人狼物語 三日月国


98 【身内】狂花監獄BarreNwort【R18G】

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【秘】 墓守 トラヴィス → 魅月守 チャンドラ

「気持ちはわかるよ。私だってそう……そもそもこの遊戯自体、我々の為のものとは言いがたいのだし。どちらかと言えば囚人の、更に言えば社会が求めたからこそ在る制度だ」

必要だから、ここに居る。
社会が必要としているから、給料も休暇も出るのだ。
なんというか、どこを見ても業が深い話だ。

「ああ、でも。終わったら休暇があるわけで……ううん、それは割と楽しみかもしれないな。取っておいたブランデーがあるんだ。なんて、意欲の薄いような発言は、幻滅されてしまうかな」
(-145) 2021/10/04(Mon) 3:25:53

【秘】 墓守 トラヴィス → 魅月守 チャンドラ

「……」

反射的に、笑んだ。
癖はそうそう変えられるものではない。

「……私はまだ人でいられているかい?貴方の目には、そう映っている?」

ここはまだ、休暇にたどり着かない時間なのだと、芯から冷えていくような感覚。遠い。溺れそうだ。
(-149) 2021/10/04(Mon) 3:37:51

【秘】 墓守 トラヴィス → 魅月守 チャンドラ

「……少し。不安定になっているだけさ。
 自分を保つというのは、こんな場だと難しいから」

曖昧な微笑み。
笑む理由のない、笑みのための、形。

「私らしくありつづけたいものだね」
(-160) 2021/10/04(Mon) 4:34:38

【秘】 墓守 トラヴィス → 知情意 アマノ

貴方にとって悲しむべき情報は、それが当然のように未開封であったということ。

「はあ…………もう少し度数の高いものを揃えておくのだったな。並べた時の見目は良いが、今の気分はワインじゃない」

しかし男は赤熱した剣で『瓶の首ごと』落とした。コルク抜きの出番が無かったのは、彼もまた同じことを考えていたから、だった。同じ道具を使い続けた手は、鈍い痛みを訴えている。

「ほら。好きなぶんだけ飲むと良い。貴様らの環境では手の届かんクラスだぞ」

そのまま手酌でグラスに注げば、荒々しくも飲み下す。……長い年月を経て熟成された葡萄酒が本来の味を取り戻すには、封を明けてからもやや時間がかかるものだ。それを知りながらも待つことすら惜しむ様子は、やはり優雅さに欠けていた。
(-162) 2021/10/04(Mon) 4:45:05

【秘】 墓守 トラヴィス → 魅月守 チャンドラ

「……そう見えるかい?繊細だと……」

自分ではわからない。
そうなのだろうか?到底、繊細な人間がやることとは思えない所業にも、手を染めてきているし────彼はそれを知っているはず…………

「…………ああ。こういうところか。私は、すぐ揺らぐものな……」

たしかに。糸の上で舞うような、チャンドラのような振る舞いは、トラヴィスには難しい。舞台装置と嘯いて、幾重にも命綱をつけるような人間だ。

「君の言う通りかもしれないな。……まあ、うん。危なくなったら、頼むよ」
(-208) 2021/10/04(Mon) 16:33:37

【秘】 墓守 トラヴィス → 知情意 アマノ

「わたしもそれほど、詳しくはないさ。貴様は学者だったのだろう?概要を摘む程度なら、信頼できる資料を区別する程度なら、素人でもやることだ。それを銘柄や店に置き換えるだけだよ。詳しいというのは、実践や開拓を行なってからさ」

ただ、ブランデーの類いは持ち込むべきだったな、と酒気混じりの息を吐く。

「貴様は情深い方だったのだな。交流をしている相手を独り占めしたいだなんて、常日頃の様子からは到底想像がつかない」
(-256) 2021/10/04(Mon) 21:02:30

