人狼物語 三日月国

87 【身内】時数えの田舎村【R18G】


【置】 巡査部長 鬼走

【数年前 某――年 鬼走家】

一般的な人間は、そんな形見に近い物を幾ら壊れているからと言って持って帰るかの問いに頷かない。それは幾ら大人びている晴臣と言う少年も同じだった。

そしてその反応も当然だと鬼走も理解はしている。だから、他に一人にしか語った事のない話を、少しずつ語り始めた。


 これは贈り物で父と母の「家族の物」であったこと。

 昔、母が入院し二人きりの時に落として壊してしまったこと。

 時計屋に持っていけば技術的に直せない訳ではないが高額で、
 当時は入院費などもあり直せないまま今日を迎えたこと。


他にも幾つか深く聞かれた上で、本当に問題ないのかと尋ねられた。勿論問題はない。あるなら提案はしない。それに事実、問題もないのも本当なのだ。だって自分にはもう、


 「──家族ができた」
(L4) 2021/08/15(Sun) 8:59:38
公開: 2021/08/15(Sun) 9:00:00