人狼物語 三日月国

87 【身内】時数えの田舎村【R18G】


【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>@3 >>@4 夜長 【祭りの終わり】

「そうだね」

 夢を見せるなら、最後まで騙していてくれたらよかったのに。
 この夢も、この祭りも
 なまじ楽しいと思ってしまえるから、
 尚の事終わりが来る事の寂しさが募る。
 この夢の終わりを感じ始めてから、何度も思った事。

「うん、夢を見せ続けてくれないなら、初めから。
 皆には、きっとこの夢が終わっても会いに行けるよ。
 でも、僕が本当にこの場所で会いたかった人には
 夢から覚めたら、何処に行っても、もう会えないから。」

 思い出の中にしか居ない人には、思い出の中でしか会えない。
 見ないふりをしていた事実を改めて、喪失感が蘇って行く。
 どうにもならない想いを抱えて、それでもと言葉を継いだ。

「でも、この夢で
 皆と過ごした時間が楽しかったのは本当のこと。

 『みんな』と『この村で』会う事はもう叶わなくても
 僕が思っていたよりもずっと、
 皆は過去に縋り付く事無く"今"を生きていける人達でも
 僕はそれならそれで、どうとでも納得する事はできてしまうし
 呼子姉が皆を好きだった事も、無かった事にはならないから」
(21) 2021/08/19(Thu) 22:10:03