【赤】 墓守 トラヴィス

「意欲充分で結構!……私が同僚に忠告する事はない。これは無礼講だ。セファーよ、好きにやりたまえ」

意図を認識したかどうか。
男は満足そうに頷いて、『生存者』のリストを投げ捨てた。

突き立てられた赤熱の剣がリストを赤く炎に染め上げる。
黒く薄い煤が高価な衣服にまとわりつくのも気にせず、哄笑は彼が満足するまで響き渡った。

やってみたかったんだな感が強い一連の行動だが、ここツッコミが少ないのだけ問題多めよな。
(*11) 2021/10/04(Mon) 21:08:01

【秘】 墓守 トラヴィス → 知情意 アマノ

「……頭の回転が売りどころの職業ならば、そういうこともあるのだろうね。だが、何事も使い様だよ。忘れたいものを酒で誤魔化す……記憶力の良いものにこそ、必要不可欠……あ、でも……」

ワインの瓶ラベルに視線を走らせて、微妙に表情を歪ませる。
経験の少ないものに飲ませるには少々ランクが高すぎた。この味に慣れてしまうと、生半可な味で満足できなくなるのが困りものだ。酒をそれなりに愛するものとして、なんというか、初心者へ勧める順番を間違えた感がすごかった。

「……世の中の酒に満足できなくなったらごめん」

率直な謝罪であった。
気を取り直し、少し真面目な顔を取り繕う。

「どちらにせよ、情か。貴様に情を認めるものはそう多くなかろうに。貴重なものを見ているのかな、私は」
(-261) 2021/10/04(Mon) 21:38:39

【秘】 墓守 トラヴィス → 知情意 アマノ

「そう言うな。貴様の働き様によっては、便宜をはかることもできるのだぞ、私は。……貴様が信じることはなさそうだが」

それはまさに、知性のありようだ。
提示されたものをそのままの意味で受け取ることなど、そうは無いだろう。疑い。そこに意図を見る。

「凶悪犯というのは、その在り方は死人だが…… 仮に人として、その生を解釈するならば。私に見える姿は、迷宮だな。穏やかな、あるいは攻撃的な。壁が幾つも立ち並ぶ。当然、その迷宮の中には情も、弱みもあるだろう。だが……」

凶悪な犯罪を成し遂げることが、『できてしまう』というのは。それは、やはり常人とはいえない。社会は彼らの様な存在を封じ込めるために、あらゆる手段を用いている。それでも、起きる。犯罪は起きてしまう。
迷宮としての格はこちらが上だと睥睨される錯覚すらある。


「……時たま、自分が……迷い込んだ迷宮の中で虚勢を張る、道化のように思えるよ」
(-270) 2021/10/04(Mon) 22:10:24

【赤】 墓守 トラヴィス

これだから、死人どもは怖い。
我々の常識とは異なる、なにかを見ているのだ、と確信させられるときがある。それは幻想かもしれない。それは疑念の作り出す蜃気楼に過ぎないのかもしれない。だが。

いま立っている常識が正しいのか、酷く不安になるのは、【彼ら】の側にあるときだけだ。
(*15) 2021/10/04(Mon) 22:14:22

【赤】 墓守 トラヴィス

「……愛されているねえ、我らの金糸雀は……」

『否定の意を表明しない』ことで、彼は同意を表現した。
あまり多くの言葉を使えば、複雑な心境が口から漏れ出す様な気がした。

煤の香りが鼻につく。
不要な感情をこうしてしまえたらどんなにか便利だろうと、視線を僅かに落とした。
(*17) 2021/10/04(Mon) 22:20:24

【秘】 墓守 トラヴィス → 知情意 アマノ

「……無論、そうだ。常人もまた小さな迷宮を持っていて、その点は貴様らと変わりはない。……どちらが悪なのかなどは問わない。当然、『為した方』が悪だ。……ただ、」

その境は。

「『為した方』が、為さなかった方よりも、より複雑で攻略困難な迷宮であったなら…………そう、アマノ。知性の犯罪者。貴様はどう思う?
より高度な謎を解きたい
と感じる感性は理解できないか?常人の群れが何を望んでいるか、優れた迷宮の貴様に解るか?」

常人と、彼らの違いはなんだ?
正義と『常軌を逸した邪悪』との決定的な違いとはなんだ?

