて、“神託”を執行すればいいだけ。
 若く逞しい年頃の、身寄りの無い孤児や貧民
 誇れるものを持たない代わり、素直で従順な────

 そう。御印とは、新たな贄の目印に過ぎない。 ]
(*6) 2020/10/24(Sat) 1:31:11

【赤】 魔王軍幹部 フォルクス



[ その話を魔王から聞かされ、幾つかの証拠を見せられた時。
 既に両者で命の取り合いは終わり、
 落ち着いた話し合いが進められていたが。

 あまりの内容に声を荒げ、結局は認めざるを得なく嘔吐した記憶。

 自身が助かる方法を除けば全てを知っている今は、
 表情一つ動くことはなく、ただ受け入れていた。 ]
(*7) 2020/10/24(Sat) 1:31:27