人狼物語 三日月国

77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】


【人】 書生 茅

[ヒトの身に、天狗さまの妖力は過ぎたものだった。
だから青年の身体はそれに見合わんと、変わらんとするのだが…まだ、まだ。足りない。
巡る妖力が暴れ、扱いを知らぬ青年は振り回され……遠くの声を、音にならぬ声までを拾ってしまう。

いっそ、憎めたらよかった。
  憎むには、愛しすぎた。

呪えたら、よかった。
  呪うには、情が湧きすぎた。

生まれついての化生であれば、こんなにも青年を苛むことはなかったろう。
ヒトで、なければ。
  ヒトで、なくなれば。

ざわりと、青年の背中で黒い靄が渦巻く。

欲しいなら、奪えば良い
けれど青年の欲しかったものは…
欲しかった、ものは……]
(70) 2021/06/23(Wed) 20:15:37