「常人は邪悪になれない。無能だからだ」

────だから我々は、常人は、彼らを墓に埋める。
己が得られない宝物庫を、解けない迷宮の真実を、他の誰にも奪われないように。

「私はいつも、そこに踏み込んでは立ち竦むばかりだよ」
(-287) 2021/10/04(Mon) 23:28:49

【秘】 墓守 トラヴィス → 金糸雀 キンウ

/*了解なのだ〜〜〜!へけっ!!!!

がんばれ!!!!!!!お前たち!!!!!!
(-288) 2021/10/04(Mon) 23:29:52

【秘】 墓守 トラヴィス → 不覊奔放 ナフ

/*かまわん!来い!!!

なぜならば頭痛は改善したからだ!
何だったんだろうあれ 怖い
今はもう踊れるほどに元気180倍トラヴィスマン!!!!!

襲い掛かられるのも構わんがセクシーになってしまったらすまんな!!!!隠しきれぬ色気が服の破損であんなことに!!!!!!

では待っているぞわが城で!!!
さらば!!!とうっ!!!!(白馬で走り去る)
(-293) 2021/10/04(Mon) 23:43:16

【秘】 墓守 トラヴィス → 不覊奔放 ナフ

気配に気づき振り返ったのは反撃が可能かどうかというほどに足裏が間近に迫った時だった。反射的に得物を掲げようとして、回転する思考が幾つかの問題点を挙げ始める。

・間に合うか?
・キック程度で足を灼き落とすのは流石に問題があるのでは?
・治療費用を何度も同じ囚人に使ってたまるか
・私なんでこんな武器使ってるんだろ
・剣自体そんな便利なもんでもないのに…
・間に合わない

ゴモシャ、と、鈍くもつれるようにして2人分の体重が床に叩きつけられる。青いコートがはらはらと広がり、深い湖が波打つようなドレープの輝きをつくった。

「………………何の 真似だ」

男が、なにやら呻いている。
ここは城などではなく、普通の廊下である。強いていうならばベンチと観葉植物がある。
(-302) 2021/10/05(Tue) 0:03:10

【秘】 墓守 トラヴィス → 不覊奔放 ナフ

「…………蘇生もしたばかりだというのに、躾が必要か?……
 ……いや、私は彼ほど簡単ではないぞ。貴様の暇潰しに傷などつけられてたまるか」

はあ、と息を吐く途中で幾つか咳き込む。受け身は取っていたとはいえ、ダメージ・ゼロとはいかない程度には速度がついていたわけだ。
とにかく。貴方も知るように、彼は貴方に苦痛を与えるためならば『何もしないことを選ぶ』のも辞さない人間である。この場もまた、そのような判断によって反撃を選ばなかったのだと、貴方なら思い至るだろうか。

「処理速度が速ければ、その分刺激も少なく感じるものか」
(-309) 2021/10/05(Tue) 0:21:56

【秘】 墓守 トラヴィス → 不覊奔放 ナフ

「顔を蹴っていたら……前言通りの拷問を行っていただろう。貴様の判断は正しいな」

麻酔付き・視覚聴覚封印拷問。彼以外にはそんなに重くもないペナルティだろうが、彼に限ってはそれなりの脅しになる……というのも、なんだか手応えの無さに呆れてしまうけれども。
ぺち、と自分の上の男の腿を叩くが、さほど大きい抵抗はしない。彼との会話を優先させてみようかという意図だった。なにせ、躾はいつでもできる。というか、いつでも彼が歓迎することだろう。……なんだかなあ。

「貴様は常人よりも出来はいい。でなくば、『大きな犯罪』というものは犯せない。世界はそれを厭い、犯罪を起こせないような仕組みを長い間作っているのだからな。……だから貴様は暇なのだ。貴様の処理速度に適切な刺激は、常人にとっては強すぎ、そして多すぎる」
(-315) 2021/10/05(Tue) 0:43:00

