人狼物語 三日月国

87 【身内】時数えの田舎村【R18G】


【人】 影法師 宵闇

>>68 >>L14 >>69 >>70 御山洗

「──本音を言うとお前とこのまま別れたくないだけさ。
 ……さよならするなら、納得がいってからがいい」

男は、まるで昔の諦めの悪い少年のような目をしていた。

「俺、この田舎にずっといれたらいいなって思ってるんだ。
 ここにいたら忘れてしまった大事なことを取り戻せそうで。

 ……帰りたくない、お前は、そうは思わないか?」

──そんなことは無理とは、どこかでわかっているのに。

今の宵闇 翔は今にも夢に縫い付けられそうな
"かえりたくない" "このままでいたい"
そういう思いでいっぱいの、だめな大人だった。

男はあなたが本音を言ったのと同じように、本音を返してやった。


「……祭りには一人で行くよ、それは言う通りにする。
 けど、──急に、いなくならないでくれよ。
 俺がまた海に落っこちたら、そのまま沈んじまうかも」

笑顔を作る。

「"またな"」

男は一方的にそう言い放って、背中越しに手を振った。
(74) 2021/08/16(Mon) 17:59:29