【秘】 墓守 トラヴィス → 魅月守 チャンドラ

あなたとすこしだけやり取りをしたしばらくののち。

あなたのデスクに、トラヴィスからのメッセージが届くだろう。


『あなたは今日の襲撃が誰の手によって行われたかを、もう知っているのではないか?』
(-320) 2021/10/05(Tue) 0:59:08

【秘】 墓守 トラヴィス → 不覊奔放 ナフ

「……難儀なものだ。貴様の頭脳を求めてやまない人間は大勢居るだろうに」

まして、それを用いて為されたのはそれらが夢想する『なにか偉大なこと』のどれでもなく、人々の未来を奪う歴史的な犯罪だ。結果。人類は、トラヴィスをはじめとした看守は、彼の苦痛を求めて無刺激にたどり着く。持ち主さえ真っ当ならば有効に使える筈の頭脳を、ただただ苦しめる────

「貴様にとっては、世界の動きは鈍すぎるのだろう。だから、波打つような真似を好む。自分の起こした波の反動で楽しむほか、貴様の暇を潰せるものはないのだと無意識が学んだのだ」
(-328) 2021/10/05(Tue) 1:19:00

【秘】 墓守 トラヴィス → 魅月守 チャンドラ

やや、長い時間をとって。

『ならば、相談はもう少し待つことにするよ。
 
それなら、お互いに不安だものね


返ってきたのは、そんなメッセージだ。
彼はしばらく、メッセージを返さないままだろう。
(-332) 2021/10/05(Tue) 1:29:00

【秘】 墓守 トラヴィス → 知情意 アマノ

「……私が、貴様の宝を、ね。
 言葉では何とも言えるけれど……」

はあ、と深い息を吐く。肺が震える感覚を覚えるたび、トラヴィスはこうして誤魔化している。震えが表に出てきてしまえば、己を形作る壁のどこかに、致命的な罅が入るような気がしていた。

アマノの論は一部正しく、そして一部間違っている。それは狂人の、
愚かではない人間の
感覚だ。ただびとは、完璧を理解できない。完璧とはどういうことかを想像できない。求めようにも届かなければ、『自分の手に入れたこれこそが完璧だ』と思うしかないのだ。彼は全く有能だ。だから、そもそも不完全と完全の区別がつけられない人間のことを、理解できていない。

「貴様には私がどう見える。迷宮で虚勢を張る私は、宝を強請る赤子に近いか。お前たちはどうして『そう』在るのか、私には分からない……最後には、感情すらも踏み越えて、『成し遂げる』。恐怖も、情愛も……貴様の求める完璧を防ぐ壁にすらならないのか」

グラスを置いて近づいた。
ふらつく足取り。
全く無様な役者だと、己の役柄の一つが嗤う。
(-338) 2021/10/05(Tue) 1:53:15

【神】 墓守 トラヴィス

「ま!個人が好き勝手に投票するというのも、もちろんアリだと思うよ、私はね!」

ウインクした。誰にともなく。

「結果発表で盛り上がるってこともあるだろうし。発表するときはやっぱりランキング式で豪華な画面がいいかなって思ってて……」
(G99) 2021/10/05(Tue) 1:58:20

【秘】 墓守 トラヴィス → 不覊奔放 ナフ

「貴様がどう思うかは、この際問題にならない。世界は君を必要としただろう。ただ、『必要とした形が違った』し、貴様もそれは呑めなかった。時代が違えば、あるいは貴様は英雄であったかもしれんが……」

それは叶わなかった。
現代においては、彼は犯罪者という形になるしかなかったのだろう。彼の『暇』は、彼にとってもだが、社会にとってもまた悲劇ではあったのだ。


「別にこの仕事が無かったとしても私の行くべき場所はどこにでもあるものだがな。
拷問官
というのは、裏にも表にも引く手数多だ」

とはいえ。
混ぜて、と、殊勝に願うのならば、それなりの餌をやらないわけにもいかない。これは無礼講なのだから。
故に彼は、一つの波紋を投げ入れた。
(-342) 2021/10/05(Tue) 2:07:31
トラヴィスは、ニア避けられたのでちょっとショックを受けたが、華麗なので立ち直った。
(a55) 2021/10/05(Tue) 2:09:15

トラヴィスは、脱字もしたのですごく悲しくなった。
(a56) 2021/10/05(Tue) 2:09:43

【秘】 墓守 トラヴィス → 不覊奔放 ナフ

「あるいは、貴様にやや劣る程度の、しかし貴様の運用が可能な上司が見つけられれば。また、違った形があったのかもしれないが…… ひとところの同時代に、貴様と同じ程度の頭脳が生まれるというのは、……なかなか。望むべくもない確率だ」

犯罪者を語る上で、『親さえ』とよく謳われるのは、それなのだ。それを上手く運用できる上司。人生に関わるもの。
だが、目的を果たすのならば親である必要はない。人生をかけて頭が上がらない相手が『親』であるのが理想的、というだけで、そのような相手が他にいれば。

「……ある程度の利益をあげれば、無期懲役の撤回は可能ではある。金銭的にというよりは、社会や人類に有益なもの。今の貴様は社会悪だ。だが何らかの形で『人類に有用である』と示せれば、条件付きで自由を与えられるだろう」

同時代に、偶然に、生まれることは望めなくとも。
長い間。
牢獄で彼が燻っている間。
彼の『親』となり得る存在が、どこかで生まれている可能性はそう低くないと、トラヴィスは考えている。
(-357) 2021/10/05(Tue) 2:44:10

【秘】 墓守 トラヴィス → 知情意 アマノ

「……貴様から見れば、揺れる私も所詮は人か」

自嘲。
先ほどまで拷問を為していた手は、しかし迷宮では無力だ。あの男、脱走犯のテラとて、痛みに、恐怖に心の臓を止めた。
だがそれだけだ。
ありもしない望みにかけて、己の罪にまつわる秘密を明かしたりはしなかった。拷問官の情に訴えようとした唇は、しかし己の情を明かしたりはしなかった。ふざけた態度でも、あれもまたこの牢に封じられる死体の一人だ。人類が匙を投げた邪悪。

「あるいは。貴様は既に邪悪に染まり切った怪物ゆえ、私のような『小さな怪物』が人に見えるだけかもしれんぞ」

座っている男の腿に、トラヴィスの膝が乗り上げた。

「私を殺してみないか?」
(-370) 2021/10/05(Tue) 3:42:31

【秘】 墓守 トラヴィス → 不覊奔放 ナフ

「ふむ。ああ、宗教、とはそれか」

為したことと宗教学が結びつかないな、と内心訝しんでいたが、納得し、同時に(やっぱり回転自体は早いのだよなあ)と辟易する。会話速度、ついていけてるのか?私は。
表面上は冷静な顔でいられるけれども、この牢獄ではどこまで通用しているものやら。

「……彼が導くならば、出るまでの道は、そう困難でもない。あの人の器は大きいからね。私と違って『ひっくり返して』言動が変わるということもそうそう無いさ」

自分の弱さには自覚済みだ。
だから、善意にも邪悪にも揺れる。どちらか一方に留まりきれないからこそ、自らここに在るのだ。

「外に出て、やりたいことはあるのかい。暇潰しとはいえ、飛び出す方向くらいは検討をつけておくものだろう?」
(-372) 2021/10/05(Tue) 3:50:46

【秘】 墓守 トラヴィス → 不覊奔放 ナフ

「命を授かるという事象だけで満足できないのは、富の弊害だな。母子ともに無事に生まれたのなら、それこそを加護と呼ぶのが本来の宗教の在り方だと思うがね……」

だが、人類はそれを当然にするほどに豊かだ。どこの宗教も、神が施す奇跡は、『当然の事象』から範囲を広げざるを得ないのが現実だ。……トラヴィスの生まれは古い家柄だ。だからこそ原義的な考えから逸脱した教義には、多少物申したいところはある。

「そういった意味では、私もチャンドラ殿寄りではある。貴様を語る上で悪魔のような行為と切り離すことはできないが、……生まれたということ、そのものに罪を求めることはない。それをチャンドラ殿は『ひとである』と称するのだろうし、私は、……」

忌々しい死人ども。
人であったとは、たしかに、口にしている。

「……貴様の運用が上手くいくのなら、貴様にも未来はあるだろうと、認めてはいるよ」

為したこと、を思い返せば沸き上がる嫌悪と同時に、しかし一度承認した筋は通し切る。……苦しんで殺されるべきだ。彼の中の潔癖な部分はそれを望む。だが、潔癖故に、それがフェアな感情ではないことも理解している。
黙り込んでしまった囚人の思考を邪魔しないようにと、トラヴィスは静かに息を続けた。
(-377) 2021/10/05(Tue) 4:29:17

【秘】 墓守 トラヴィス → 不覊奔放 ナフ

「……母君と、私とは悪魔の解釈が異なる。私の言う悪魔とは、生まれてはならないもの。人と敵対するさだめのもの。貴様は……為したことさえ真っ当であれば、特筆すべきところなど無い単なる天才ギフテッドに過ぎんよ」

『単なる天才』とは、妙な話だが。
しかし、そう、なのだ。才の使いどころさえ間違っていなければ、人類の進歩を早めた歴史的偉人たちに名を連ねていただろう鬼才たち。それが彼らだ。なにせ、1000年前とは人類の知恵も技術も富も何もかもが向上していて、犯罪への対策もまた同じことだった。それでも。それでも、
行えてしまった


才を、望まれるものにさえ使っていれば、彼は辞典に載る様々な────凡百の偉人たちと変わりはしない存在であったろう。

「…………全く。忌々しい。全くもって認めがたい。」

だからその言葉に情があることも認めなければいけない。
彼は人間だ。
そう認めたからには、その呟きが、偽りであると嘯いて切り捨てるわけには、いかないのだ。

「しかし。貴様、やはり『聞ける』のか。
 それは、さぞ暇潰しに向いた役割だな……」

急に疲れが襲ってきたような感覚に、全身から力を抜いた。
座っている肉体がふにゃんとなったかもしれないが、座りにくさには気遣わないぞ。あれもこれも聞かれていたのなら、もう、釣り針の意味とかまるで無いんだもんな。
(-399) 2021/10/05(Tue) 6:36:37

【秘】 墓守 トラヴィス → 不覊奔放 ナフ

「宗教でいえば、だ。これが数百年も前、貴様が宗教戦争に登用されたのならば、その名は聖人として残っただろう。害した人間の数が変わらなくとも、為したことが変わらずともな。解釈とはそんなもの。人類は貴様らを測りかねている……とも、いえるだろう」

人類にとっての『難問』であるならば、彼の母親一人に解決出来るわけもない。誰も彼の暇を正しい形で潰させることができなかった。結果彼は過ちを起こしたが────それは、つまり。人類が彼という天才の運用を過ったのだ。

「私は犯罪者どもを好んではいない。だが、それは犯罪あってのことだ。勘違いしてもらっては困る。単なる『普通でないもの』を憎み、その生まれを呪うほどに狭量にはできていないよ」

もう少し若ければ嫉妬の類は覚えたかもしれない。奔放さ、天賦の肉体。だが、どちらにせよ憎むほどではない。
憎しみに囚われた己は美しくないからだ。

「……伝えておくよ。まあ、早々処刑されるということも無いだろう。死んだばかりだしね」

その点はさすがに、看守たちも気にすることだろう。トラヴィスもそのつもりだったから、足を灼き落とすのは躊躇したのだ。
(-425) 2021/10/05(Tue) 9:11:45

【赤】 墓守 トラヴィス

【書き置き】

『観客』はナフ。
その点注意したまえ。
つまり、噛んでも死なない役割というわけだ。
(*22) 2021/10/05(Tue) 9:15:05
 




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